転生伯爵令嬢は、裏切り者からの寵愛に戸惑う。

館花陽月

文字の大きさ
42 / 187
奇跡の聖夜をあなたと。

奇跡の聖夜をあなたと。②

しおりを挟む
しかも、ジュリーも参加するなら・・。

ここで何か、仕掛けられるじゃない!!

「あら、素敵なお誘いね・・。前向きに検討させて頂くわ!!」

ぱあっと明るい表情で答えると、クロードが少しだけ不安そうに笑う。

「聖夜は本当は2人きりがいいんだけど・・。もう少し我慢してね?」

「あらやだ!!2人っきりのお祝いは、結婚したらいくらでも機会があるわ!
そうだ・・。ジュリーも来るのかしら?」

「あ、うん。彼女も来るって。
ねぇ、シア・・。今日は僕とデートに行かないか??
最近、勉強を教えるんだって、デートも何度も断れているし・・。
放課後も、式の準備で忙しいのは分かるけど・・。
君といる時間が全然足りてないよ・・!!」

えーと、デートの誘い・・。

持ち前の記憶想起で換算し始める。

「そうね・・。
確かに、ざっと38回くらい断ってるわね・・!!」

衝撃の回数に、流石の私も自分で退いた。

「みんなにシアを取られちゃって寂しいよ・・。
婚約者は僕なのにさ。最近は、レオだけでなく、あのカイルまで近づいてるし・・!!
みんな僕の気持ちなんか気にしないんだよ・・。
シア、今日はいいだろ?僕と、デートしようよ。」

潤んだ瞳で見上げるクロードに、少しだけ同情した。

ジュリーとのこともあるし・・。

「街にでも行きましょうか?
探してる本があって、ちょうど本屋に行きたかったの。」

非常に不幸な提案に、私は仕方なく頷いた。

レモンイエローの動きやすいドレスに着替えると、
髪を編み込んで出かける身支度を整えた。


クロードが本屋の軒先で、大きな声を上げて指さしていた。

「・・な、なんでレオと・・。ユヴェールがこんな所にいるんだよ!?」

太陽が真上に昇る前に、爽やかなスマイルを浮かべた王子が街の本屋に出現していた。

「やあ、クロードにシア。奇遇だね、こんな場所で会うなんて・・。」

「失礼な奴だな・・。街は公共の場所だろ。お前の私有地じゃないんだぞ?」

私服姿のユヴェールとレオに違和感・・。

品のいいベストと、シャツにトゥザーズ姿だったが流石貴族と王族!!

清楚な身なりに、身長が高く、スタイルも良いから2人共モデルみたいじゃない!!

「あら、お忍びでいらしたのよね。どうしたの?」

「ユヴェールに、今度の「レオノーラの聖夜」の前日に教会の孤児院で行われるパーティの内容を相談をされてな。
子供たちが喜ぶパーティは、どうしたらいいのかと一緒に考えている所なんだ。」

すれ違う人々が、2人をチラチラ見ている気がする・・。

地味っ子に扮しても、生まれながらのオーラは隠し切れないもんなのね!!

「ぼ、僕たちは、デートで来たんだよ!!
ちょっとそこ、どいてよ・・!!
シアと一緒に本を選ぶんだ!!さぁ、シア。何を見ようか??」

私の腕を掴むと、ズンズンと本屋の中へと入っていく。

「薬草学の医療と、代替え薬草学について書かれた本を探してるんだけど・・。」

「や、薬草学??!えーっと・・。棚は何処だろ??あっちかな・・。」

キョロキョロと辺りを確認しているクロードに、レオが冷めた声で告げた。

「おい、薬草の書棚はあっちだぞ?」

「わ、わかってるよ!!
今、案内するところだったんだ。」

私は、強引に手を引かれてズルズルと中へと進んで行く・・。
しおりを挟む
感想 45

あなたにおすすめの小説

【完結】転生地味悪役令嬢は婚約者と男好きヒロイン諸共無視しまくる。

なーさ
恋愛
アイドルオタクの地味女子 水上羽月はある日推しが轢かれそうになるのを助けて死んでしまう。そのことを不憫に思った女神が「あなた、可哀想だから転生!」「え?」なんの因果か異世界に転生してしまう!転生したのは地味な公爵令嬢レフカ・エミリーだった。目が覚めると私の周りを大人が囲っていた。婚約者の第一王子も男好きヒロインも無視します!今世はうーん小説にでも生きようかな〜と思ったらあれ?あの人は前世の推しでは!?地味令嬢のエミリーが知らず知らずのうちに戦ったり溺愛されたりするお話。 本当に駄文です。そんなものでも読んでお気に入り登録していただけたら嬉しいです!

異世界に喚ばれた私は二人の騎士から逃げられない

紅子
恋愛
異世界に召喚された・・・・。そんな馬鹿げた話が自分に起こるとは思わなかった。不可抗力。女性の極めて少ないこの世界で、誰から見ても外見中身とも極上な騎士二人に捕まった私は山も谷もない甘々生活にどっぷりと浸かっている。私を押し退けて自分から飛び込んできたお花畑ちゃんも素敵な人に出会えるといいね・・・・。 完結済み。全19話。 毎日00:00に更新します。 R15は、念のため。 自己満足の世界に付き、合わないと感じた方は読むのをお止めください。設定ゆるゆるの思い付き、ご都合主義で書いているため、深い内容ではありません。さらっと読みたい方向けです。矛盾点などあったらごめんなさい(>_<)

記憶を失くして転生しました…転生先は悪役令嬢?

ねこママ
恋愛
「いいかげんにしないかっ!」 バシッ!! わたくしは咄嗟に、フリード様の腕に抱き付くメリンダ様を引き離さなければと手を伸ばしてしまい…頬を叩かれてバランスを崩し倒れこみ、壁に頭を強く打ち付け意識を失いました。 目が覚めると知らない部屋、豪華な寝台に…近付いてくるのはメイド? 何故髪が緑なの? 最後の記憶は私に向かって来る車のライト…交通事故? ここは何処? 家族? 友人? 誰も思い出せない…… 前世を思い出したセレンディアだが、事故の衝撃で記憶を失くしていた…… 前世の自分を含む人物の記憶だけが消えているようです。 転生した先の記憶すら全く無く、頭に浮かぶものと違い過ぎる世界観に戸惑っていると……?

「地味ブス」と捨てられた私、文化祭の大型スクリーンで王子様の裏の顔を全校生に配信します

スカッと文庫
恋愛
「お前みたいな地味女、引き立て役にもならないんだよ」 眼鏡にボサボサ頭の特待生・澪(みお)は、全校生徒が見守る中、恋人だった学園の王子・ハルトから冷酷に捨てられた。 隣には、可憐な微笑みを浮かべる転校生・エマ。 エマの自作自演により「いじめの犯人」という濡れ衣まで着せられ、学園中から蔑まれる澪。 しかし、彼女を嘲笑う者たちはまだ知らない。 彼女が眼鏡の奥に、誰もが平伏す「真実の美貌」と、学園さえも支配できる「最強の背景」を隠していることを――。 「……ねぇ、文化祭、最高のステージにしてあげる」 裏切りへのカウントダウンが今、始まる。 スクリーンの裏側を暴き、傲慢な王子と偽りのヒロインを奈落へ突き落とす、痛快・学園下剋上ファンタジー!

完結 辺境伯様に嫁いで半年、完全に忘れられているようです   

ヴァンドール
恋愛
実家でも忘れられた存在で 嫁いだ辺境伯様にも離れに追いやられ、それすら 忘れ去られて早、半年が過ぎました。

侯爵家の婚約者

やまだごんた
恋愛
侯爵家の嫡男カインは、自分を見向きもしない母に、なんとか認められようと努力を続ける。 7歳の誕生日を王宮で祝ってもらっていたが、自分以外の子供を可愛がる母の姿をみて、魔力を暴走させる。 その場の全員が死を覚悟したその時、1人の少女ジルダがカインの魔力を吸収して救ってくれた。 カインが魔力を暴走させないよう、王はカインとジルダを婚約させ、定期的な魔力吸収を命じる。 家族から冷たくされていたジルダに、カインは母から愛されない自分の寂しさを重ね、よき婚約者になろうと努力する。 だが、母が死に際に枕元にジルダを呼んだのを知り、ジルダもまた自分を裏切ったのだと絶望する。 17歳になった2人は、翌年の結婚を控えていたが、関係は歪なままだった。 そんな中、カインは仕事中に魔獣に攻撃され、死にかけていたところを救ってくれたイレリアという美しい少女と出会い、心を通わせていく。 全86話+番外編の予定

【完結】乙女ゲーム開始前に消える病弱モブ令嬢に転生しました

佐倉穂波
恋愛
 転生したルイシャは、自分が若くして死んでしまう乙女ゲームのモブ令嬢で事を知る。  確かに、まともに起き上がることすら困難なこの体は、いつ死んでもおかしくない状態だった。 (そんな……死にたくないっ!)  乙女ゲームの記憶が正しければ、あと数年で死んでしまうルイシャは、「生きる」ために努力することにした。 2023.9.3 投稿分の改稿終了。 2023.9.4 表紙を作ってみました。 2023.9.15 完結。 2023.9.23 後日談を投稿しました。

捨てられ侯爵令嬢ですが、逃亡先で息子と幸せに過ごしていますので、邪魔しないでください。

蒼月柚希
恋愛
公爵様の呪いは解かれました。 これで、貴方も私も自由です。 ……だから、もういいですよね? 私も、自由にして……。 5年後。 私は、ある事情から生まれ育った祖国を離れ、 親切な冒険者パーティーと、その地を治める辺境伯様のご家族に守られながら、 今日も幸せに子育てをしています。 だから貴方も勝手に、お幸せになってくださいね。 私のことは忘れて……。 これは、すれ違いの末に離れ離れになった夫婦の物語。 再会したとき、二人が選ぶのは「離婚」か、それとも「再構築」か。 妻を一途に想い続ける夫と、 その想いを一ミリも知らない妻。 ――攻防戦の幕が、いま上がる。

処理中です...