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出生
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ドクン。
ドクン。ドクン。
「ッ!」
激しい胸の鼓動に息苦しくなり、私は胸に握り拳を当てた。
ミュルゲール男爵が、フィリシアは自分の姪だと言った時、明らかに私ではない胸の鼓動を感じた。
私の中の、フィリシアの鼓動だと思った。
「これは、私が聞いても良い話ですか?席を外した方が良いですか?」
クロードがミュルゲール男爵に聞いている声に私はハッとして、思わず腕を伸ばしてクロードの腕に触れていた。
「一緒に、一緒に聞いてくださいッ!」
こんな、自分の事じゃない話を、1人で聞きたくないと思ってしまった。
また、私の中で何かが起こるのではないかと思う、得体の知れない恐怖を感じてしまったから。
「フィリシアがそうして欲しいなら、辺境伯にもご同席いただきたいです」
ミュルゲール男爵の話をクロードも一緒に聞くと分かり、私はホッとして目を閉じた。
まだ鼓動は激しく鳴っている。
早く聞きたいと催促している声の様に思えた。
「フィリシア。お前の母親は私の妹、ジュリアと言う名なんだ」
ジュリア。
ミュルゲール男爵に妹がいたと言う話は初めて聞く。
「父親は、ファブルス公爵の侍従だったマークスという男だ」
ファブルス公爵。
ミュルゲール家が男爵の爵位を貰った時に、ファブルス公爵の領地を一部譲り渡した人で、元国王の息子でジョージの腹違いの兄か。
「ミュルゲール家は、元々は農家だった。でも母は、私を何とか出世させたくて伝手を作って、青年公爵だったファブルス家に侍従として仕えさせたんだ」
そこで、ミュルゲール男爵が騎士になる道が拓けたのよね。
ファブルス公爵家でマークスと出会ったことで、ジュリアとマークスの出会いもあったのかしら。
「ただ、母が私をファブルス公爵に仕える様にした本当の目的は、ジュリアをファブルス公爵に見初めさせる為だったんだ」
「え?」
公爵と農民の娘が、結ばれることなんてあるのか?
「フィリシアはジュリアに本当に似ている」
愛おしそうにミュルゲール男爵は私を見た。
「ジュリアも本当に美しい娘でね。公爵領内で絶世の美女と呼び声も高かったんだ。それで公爵領以外でも、いくつも良縁の話があったんだ」
そうだったんだ。
フィリシアが似てるという事は、ジュリアもかなり美人だったという事だものね。
「ジュリアに花嫁修行をさせる為に、私の伝手でジュリアもファブルス公爵家に侍女として仕える様になった。母の思惑通りに事は動いていった」
ミュルゲール男爵の母親は、かなり計算高い女なんだろう。
使えるものは、子供でも利用する。
「ただ、そこで誤算だったのは、ジュリアがマークスを愛してしまった事だ。そして、マークスもジュリアを愛した」
なるほどね。
「ジュリアとマークスの気持ちを知ったファブルス公爵は、ジュリアが他の男と結婚する前に、駆け落ちをする様に勧めてくれたそうだ」
それほどまでに2人は愛し合っていたのね。
フィリシアの両親を追い詰めたのは、フィリシアの祖母だったという事だ。
「2人はマークスの故郷に身を寄せた。そこで新しい生活を始めて、お前がこの世に誕生したんだ」
でも、フィリシアは赤ん坊の時に、ミュルゲール男爵家の前に捨てられていたのよね?
ジュリアとマークスに何かが起きたのか?
「それなのに、なぜ私は捨てられたんですか?2人は私が邪魔になったんですか?」
ミュルゲール男爵は首を振った。
「ジュリアはお前を捨てたんじゃない。私に託したんだ」
「え?」
ジュリアとマークスに、一体何があったの?
ドクン。ドクン。
「ッ!」
激しい胸の鼓動に息苦しくなり、私は胸に握り拳を当てた。
ミュルゲール男爵が、フィリシアは自分の姪だと言った時、明らかに私ではない胸の鼓動を感じた。
私の中の、フィリシアの鼓動だと思った。
「これは、私が聞いても良い話ですか?席を外した方が良いですか?」
クロードがミュルゲール男爵に聞いている声に私はハッとして、思わず腕を伸ばしてクロードの腕に触れていた。
「一緒に、一緒に聞いてくださいッ!」
こんな、自分の事じゃない話を、1人で聞きたくないと思ってしまった。
また、私の中で何かが起こるのではないかと思う、得体の知れない恐怖を感じてしまったから。
「フィリシアがそうして欲しいなら、辺境伯にもご同席いただきたいです」
ミュルゲール男爵の話をクロードも一緒に聞くと分かり、私はホッとして目を閉じた。
まだ鼓動は激しく鳴っている。
早く聞きたいと催促している声の様に思えた。
「フィリシア。お前の母親は私の妹、ジュリアと言う名なんだ」
ジュリア。
ミュルゲール男爵に妹がいたと言う話は初めて聞く。
「父親は、ファブルス公爵の侍従だったマークスという男だ」
ファブルス公爵。
ミュルゲール家が男爵の爵位を貰った時に、ファブルス公爵の領地を一部譲り渡した人で、元国王の息子でジョージの腹違いの兄か。
「ミュルゲール家は、元々は農家だった。でも母は、私を何とか出世させたくて伝手を作って、青年公爵だったファブルス家に侍従として仕えさせたんだ」
そこで、ミュルゲール男爵が騎士になる道が拓けたのよね。
ファブルス公爵家でマークスと出会ったことで、ジュリアとマークスの出会いもあったのかしら。
「ただ、母が私をファブルス公爵に仕える様にした本当の目的は、ジュリアをファブルス公爵に見初めさせる為だったんだ」
「え?」
公爵と農民の娘が、結ばれることなんてあるのか?
「フィリシアはジュリアに本当に似ている」
愛おしそうにミュルゲール男爵は私を見た。
「ジュリアも本当に美しい娘でね。公爵領内で絶世の美女と呼び声も高かったんだ。それで公爵領以外でも、いくつも良縁の話があったんだ」
そうだったんだ。
フィリシアが似てるという事は、ジュリアもかなり美人だったという事だものね。
「ジュリアに花嫁修行をさせる為に、私の伝手でジュリアもファブルス公爵家に侍女として仕える様になった。母の思惑通りに事は動いていった」
ミュルゲール男爵の母親は、かなり計算高い女なんだろう。
使えるものは、子供でも利用する。
「ただ、そこで誤算だったのは、ジュリアがマークスを愛してしまった事だ。そして、マークスもジュリアを愛した」
なるほどね。
「ジュリアとマークスの気持ちを知ったファブルス公爵は、ジュリアが他の男と結婚する前に、駆け落ちをする様に勧めてくれたそうだ」
それほどまでに2人は愛し合っていたのね。
フィリシアの両親を追い詰めたのは、フィリシアの祖母だったという事だ。
「2人はマークスの故郷に身を寄せた。そこで新しい生活を始めて、お前がこの世に誕生したんだ」
でも、フィリシアは赤ん坊の時に、ミュルゲール男爵家の前に捨てられていたのよね?
ジュリアとマークスに何かが起きたのか?
「それなのに、なぜ私は捨てられたんですか?2人は私が邪魔になったんですか?」
ミュルゲール男爵は首を振った。
「ジュリアはお前を捨てたんじゃない。私に託したんだ」
「え?」
ジュリアとマークスに、一体何があったの?
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