7 / 14
六幕
「んっ♡ ふっ……♡ ふぁ……♡」
ちゅ……♡ ちゅっ……♡ ちゅぅ……♡
絡み合った唇の隙間から漏れてくる雪音の鼻にかかった吐息が、迅牙の耳を犯す。
雪音の唇は、夢見心地の味がする。ちゅ♡ ちゅ♡ と何度となく角度を変えて口吸いをしている内に、迅牙は我慢が効かなくなって、分厚い舌で雪音の唇を割り開いていた。
唾液が──女を狂わす媚薬が、雪音の咥内に侵入してしまう。そう思って、迅牙は舌を引っ込め、唇への愛撫だけに留めようと努めるのだが、あまりの気持ち良さに誘われて何度も舌を挿し込んでしまった。
ちゅッ……♡ ぢゅっ♡ ぢゅぷっ♡ れるれる……♡ ちゅぷぷ♡
「んあっ……♡ んんっ、はぁっ……♡ 迅牙殿……♡」
唇が離れるのを嫌がってか、雪音が迅牙を甘く乞うた。煌めく銀の糸がそれに応えるように、ふたりを結ぶ。
唾液で濡れた雪音の唇が、置き行灯の仄かな明かりに照らされ、てらてらと輝いている。紅潮した頬が、潤んだ瞳が、半開きになった口から漏れる法悦の息遣いが、雪音がいかに媚薬の餌食になっているのかを示していた。
凄絶な色香だった。雪音はただただ、乱れた呼吸を整えようとしているだけなのであろうが、その浅い息遣いだけで、ありとあらゆる雄をいくらでも惹きつけることができるだろう。
その証拠に、迅牙の魔羅がむくむく♡ と勃ちあがり始めていた。まだ直接触られたわけでもないのに、血液が絶えず流れ込んで、忍び装束の下衣をぐぐぐ♡ と押し上げている。
「はっ……雪音……っ」
迅牙はごくりと生唾を呑み込み、食べ頃を迎えているであろう雪音の裸身を隠す着物に手をかける。
しかし衿を掴んだまま、迅牙はしばし躊躇った。
半年の間、目に入れないようにしていた雪音の裸身。それが男の生殖本能を凄まじい勢いで呼び起こす芸術品だということを、迅牙は痛いほどに知っている。
いま、雪音の生まれたままの姿を見てしまったら。雪音を欲望のままに貪ってしまうだろう。
これで雪音が死ぬような事態になったら、悔やんでも悔やみきれない。
だがしそんな迅牙の懊悩など、雪音の言葉ひとつ、声ひとつで、呆気なく崩れ去る。
「迅牙殿……♡」
なんと甘美で悩ましい呼び声か。迅牙は鼓膜の震えに呼応して、両腕を思いきり引いた。
傷ひとつ、シミひとつとしてない珠の肌が、火照って桃の花のように薄く色づき、匂いたっている。
清流をゆく白魚のような指が、迅牙の忍び装束を控えめに掴む。細い首筋と細い肩が、ふるふると震えていた。
寝そべっていてもなお、綺麗な椀の形を保つたわわな乳房。その中心にある、桜色の乳輪、乳首。掴めば折れてしまいそうな柳腰と、むちむちと音が聞こえてきそうな太もも……。
どこひとつ切り取っても、男の性欲を増幅させる雪音の媚態。
妖艶を司る女神が存在するとするならば、それはきっと雪音のことに違いない。
「……っ、雪音」
迅牙は、清艶にして淫靡な雪音を前に、獣のように唸った。
魔羅が膨れ上がって窮屈になった下衣は、はやく精を吐き出したいと急く先走りの液で、もう目も当てられないほどに濡れている。
少しでも気を鎮めようと深く息を吸い込んでも、それはフーッッ♡ フーッッ♡ という荒々しい呼吸に変わるだけで、猛りだした迅牙の雄は一向に大人しくならない。
──ビリィィッッッ
脱ぐ暇さえ惜しいと、迅牙は下衣を引き裂いた。
迅牙の肉魔羅が、雪音の前に晒される。
天井を突き破らんと屹立する、赤黒い陰茎。その先端からどぷどぷと溢れる透明の汁が、傘の張った雁首を伝って肉竿に滴り、ぱんぱんに張り詰めた陰嚢をなぞる。
迅牙は雪音の脚を少しだけ左右に開き、その内腿に脈打つ魔羅を押し付けた。
「う、ぐっ……♡」
絹のように滑らかな白い腿に、魔羅がゆっくりと埋まっていく。柔らかく、優しくも淫らな感触に、迅牙の肉竿はたちまち快感の虜となった。背骨を伝って駆け上がる陶酔が、迅牙の前頭葉を叩いて視界を点滅させた。
「はぁっ……はぁッ……♡ 雪音、雪音……っ」
迅牙は雪音の腿を撫で回すように、魔羅をずりずり♡ と擦りつけ続けている。先走りの欲望が雪音の皮膚に染み込んでしまうとわかっていても、全身を粟立たせる快感ゆえに止めることができない。
緩慢な腰振りもそのままに、迅牙はその大きな手で雪音の乳房を捕らえた。
こちらも太ももに負けず劣らず、肌触りが良くすべすべしている。指が食い込むようにして乳房に沈んだが、それを押し返そうとする弾力もあり、なんとも形容しがたい柔らかさだ。
もにゅんもにゅん♡ むにっ……♡ ふにゅんふにゅん♡
迅牙がやわやわと胸を揉めば、たちまち雪音の身が捩れてうねる。
「あんっ……♡ あぁ……っ♡ 迅牙殿……♡ もっと、もっとくださいませ……♡」
雪音は眉尻を下げ、瞳を発情で溶かし、唇に緩やかな弧を描きながらも──泣いていた。
半年。季節がふたつ移ろうという長い時間を、雪音はじっと耐えて待っていたのだ。迅牙が触れてくれるそのときを。迅牙が搔き抱いてくれるそのときを。
そしていま、ついにそのときを迎えた雪音の心中はいかほどのものなのか。
これまで累積してきた淋しさで詰まっているのだろうか。あるいは、迅牙と触れ合える喜びで溢れかえっているのだろうか。はたまたその両方か。
迅牙は雪音の涙を掬い、その濡れた指で乳房の頂点にそっと触れた。
「んんっ……♡」
雪音が一際高い声で鳴き、肩をびくりと強張らせた。この桜の蕾は、雪音がよく感じる箇所のひとつだ。両の乳首を中指の腹ですりすり……♡ と軽く擦ってやれば、雪音はすぐさまヨがりだす。
「あぁっ……♡ はぁんっ……♡♡」
迅牙は、熱を帯びた雪音の下乳をやんわりと揉む一方で、乳輪の輪郭をゆっくりと撫でた。時折、焦らすように乳首の先端を掠めれば、雪音が切なそうに腰をくねらせる。
「迅牙殿ぉっ……♡ いじわるしないで……♡ 雪音は……っ、気持ち良くなりとうございます……♡♡ 迅牙殿に愛されとうございます……っ♡♡」
意地悪いのは迅牙の性根ではあるが、雪音への愛撫を渋っているのは、それが原因ではない。
この雪音の美しい乱れっぷりを見ていたら、ろくに刺激を与えていないこの魔羅から白濁の液が飛び散ってしまいそうで、迅牙は戸惑っていた。
妓楼で三日間、たっぷりと精を出し尽くしたあとのはずなのに。女を抱いたことのない、青臭い童貞でもあるまいに。
これが雪音の、純真無垢なる魔性が成せる業なのか。
淫欲が、精気が、人間の中に等しく宿る生命力が、雪音の肌膚に触れているだけで際限なく溢れ出てくる。
このまま雪音に快感を与え続ければ、迅牙は必ず、心のままに精を吐き出したくなるだろう。それも、雪音の中に。
それが、どれだけの媚薬を雪音に浴びせることになるか。考えるだに恐ろしい。
それでも迅牙には、雪音を気持ち良くさせたいという想いもあった。
幼子のように自分を一心不乱に求めてくれる雪音が、どうしようもなく愛おしい。
迅牙は苦悶に顔を歪めながら、雪音の乳首を優しく摘まんだ。
きゅむっ♡ きゅむっ♡ こりこりこりこり……♡♡ ぴんぴんぴんぴんッッ……♡♡ もにゅもにゅもにゅ……♡♡
一定の律動で乳頭を圧しては放し、放しては圧し。そうかと思えば表面を軽く押し潰して、円を描くようにして転がし。
そしてダメ押しと言わんばかりに、すっかり勃ち硬くなった乳首を弾いて乳房を揉みしだく。
「あんっ……♡ あっ♡ あっっ♡ あッッ♡♡ んあぁっ……♡♡」
雪音は、喉元を迅牙に捧げるようにして仰け反った。もう膣の方も弄って欲しくて堪らないのだろう。腰が徐々に浮き上がっていき、腿に埋まっていた迅牙の魔羅が放たれた。
代わりに差し出された膣への入り口に、迅牙は右手の人差し指と中指をそうっと忍ばせた。
花びらのごとく鮮やかな陰唇が、「おいでおいで」と、魔羅を誘うように妖しく蠢いてる。蜜にも似た愛液が、縁をなぞってとろりと零れてきた。
上部を飾る陰核は触ってもいないのに半勃ちで、あとほんの少し皮を剥けば、すぐにでもぷっくりとした実が顔を覗くことだろう。
ちゅぷぷぷぷぷぷ……♡♡
「んあぁっ……♡♡」
二本の指を膣の中に潜らせれば、雪音の腰がたちどころに高くなった。まだ快感が物足りないのか、迅牙の指を奥へ奥へと導くように上下している。
膣の中で犇めく肉襞の蠕動は、肉食動物の暴食をも想起させる苛烈さだった。
迅牙が指先をちょいと動かしただけで、千はあろうかという小さな襞ひとつひとつが、膣の中を縦横無尽、好き勝手に暴れだした。そのくせ、指にちゅ、ちゅと吸い付き、絶対に離そうとしない。おまけに、指の根元、関節、指の腹にしっかりと絡みついては、きゅ♡ きゅ♡ と締めて緩めてを繰り返している。
雪音の膣は、ミミズ千匹に俵締めの名器も名器。
この膣の中に納めているのが、指ではなく魔羅であったならば。快楽に弱い雄など、抗う間もなく射精してしまうことを、迅牙は知っている。
そして膣中を嬲ったまま外の陰核を親指で撫でてやれば、ほらこの通り。
くにゅっ♡ くにゅっ♡♡ ちゅぷちゅぷちゅぷちゅぷっ♡♡ ちゅぷちゅぷちゅぷちゅぷっっ♡♡♡
「ひあぁっっ♡♡ 待って……っ♡ 待って、迅牙殿っ、迅牙殿……っっ♡♡ 雪音はっ、雪音はぁ……♡♡ ひっ♡ んっ♡ んん──ッッ♡♡♡」
びくんッッ♡ ぴくっ……♡ ぴくんぴくん……っっ♡♡
雪音は果てながらも、膣に納まったモノを道連れにしようと、無意識に肉襞を捩じり、上げ下ろし、限界一杯まで窄めるのだ。
迅牙の魔羅はもう、暴発寸前だった。
いますぐこの雄魔羅を、雪音のとろとろになった膣に納めてしまいたい。
そんな甘美な誘惑を寸でのところで振り切り、迅牙は枕元に置かれた浅草紙を乱暴に、数枚掴み取った。
すっかり硬く、重くなった剛直を、浅草紙で包み込む。そうして迅牙は数回、己を扱いて紙の中に精を吐き出した。
びゅッッ♡ びゅぶるっ♡ びゅっ♡ びゅっ♡ びゅっ……♡♡
「く、ぅ……」
射精が終わったところで、迅牙は紙を握り潰すように丸めて投げ捨てた。
深く息を吸って、無理やり呼吸を整わせ、夜具に白い躰をくたりと投げ出している雪音の顔を窺う。
雪音は快感に悶えているものの、気が触れている様子はない。
これが、雪音を殺さずに済む境界線なのだろう。
媚薬の効果が強力なのは唾液、血、それて精液。そしてその媚薬を吸収しやすいのは、粘膜、特に膣だ。
精液を膣にさえ触れさせなければ、大事はない。
迅牙は眉間に深い皺を寄せ、ギッと奥歯を噛みしめた。
不満がない、と言えば嘘になる。
雪音の蜜壺に魔羅を挿し込み、思う存分に腰を振りたくって快楽の頂点まで昇りつめたい。雪音の奥深くに魔羅の先端を突きつけ、滾る精子で子宮を満たし、子を成したい。
だが迅牙は、すべてを諦めた。最後の最後まで迷いに迷って、雪音の命を選んだ。
「……雪音。俺はもう、絶対に妓楼に行ったりはしねえ。他の女を抱くこともない、約束する」
迅牙は雪音の頬を優しく撫でながら、取り決めたことをぽつりぽつりと語りだす。
「だからお前も、房中術は封印しろ。俺は……任務であってもお前が他の男に跨るなんて、我慢できねえ」
半ば夢現といった面持ちの雪音は、頬に添えられた迅牙の手に自分の手をそっと重ねると、実に信じがたい言葉を呟いた。
「……嫌、です」
ちゅ……♡ ちゅっ……♡ ちゅぅ……♡
絡み合った唇の隙間から漏れてくる雪音の鼻にかかった吐息が、迅牙の耳を犯す。
雪音の唇は、夢見心地の味がする。ちゅ♡ ちゅ♡ と何度となく角度を変えて口吸いをしている内に、迅牙は我慢が効かなくなって、分厚い舌で雪音の唇を割り開いていた。
唾液が──女を狂わす媚薬が、雪音の咥内に侵入してしまう。そう思って、迅牙は舌を引っ込め、唇への愛撫だけに留めようと努めるのだが、あまりの気持ち良さに誘われて何度も舌を挿し込んでしまった。
ちゅッ……♡ ぢゅっ♡ ぢゅぷっ♡ れるれる……♡ ちゅぷぷ♡
「んあっ……♡ んんっ、はぁっ……♡ 迅牙殿……♡」
唇が離れるのを嫌がってか、雪音が迅牙を甘く乞うた。煌めく銀の糸がそれに応えるように、ふたりを結ぶ。
唾液で濡れた雪音の唇が、置き行灯の仄かな明かりに照らされ、てらてらと輝いている。紅潮した頬が、潤んだ瞳が、半開きになった口から漏れる法悦の息遣いが、雪音がいかに媚薬の餌食になっているのかを示していた。
凄絶な色香だった。雪音はただただ、乱れた呼吸を整えようとしているだけなのであろうが、その浅い息遣いだけで、ありとあらゆる雄をいくらでも惹きつけることができるだろう。
その証拠に、迅牙の魔羅がむくむく♡ と勃ちあがり始めていた。まだ直接触られたわけでもないのに、血液が絶えず流れ込んで、忍び装束の下衣をぐぐぐ♡ と押し上げている。
「はっ……雪音……っ」
迅牙はごくりと生唾を呑み込み、食べ頃を迎えているであろう雪音の裸身を隠す着物に手をかける。
しかし衿を掴んだまま、迅牙はしばし躊躇った。
半年の間、目に入れないようにしていた雪音の裸身。それが男の生殖本能を凄まじい勢いで呼び起こす芸術品だということを、迅牙は痛いほどに知っている。
いま、雪音の生まれたままの姿を見てしまったら。雪音を欲望のままに貪ってしまうだろう。
これで雪音が死ぬような事態になったら、悔やんでも悔やみきれない。
だがしそんな迅牙の懊悩など、雪音の言葉ひとつ、声ひとつで、呆気なく崩れ去る。
「迅牙殿……♡」
なんと甘美で悩ましい呼び声か。迅牙は鼓膜の震えに呼応して、両腕を思いきり引いた。
傷ひとつ、シミひとつとしてない珠の肌が、火照って桃の花のように薄く色づき、匂いたっている。
清流をゆく白魚のような指が、迅牙の忍び装束を控えめに掴む。細い首筋と細い肩が、ふるふると震えていた。
寝そべっていてもなお、綺麗な椀の形を保つたわわな乳房。その中心にある、桜色の乳輪、乳首。掴めば折れてしまいそうな柳腰と、むちむちと音が聞こえてきそうな太もも……。
どこひとつ切り取っても、男の性欲を増幅させる雪音の媚態。
妖艶を司る女神が存在するとするならば、それはきっと雪音のことに違いない。
「……っ、雪音」
迅牙は、清艶にして淫靡な雪音を前に、獣のように唸った。
魔羅が膨れ上がって窮屈になった下衣は、はやく精を吐き出したいと急く先走りの液で、もう目も当てられないほどに濡れている。
少しでも気を鎮めようと深く息を吸い込んでも、それはフーッッ♡ フーッッ♡ という荒々しい呼吸に変わるだけで、猛りだした迅牙の雄は一向に大人しくならない。
──ビリィィッッッ
脱ぐ暇さえ惜しいと、迅牙は下衣を引き裂いた。
迅牙の肉魔羅が、雪音の前に晒される。
天井を突き破らんと屹立する、赤黒い陰茎。その先端からどぷどぷと溢れる透明の汁が、傘の張った雁首を伝って肉竿に滴り、ぱんぱんに張り詰めた陰嚢をなぞる。
迅牙は雪音の脚を少しだけ左右に開き、その内腿に脈打つ魔羅を押し付けた。
「う、ぐっ……♡」
絹のように滑らかな白い腿に、魔羅がゆっくりと埋まっていく。柔らかく、優しくも淫らな感触に、迅牙の肉竿はたちまち快感の虜となった。背骨を伝って駆け上がる陶酔が、迅牙の前頭葉を叩いて視界を点滅させた。
「はぁっ……はぁッ……♡ 雪音、雪音……っ」
迅牙は雪音の腿を撫で回すように、魔羅をずりずり♡ と擦りつけ続けている。先走りの欲望が雪音の皮膚に染み込んでしまうとわかっていても、全身を粟立たせる快感ゆえに止めることができない。
緩慢な腰振りもそのままに、迅牙はその大きな手で雪音の乳房を捕らえた。
こちらも太ももに負けず劣らず、肌触りが良くすべすべしている。指が食い込むようにして乳房に沈んだが、それを押し返そうとする弾力もあり、なんとも形容しがたい柔らかさだ。
もにゅんもにゅん♡ むにっ……♡ ふにゅんふにゅん♡
迅牙がやわやわと胸を揉めば、たちまち雪音の身が捩れてうねる。
「あんっ……♡ あぁ……っ♡ 迅牙殿……♡ もっと、もっとくださいませ……♡」
雪音は眉尻を下げ、瞳を発情で溶かし、唇に緩やかな弧を描きながらも──泣いていた。
半年。季節がふたつ移ろうという長い時間を、雪音はじっと耐えて待っていたのだ。迅牙が触れてくれるそのときを。迅牙が搔き抱いてくれるそのときを。
そしていま、ついにそのときを迎えた雪音の心中はいかほどのものなのか。
これまで累積してきた淋しさで詰まっているのだろうか。あるいは、迅牙と触れ合える喜びで溢れかえっているのだろうか。はたまたその両方か。
迅牙は雪音の涙を掬い、その濡れた指で乳房の頂点にそっと触れた。
「んんっ……♡」
雪音が一際高い声で鳴き、肩をびくりと強張らせた。この桜の蕾は、雪音がよく感じる箇所のひとつだ。両の乳首を中指の腹ですりすり……♡ と軽く擦ってやれば、雪音はすぐさまヨがりだす。
「あぁっ……♡ はぁんっ……♡♡」
迅牙は、熱を帯びた雪音の下乳をやんわりと揉む一方で、乳輪の輪郭をゆっくりと撫でた。時折、焦らすように乳首の先端を掠めれば、雪音が切なそうに腰をくねらせる。
「迅牙殿ぉっ……♡ いじわるしないで……♡ 雪音は……っ、気持ち良くなりとうございます……♡♡ 迅牙殿に愛されとうございます……っ♡♡」
意地悪いのは迅牙の性根ではあるが、雪音への愛撫を渋っているのは、それが原因ではない。
この雪音の美しい乱れっぷりを見ていたら、ろくに刺激を与えていないこの魔羅から白濁の液が飛び散ってしまいそうで、迅牙は戸惑っていた。
妓楼で三日間、たっぷりと精を出し尽くしたあとのはずなのに。女を抱いたことのない、青臭い童貞でもあるまいに。
これが雪音の、純真無垢なる魔性が成せる業なのか。
淫欲が、精気が、人間の中に等しく宿る生命力が、雪音の肌膚に触れているだけで際限なく溢れ出てくる。
このまま雪音に快感を与え続ければ、迅牙は必ず、心のままに精を吐き出したくなるだろう。それも、雪音の中に。
それが、どれだけの媚薬を雪音に浴びせることになるか。考えるだに恐ろしい。
それでも迅牙には、雪音を気持ち良くさせたいという想いもあった。
幼子のように自分を一心不乱に求めてくれる雪音が、どうしようもなく愛おしい。
迅牙は苦悶に顔を歪めながら、雪音の乳首を優しく摘まんだ。
きゅむっ♡ きゅむっ♡ こりこりこりこり……♡♡ ぴんぴんぴんぴんッッ……♡♡ もにゅもにゅもにゅ……♡♡
一定の律動で乳頭を圧しては放し、放しては圧し。そうかと思えば表面を軽く押し潰して、円を描くようにして転がし。
そしてダメ押しと言わんばかりに、すっかり勃ち硬くなった乳首を弾いて乳房を揉みしだく。
「あんっ……♡ あっ♡ あっっ♡ あッッ♡♡ んあぁっ……♡♡」
雪音は、喉元を迅牙に捧げるようにして仰け反った。もう膣の方も弄って欲しくて堪らないのだろう。腰が徐々に浮き上がっていき、腿に埋まっていた迅牙の魔羅が放たれた。
代わりに差し出された膣への入り口に、迅牙は右手の人差し指と中指をそうっと忍ばせた。
花びらのごとく鮮やかな陰唇が、「おいでおいで」と、魔羅を誘うように妖しく蠢いてる。蜜にも似た愛液が、縁をなぞってとろりと零れてきた。
上部を飾る陰核は触ってもいないのに半勃ちで、あとほんの少し皮を剥けば、すぐにでもぷっくりとした実が顔を覗くことだろう。
ちゅぷぷぷぷぷぷ……♡♡
「んあぁっ……♡♡」
二本の指を膣の中に潜らせれば、雪音の腰がたちどころに高くなった。まだ快感が物足りないのか、迅牙の指を奥へ奥へと導くように上下している。
膣の中で犇めく肉襞の蠕動は、肉食動物の暴食をも想起させる苛烈さだった。
迅牙が指先をちょいと動かしただけで、千はあろうかという小さな襞ひとつひとつが、膣の中を縦横無尽、好き勝手に暴れだした。そのくせ、指にちゅ、ちゅと吸い付き、絶対に離そうとしない。おまけに、指の根元、関節、指の腹にしっかりと絡みついては、きゅ♡ きゅ♡ と締めて緩めてを繰り返している。
雪音の膣は、ミミズ千匹に俵締めの名器も名器。
この膣の中に納めているのが、指ではなく魔羅であったならば。快楽に弱い雄など、抗う間もなく射精してしまうことを、迅牙は知っている。
そして膣中を嬲ったまま外の陰核を親指で撫でてやれば、ほらこの通り。
くにゅっ♡ くにゅっ♡♡ ちゅぷちゅぷちゅぷちゅぷっ♡♡ ちゅぷちゅぷちゅぷちゅぷっっ♡♡♡
「ひあぁっっ♡♡ 待って……っ♡ 待って、迅牙殿っ、迅牙殿……っっ♡♡ 雪音はっ、雪音はぁ……♡♡ ひっ♡ んっ♡ んん──ッッ♡♡♡」
びくんッッ♡ ぴくっ……♡ ぴくんぴくん……っっ♡♡
雪音は果てながらも、膣に納まったモノを道連れにしようと、無意識に肉襞を捩じり、上げ下ろし、限界一杯まで窄めるのだ。
迅牙の魔羅はもう、暴発寸前だった。
いますぐこの雄魔羅を、雪音のとろとろになった膣に納めてしまいたい。
そんな甘美な誘惑を寸でのところで振り切り、迅牙は枕元に置かれた浅草紙を乱暴に、数枚掴み取った。
すっかり硬く、重くなった剛直を、浅草紙で包み込む。そうして迅牙は数回、己を扱いて紙の中に精を吐き出した。
びゅッッ♡ びゅぶるっ♡ びゅっ♡ びゅっ♡ びゅっ……♡♡
「く、ぅ……」
射精が終わったところで、迅牙は紙を握り潰すように丸めて投げ捨てた。
深く息を吸って、無理やり呼吸を整わせ、夜具に白い躰をくたりと投げ出している雪音の顔を窺う。
雪音は快感に悶えているものの、気が触れている様子はない。
これが、雪音を殺さずに済む境界線なのだろう。
媚薬の効果が強力なのは唾液、血、それて精液。そしてその媚薬を吸収しやすいのは、粘膜、特に膣だ。
精液を膣にさえ触れさせなければ、大事はない。
迅牙は眉間に深い皺を寄せ、ギッと奥歯を噛みしめた。
不満がない、と言えば嘘になる。
雪音の蜜壺に魔羅を挿し込み、思う存分に腰を振りたくって快楽の頂点まで昇りつめたい。雪音の奥深くに魔羅の先端を突きつけ、滾る精子で子宮を満たし、子を成したい。
だが迅牙は、すべてを諦めた。最後の最後まで迷いに迷って、雪音の命を選んだ。
「……雪音。俺はもう、絶対に妓楼に行ったりはしねえ。他の女を抱くこともない、約束する」
迅牙は雪音の頬を優しく撫でながら、取り決めたことをぽつりぽつりと語りだす。
「だからお前も、房中術は封印しろ。俺は……任務であってもお前が他の男に跨るなんて、我慢できねえ」
半ば夢現といった面持ちの雪音は、頬に添えられた迅牙の手に自分の手をそっと重ねると、実に信じがたい言葉を呟いた。
「……嫌、です」
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
今日の授業は保健体育
にのみや朱乃
恋愛
(性的描写あり)
僕は家庭教師として、高校三年生のユキの家に行った。
その日はちょうどユキ以外には誰もいなかった。
ユキは勉強したくない、科目を変えようと言う。ユキが提案した科目とは。
女の子がほとんど産まれない国に転生しました。
さくらもち
恋愛
何番煎じかのお話です。
100人に3~5人しか産まれない女の子は大切にされ一妻多夫制の国に産まれたのは前世の記憶、日本で亭主関白の旦那に嫁いびりと男尊女卑な家に嫁いで挙句栄養失調と過労死と言う令和になってもまだ昭和な家庭!でありえない最後を迎えてしまった清水 理央、享年44歳
そんな彼女を不憫に思った女神が自身の世界の女性至上主義な国に転生させたお話。
当面は2日に1話更新予定!