2 / 25
1. キャンプイン!
しおりを挟む※本作品はフィクションであり、現実の女子野球、NPB等とは一切関係ありません。球団数や校数の数字などはすべて架空です。ご了承ください。
2020年2月1日(土)。
プロ野球にとって”正月”とも言える時期が来た。今日、プロ野球12球団が一斉にキャンプインする。昨夜のスポーツニュースではたくさんの野球解説者が順位予想を発表し、注目選手が次々と取材をされている様子が放送された。
地上波のニュースで取り上げられるのは男子プロ野球ばかりだが、実は日本には女子プロ野球リーグというものも存在するのだ。
女子プロ野球は男子と同様、12球団が2月1日にキャンプインする。女子野球の競技人口は年々増加しており、2004年にはわずか5チームだった女子高校野球インターハイ出場数が、2019年には70チームに上るなど、人気急上昇中のスポーツなのである。
女子野球の人気が伸びている状況下とはいえ、女子プロ野球は男子プロ野球やその他の人気の女子スポーツに押され、なかなか人気が出ない。
今季、女子プロ野球リーグは開幕してから今年で11年目。10年間のシーズンを終えて色々な課題が見え始めており、リーグ存続のために様々な企画が打ち出されている。観客動員がなかなか伸びず、今シーズンは女子プロ野球市場初めてリーグ全体の観客数が前年度の数字を割り込んでしまった。
特に問題となったのが、通葉市(つばし)を本拠地とする通葉ジュピターズの観客動員数である。昨シーズン51勝9敗という圧倒的な数字でイースタンリーグを制覇し、女王決定戦も3連勝で優勝したにもかかわらず、「ジュピターズの雰囲気が暗すぎて試合が面白くない」という理由で昨年よりも観客が10%近く落ち込んでしまったのだ。
そしてリーグ運営側から突きつけられたのは「この観客数があと3年続くことになればリーグの存続はかなり厳しい」という驚愕の事実。
◇
「えー、本日より春季キャンプを行います。昨年は悲願の日本一を達成することができましたが、昨年よりお客さんが減ってしまいました。今年は勝つだけでなく、より多くのファンに愛されるようなチーム、『お客さんを呼べる野球』を目指して、日々精進していきましょう」
晴天の通葉市民球場でキャンプのあいさつをしたのは、今季11年目を迎えるジュピターズの中心選手、西畑美紀(にしはた・みき)だ。彼女は昨シーズン、全60試合に出場し、打率.437、15本塁打、60打点と驚異的な数字をたたき出した。男子プロ野球の試合数である約140試合に換算すると、35本ほどのホームランを放ったことになる。昨年からホームランが激増し、昨年までの女子プロ野球記録の5本塁打を6月であっさりと抜いて女子野球としては驚異的なペースでホームランを打ち続けた。2019年の世界女子野球でも大活躍し、ジュピターズどころか世界の女子野球の中心選手ともいえる。
(お客さんを呼べる野球、ね。可愛い選手がいたらいいけど、自分にアイドル要素なんてないし、私は真面目に野球をする以外何もできない)
クールな表情をしているのは弊梢(へい・こずえ)。彼女は2019年に大卒ルーキーとしてジュピターズに入団。女子プロ野球最速記録のMAX131km/hのストレートと切れの良いスライダー、チェンジアップ、そして89km/hのスローカーブを武器に三振を量産。12勝を挙げてイースタンリーグの最多勝に輝き、新人王も受賞した。177cmの長身で手足が長く、その美しいフォームはファンを魅了する。ブルペンでの投球練習だけで観客が歓声を上げるほどだ。
彼女は野球にだけ集中したいという想いからかメディアの露出は極めて少なく、インタビューでも明るい顔をすることは少ない。
彼女はスタンドからの声援にあまり見向きもせず、淡々とランニングを始めた。
「あの子、野球への情熱はあるんだろうけど、少々冷めたとこがあるわね。ファンから見てるとちょっと冷たい感じに見えちゃうのかも」
そう言って心配するのはジュピターズの監督を務める市村祥子(いちむら・しょうこ)。
彼女は2010年、25歳の時に女子プロ野球リーグの記念すべき第1回トライアウトに参加し、見事合格。
昨年までの10シーズンで通算88勝を挙げた名投手である。昨シーズンは守護神として30試合に登板、21セーブを挙げて最多セーブのタイトルを獲得したが、長年の勤続疲労により肘に故障を抱えてしまい、マウンドに戻るには手術が必要になってしまった。復帰が最短でも2021シーズンになり、しかも以前のような投球が再びできるとは限らないという診断を受け、引退をした。
創設時よりチームを支えておりすべてを知り尽くしているということから、引退を球団に告げた後すぐに監督就任の打診が来たようだ。
祥子のモットーは「ファンに喜んでもらえる野球」で、現役時代からクールな選手とは対立してしまうことも多々あった。そんな彼女は梢のファンに対して少し冷めた部分があることが気になっているらしい。
「彼女をはじめ、もっと明るく元気な印象をファンに与えられるような選手が何人かいればいいんですけどねえ…。少々雰囲気が暗いですねジュピターズは。実力があるだけにもったいない」
女子プロ野球リーグのコミッショナーである黒瀬和義(くろせ・かずよし)が心配そうに見つめた。
「監督、昨年のままじゃどんどんお客さん減りますよ。スポーツに笑顔はいらないなんて言ってたら、どんどんファンが離れてしまいます。なんとかしないといけませんよ」
0
あなたにおすすめの小説
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
上司、快楽に沈むまで
赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。
冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。
だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。
入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。
真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。
ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、
篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」
疲労で僅かに緩んだ榊の表情。
その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。
「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」
指先が榊のネクタイを掴む。
引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。
拒むことも、許すこともできないまま、
彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。
言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。
だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。
そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。
「俺、前から思ってたんです。
あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」
支配する側だったはずの男が、
支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。
上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。
秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。
快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。
――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
母の下着 タンスと洗濯籠の秘密
MisakiNonagase
青春
この物語は、思春期という複雑で繊細な時期を生きる少年の内面と、彼を取り巻く家族の静かなる絆を描いた作品です。
颯真(そうま)という一人の高校生の、ある「秘密」を通して、私たちは成長の過程で誰もが抱くかもしれない戸惑い、罪悪感、そしてそれらを包み込む家族の無言の理解に触れます。
物語は、現在の颯真と恋人・彩花との関係から、中学時代にさかのぼる形で展開されます。そこで明らかになるのは、彼がかつて母親の下着に対して抱いた抑えがたい好奇心と、それに伴う一連の行為です。それは彼自身が「歪んだ」と感じる過去の断片であり、深い恥ずかしさと自己嫌悪を伴う記憶です。
しかし、この物語の核心は、単なる過去の告白にはありません。むしろ、その行為に「気づいていたはず」の母親が、なぜ一言も問い詰めず、誰にも告げず、ただ静かに見守り続けたのか——という問いにこそあります。そこには、親子という関係を超えた、深い人間理解と、言葉にされない優しさが横たわっています。
センシティブな題材を、露骨な描写や扇情的な表現に頼ることなく、あくまで颯真の内省的な視点から丁寧に紡ぎ出しています。読者は、主人公の痛みと恥ずかしさを共有しながら、同時に、彼を破綻から救った「沈黙の救済」の重みと温かさを感じ取ることでしょう。
これは、一つの過ちと、その赦しについての物語です。また、成長とは時に恥ずかしい過去を背負いながら、他者の無償の寛容さによって初めて前を向けるようになる過程であること、そして家族の愛が最も深く現れるのは、時に何も言わない瞬間であることを、静かにしかし確かに伝える物語です。
どうか、登場人物たちの静かなる心の襞に寄り添いながら、ページをめくってください。
BL 男達の性事情
蔵屋
BL
漁師の仕事は、海や川で魚介類を獲ることである。
漁獲だけでなく、養殖業に携わる漁師もいる。
漁師の仕事は多岐にわたる。
例えば漁船の操縦や漁具の準備や漁獲物の処理等。
陸上での魚の選別や船や漁具の手入れなど、
多彩だ。
漁師の日常は毎日漁に出て魚介類を獲るのが主な業務だ。
漁獲とは海や川で魚介類を獲ること。
養殖の場合は魚介類を育ててから出荷する養殖業もある。
陸上作業の場合は獲った魚の選別、船や漁具の手入れを行うことだ。
漁業の種類と言われる仕事がある。
漁師の仕事だ。
仕事の内容は漁を行う場所や方法によって多様である。
沿岸漁業と言われる比較的に浜から近い漁場で行われ、日帰りが基本。
日本の漁師の多くがこの形態なのだ。
沖合(近海)漁業という仕事もある。
沿岸漁業よりも遠い漁場で行われる。
遠洋漁業は数ヶ月以上漁船で生活することになる。
内水面漁業というのは川や湖で行われる漁業のことだ。
漁師の働き方は、さまざま。
漁業の種類や狙う魚によって異なるのだ。
出漁時間は早朝や深夜に出漁し、市場が開くまでに港に戻り魚の選別を終えるという仕事が日常である。
休日でも釣りをしたり、漁具の手入れをしたりと、海を愛する男達が多い。
個人事業主になれば漁船や漁具を自分で用意し、漁業権などの資格も必要になってくる。
漁師には、豊富な知識と経験が必要だ。
専門知識は魚類の生態や漁場に関する知識、漁法の技術と言えるだろう。
資格は小型船舶操縦士免許、海上特殊無線技士免許、潜水士免許などの資格があれば役に立つ。
漁師の仕事は、自然を相手にする厳しさもあるが大きなやりがいがある。
食の提供は人々の毎日の食卓に新鮮な海の幸を届ける重要な役割を担っているのだ。
地域との連携も必要である。
沿岸漁業では地域社会との結びつきが強く、地元のイベントにも関わってくる。
この物語の主人公は極楽翔太。18歳。
翔太は来年4月から地元で漁師となり働くことが決まっている。
もう一人の主人公は木下英二。28歳。
地元で料理旅館を経営するオーナー。
翔太がアルバイトしている地元のガソリンスタンドで英二と偶然あったのだ。
この物語の始まりである。
この物語はフィクションです。
この物語に出てくる団体名や個人名など同じであってもまったく関係ありません。
むっつり金持ち高校生、巨乳美少女たちに囲まれて学園ハーレム
ピコサイクス
青春
顔は普通、性格も地味。
けれど実は金持ちな高校一年生――俺、朝倉健斗。
学校では埋もれキャラのはずなのに、なぜか周りは巨乳美女ばかり!?
大学生の家庭教師、年上メイド、同級生ギャルに清楚系美少女……。
真面目な御曹司を演じつつ、内心はむっつりスケベ。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる