優しいあなたは罪な人

五嶋樒榴

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新しい時が流れる

21

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バーベキューもほとんどの食材がみんなの胃袋に収まり、あとはリビングでゆっくり飲むことになった。

「叔父さん。アイス食べても良い?」

「好きにしろー」

独身の詠悟の家にアイスクリームがあるので、若い女の子でも呼んでるなと沙優は思いながらアイスを選ぶ。

「りほと美紅ちゃんも食べるでしょ?どれが良い?」

「わーい。お高いアイスクリームじゃん。誰用だよー」

りほが詠悟を冷やかす。

「美紅ちゃんがいつ来ても良いように買い置きしてるー」

まだ言うかと龍彦は詠悟に仏頂面になる。

「詠悟さんは結婚しないんですか?」

崇人が尋ねる。

「俺は向いてないからなー。自由が一番でしょ?崇人だってまだ結婚考えてないくせに」

「あはは」

藪蛇だったかと崇人は苦笑いする。

「志田さんは?結婚とか考えませんか?」

崇人が裕介に話を振って、裕介は返答に悩む。

「あー、うん、結婚は当分良いかな」

「俺は早くしたい」

龍彦が言うと詠悟と崇人は笑う。

「沙優がなかなか許さないんじゃないのー」

ニヤニヤして隆和が突っ込む。龍彦はフーとため息をついた。

「だよな。そこが一番の問題」

「なんか、本当にみんな仲が良いんですね。シェアハウスも楽しそうだ」

羨ましそうに裕介は言う。

「じゃあ、龍彦を追い出すんで、志田さん一緒に住みますー?」

ダイニングテーブルに座ってアイスクリームを食べる沙優が裕介に話しかける。

「なんで俺を追い出すんだよッ!」

「お!じゃあ、龍彦は俺とここに住むか?たまに可愛い仔猫ちゃんが遊びに来るけど」

楽しそうに詠悟は揶揄う。

「嫌だねッ!なんで美紅と離れてここに住まなくちゃいけないんだよッ!だったら叔父さんのマンション借りるわッ」

言った後に龍彦はハッとする。

「あ!出て行かないからなッ!俺はずっと美紅のそばから離れねーしッ」

龍彦がムキになって、美紅は恥ずかしくなって真っ赤になる。
本当に仲睦まじくて、羨ましいなと裕介は優しい目で美紅と龍彦を見た。
そして、美奈子と添い遂げられなかった事を裕介は考えてしまった。

「志田さん!良かったらまたみんなで飲みません?せっかく知り合えたのも何かの縁だし」

沙優が裕介を誘う。

「そうだよねー。飲みに行くべー」

隆和もノリノリで、他のみんなも同調する。
裕介は、久しぶりに本当に楽しい時間が過ごせたと詠悟に感謝して、沙優はシェアハウスのグループLINに裕介を招待した。
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