1 / 1
冷えるとお腹痛くなっちゃう
しおりを挟む
ピコンッと携帯がメールの着信を知らせる。
俺はポケットから携帯を取り出し、それを確認する。
『あおいが講義中、体調悪いっつって保健室向かった。その後どうなったのかは知らねえ。悪い。』
メールの送り主は高校時代の友達だった。彼は俺とあおいの関係を知っている数少ない人物の一人だ。あおいと同じ大学に進学していて、今でもよく連絡を取り合っている。
とりあえず、彼に『ありがとう。』とだけ返信して、自習のために立ち上げていたノートパソコンの電源を落とした。
「ったく。なんで本人からは何も連絡よこさないんだよ。」
一人、そう呟きつつ素早く荷物をまとめて、駅に向けて走った。
電車の中であおいにメールを入れてみるが特に返事はなかった。寝ているだけなのだろう、と自分の心配のし過ぎだろう、と言い聞かせて、なんとか心を落ち着かせていた。
とはいえ、貧乏ゆすりは止まることなく、着信の入らない携帯を何度確認したかわからない。
やっとの思いで着いた我が家の鍵穴に鍵を通して玄関に入った。
「ただいま…」
寝ていたら起こしては申し訳ないと思い、バクバクとうるさい心臓を落ち着かせて、できるだけ静かにする。廊下にあおいの姿はないから、恐らくリビングか寝室だろう。倒れていないことにひとまず安心する。
まずはリビングに足を運んだ。
扉を開けると、ソファの上に三角座りしているあおいが目に入った。
「あおい!」
「朔羅…っおかえり。」
「ただいま。あいつから聞いた。調子悪いんだって?」
「ちょ、っとだけ、、だよ。」
「顔色悪い。どこがちょっとだよ。」
顔を上げた瞬間に見えたあおいの顔色は青白くて目も潤んでいるし、体調不良は少しではないことは明らかだった。
少し屈んで、あおいと目線を合わせて、小さい子に言い聞かせるように言った。
「あおい、正直に教えて。」
「…おなか…いたぃ。。。」
そう言われて初めて、ぎゅっとお腹に当てている手に目がいった。
時々、円を書くように摩っているのがわかった。
「お腹痛いだけ?他は?」
首を横に振って答える。
「毛布取ってくるよ。」
ポンポン、と頭を軽く撫でて、その場をさる。
毛布を持って戻っていて、丸くなっている背中にかける。
「冷えたのかな?最近本格的に寒くなってきたし。」
「いたい。。」
先程までの強がりはすっかり消えうせ、目に溜まった涙の少しが頬を伝ったのをきっかけに次々と頬を伝っていく。
隣に座って、あおいの手の上に自分の手を重ねてびっくりした。
あまりにも冷たかった。
「つめたいな。」
「っはっ……」
「息つめないよ。ゆっくり息して。」
「ふぅ。はぁ」
「そう、上手。」
あおいのお腹に当てた手はそのままに、逆の手で肩に手を回して抱き寄せる。素直に俺に体重を預けてきた。
半分、押さえつけるようになっているあおいの手を退けて、腹をさする。さっき、円を書くようにしていたのは見ていた。それが楽なのだろうと思って、あおいが自分でやっていたように円を書いた。
「あった、かい」
「そう?ならよかった。」
しばらくそうしていると、あおいが眠そうに目をぱちぱちとさせていた。
「お腹、どう?」
「だいぶましになって、きた。」
「眠かったら、寝ちゃっていいよ。」
「ん。」
そう言うと、すぐに寝息が聞こえてきた。
お腹をさする手はそのままに、そっと頬にキスを落とした。
「おやすみ。」
俺はポケットから携帯を取り出し、それを確認する。
『あおいが講義中、体調悪いっつって保健室向かった。その後どうなったのかは知らねえ。悪い。』
メールの送り主は高校時代の友達だった。彼は俺とあおいの関係を知っている数少ない人物の一人だ。あおいと同じ大学に進学していて、今でもよく連絡を取り合っている。
とりあえず、彼に『ありがとう。』とだけ返信して、自習のために立ち上げていたノートパソコンの電源を落とした。
「ったく。なんで本人からは何も連絡よこさないんだよ。」
一人、そう呟きつつ素早く荷物をまとめて、駅に向けて走った。
電車の中であおいにメールを入れてみるが特に返事はなかった。寝ているだけなのだろう、と自分の心配のし過ぎだろう、と言い聞かせて、なんとか心を落ち着かせていた。
とはいえ、貧乏ゆすりは止まることなく、着信の入らない携帯を何度確認したかわからない。
やっとの思いで着いた我が家の鍵穴に鍵を通して玄関に入った。
「ただいま…」
寝ていたら起こしては申し訳ないと思い、バクバクとうるさい心臓を落ち着かせて、できるだけ静かにする。廊下にあおいの姿はないから、恐らくリビングか寝室だろう。倒れていないことにひとまず安心する。
まずはリビングに足を運んだ。
扉を開けると、ソファの上に三角座りしているあおいが目に入った。
「あおい!」
「朔羅…っおかえり。」
「ただいま。あいつから聞いた。調子悪いんだって?」
「ちょ、っとだけ、、だよ。」
「顔色悪い。どこがちょっとだよ。」
顔を上げた瞬間に見えたあおいの顔色は青白くて目も潤んでいるし、体調不良は少しではないことは明らかだった。
少し屈んで、あおいと目線を合わせて、小さい子に言い聞かせるように言った。
「あおい、正直に教えて。」
「…おなか…いたぃ。。。」
そう言われて初めて、ぎゅっとお腹に当てている手に目がいった。
時々、円を書くように摩っているのがわかった。
「お腹痛いだけ?他は?」
首を横に振って答える。
「毛布取ってくるよ。」
ポンポン、と頭を軽く撫でて、その場をさる。
毛布を持って戻っていて、丸くなっている背中にかける。
「冷えたのかな?最近本格的に寒くなってきたし。」
「いたい。。」
先程までの強がりはすっかり消えうせ、目に溜まった涙の少しが頬を伝ったのをきっかけに次々と頬を伝っていく。
隣に座って、あおいの手の上に自分の手を重ねてびっくりした。
あまりにも冷たかった。
「つめたいな。」
「っはっ……」
「息つめないよ。ゆっくり息して。」
「ふぅ。はぁ」
「そう、上手。」
あおいのお腹に当てた手はそのままに、逆の手で肩に手を回して抱き寄せる。素直に俺に体重を預けてきた。
半分、押さえつけるようになっているあおいの手を退けて、腹をさする。さっき、円を書くようにしていたのは見ていた。それが楽なのだろうと思って、あおいが自分でやっていたように円を書いた。
「あった、かい」
「そう?ならよかった。」
しばらくそうしていると、あおいが眠そうに目をぱちぱちとさせていた。
「お腹、どう?」
「だいぶましになって、きた。」
「眠かったら、寝ちゃっていいよ。」
「ん。」
そう言うと、すぐに寝息が聞こえてきた。
お腹をさする手はそのままに、そっと頬にキスを落とした。
「おやすみ。」
0
この作品の感想を投稿する
あなたにおすすめの小説
ハンターがマッサージ?で堕とされちゃう話
あずき
BL
【登場人物】ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ハンター ライト(17)
???? アル(20)
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
後半のキャラ崩壊は許してください;;
BL 男達の性事情
蔵屋
BL
漁師の仕事は、海や川で魚介類を獲ることである。
漁獲だけでなく、養殖業に携わる漁師もいる。
漁師の仕事は多岐にわたる。
例えば漁船の操縦や漁具の準備や漁獲物の処理等。
陸上での魚の選別や船や漁具の手入れなど、
多彩だ。
漁師の日常は毎日漁に出て魚介類を獲るのが主な業務だ。
漁獲とは海や川で魚介類を獲ること。
養殖の場合は魚介類を育ててから出荷する養殖業もある。
陸上作業の場合は獲った魚の選別、船や漁具の手入れを行うことだ。
漁業の種類と言われる仕事がある。
漁師の仕事だ。
仕事の内容は漁を行う場所や方法によって多様である。
沿岸漁業と言われる比較的に浜から近い漁場で行われ、日帰りが基本。
日本の漁師の多くがこの形態なのだ。
沖合(近海)漁業という仕事もある。
沿岸漁業よりも遠い漁場で行われる。
遠洋漁業は数ヶ月以上漁船で生活することになる。
内水面漁業というのは川や湖で行われる漁業のことだ。
漁師の働き方は、さまざま。
漁業の種類や狙う魚によって異なるのだ。
出漁時間は早朝や深夜に出漁し、市場が開くまでに港に戻り魚の選別を終えるという仕事が日常である。
休日でも釣りをしたり、漁具の手入れをしたりと、海を愛する男達が多い。
個人事業主になれば漁船や漁具を自分で用意し、漁業権などの資格も必要になってくる。
漁師には、豊富な知識と経験が必要だ。
専門知識は魚類の生態や漁場に関する知識、漁法の技術と言えるだろう。
資格は小型船舶操縦士免許、海上特殊無線技士免許、潜水士免許などの資格があれば役に立つ。
漁師の仕事は、自然を相手にする厳しさもあるが大きなやりがいがある。
食の提供は人々の毎日の食卓に新鮮な海の幸を届ける重要な役割を担っているのだ。
地域との連携も必要である。
沿岸漁業では地域社会との結びつきが強く、地元のイベントにも関わってくる。
この物語の主人公は極楽翔太。18歳。
翔太は来年4月から地元で漁師となり働くことが決まっている。
もう一人の主人公は木下英二。28歳。
地元で料理旅館を経営するオーナー。
翔太がアルバイトしている地元のガソリンスタンドで英二と偶然あったのだ。
この物語の始まりである。
この物語はフィクションです。
この物語に出てくる団体名や個人名など同じであってもまったく関係ありません。
プール終わり、自分のバッグにクラスメイトのパンツが入っていたらどうする?
九拾七
青春
プールの授業が午前中のときは水着を着こんでいく。
で、パンツを持っていくのを忘れる。
というのはよくある笑い話。
上司、快楽に沈むまで
赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。
冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。
だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。
入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。
真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。
ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、
篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」
疲労で僅かに緩んだ榊の表情。
その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。
「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」
指先が榊のネクタイを掴む。
引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。
拒むことも、許すこともできないまま、
彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。
言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。
だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。
そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。
「俺、前から思ってたんです。
あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」
支配する側だったはずの男が、
支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。
上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。
秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。
快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。
――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。
男子高校に入学したらハーレムでした!
はやしかわともえ
BL
閲覧ありがとうございます。
ゆっくり書いていきます。
毎日19時更新です。
よろしくお願い致します。
2022.04.28
お気に入り、栞ありがとうございます。
とても励みになります。
引き続き宜しくお願いします。
2022.05.01
近々番外編SSをあげます。
よければ覗いてみてください。
2022.05.10
お気に入りしてくれてる方、閲覧くださってる方、ありがとうございます。
精一杯書いていきます。
2022.05.15
閲覧、お気に入り、ありがとうございます。
読んでいただけてとても嬉しいです。
近々番外編をあげます。
良ければ覗いてみてください。
2022.05.28
今日で完結です。閲覧、お気に入り本当にありがとうございました。
次作も頑張って書きます。
よろしくおねがいします。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる