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第1話 入学への問題
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「いつもありがとうございました。」
この声とともに1人の少年が今日、最後のお客さんを見送ると、商品を整理しながら閉店作業に取り掛かる。
この世界で魔道具を販売するためにはその国の王の承認が必要となる。
これは各国の話し合いで魔道具が製作され始めた数十年前に決まったことである。
なぜならば、魔道具の中には危険なものもあるため安全のために国からの承認が必要なのである。
また、販売をするためには商会自身が魔道具の作成も行わなければ販売を認めない。
これは商会自信に魔道具の作成技術があることで魔道具の管理をより徹底して安全を確保するためとなっていて、このことも毎年国は魔道具を取り扱う商会への調査を行っている。
トクソ領にあるトクソ商会は、ヴァシラス王家より魔道具の販売を認められた数少ない魔道具販売店の1つであり、トクソ領の領主であり、子爵のギアニア・トクソが経営する商会である。
なぜ貴族がわざわざ商会を経営しているのかというと、それは魔道具販売は王家に認められた商会しか販売できないことにある。
魔道具の販売をすることは王家の信頼が厚いことの他、魔道具に関する技術の高さも示しているため、中位以下の多くの貴族が魔道具販売をステータスとしている。
この商会を手伝っている少年、ラフォス・トクソは領主の子息ということもあり、貴族の跡取りとしての勉強をしながら商会の手伝いもしている。
「ラフォス様、今日はもう後片付けだけですし、もう遅いですからそろそろお帰りになられたほうがよろしいのではないですか。」
「相変わらずバランは心配性だな。まだ大丈夫だって。いつもバランたちに任せてばっかなんだから、たまには手伝わせてくれよ。」
そう言うと俺は商会の販売を任されているバランをあしらいつつ、残っている仕事を片付けた。
「片付けも終わったし、俺はそろそろ帰るからお前たちも遅くならないうちに帰れよ。お疲れ様でした。」
『ラフォス様、お疲れ様でした。』
いつものやり取りをして俺は自宅に帰った。
俺が家に着くと父さんが俺を呼んでいるということなので俺は父さんの書斎に向かった。
「失礼します。ラフォスです。」
そう言って書斎に入った俺を迎えた父さんは、普段の穏やかな雰囲気はどこへいったのやらというほど険しい顔をしていたのだった。
俺が書斎に入ったことすら気づかない父さんに
「父さん、どうかしたのですか。」
声をかけた俺を見ると、とても嬉しそうな表情へと一変した顔を向けると、
「ラフォスか。よく来たね。さぁ早く座って。今日の店の売れ行きはどうだったんだい。誰か君にけんかをふっかけてきたり、いちゃもんをつけてきたやつはいなかったかい。居たら言ってごらん。父さんがこらしめてあげるから。ところで今日はどうしたんだい、こんな時間に来るなんて珍しいじゃないか。」
「父さんに呼ばれてきたのですが………それで今日はどういう話ですか。」
(自分から呼び出したのに忘れているなんて……)
若干呆れつつ聞き返した俺に父さんはまた表情を暗くしながら話始めた。
「実はな、もうすぐお前が15才になったことだし母さんがお前を王立魔法騎士学校に入学させたいと言っていてだな…父さんは反対しているんだが母さんが行かせると言ってきかないんだ。」
「別に学校に通うくらい問題ないでしょ。なぜ反対するのですか。」
「だって王立魔法騎士学校っていったら寮に入らなきゃいけないじゃないか。そんなことしたら毎日ラフォスに会うことができなくなるからだよ。」
さらに俺を呆れさせる父さんの言葉に相変わらずの溺愛っぷりをかんじつつ、俺はさっさとこの話を進めることにした。
「父さん、いい加減に子離れしてください。以前から言っているように俺は王立魔法騎士学校に行きます。」
「そんなこと言わないで、他の学校ならいいからさ考え直さないかい。ラフォス。」
「俺は何年も前から決めているんです。なので王立魔法騎士学校に行かせてください。お願いします。」
俺はそう言って頭を下げてお願いしたもの中々父さんが許可をくれないので
「許可をくれないと嫌いになりますよ。」
と、少し脅すと父さんは急に手のひらを返して
「もちろん行って良いよ。だから父さんを嫌わないで。」
と、俺の腕を掴みながら必死に懇願してきたのだった。
結局、学校への入学は反対していた父さんが入学を懇願するという結果で幕を閉じたのだった。
その時に次の条件が入学の条件となった。
・入試までの間も今までと同じように商会の手伝 いをすること。
・入試の結果によって選ばれる12階聖に入ること。
・休みの度に必ず帰ってくること。
この3つが入学の条件となった。上の2つの条件は母さんによる条件だったが、最後の条件は父さんによる条件だった。
入学に賛成している母さんだが、相変わらず俺に対して厳しいようで、この3つの条件をクリアしないと入試に合格しても入学はさせないと夕食の席で宣言されたのだった。
この声とともに1人の少年が今日、最後のお客さんを見送ると、商品を整理しながら閉店作業に取り掛かる。
この世界で魔道具を販売するためにはその国の王の承認が必要となる。
これは各国の話し合いで魔道具が製作され始めた数十年前に決まったことである。
なぜならば、魔道具の中には危険なものもあるため安全のために国からの承認が必要なのである。
また、販売をするためには商会自身が魔道具の作成も行わなければ販売を認めない。
これは商会自信に魔道具の作成技術があることで魔道具の管理をより徹底して安全を確保するためとなっていて、このことも毎年国は魔道具を取り扱う商会への調査を行っている。
トクソ領にあるトクソ商会は、ヴァシラス王家より魔道具の販売を認められた数少ない魔道具販売店の1つであり、トクソ領の領主であり、子爵のギアニア・トクソが経営する商会である。
なぜ貴族がわざわざ商会を経営しているのかというと、それは魔道具販売は王家に認められた商会しか販売できないことにある。
魔道具の販売をすることは王家の信頼が厚いことの他、魔道具に関する技術の高さも示しているため、中位以下の多くの貴族が魔道具販売をステータスとしている。
この商会を手伝っている少年、ラフォス・トクソは領主の子息ということもあり、貴族の跡取りとしての勉強をしながら商会の手伝いもしている。
「ラフォス様、今日はもう後片付けだけですし、もう遅いですからそろそろお帰りになられたほうがよろしいのではないですか。」
「相変わらずバランは心配性だな。まだ大丈夫だって。いつもバランたちに任せてばっかなんだから、たまには手伝わせてくれよ。」
そう言うと俺は商会の販売を任されているバランをあしらいつつ、残っている仕事を片付けた。
「片付けも終わったし、俺はそろそろ帰るからお前たちも遅くならないうちに帰れよ。お疲れ様でした。」
『ラフォス様、お疲れ様でした。』
いつものやり取りをして俺は自宅に帰った。
俺が家に着くと父さんが俺を呼んでいるということなので俺は父さんの書斎に向かった。
「失礼します。ラフォスです。」
そう言って書斎に入った俺を迎えた父さんは、普段の穏やかな雰囲気はどこへいったのやらというほど険しい顔をしていたのだった。
俺が書斎に入ったことすら気づかない父さんに
「父さん、どうかしたのですか。」
声をかけた俺を見ると、とても嬉しそうな表情へと一変した顔を向けると、
「ラフォスか。よく来たね。さぁ早く座って。今日の店の売れ行きはどうだったんだい。誰か君にけんかをふっかけてきたり、いちゃもんをつけてきたやつはいなかったかい。居たら言ってごらん。父さんがこらしめてあげるから。ところで今日はどうしたんだい、こんな時間に来るなんて珍しいじゃないか。」
「父さんに呼ばれてきたのですが………それで今日はどういう話ですか。」
(自分から呼び出したのに忘れているなんて……)
若干呆れつつ聞き返した俺に父さんはまた表情を暗くしながら話始めた。
「実はな、もうすぐお前が15才になったことだし母さんがお前を王立魔法騎士学校に入学させたいと言っていてだな…父さんは反対しているんだが母さんが行かせると言ってきかないんだ。」
「別に学校に通うくらい問題ないでしょ。なぜ反対するのですか。」
「だって王立魔法騎士学校っていったら寮に入らなきゃいけないじゃないか。そんなことしたら毎日ラフォスに会うことができなくなるからだよ。」
さらに俺を呆れさせる父さんの言葉に相変わらずの溺愛っぷりをかんじつつ、俺はさっさとこの話を進めることにした。
「父さん、いい加減に子離れしてください。以前から言っているように俺は王立魔法騎士学校に行きます。」
「そんなこと言わないで、他の学校ならいいからさ考え直さないかい。ラフォス。」
「俺は何年も前から決めているんです。なので王立魔法騎士学校に行かせてください。お願いします。」
俺はそう言って頭を下げてお願いしたもの中々父さんが許可をくれないので
「許可をくれないと嫌いになりますよ。」
と、少し脅すと父さんは急に手のひらを返して
「もちろん行って良いよ。だから父さんを嫌わないで。」
と、俺の腕を掴みながら必死に懇願してきたのだった。
結局、学校への入学は反対していた父さんが入学を懇願するという結果で幕を閉じたのだった。
その時に次の条件が入学の条件となった。
・入試までの間も今までと同じように商会の手伝 いをすること。
・入試の結果によって選ばれる12階聖に入ること。
・休みの度に必ず帰ってくること。
この3つが入学の条件となった。上の2つの条件は母さんによる条件だったが、最後の条件は父さんによる条件だった。
入学に賛成している母さんだが、相変わらず俺に対して厳しいようで、この3つの条件をクリアしないと入試に合格しても入学はさせないと夕食の席で宣言されたのだった。
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