転生伯爵令嬢は、裏切り者からの寵愛に戸惑う。

館花陽月

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敵討ちは華麗に。

敵討ちは可憐に。⑬

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その言葉に、アレックスはうるうると涙を目に湛えた。

「姉さん・・!!僕、怖かったよ・・。殺されるかと思った!!」

悲壮な表情で、私に抱き着いてきた。

ボコボコにされて伸びきった2人が生命力を感じないくらいに
弱り果てて転がっている・・。

「「えっ・・!?そんな馬鹿な!?」」

この場にいた面子の殆どが、攫った相手に同情しているに違いなかった。

「アレックス・・。もう、大丈夫よ。怖かったのね。」

「はい・・。僕、本当に怖くて・・。グスッ、グスン。
やつつけてくれて有難うございます、みなさん・・。」

「悪夢は終わったのよ。お眠りなさい・・。」

私は、よしよしとアレックスの頭をそっと撫でると、優しく抱きしめた。
3秒立たぬうちにコテンと眠りについたアレックスをロナウンが抱えて立ち上がる。

「やれやれ・・。本当に、困った弟だわ。」

私は手をパンパンと払うと、首をコキコキ鳴らしながら立ち上がった。

「おい・・。これは一体、どんな茶番なんだ・・??」

「さ、さあ・・。でも、問題は片付いたから、い、いいんじゃない・・??」

レオはポカンとした表情で、同じように状況に着いていけてないユヴェールと目を見合わせた。

居合わせた他のメンバーは違和感を隠せずに、額に冷たい汗を垂らしている様子だった・・。

怪我をした誘拐犯の2年生たちは、骨への異常がありそうなことから
病院へと運ばれることになった・・。

用具室から出て行こうとした時・・。

レオが、気になる香りを鼻に感じて立ち止まった。

室内の隅に落ちていたヒビの入った小瓶を見付けると、そっと拾い上げた。

眉を顰めて、その香りを確かめると驚いた表情でユヴェールを呼ぶ。

「レオ、どうしたの・・??」

手に持った小さな小瓶をユヴェールに見せると、驚いた顔で顔を見合わせた。

「これ・・。最近、出回ってる妙な薬だよな??」

「間違いないよ・・!!
この小瓶、前に可笑しくなった1年が持っていたものだよ・・。
さっきの奴らの目が覚めたら、聞き取ることにしようか?」

レオは、その冷たい小瓶をそっとハンカチで包んだ。

「小物に用はないが・・。こいつらも、このままでは済まさない。
あの薬を使う。」

「解った・・。自白させたら、記憶を消しておくよ。全く、万能なもんだな・・。」

その言葉にレオはため息を吐いて呟いた・・。

「毒にも薬にもなる・・。
だからこそ、危険だ。これ以上、広まる前に片付けなくてはな・・。」

2人は、目を見合わせて頷き合った。

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