鳴かない杜鵑-ホトトギス-(鳴かない杜鵑 episode1)

五嶋樒榴

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生温い水

9

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コレクター連続殺人事件とマスコミが囃し立てていた。
事件が解決したとはいえ、検察で精神鑑定が実施されると聞き、疾風はスッキリしない結末に疲労だけが蓄積されていた。

「お疲れ」

水帆に声をかけられ疾風は水帆を見つめる。

「お疲れ様でした」 

「浮かない顔してるけど、これが現実だ。被害者のためにも、逃げられないように実刑が科されると良いと思うけどね」

この先裁判が進んでいき、死刑が求刑されることを願うばかりだった。

「出来ることなら、もう二度と会うことがないといいね。これからも仕事頑張ってね」

水帆は魅力的な笑顔で笑うと疾風に背を向けた。疾風は深々と頭を下げ水帆を見送った。
警視庁を出ると、疾風は真幸のマンションに向かい、途中で電話をかけた。

『よう。事件解決したな』

開口一番真幸が言った。

「まあな」

疾風の歯切れが悪いのを真幸はすぐに汲み取る。

『なんだよ。別れ話か?』

余裕の声で真幸は言う。

「思ってもないくせによく言うわ」

疾風も返す。

「今、どこ?」

『教えない』

真幸が勿体つける。

「後生です!教えてください!」

疾風が芝居掛かって言うと真幸は笑う。

『マンション来てもいーよー』

真幸の答えに疾風はチッと舌打ちする。

「今から行くから、支度しとけ。生で出してやる」

疾風はそう言うと電話を切った。
真幸のマンションの前に来ると、すぐ近くにベンツが停まっていた。恐らく真幸関係だとすぐ分かったが、疾風はわざと車を見ないでマンションに入った。
ロックを解除してもらい最上階に着くと、真幸の玄関のドアを開けた。
真幸はバスタオルを腰に巻いて疾風を出迎えた。墨に疾風は目を奪われる。
真幸に屈み込みキスをした。
厭らしい疾風の舌の動きに、真幸も舌で応える。
唇が離れると唾液が糸を引いた。

「早いな。もっと時間かかると思ってた」

「途中まで来ていて電話したからね。じゃないと気が短い誰かさんが、俺が来る前に1発抜いちゃうから」

勃起した写メを真幸が送ってきたことを言う。

「つーか、もうシコった?」

真幸の耳元で疾風は言う。

「してねーよ!そこまで聞き分け悪くないぜ」

真幸の言葉に疾風は笑う。

「どれ、見せてみろよ」

疾風はその場でしゃがむと、真幸のバスタオルを剥ぎ取る。

「ちょッ!ここ玄関だぞ!」

真幸はそう言って疾風に見られることに興奮した。

「勃起してますけどー」

笑いながら疾風は言う。真幸は目を伏せる。

「触られるの期待してるトコ悪いけど、シャワー浴びるわ」

疾風は触りもせずに立ち上がった。

「おい!放置プレイかよ!待ってやったんだぞ。しゃぶれ!」

真幸が命令する。疾風は笑う。

「しゃぶってくださいだろ。全く」

壁にもたれかかる真幸の前に膝を着くと、疾風は真幸のモノをしゃぶり始めた。

「んんッ!疾風。疾風、もっと、激しくしろ」

疾風が絞るように出し入れを激しくする。

「あッ!気持ちいい。疾風、もっと!」

ちゃぽんと疾風が口から出す。

「やぁ!なんで、出すんだよ」

切ない顔で真幸が疾風を見つめる。

「可愛く甘えてみろよ。これ、どうして欲しいの?ほら、言えよ」

お得意の焦らしが始まる。疾風はわざと優しく舌先で裏筋を舐め上げる。真幸はビクンと反応する。

「もっと、舐めてぇ」

ビクビクしながら真幸は言う。疾風はいたぶるように、舌先だけで攻める。

「我慢できない。しゃぶって」

指をしゃぶりながら真幸はおねだりする。綺麗な顔に疾風はゾクゾクする。

「お願い。疾風の口でイかせてぇ」

疾風が再び口に含むと、もう真幸は立っていられないほどの快感にすぐにイってしまった。
壁にもたれながらハァハァと息を乱し、真幸は久しぶりの疾風を実感した。

「……全く、あっけねーな」

疾風は笑って立ち上がると、真幸を見て笑いシャワーを浴びに行く。
真幸は痺れる身体でリビングに戻るとソファーに横になった。
疾風が部屋にいるだけで真幸は幸せを感じていた。

「ほら、ベッド行くぞ」

「起きれなーい」

真幸が甘えて手を伸ばす。
疾風は真幸に抱きつくと唇を重ねる。優しいキスに真幸も素直に応える。
もう離したくないと言うように、疾風の首に回す腕に力を入れて、真幸は疾風の唇を貪る。

「俺が我慢できない。ここで挿れていいの?」

「ベッドに用意してる。お前指定のゴムも」

「生でするって言っただろ」

「やだぁ」

真幸が以前のトラウマがあるのかイヤがる。

「じゃあ、早くベッド行くぞ」

ベッドに真幸を寝かせると、疾風は真幸に覆いかぶさりキスをする。
真幸の脚を開きたっぷり愛撫を施す。

「中、キツいな。浮気せずにイイコで待ってたんだ」

「バーカ、お前専用っつてんだろ」

疾風の愛撫に真幸は恍惚の表情で喘ぐ。
疾風も我慢できなくなり、真幸の中に挿れていく。

「あッ!ああ!」

久しぶりの疾風に真幸は枕を握りしめて悶える。

「狭い。先しか入らねぇ」

疾風はゆっくり入り口で抜き差しする。

「てめぇのがデカすぎるんだよ」

疾風は痛みに歪む真幸の美しい顔に興奮する。
腰を沈めていく。真幸は痛みと熱に身体が震える。

「ああ、疾風!裂けそう」

真幸が堪らずギュッと抱きつく。

「無理?抜くか?」

「………だ、大丈夫。だけど、もっと、ゆっくり、しろ」

疾風はキスをしながら腰を進める。真幸はしがみついて唇を吸う。

「あッ!んんッ!」

奥まで入ると真幸がギュッと疾風に抱きつく。

「やべぇ。すげぇ気持ち良すぎる」

疾風が抱きしめる力が強すぎて真幸は息ができない。
ゆっくり疾風は腰を動かす。真幸はその動きに喘ぎまくる。

「気持ち、いい。真幸の中、すげぇ」

しばらくして腰の動きが早くなっていく。真幸も擦れる熱にビクビクと感じまくる。

「ああッ、気持ち良すぎる。真幸、もっと、激しくするぞ」

真幸は疾風のするままになる。

「疾風!イくッ!」

真幸の中が激しく痙攣すると振動が快感なのか勃起している。その淫靡な姿に、疾風もイきそうになる。

「何勃たせてんだよ。煽るなよ。止まんねー」

真幸の脚を肩に乗せ深々と刺す。腰を押さえて激しく腰を振る。

「真幸、いくぞ、イくッ!」

ドクンドクンと真幸の中で果てた。あまりの気持ち良さに疾風は深く息をする。真幸はずっとピクピクしている。

「ったく、乱暴なんだよ。ケツが痛え」

うっすらと微笑んで真幸が言う。その顔は幸せそうである。

「快感のくせに」

疾風がそう言うと真幸は疾風にキスをする。

「1箱使い終わるまで帰さない」

真幸の言葉に疾風は微笑む。

「帰らないよ」

真幸はもう今死んでもいいと思った。
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