転生伯爵令嬢は、裏切り者からの寵愛に戸惑う。

館花陽月

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最後の円舞は君と・・。

最後の円舞は君と・・。⑪

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数分後、静寂に包まれたある邸宅にユヴェールが潜入していた。

「・・アレクシアっ、無事か!?」

「シアっ・・。お前の運命の男、このカイルが今、助けに来たぞ!!」

ドアが開かれた瞬間に、目の前に広がる光景にユヴェールとカイルは口をあんぐり開けた。


顔にハイヒールの痕がついた男性が、気絶したまま
後ろ手に縛られて床に転がっていた。

「あら、2人とも遅いわよー・・。危なかったんだからね??
毒入りの小瓶を、うっかりまた飲まされる所だったのよ・・!!」

裸足のまま、大股を開いてドレスをたくし上げたアレクシアは、
気だるそうに首をコキコキ鳴らした。

もう1人の男性は、泣きながら顔にかかった毒薬をハンカチで拭いていた。

「ど、どういうシュチエーションなんだ、これは・・!?」

「えっとねー、まず、毒薬を飲まされそうになったのよ。
急所と、顔面をまずヒールで蹴り上げて・・。後は、口に含まされた毒薬をね・・。」

「いや、もういいよ・・!!察しは付く・・。」

「そう??じゃ、説明のくだりは割愛させて頂くわ。」

私は腰に手を当てたままで口直しに、
自分で調薬した解毒剤をぐびっと飲み干した・・。

ユヴェールは、倒れた男と、毒薬を顔にかけられた男を拘束するように命じた。

「逞しい女だな・・。
君なら、暗殺者がいくらいても撃退出来そうだ・・。
ますます欲しくなったよ、シア・・!!」

「あ、それは遠慮しときます。ザイードのお菓子は大好きなんだけど・・。」

飛びついてきたカイルの腕を叩き落として微笑んだ。

しょんぼりしたカイルが、ハッとした表情を浮かべて振り返った。

私は、気配を察して頭を上げた。

瞳は、とても鋭い目線をその人物に向けていた・・。

「さて・・。もう1名はどうしましょうか?
貴方たちの意見を聞かせて頂戴・・?」

「そうだな・・。どうする、カイル??」

ユヴェールは、ゴクリと喉を鳴らして窓辺の人影を睨みつけていた・・。

「シアの選択に委ねるよ・・。君がしたいようにしていいよ。」


裸足のままで、私はその人物へと近づいていく・・。

「そうねぇ・・。
じゃあ、答えは1つだわ。私、今とーっても・・。邪魔されたくないのよね。」


向き合った人物は、ゴクリと喉を鳴らしてアレクシアを見つめた・・。



「だから、私と・・、取引しない??」


シルバーグレーの瞳を細めた私は、その人物に妖艶に微笑んだ。



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