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「カレン、俺にしとけと」
寝台で仰向けになり、甘えた声で私にふざけた事を言ってきた。
「ふざけた事を。何故伯爵程度の貴方を選ばなければいけないの?格下のくせに」
寝台を降り服を着ながら、吐き捨てた。
1つ上のツバル伯爵家の長男、ウェン。
遊び相手の1人で、当然だが私に惚れ込んでいるから何でも言う事を聞いてくれる。
「だからいいんだろ。公爵のお前が来たら誰も逆らえない。女王様になれるし、お前の言うことは何でも聞いてやるから。別に今まで他の男と遊んでいたって俺は気にしないぜ。俺に落ち着いてくれてたら、それでいいんだ」
「私はブライアン様の妻になるのよ。後ろ閉めて」
後ろを向き指示をした。
「ブライアン様はあの女に決めたんだろ。お前が選ばれるのはさすがにもうないだろ。婚約して半年も経つしな」
不貞腐れるように起き上がると、言われるようにボタンを閉めだした。
「何言ってるの!あんな女すぐに飽きるわ。私が1番相応しいんだから!」
どいつもこいつも、何故私を苛立つ事しか言わないの。
兄様だって、私が本気で懺悔などするわけが無いとわかっている筈を、いけしゃあしゃあと私の前で、お前もやっと変わったな、と言ってきて腹立たしい限りだ。
その上、ブライアン様が惚れたらあんなに束縛する奴だったんだな、とか、何故逆撫でするようなことをわざわざ私に言ってくるのか、信じられない。
「出来たぜ。俺にしとけって。爵位以外はなんの問題もないだろ。身体の相性もいいし、お前の言うことは何でも聞いてやるし、金だって困らない」
「黙りなさい!それよりも早く服を着て屋敷に送りなさいよ!!」
「わかったよ。そんな怒んなよ」
分かってないわ!
私が王妃なったら、こんなやつ遠くに飛ばしてやるわ。
仕方なく相手してあげてるのに、男とは何度か相手をしただけですぐに自分のものみたいに勘違いする馬鹿な生き物だわか。
「それと、明日の事、忘れてませんよね?」
ウェンが服を着ながら、嫌そうにしながらも頷いた。
「宜しい」
ふふっ、笑いが漏れる。
これで全てが元に戻るわ。いいえ、私の思い通りの結末が訪れるわ。

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