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第一話
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「!………………なッ!……………けんッ!」
絢斗の柔らかな唇が離れて、茉莉はびっくりしたまま絢斗を見つめる。
絢斗はフッと笑って、そのままずっとニヤニヤしている。
茉理は真っ赤になっておでこを両手で隠した。
「おまッ!……………今、なにした!」
「でこちゅー」
しれっと真顔で絢斗は言う。
「………!で、でこ、でこちゅーじゃないだろッ!なに、ふつーにさらっと言ってんだよ!」
焦る茉理に一向に動じない絢斗。
「でこちゅーだってば」
「ち、違う!そう言うこと、言ってんじゃなくて、なに、してくれてんだよって事だよ!」
まだ焦っている茉理は、なかなか普通に言葉にならない。
「したかったから。茉理、可愛いし、良い匂いだし」
全く動じない絢斗に、茉理はモヤモヤしてたまらない。
「……………理由に、なってねーし!……………バカッ!」
ニヤニヤしながら、狼狽る茉理を見つめる絢斗。
「男同士で、おかしいだろッ!」
真っ赤なまま、目をそらして茉理は言う。
「んー。ね。でもさ、したかったら、男同士とか関係なくね?」
絢斗はそう言うと、うーんと伸びをした。
「……………でも、嫌だったらごめん」
悲しそうに絢斗は言う。
その顔に茉理はドキンとする。
「嫌とか、そりゃ、嫌と言うか、その……………そんなの感じる前に、ビックリだったし、って、突然、訳わかんねーしッ!」
茉理はそう言うと、体育座りになって膝に顔を擦り付ける。
「……………髪撫でてたら、したくなった。触れてたら、したくなった。茉理が好きだから」
絢斗の突然の告白に、びつくりしっぱなしの茉理はバッと顔を上げて絢斗を見つめる。
「好き……………好きって、それって!どう言う好きだよ!」
絢斗はほっぺをカリカリと人差し指で掻く。
「どう言う?それ、難しいなぁ。好きって好きとしか言えねーし」
絢斗の答えに茉理は詰まる。
どう考えても友達の好きじゃないことぐらいは分かる。
「別にさ、茉理にどうこうしろって求めてないけどね。ただ俺は茉理が好きだから、触りたいと思ったら触るし、ちゅーしたいと思ったらするし」
ふつーに語る絢斗を恨めしい目で茉理は見つめる。
「分かんないよ!って触られたり、いきなりちゅーされたらびびるしッ!」
ぷーと膨れっ面で茉理が言うと絢斗は笑う。
「びびるだけなら良いよ。嫌じゃなければ」
あははと絢斗は笑いながら言う。
「い……………嫌って言うかッ!」
嫌だとは正直思わなかった。
それは小さな頃から幼馴染で、大好きな友達だから。
「……………嫌がることはしない。でも、我慢できない。さっきみたいに一哉がお前を触るのも嫌だ。俺の気持ちはマジだから」
絢斗の告白に茉理はパニックになる。
「一哉は別にいつもあんな感じじゃねーか!って、いつからそんな風に?だって絢斗、中学の時には彼女だっていたじゃん!俺のこと、別になんとも思ってなかったじゃん!」
そう。
絢斗の歴代の彼女だって知っている。
ふつーに恋愛を楽しんできたと思っていた。
「近すぎて気がつかなかった。特別すぎて、この気持ちがなんなのか分からなかった。周りに女が居なくなって、お前だけ見てて、やっぱり俺が好きなのはお前だって確信した。気付いてからずっと1年我慢してたんだぞ。ただお前だけ見て我慢してた俺を褒めろ」
一方的な絢斗の言葉に茉理は目が点になる。
「おまッ!自己チュー!」
茉理が吠えると絢斗は笑いながら茉理の頬に掌を当てた。
「そんな事、知ってんだろ?」
飛びっきりにカッコいい顔で爽やかに言う絢斗に、茉理は言い返す言葉が見つからなかった。
絢斗の柔らかな唇が離れて、茉莉はびっくりしたまま絢斗を見つめる。
絢斗はフッと笑って、そのままずっとニヤニヤしている。
茉理は真っ赤になっておでこを両手で隠した。
「おまッ!……………今、なにした!」
「でこちゅー」
しれっと真顔で絢斗は言う。
「………!で、でこ、でこちゅーじゃないだろッ!なに、ふつーにさらっと言ってんだよ!」
焦る茉理に一向に動じない絢斗。
「でこちゅーだってば」
「ち、違う!そう言うこと、言ってんじゃなくて、なに、してくれてんだよって事だよ!」
まだ焦っている茉理は、なかなか普通に言葉にならない。
「したかったから。茉理、可愛いし、良い匂いだし」
全く動じない絢斗に、茉理はモヤモヤしてたまらない。
「……………理由に、なってねーし!……………バカッ!」
ニヤニヤしながら、狼狽る茉理を見つめる絢斗。
「男同士で、おかしいだろッ!」
真っ赤なまま、目をそらして茉理は言う。
「んー。ね。でもさ、したかったら、男同士とか関係なくね?」
絢斗はそう言うと、うーんと伸びをした。
「……………でも、嫌だったらごめん」
悲しそうに絢斗は言う。
その顔に茉理はドキンとする。
「嫌とか、そりゃ、嫌と言うか、その……………そんなの感じる前に、ビックリだったし、って、突然、訳わかんねーしッ!」
茉理はそう言うと、体育座りになって膝に顔を擦り付ける。
「……………髪撫でてたら、したくなった。触れてたら、したくなった。茉理が好きだから」
絢斗の突然の告白に、びつくりしっぱなしの茉理はバッと顔を上げて絢斗を見つめる。
「好き……………好きって、それって!どう言う好きだよ!」
絢斗はほっぺをカリカリと人差し指で掻く。
「どう言う?それ、難しいなぁ。好きって好きとしか言えねーし」
絢斗の答えに茉理は詰まる。
どう考えても友達の好きじゃないことぐらいは分かる。
「別にさ、茉理にどうこうしろって求めてないけどね。ただ俺は茉理が好きだから、触りたいと思ったら触るし、ちゅーしたいと思ったらするし」
ふつーに語る絢斗を恨めしい目で茉理は見つめる。
「分かんないよ!って触られたり、いきなりちゅーされたらびびるしッ!」
ぷーと膨れっ面で茉理が言うと絢斗は笑う。
「びびるだけなら良いよ。嫌じゃなければ」
あははと絢斗は笑いながら言う。
「い……………嫌って言うかッ!」
嫌だとは正直思わなかった。
それは小さな頃から幼馴染で、大好きな友達だから。
「……………嫌がることはしない。でも、我慢できない。さっきみたいに一哉がお前を触るのも嫌だ。俺の気持ちはマジだから」
絢斗の告白に茉理はパニックになる。
「一哉は別にいつもあんな感じじゃねーか!って、いつからそんな風に?だって絢斗、中学の時には彼女だっていたじゃん!俺のこと、別になんとも思ってなかったじゃん!」
そう。
絢斗の歴代の彼女だって知っている。
ふつーに恋愛を楽しんできたと思っていた。
「近すぎて気がつかなかった。特別すぎて、この気持ちがなんなのか分からなかった。周りに女が居なくなって、お前だけ見てて、やっぱり俺が好きなのはお前だって確信した。気付いてからずっと1年我慢してたんだぞ。ただお前だけ見て我慢してた俺を褒めろ」
一方的な絢斗の言葉に茉理は目が点になる。
「おまッ!自己チュー!」
茉理が吠えると絢斗は笑いながら茉理の頬に掌を当てた。
「そんな事、知ってんだろ?」
飛びっきりにカッコいい顔で爽やかに言う絢斗に、茉理は言い返す言葉が見つからなかった。
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