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「大丈夫?」
優しく気遣うような口調の声を聞くのは久しぶり。
「ええと・・・」
暖かい。柔らかなベッドの感触と、抱き締められてる感覚。
でもまだ目が開けられない。
「ここ・・・どこですか?」
「んー、同僚の家。君が僕の目の前で倒れたからさ、緊急避難」
「救急車呼ばずにですか?」
「うん。こっちの世界の医療じゃ君を治せないからね」
「こっちの世界?! 痛ぅ」
さすがにびっくりして飛び起きたけど、全身に痛みが走ってベッドに逆戻り。
少しだけ目を開けれたけれど、視界は暗いまま。
そして私よりちょっと年上であろう青年に、ベッドの上でもう一度抱き締められる羽目になった。
「話すと長くなるから、優先順位高い方から話すね。
まずは君は死にかけてた。
表向きは病死に見せかけ、邪法・・・こっちで言うなら呪いみたいなもので命を奪われるところだった。
君に埋め込まれた邪法は除去したけど、邪法が君の体内を破壊したところまでは治せなかった
理解しにくいだろうけど、それが君の現状なんだ」
耳から入ってくる内容は、既に現実味のない内容ながら、両親が亡くなってから理不尽に日常を壊された部分とシンクロする何かを感じた。
「じゃあ・・・治らないの?」
怖くなった。何もかも奪われて消えていく自分を感じて。全身が小刻みに震えだして止まらない。
「治せる方法はあるよ。でも、君に選んでもらわないといけないんだ。
まずはゆっくりお休み。
それから決めても間に合うから大丈夫」
彼のその言葉の後、聞き取れない呟きが聞こえたと思った途端に意識が遠くなった。
「君だよね。《僕》が見えてた女の子」
私を抱き締めてた青年が《彼》で、そんな呟きをしてたなんてまったく知らなかった。
優しく気遣うような口調の声を聞くのは久しぶり。
「ええと・・・」
暖かい。柔らかなベッドの感触と、抱き締められてる感覚。
でもまだ目が開けられない。
「ここ・・・どこですか?」
「んー、同僚の家。君が僕の目の前で倒れたからさ、緊急避難」
「救急車呼ばずにですか?」
「うん。こっちの世界の医療じゃ君を治せないからね」
「こっちの世界?! 痛ぅ」
さすがにびっくりして飛び起きたけど、全身に痛みが走ってベッドに逆戻り。
少しだけ目を開けれたけれど、視界は暗いまま。
そして私よりちょっと年上であろう青年に、ベッドの上でもう一度抱き締められる羽目になった。
「話すと長くなるから、優先順位高い方から話すね。
まずは君は死にかけてた。
表向きは病死に見せかけ、邪法・・・こっちで言うなら呪いみたいなもので命を奪われるところだった。
君に埋め込まれた邪法は除去したけど、邪法が君の体内を破壊したところまでは治せなかった
理解しにくいだろうけど、それが君の現状なんだ」
耳から入ってくる内容は、既に現実味のない内容ながら、両親が亡くなってから理不尽に日常を壊された部分とシンクロする何かを感じた。
「じゃあ・・・治らないの?」
怖くなった。何もかも奪われて消えていく自分を感じて。全身が小刻みに震えだして止まらない。
「治せる方法はあるよ。でも、君に選んでもらわないといけないんだ。
まずはゆっくりお休み。
それから決めても間に合うから大丈夫」
彼のその言葉の後、聞き取れない呟きが聞こえたと思った途端に意識が遠くなった。
「君だよね。《僕》が見えてた女の子」
私を抱き締めてた青年が《彼》で、そんな呟きをしてたなんてまったく知らなかった。
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