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苦い水

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「いいから!もっと激しくしろって言ってんだよ!もっと!」

流星は乱れたシーツを握りしめて、激しくバックから突きまくる椎野疾風に怒鳴り散らす。

「おいおい、久しぶりにご機嫌斜めだな仔猫ちゃん」

容赦なく奥まで激しく突かれ、臓器が全て迫り上がる感じがしながら、流星は喘ぎ声を漏らす。

「顔見せろよ。綺麗な顔が、苦痛で歪むとそそられるんだよ」

仰向けになると脚を上げられる。グッと挿し込まれ流星は痛みに目尻に涙を溜めて疾風を見つめる。

「痛いの我慢しちゃって。かーわいーね」

楽しそうにそう言って、疾風は流星の口の中に、右手の人差し指と中指を入れる。流星はその指を舌で舐める。口元から唾液が垂れる。

「どうしたんだよ。何か嫌なことでもあった?」

流星は答えずただ指を舐め続ける。

「答えないなら止めようかなー」

流星が疾風の右手を握る。

「止めるな。今夜はもう何も考えたくないぐらいめちゃくちゃにされたい」

「理由は?」

流星と疾風が見つめ会う。

「……嫉妬だよ」

流星はそう言うと腕で目を隠す。

「あの人が、今夜も家に帰らない。あの人に抱かれる女に嫉妬してんだよ!」

「………ノンケの男に惚れてるなら、そんなことで一々嫉妬してんなよ」

グッと流星の奥に疾風のモノが再び動き始めた。

「顔が見えねーだろ。腕どかせ」

流星は腕をそのまま疾風の首に回すと唇を貪る。
グチュグチュと舌が絡まる。

「そのデカいのでめちゃくちゃにしろよ」

流星の苦悶に満ちた笑顔に疾風は無言で激しく攻め続ける。

「ああ、ッ!」

「手加減して欲しいか?」

流星は首を振って、疾風にされるままになる。
もう力も入らず痛みも麻痺してきた。それでもヒクつくたびに快感の波は何度も訪れる。
疾風は流星の美しい顔を見続けながら攻撃の手を緩めない。

「何度もイきやがって。早く壊れちまえ」

そう言って流星の頭をギュと抱きしめる。流星も疾風の背中に手を回し抱きしめる。

「!」

流星の中で、疾風がドクンと果てる。切なそうな疾風の顔に流星も感じる。
疾風は力を使い果たし、ハァハァと荒い息遣いに、心臓の鼓動もうるさいぐらいドクンドクンと音を立てている。
それを聞きながら流星の意識が遠くなっていく。そのまま眠りに落ちた。
眠る流星の頬を疾風は指で撫でる。

「無理しちゃって。バーカ」

寝顔を愛おしそうに見つめてベッドから出ると、疾風はシャワーを浴びに行った。
激しくしたせいか疾風の腰も怠かった。
部屋に戻って疾風は煙草に火を付ける。煙を吐き出すと、煙草を咥えたままカーテンと窓を開け真っ暗な空を見る。

「星も見えねーや。明日は雨か」

灰を灰皿に落とし、また吸い込んでは煙を吐く。

「煙い」

ベッドから流星の声が聞こえてきた。
カーテンを閉めて部屋の電気を点けると、流星は眩しそうに目を逸らした。

「目覚めたかよ、お姫様」

からかう様に疾風は言う。

「たいして寝てないだろ。いい感じに疲れた」

煙草を消すと疾風はベッドにまどろむ流星の近くに腰を下ろす。

「強がるなよ。どうせ腰が抜けてんだろ」

流星は言い返さない。疾風のパンツの上から疾風のモノをグッと掴む。

「なっ!いって!」

「俺に握られただけで勃つくせに」

仕返しとばかりに流星は言う。

「……バーカ。お前の顔見てるだけで勃つよ」

流星は見上げながら疾風を見つめる。

「動けねーんだよ。しゃぶってやるからパンツ脱げよ」

流星のセリフに疾風は吹き出した。

「しゃぶらせてくださいの間違いだろ」

「じゃあ、しゃぶらねー」

疾風は流星の頬を撫で親指で唇をなぞる。そして流星の口の中に親指を入れる。
ちゅぷちゅぷと流星は疾風の指を舌を使いながらしゃぶる。

「今夜、泊まっていくか?ガサ入れがあるから俺は朝早いけど」

ペロッと舐めて親指を外す。

「今夜は一緒にいたい」

熱い眼差しで流星は言う。泊まっていくのは初めてだなと疾風は思った。

「バーカ」

疾風はそう返すと、流星の隣に寝そべりキスをした。
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