12 / 13
第12話 試合開始
しおりを挟む
闘技場につくと、そこには数人の生徒がすでにいた。
「毎年のことだが今年もすでに何人か来てるな~」
「そうなんですか?」
「去年もはやくから何人かいたんだ」
「やる気のある人が多いんですね」
「それもあるけど皆緊張している生徒ばかりだよ」
バジル先輩に言われ表情をみてみると確かにすでに来ている一年生と思われる生徒たちの表情は険しいものだった。
「あら~バジル君、君の隣にいるのは噂の生徒会の新人さんかしら?」
突然俺たちはゆったりとした口調で話しかけられた。
「オルティア先輩、驚かさないでください」
「そんなつもりはなかったのだけれど、驚かせてしまったならごめんね~。それで、そっちの子は新人さんかしら?」
「そうですよ。新しく会計補佐になったラフォス君です」
話しかけられたほうを見るとそこには一人の女子生徒がいてバジル先輩が俺を紹介すると嬉しそうな表情になった。
「あの~そちらのかたはどちら様ですか?」
訳がわからず恐る恐る俺がたずねるとバジル先輩がハッとした表情をして答えてくれた。
「すまないラフォス君。オルティア先輩が来て驚いてしまってな。こちらは保健委員長のオルティア先輩だ。」
「保健委員長?」
「そうだよ~。私は保健委員会の委員長のオルティアです。よろしくね~。ラフォス君」
「よろしくお願いします。あのバジル先輩、委員会というのは…」
「そういえばラフォス君にはまだ教えていなかったね。委員会というのはこの学校において生徒会と同程度の権限がある『委員総連』の組織の一つだよ。そのなかでもオルティア先輩が所属する保健委員会は主に生徒たちの治療や衛生管理を担当している委員会なんだ」
「そう。私の所属する保健委員会は生徒の健康を第一に考える委員会なの。その特性上、回復魔法を得意とする生徒が集まる委員会でもあるのよ~。私も回復魔法が得意だけどね~。それでね~ラフォス君、君の得意魔法は水属性と光属性の魔法が得意って聞いたんだけど回復魔法は使えるの~?」
「はい。回復魔法も中級の魔法までなら使えます」
「あら~それならちょうど良いわ~。ねえラフォス君、あなたさえ良ければ「ちょっと待ってください」」
いきなりバジル先輩がオルティア先輩の言葉を遮ったのだった。
俺は驚いてバジル先輩のほうを見るとそこには慌てた様子のバジル先輩がいた。
「ラフォス君は生徒会の一員です。引き抜きはやめてください」
「あらあら~そんなに怒らなくても良いでしょ~。それにこれは勧誘よ。あなたに止める権利はないと思うんだけど~」
「確かに止める権利はありませんが、ラフォス君は会計補佐、直接関わりがある後輩です。ましてやまだ学校にすら馴れていない状況なんですからいきなり勧誘されても困ります」
「それもそうね~。でも一年生の魔武大会が終わったらすぐに他の委員会や部活も勧誘を始めるわよ~。そうなったらもっと大変になると思うわよ~。まあ今は諦めるけどまた勧誘はするからね~。あと、呪属性の魔法を習いたくなったら教えてあげるから気が向いたらきてね~。あと、私は今回ここの担当だから二人ともよろしくね~」
そう言って手を降りながらオルティア先輩は闘技場の中に入っていった。
「のんびりとした方でしたね。それにしてもここの担当ってどういうことなんですか?」
「それはな、この魔武大会中はトラブルが発生することが多いんだ。だからそのために保健委員会と問題が発生したときに問題を起こした生徒を取り締まる風紀委員会、そして大会中にアナウンスを行う情報委員会がそれぞれ数人ずつ各会場に配置されるんだ」
「そうなんですか。風紀委員会と情報委員会はどのような委員会なんですか?」
「風紀委員会は完全な武闘派集団だ。身体強化系の魔法を得意とし、今回みたいな警備を必要とする際には武器の携帯も許可されているんだ。卒業後には騎士として働く生徒が多い委員会でもある。情報委員会は今回みたいな行事のアナウンスや校内の情報を新聞として発行したりしている。情報委員は隠密系の魔法や音系の魔法を得意としているんだ。特に情報委員長は三年生の12階聖の一人でな、情報収集能力はもちろん、戦闘能力も高いことで有名だ。だから敵に回したくない生徒として有名なんだ」
「その言い方はひどいんじゃなねぇか」
バジル先輩から委員会について教えてもらっているといきなり後ろから声をかけられた。
「ミスティア先輩!すでに闘技場の中にいらっしゃったんですか」
どうやらミスティア先輩というらしい男子生徒は面白いものを見つけたような表情をしてこちらを見ていた。
「おう。早く準備しておけばすぐに仕事ができるからな。ところでバジル、お前面白そうな話してたじゃないか。俺もまぜてくれよ。俺がなんだって」
「いや先輩のことなんて何も言ってませんよ」
バジル先輩はかなりしどろもどろになりながら受け答えをしている。
「まあいいか。で、そっちのやつは誰だ?」
ミスティア先輩が話を移したことで明らかにほっとしたバジル先輩は表情をもとに戻すと質問に答えだした。
「彼は新しく会計補佐についたラフォス君ですよ」
「ラフォスです。よろしくお願いします」
「ほお~お前が委員総連で噂になっていたラフォスか。っても俺はお前のことを知っていたがな」
「知っていたなら質問されなくてもわかったじゃないですか」
「いいじゃねぇか。別に困ることでもないわけだし」
「それはそうですけど。それでラフォス君が噂になっていたとはどういうことですか?」
バジル先輩がたずねるとミスティア先輩は当然だという表情をして答えた。
「当たり前だろ。入学してこんなに早く補佐とはいえ、生徒会入りしたってことは今の会長のシルビアと同じ事をやってのけたということだからな。ただしシルビアは補佐じゃなく正規の役員だったが今回は補佐役員だからどこの委員会も相性さえ良ければ自分の委員会にいれるつもりなんだよ」
「やめてください。ラフォス君は生徒会の一員ですよ」
「確かにそうだ。そして俺たち委員総連と生徒会は仲が悪いわけではないが、決して良いわけでもないからな。だが、前例がないわけでもないわけじゃない。我が情報委員会の記録によれば十六年前にある生徒が実際に生徒会組織と委員総連を掛け持ちしていたって記録もあるしな。それでどうだラフォス君、君さえ良ければ情報委員会に入らないか?」
何故か本人そっちのけで勝手に話が進んでいるようだが、まず俺はどうしても質問したいことが一つあったので質問した。
「あの、すみません。ミスティア先輩はいったい…」
「あ~悪いな。自己紹介がまだだったな。俺は三年のミスティアだ。情報委員会の委員長をしているんだ。よろしくね」
「ミスティア先輩は情報委員長という立場上、隠密系の魔法と音系の魔法も得意なんだ」
「確かにそうだが、俺は闇属性や火属性が得意だし、さらにいえば剣のほうが得意なんだかな。そういえばラフォスも闇属性が得意だよな。なんだったら教えてやろうか?」
「それはありがたいのですが、なぜミスティア先輩が俺が闇属性を得意だと知っているんですか?」
確かに俺は闇属性も得意魔法ではあるが、闇属性が得意であることはこの学校に来てからはまだ数人にしか話しておらず、また光属性や氷属性を中心に魔法を使っていたので闇属性が得意であると知られているとは思わなかったためかなり驚かされた。
「情報委員会は情報を集めるのが得意な委員会でもあるんだよ」
そう言ってミスティア先輩は闘技場に入っていった。
「さて、ラフォス君そろそろ受付の仕事をやりにいこうか」
バジル先輩に闘技場の受付まで案内された。
「ラフォス君の選手登録をやりながら受付のやりかたを教えるから覚えてくれ」
「わかりました」
「まず、選手が来たらこの名簿にある名前と照らし合わせて見つけたら用紙にチェックをつけていくんだ」
そう言ってバジル先輩は生徒の名前の書かれた紙を取り出して、ラフォスと書かれている部分にチェックを着けた。
「次にこの選手登録用紙に名前と使用する武器を記入してもらう。ちなみに武器は防具も含めて二つまでになっているから気を付けるように伝えるんだ」
「これで問題ないですか?」
バジル先輩に言われた通りに用紙に記入し終えると確認の意味も込めて渡した。
「ラフォス君は剣とこれは十手?を使うのか?」
「そうですよ。剣は普通のものですけど、十手は実家にあるものをモチーフに作ったものなんですよ。だから少し細工もしてあります」
「そうなのか。見たことない武器だし、実際に闘っているとこれをみるのは楽しみだな。それじゃあ受付の仕事に戻るがわからないところはないか?」
「問題ないです」
説明を終えると俺たちは仕事に移った。
まずはすでに闘技場に来ている選手の登録を行っていった。
それと同時平行で次々にやってくる選手の登録を行っていった。
「お、ラフォスだ。なんでお前そんなとこにいるんだ?」
「レイ、これは生徒会の仕事で俺は生徒会の補佐役員でもあるからだよ」
「そうなのか。大変だな」
「レイはこの闘技場で試合をするの?」
「そうだ。もしかするとラフォスとも闘うかもな」
「そのときはよろしくね。それで出場選手の登録をしに来たんじゃないの?」
「あ、そうだった。えっと生徒会役員に頼めばいいんだよな。ってラフォスも役員だったよな。お願いできるか?」
「問題ないよ。今、名簿にチェックをするからちょっと待ってね。チェックは終わったからこの用紙に必要事項を書いてくれない」
「わかった。この用紙に書けばいいんだな」
レイは用紙を書き終えると確認してから俺に渡した。
「これで良いか?」
「問題ないよ。じゃあ試合頑張ろうな」
「おう。お互いにな」
レイが闘技場に入っていったあと、バジル先輩がこの闘技場、最後の選手の登録を終えたところだった。
「それじゃあ登録も終わったし、中に入るぞ」
「わかりました。俺は選手の控え室に行けば良いんですよね」
「そうだ。部屋を間違わないようにな」
俺が控え室に着くとほぼ同時に大会のアナウンスが流れ始めた。
「さぁお前ら今年もこの時期がやって来たぞ!これより学年別魔武大会一年生本選を開始する。この第三闘技場のアナウンスを担当する情報委員会委員長ミスティアだ。よろしくな!まず、大会のルールを説明する。この大会はトーナメント方式で行われ各会場ベスト4が決まり次第第一闘技場で決勝トーナメントが行われる。出場する選手は12階聖と昨日の予選を勝ち上がった一年生だ。試合は闘技場に張られた結界の中で一対一で行われ、どちらかの選手がリタイアか魔道具によって結界の外に出された時点で試合終了だ。選手は試合前に身代わりの魔道具が渡されるから着け忘れないようにしろよ。使用可能な武器は事前に申請したもののみとする。ただし学校から借りる生徒は試合前にきちんと借りておけよ。ちなみに身代わりの魔道具は痛みはなくならないから注意しておくようにな。それじゃあ第一試合を開始する。選手の生徒が入場だ~!」
ミスティア先輩のアナウンスが終了すると同時に二人の生徒が闘技場の中央に現れた。
「雷属性の使い手、その斧から振るわれる一撃が相手を沈めるか~アルキス。対するは12階聖第七聖にして光属性の使い手、さらには十手の使い手でもある、ラフォス~」
第一試合は俺が出場する試合だったんだ。
しかも控え室についたらすぐに呼ばれたから控え室に入ることすらできなかったりもする。
「両者準備は良いか?それでは試合開始!」
ミスティア先輩の合図とともに俺は『身体強化』を発動させてアルキスに斬りかかるが斧で防がれた。
しかしその斬撃とほぼ同時に放った『ライトニングブレス』の下位互換である光属性中級魔法『ライトブレス』を放ったところそれが直撃してしまいアルキスはそのまま場外に送られたのだった。
「瞬殺だ~。12階聖第七聖ラフォス、第一試合からいきなり瞬殺で試合を終えた~」
観客が盛り上がる中、次の試合のアナウンスを聴きながら俺はそのまま控え室に戻っていった。
「毎年のことだが今年もすでに何人か来てるな~」
「そうなんですか?」
「去年もはやくから何人かいたんだ」
「やる気のある人が多いんですね」
「それもあるけど皆緊張している生徒ばかりだよ」
バジル先輩に言われ表情をみてみると確かにすでに来ている一年生と思われる生徒たちの表情は険しいものだった。
「あら~バジル君、君の隣にいるのは噂の生徒会の新人さんかしら?」
突然俺たちはゆったりとした口調で話しかけられた。
「オルティア先輩、驚かさないでください」
「そんなつもりはなかったのだけれど、驚かせてしまったならごめんね~。それで、そっちの子は新人さんかしら?」
「そうですよ。新しく会計補佐になったラフォス君です」
話しかけられたほうを見るとそこには一人の女子生徒がいてバジル先輩が俺を紹介すると嬉しそうな表情になった。
「あの~そちらのかたはどちら様ですか?」
訳がわからず恐る恐る俺がたずねるとバジル先輩がハッとした表情をして答えてくれた。
「すまないラフォス君。オルティア先輩が来て驚いてしまってな。こちらは保健委員長のオルティア先輩だ。」
「保健委員長?」
「そうだよ~。私は保健委員会の委員長のオルティアです。よろしくね~。ラフォス君」
「よろしくお願いします。あのバジル先輩、委員会というのは…」
「そういえばラフォス君にはまだ教えていなかったね。委員会というのはこの学校において生徒会と同程度の権限がある『委員総連』の組織の一つだよ。そのなかでもオルティア先輩が所属する保健委員会は主に生徒たちの治療や衛生管理を担当している委員会なんだ」
「そう。私の所属する保健委員会は生徒の健康を第一に考える委員会なの。その特性上、回復魔法を得意とする生徒が集まる委員会でもあるのよ~。私も回復魔法が得意だけどね~。それでね~ラフォス君、君の得意魔法は水属性と光属性の魔法が得意って聞いたんだけど回復魔法は使えるの~?」
「はい。回復魔法も中級の魔法までなら使えます」
「あら~それならちょうど良いわ~。ねえラフォス君、あなたさえ良ければ「ちょっと待ってください」」
いきなりバジル先輩がオルティア先輩の言葉を遮ったのだった。
俺は驚いてバジル先輩のほうを見るとそこには慌てた様子のバジル先輩がいた。
「ラフォス君は生徒会の一員です。引き抜きはやめてください」
「あらあら~そんなに怒らなくても良いでしょ~。それにこれは勧誘よ。あなたに止める権利はないと思うんだけど~」
「確かに止める権利はありませんが、ラフォス君は会計補佐、直接関わりがある後輩です。ましてやまだ学校にすら馴れていない状況なんですからいきなり勧誘されても困ります」
「それもそうね~。でも一年生の魔武大会が終わったらすぐに他の委員会や部活も勧誘を始めるわよ~。そうなったらもっと大変になると思うわよ~。まあ今は諦めるけどまた勧誘はするからね~。あと、呪属性の魔法を習いたくなったら教えてあげるから気が向いたらきてね~。あと、私は今回ここの担当だから二人ともよろしくね~」
そう言って手を降りながらオルティア先輩は闘技場の中に入っていった。
「のんびりとした方でしたね。それにしてもここの担当ってどういうことなんですか?」
「それはな、この魔武大会中はトラブルが発生することが多いんだ。だからそのために保健委員会と問題が発生したときに問題を起こした生徒を取り締まる風紀委員会、そして大会中にアナウンスを行う情報委員会がそれぞれ数人ずつ各会場に配置されるんだ」
「そうなんですか。風紀委員会と情報委員会はどのような委員会なんですか?」
「風紀委員会は完全な武闘派集団だ。身体強化系の魔法を得意とし、今回みたいな警備を必要とする際には武器の携帯も許可されているんだ。卒業後には騎士として働く生徒が多い委員会でもある。情報委員会は今回みたいな行事のアナウンスや校内の情報を新聞として発行したりしている。情報委員は隠密系の魔法や音系の魔法を得意としているんだ。特に情報委員長は三年生の12階聖の一人でな、情報収集能力はもちろん、戦闘能力も高いことで有名だ。だから敵に回したくない生徒として有名なんだ」
「その言い方はひどいんじゃなねぇか」
バジル先輩から委員会について教えてもらっているといきなり後ろから声をかけられた。
「ミスティア先輩!すでに闘技場の中にいらっしゃったんですか」
どうやらミスティア先輩というらしい男子生徒は面白いものを見つけたような表情をしてこちらを見ていた。
「おう。早く準備しておけばすぐに仕事ができるからな。ところでバジル、お前面白そうな話してたじゃないか。俺もまぜてくれよ。俺がなんだって」
「いや先輩のことなんて何も言ってませんよ」
バジル先輩はかなりしどろもどろになりながら受け答えをしている。
「まあいいか。で、そっちのやつは誰だ?」
ミスティア先輩が話を移したことで明らかにほっとしたバジル先輩は表情をもとに戻すと質問に答えだした。
「彼は新しく会計補佐についたラフォス君ですよ」
「ラフォスです。よろしくお願いします」
「ほお~お前が委員総連で噂になっていたラフォスか。っても俺はお前のことを知っていたがな」
「知っていたなら質問されなくてもわかったじゃないですか」
「いいじゃねぇか。別に困ることでもないわけだし」
「それはそうですけど。それでラフォス君が噂になっていたとはどういうことですか?」
バジル先輩がたずねるとミスティア先輩は当然だという表情をして答えた。
「当たり前だろ。入学してこんなに早く補佐とはいえ、生徒会入りしたってことは今の会長のシルビアと同じ事をやってのけたということだからな。ただしシルビアは補佐じゃなく正規の役員だったが今回は補佐役員だからどこの委員会も相性さえ良ければ自分の委員会にいれるつもりなんだよ」
「やめてください。ラフォス君は生徒会の一員ですよ」
「確かにそうだ。そして俺たち委員総連と生徒会は仲が悪いわけではないが、決して良いわけでもないからな。だが、前例がないわけでもないわけじゃない。我が情報委員会の記録によれば十六年前にある生徒が実際に生徒会組織と委員総連を掛け持ちしていたって記録もあるしな。それでどうだラフォス君、君さえ良ければ情報委員会に入らないか?」
何故か本人そっちのけで勝手に話が進んでいるようだが、まず俺はどうしても質問したいことが一つあったので質問した。
「あの、すみません。ミスティア先輩はいったい…」
「あ~悪いな。自己紹介がまだだったな。俺は三年のミスティアだ。情報委員会の委員長をしているんだ。よろしくね」
「ミスティア先輩は情報委員長という立場上、隠密系の魔法と音系の魔法も得意なんだ」
「確かにそうだが、俺は闇属性や火属性が得意だし、さらにいえば剣のほうが得意なんだかな。そういえばラフォスも闇属性が得意だよな。なんだったら教えてやろうか?」
「それはありがたいのですが、なぜミスティア先輩が俺が闇属性を得意だと知っているんですか?」
確かに俺は闇属性も得意魔法ではあるが、闇属性が得意であることはこの学校に来てからはまだ数人にしか話しておらず、また光属性や氷属性を中心に魔法を使っていたので闇属性が得意であると知られているとは思わなかったためかなり驚かされた。
「情報委員会は情報を集めるのが得意な委員会でもあるんだよ」
そう言ってミスティア先輩は闘技場に入っていった。
「さて、ラフォス君そろそろ受付の仕事をやりにいこうか」
バジル先輩に闘技場の受付まで案内された。
「ラフォス君の選手登録をやりながら受付のやりかたを教えるから覚えてくれ」
「わかりました」
「まず、選手が来たらこの名簿にある名前と照らし合わせて見つけたら用紙にチェックをつけていくんだ」
そう言ってバジル先輩は生徒の名前の書かれた紙を取り出して、ラフォスと書かれている部分にチェックを着けた。
「次にこの選手登録用紙に名前と使用する武器を記入してもらう。ちなみに武器は防具も含めて二つまでになっているから気を付けるように伝えるんだ」
「これで問題ないですか?」
バジル先輩に言われた通りに用紙に記入し終えると確認の意味も込めて渡した。
「ラフォス君は剣とこれは十手?を使うのか?」
「そうですよ。剣は普通のものですけど、十手は実家にあるものをモチーフに作ったものなんですよ。だから少し細工もしてあります」
「そうなのか。見たことない武器だし、実際に闘っているとこれをみるのは楽しみだな。それじゃあ受付の仕事に戻るがわからないところはないか?」
「問題ないです」
説明を終えると俺たちは仕事に移った。
まずはすでに闘技場に来ている選手の登録を行っていった。
それと同時平行で次々にやってくる選手の登録を行っていった。
「お、ラフォスだ。なんでお前そんなとこにいるんだ?」
「レイ、これは生徒会の仕事で俺は生徒会の補佐役員でもあるからだよ」
「そうなのか。大変だな」
「レイはこの闘技場で試合をするの?」
「そうだ。もしかするとラフォスとも闘うかもな」
「そのときはよろしくね。それで出場選手の登録をしに来たんじゃないの?」
「あ、そうだった。えっと生徒会役員に頼めばいいんだよな。ってラフォスも役員だったよな。お願いできるか?」
「問題ないよ。今、名簿にチェックをするからちょっと待ってね。チェックは終わったからこの用紙に必要事項を書いてくれない」
「わかった。この用紙に書けばいいんだな」
レイは用紙を書き終えると確認してから俺に渡した。
「これで良いか?」
「問題ないよ。じゃあ試合頑張ろうな」
「おう。お互いにな」
レイが闘技場に入っていったあと、バジル先輩がこの闘技場、最後の選手の登録を終えたところだった。
「それじゃあ登録も終わったし、中に入るぞ」
「わかりました。俺は選手の控え室に行けば良いんですよね」
「そうだ。部屋を間違わないようにな」
俺が控え室に着くとほぼ同時に大会のアナウンスが流れ始めた。
「さぁお前ら今年もこの時期がやって来たぞ!これより学年別魔武大会一年生本選を開始する。この第三闘技場のアナウンスを担当する情報委員会委員長ミスティアだ。よろしくな!まず、大会のルールを説明する。この大会はトーナメント方式で行われ各会場ベスト4が決まり次第第一闘技場で決勝トーナメントが行われる。出場する選手は12階聖と昨日の予選を勝ち上がった一年生だ。試合は闘技場に張られた結界の中で一対一で行われ、どちらかの選手がリタイアか魔道具によって結界の外に出された時点で試合終了だ。選手は試合前に身代わりの魔道具が渡されるから着け忘れないようにしろよ。使用可能な武器は事前に申請したもののみとする。ただし学校から借りる生徒は試合前にきちんと借りておけよ。ちなみに身代わりの魔道具は痛みはなくならないから注意しておくようにな。それじゃあ第一試合を開始する。選手の生徒が入場だ~!」
ミスティア先輩のアナウンスが終了すると同時に二人の生徒が闘技場の中央に現れた。
「雷属性の使い手、その斧から振るわれる一撃が相手を沈めるか~アルキス。対するは12階聖第七聖にして光属性の使い手、さらには十手の使い手でもある、ラフォス~」
第一試合は俺が出場する試合だったんだ。
しかも控え室についたらすぐに呼ばれたから控え室に入ることすらできなかったりもする。
「両者準備は良いか?それでは試合開始!」
ミスティア先輩の合図とともに俺は『身体強化』を発動させてアルキスに斬りかかるが斧で防がれた。
しかしその斬撃とほぼ同時に放った『ライトニングブレス』の下位互換である光属性中級魔法『ライトブレス』を放ったところそれが直撃してしまいアルキスはそのまま場外に送られたのだった。
「瞬殺だ~。12階聖第七聖ラフォス、第一試合からいきなり瞬殺で試合を終えた~」
観客が盛り上がる中、次の試合のアナウンスを聴きながら俺はそのまま控え室に戻っていった。
0
あなたにおすすめの小説
公爵令嬢は結婚式当日に死んだ
白雲八鈴
恋愛
今日はとある公爵令嬢の結婚式だ。幸せいっぱいの公爵令嬢の前に婚約者のレイモンドが現れる。
「今日の結婚式は俺と番であるナタリーの結婚式に変更だ!そのドレスをナタリーに渡せ!」
突然のことに公爵令嬢は何を言われたのか理解できなかった。いや、したくなかった。
婚約者のレイモンドは番という運命に出逢ってしまったという。
そして、真っ白な花嫁衣装を脱がされ、そのドレスは番だという女性に着させられる。周りの者達はめでたいと大喜びだ。
その場所に居ることが出来ず公爵令嬢は外に飛び出し……
生まれ変わった令嬢は復讐を誓ったのだった。
婚約者とその番という女性に
『一発ぐらい思いっきり殴ってもいいですわね?』
そして、つがいという者に囚われた者の存在が現れる。
*タグ注意
*不快であれば閉じてください。
お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます
菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。
嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。
「居なくていいなら、出ていこう」
この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし
幼馴染みの婚約者が「学生時代は愛する恋人と過ごさせてくれ」と言ってきたので、秒で婚約解消を宣言した令嬢の前世が、社畜のおっさんだった件。
灯乃
ファンタジー
子爵家の総領娘である令嬢の前に、巨乳美少女と腕を組んだ婚約者がやってきた。
曰く、「学生時代くらいは、心から愛する恋人と自由に過ごしたい。それくらい、黙って許容しろ」と。
婚約者を甘やかし過ぎていたことに気付いた彼女は、その場で婚約解消を宣言する。
前半はたぶん普通の令嬢もの、後半はおっさんコメディーです。
思いを込めてあなたに贈る
あんど もあ
ファンタジー
ファナの母が亡くなった二ヶ月後に、父は新しい妻とその妻との間に生まれた赤ん坊を家に連れて来た。義母は、お前はもうこの家の後継者では無いと母から受け継いだ家宝のネックレスを奪うが、そのネックレスは……。
三十年後に届いた白い手紙
RyuChoukan
ファンタジー
三十年前、帝国は一人の少年を裏切り者として処刑した。
彼は最後まで、何も語らなかった。
その罪の真相を知る者は、ただ一人の女性だけだった。
戴冠舞踏会の夜。
公爵令嬢は、一通の白い手紙を手に、皇帝の前に立つ。
それは復讐でも、告発でもない。
三十年間、辺境の郵便局で待ち続けられていた、
「渡されなかった約束」のための手紙だった。
沈黙のまま命を捨てた男と、
三十年、ただ待ち続けた女。
そして、すべてを知った上で扉を開く、次の世代。
これは、
遅れて届いた手紙が、
人生と運命を静かに書き換えていく物語。
つまらない妃と呼ばれた日
柴田はつみ
恋愛
公爵令嬢リーシャは政略結婚で王妃に迎えられる。だが国王レオニスの隣には、幼馴染のセレスが“当然”のように立っていた。祝宴の夜、リーシャは国王が「つまらない妃だ」と語る声を聞いてしまい、心を閉ざす。
舞踏会で差し出された手を取らず、王弟アドリアンの助けで踊ったことで、噂は一気に燃え上がる――「王妃は王弟と」「国王の本命は幼馴染」と。
さらに宰相は儀礼と世論を操り、王妃を孤立させる策略を進める。監視の影、届かない贈り物、すり替えられた言葉、そして“白薔薇の香”が事件現場に残る冤罪の罠。
リーシャは微笑を鎧に「今日から、王の隣に立たない」と決めるが、距離を取るほど誤解は確定し、王宮は二人を引き裂いていく。
――つまらない妃とは、いったい誰が作ったのか。真実が露わになった時、失われた“隣”は戻るのか。
【1話完結】あなたの恋人は毎夜わたしのベッドで寝てますよ。
ariya
ファンタジー
ソフィア・ラテットは、婚約者アレックスから疎まれていた。
彼の傍らには、いつも愛らしい恋人リリアンヌ。
婚約者の立場として注意しても、アレックスは聞く耳を持たない。
そして迎えた学園卒業パーティー。
ソフィアは公衆の面前で婚約破棄を言い渡される。
ガッツポーズを決めるリリアンヌ。
そのままアレックスに飛び込むかと思いきや――
彼女が抱きついた先は、ソフィアだった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる