short story

五嶋樒榴

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一雫-ヒトシズク-

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ぽちゃんと、一雫の涙がこぼれ落ちそうになった。

筒井さんが好きすぎて。



もし姉さんの弟じゃなかったら、9歳も下の僕を筒井さんが相手してくれるわけがない。

姉さんの弟だから、僕は筒井さんの瞳の中に入ることができた。




姉さんがいなかったら、バス停で並んで立っていただけで終わっていた。

姉さんがいたから、筒井さんは僕を名前で呼んでくれる。




僕の中の葛藤。




でも、僕は、名前を呼んでもらえない時よりも、今の毎日が好き。

あなたの唇で、僕の名前を呼んでもらえる今が幸せ。







僕は、あなたが大好きです。
ずっと、ずっと。
大好きです。





一雫-ヒトシズク-・完
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