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冷えるとお腹痛くなっちゃう
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ピコンッと携帯がメールの着信を知らせる。
俺はポケットから携帯を取り出し、それを確認する。
『あおいが講義中、体調悪いっつって保健室向かった。その後どうなったのかは知らねえ。悪い。』
メールの送り主は高校時代の友達だった。彼は俺とあおいの関係を知っている数少ない人物の一人だ。あおいと同じ大学に進学していて、今でもよく連絡を取り合っている。
とりあえず、彼に『ありがとう。』とだけ返信して、自習のために立ち上げていたノートパソコンの電源を落とした。
「ったく。なんで本人からは何も連絡よこさないんだよ。」
一人、そう呟きつつ素早く荷物をまとめて、駅に向けて走った。
電車の中であおいにメールを入れてみるが特に返事はなかった。寝ているだけなのだろう、と自分の心配のし過ぎだろう、と言い聞かせて、なんとか心を落ち着かせていた。
とはいえ、貧乏ゆすりは止まることなく、着信の入らない携帯を何度確認したかわからない。
やっとの思いで着いた我が家の鍵穴に鍵を通して玄関に入った。
「ただいま…」
寝ていたら起こしては申し訳ないと思い、バクバクとうるさい心臓を落ち着かせて、できるだけ静かにする。廊下にあおいの姿はないから、恐らくリビングか寝室だろう。倒れていないことにひとまず安心する。
まずはリビングに足を運んだ。
扉を開けると、ソファの上に三角座りしているあおいが目に入った。
「あおい!」
「朔羅…っおかえり。」
「ただいま。あいつから聞いた。調子悪いんだって?」
「ちょ、っとだけ、、だよ。」
「顔色悪い。どこがちょっとだよ。」
顔を上げた瞬間に見えたあおいの顔色は青白くて目も潤んでいるし、体調不良は少しではないことは明らかだった。
少し屈んで、あおいと目線を合わせて、小さい子に言い聞かせるように言った。
「あおい、正直に教えて。」
「…おなか…いたぃ。。。」
そう言われて初めて、ぎゅっとお腹に当てている手に目がいった。
時々、円を書くように摩っているのがわかった。
「お腹痛いだけ?他は?」
首を横に振って答える。
「毛布取ってくるよ。」
ポンポン、と頭を軽く撫でて、その場をさる。
毛布を持って戻っていて、丸くなっている背中にかける。
「冷えたのかな?最近本格的に寒くなってきたし。」
「いたい。。」
先程までの強がりはすっかり消えうせ、目に溜まった涙の少しが頬を伝ったのをきっかけに次々と頬を伝っていく。
隣に座って、あおいの手の上に自分の手を重ねてびっくりした。
あまりにも冷たかった。
「つめたいな。」
「っはっ……」
「息つめないよ。ゆっくり息して。」
「ふぅ。はぁ」
「そう、上手。」
あおいのお腹に当てた手はそのままに、逆の手で肩に手を回して抱き寄せる。素直に俺に体重を預けてきた。
半分、押さえつけるようになっているあおいの手を退けて、腹をさする。さっき、円を書くようにしていたのは見ていた。それが楽なのだろうと思って、あおいが自分でやっていたように円を書いた。
「あった、かい」
「そう?ならよかった。」
しばらくそうしていると、あおいが眠そうに目をぱちぱちとさせていた。
「お腹、どう?」
「だいぶましになって、きた。」
「眠かったら、寝ちゃっていいよ。」
「ん。」
そう言うと、すぐに寝息が聞こえてきた。
お腹をさする手はそのままに、そっと頬にキスを落とした。
「おやすみ。」
俺はポケットから携帯を取り出し、それを確認する。
『あおいが講義中、体調悪いっつって保健室向かった。その後どうなったのかは知らねえ。悪い。』
メールの送り主は高校時代の友達だった。彼は俺とあおいの関係を知っている数少ない人物の一人だ。あおいと同じ大学に進学していて、今でもよく連絡を取り合っている。
とりあえず、彼に『ありがとう。』とだけ返信して、自習のために立ち上げていたノートパソコンの電源を落とした。
「ったく。なんで本人からは何も連絡よこさないんだよ。」
一人、そう呟きつつ素早く荷物をまとめて、駅に向けて走った。
電車の中であおいにメールを入れてみるが特に返事はなかった。寝ているだけなのだろう、と自分の心配のし過ぎだろう、と言い聞かせて、なんとか心を落ち着かせていた。
とはいえ、貧乏ゆすりは止まることなく、着信の入らない携帯を何度確認したかわからない。
やっとの思いで着いた我が家の鍵穴に鍵を通して玄関に入った。
「ただいま…」
寝ていたら起こしては申し訳ないと思い、バクバクとうるさい心臓を落ち着かせて、できるだけ静かにする。廊下にあおいの姿はないから、恐らくリビングか寝室だろう。倒れていないことにひとまず安心する。
まずはリビングに足を運んだ。
扉を開けると、ソファの上に三角座りしているあおいが目に入った。
「あおい!」
「朔羅…っおかえり。」
「ただいま。あいつから聞いた。調子悪いんだって?」
「ちょ、っとだけ、、だよ。」
「顔色悪い。どこがちょっとだよ。」
顔を上げた瞬間に見えたあおいの顔色は青白くて目も潤んでいるし、体調不良は少しではないことは明らかだった。
少し屈んで、あおいと目線を合わせて、小さい子に言い聞かせるように言った。
「あおい、正直に教えて。」
「…おなか…いたぃ。。。」
そう言われて初めて、ぎゅっとお腹に当てている手に目がいった。
時々、円を書くように摩っているのがわかった。
「お腹痛いだけ?他は?」
首を横に振って答える。
「毛布取ってくるよ。」
ポンポン、と頭を軽く撫でて、その場をさる。
毛布を持って戻っていて、丸くなっている背中にかける。
「冷えたのかな?最近本格的に寒くなってきたし。」
「いたい。。」
先程までの強がりはすっかり消えうせ、目に溜まった涙の少しが頬を伝ったのをきっかけに次々と頬を伝っていく。
隣に座って、あおいの手の上に自分の手を重ねてびっくりした。
あまりにも冷たかった。
「つめたいな。」
「っはっ……」
「息つめないよ。ゆっくり息して。」
「ふぅ。はぁ」
「そう、上手。」
あおいのお腹に当てた手はそのままに、逆の手で肩に手を回して抱き寄せる。素直に俺に体重を預けてきた。
半分、押さえつけるようになっているあおいの手を退けて、腹をさする。さっき、円を書くようにしていたのは見ていた。それが楽なのだろうと思って、あおいが自分でやっていたように円を書いた。
「あった、かい」
「そう?ならよかった。」
しばらくそうしていると、あおいが眠そうに目をぱちぱちとさせていた。
「お腹、どう?」
「だいぶましになって、きた。」
「眠かったら、寝ちゃっていいよ。」
「ん。」
そう言うと、すぐに寝息が聞こえてきた。
お腹をさする手はそのままに、そっと頬にキスを落とした。
「おやすみ。」
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