虐げられるのは嫌なので、モブ令嬢を目指します!

八代奏多

文字の大きさ
18 / 35
学院編

18. お茶会

しおりを挟む
 放課後、待ち合わせ場所の生徒会室前に移動しようとしたら、話したことのない令嬢達に囲まれてしまった。

「私何か失礼なことをしてしまいましたか?」
「「いいえ!」」

 この後、周りからお茶会に招待されたり自己紹介されたりして耐えかねた私は慌てて逃げ出すのだった。


「遅くなってしまって申し訳ありません!」
「大丈夫ですわ。災難でしたね」
「リリアーナ嬢も来たことですし、行きましょう」

 そんな会話をしてから私達は生徒会室に入た。

 そこで生徒会長さんに自己紹介をして、お仕事の内容などを説明してもらう私達。
 その後驚くほど早く生徒会に入ることになってしまった。



 この後、私はアエリア様との約束を果たそうと声をかけた。

「アエリア様、次の休日は予定空いていますか?」
「空いてますわ」
「よろしかったら、私のところでお茶会しませんか?」
「是非! 楽しみにしてますわね」

 この後は色々なことをお話ししながら門まで向かった。


   ☆ ☆ ☆


「急な誘いだったのに来てくれてありがとう」

 お茶会の日、私は表までアエリア様を出迎えに行っていた。

「こちらこそ誘ってくれてありがとう」

 いつもの挨拶を交わしてから、私は屋敷に案内する。

「リリアーナ様のところは落ち着けるわ。他の方のお屋敷は見栄を張るために派手にしてる事が多いのよ」
「そうなんだ……私はあまりお屋敷にお邪魔した事がないから分からなかったわ」
「行かないと分からないものね……」

 そんな会話をしているうちに応接室に着いた。

「リリアーナ様のお部屋見てみたいのだけど、いいかな?」
「もちろんいいわよ」

 そう言って、私は自分の部屋にアエリア様を案内した。


「ねえ、これって何の魔導具?」
「これはね、足に着けると空を飛べるようになる魔導具よ。いざという時にすぐ逃げられるように置いているの」

 私はアエリア様が指差した魔導具の説明をした。

「すごい……! でも、扱うの難しいでしょ?」
「私は上手く扱えるようになるまで1ヶ月かかったわ」
「そんなに難しいのね……。私が使ったらどうなるかな?」
「天井か壁にぶつかると思うよ」

 私は練習の時に散々痛い目に遭ったことを思い出しながらそう説明した。

「なら、試すのはやめとくわ」
「そうしてもらえると助かるよ」

 アエリア様に大怪我させる訳にはいかないからね!

 私がそう答えると、アエリア様の視線が本棚の方に移った。

「リリアーナ様は読書が好きなの?」
「うん」
「この本読んでみたかったのよ。買いたくても、お母様が「作り物の恋話を読むくらいならいい加減に気になる殿方を見つけなさい」って煩くて買えないのよね……」
「それは大変ね……」

 私はそんなこと言われたことないから、恵まれてるのかなぁ……。
 自由にさせてくれてるお父様とお母様に感謝しないと。

 この後、何冊か貴族向けの本の中でおすすめの作品を貸す約束をしてから色々なことをお話しした。
しおりを挟む
感想 6

あなたにおすすめの小説

「君は悪役令嬢だ」と離婚されたけど、追放先で伝説の力をゲット!最強の女王になって国を建てたら、後悔した元夫が求婚してきました

黒崎隼人
ファンタジー
「君は悪役令嬢だ」――冷酷な皇太子だった夫から一方的に離婚を告げられ、すべての地位と財産を奪われたアリシア。悪役の汚名を着せられ、魔物がはびこる辺境の地へ追放された彼女が見つけたのは、古代文明の遺跡と自らが「失われた王家の末裔」であるという衝撃の真実だった。 古代魔法の力に覚醒し、心優しき領民たちと共に荒れ地を切り拓くアリシア。 一方、彼女を陥れた偽りの聖女の陰謀に気づき始めた元夫は、後悔と焦燥に駆られていく。 追放された令嬢が運命に抗い、最強の女王へと成り上がる。 愛と裏切り、そして再生の痛快逆転ファンタジー、ここに開幕!

出来損ないの私がお姉様の婚約者だった王子の呪いを解いてみた結果→

AK
恋愛
「ねえミディア。王子様と結婚してみたくはないかしら?」 ある日、意地の悪い笑顔を浮かべながらお姉様は言った。 お姉様は地味な私と違って公爵家の優秀な長女として、次期国王の最有力候補であった第一王子様と婚約を結んでいた。 しかしその王子様はある日突然不治の病に倒れ、それ以降彼に触れた人は石化して死んでしまう呪いに身を侵されてしまう。 そんは王子様を押し付けるように婚約させられた私だけど、私は光の魔力を有して生まれた聖女だったので、彼のことを救うことができるかもしれないと思った。 お姉様は厄介者と化した王子を押し付けたいだけかもしれないけれど、残念ながらお姉様の思い通りの展開にはさせない。

『白い結婚だったので、勝手に離婚しました。何か問題あります?』

夢窓(ゆめまど)
恋愛
「――離婚届、受理されました。お疲れさまでした」 教会の事務官がそう言ったとき、私は心の底からこう思った。 ああ、これでようやく三年分の無視に終止符を打てるわ。 王命による“形式結婚”。 夫の顔も知らず、手紙もなし、戦地から帰ってきたという噂すらない。 だから、はい、離婚。勝手に。 白い結婚だったので、勝手に離婚しました。 何か問題あります?

魔法学園の悪役令嬢、破局の未来を知って推し変したら捨てた王子が溺愛に目覚めたようで!?

朱音ゆうひ@11/5受賞作が発売されます
恋愛
『完璧な王太子』アトレインの婚約者パメラは、自分が小説の悪役令嬢に転生していると気づく。 このままでは破滅まっしぐら。アトレインとは破局する。でも最推しは別にいる! それは、悪役教授ネクロセフ。 顔が良くて、知性紳士で、献身的で愛情深い人物だ。 「アトレイン殿下とは円満に別れて、推し活して幸せになります!」 ……のはずが。 「夢小説とは何だ?」 「殿下、私の夢小説を読まないでください!」 完璧を演じ続けてきた王太子×悪役を押し付けられた推し活令嬢。 破滅回避から始まる、魔法学園・溺愛・逆転ラブコメディ! 小説家になろうでも同時更新しています(https://ncode.syosetu.com/n5963lh/)。

妻からの手紙~18年の後悔を添えて~

Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。 妻が死んで18年目の今日。 息子の誕生日。 「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」 息子は…17年前に死んだ。 手紙はもう一通あった。 俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。 ------------------------------

婚約破棄された悪役令嬢の私、前世の記憶を頼りに辺境で農業始めます。~美味しい野菜で国を救ったら聖女と呼ばれました~

黒崎隼人
ファンタジー
王太子アルベルトから「悪役令嬢」の濡れ衣を着せられ、辺境へ追放された公爵令嬢エリザベート。しかし彼女は動じない。なぜなら彼女には、前世で日本の農業研究者だった記憶があったから! 痩せた土地、疲弊した人々――「ならば私が、この地を楽園に変えてみせる!」 持ち前の知識と行動力で、次々と農業改革を成功させていくエリザベート。やがて彼女の噂は王都にも届き、離婚を告げたはずの王太子が、後悔と疑問を胸に辺境を訪れる。 「離婚した元夫婦」が、王国を揺るがす大きな運命の歯車を回し始める――。これは、復縁しない二人が、最高のパートナーとして未来を築く、新しい関係の物語。

離婚と追放された悪役令嬢ですが、前世の農業知識で辺境の村を大改革!気づいた元夫が後悔の涙を流しても、隣国の王子様と幸せになります

黒崎隼人
ファンタジー
公爵令嬢リセラは、夫である王子ルドルフから突然の離婚を宣告される。理由は、異世界から現れた聖女セリーナへの愛。前世が農業大学の学生だった記憶を持つリセラは、ゲームのシナリオ通り悪役令嬢として処刑される運命を回避し、慰謝料として手に入れた辺境の荒れ地で第二の人生をスタートさせる! 前世の知識を活かした農業改革で、貧しい村はみるみる豊かに。美味しい作物と加工品は評判を呼び、やがて隣国の知的な王子アレクサンダーの目にも留まる。 「君の作る未来を、そばで見ていたい」――穏やかで誠実な彼に惹かれていくリセラ。 一方、リセラを捨てた元夫は彼女の成功を耳にし、後悔の念に駆られ始めるが……? これは、捨てられた悪役令嬢が、農業で華麗に成り上がり、真実の愛と幸せを掴む、痛快サクセス・ラブストーリー!

断罪まであと5秒、今すぐ逆転始めます

山河 枝
ファンタジー
聖女が魔物と戦う乙女ゲーム。その聖女につかみかかったせいで処刑される令嬢アナベルに、転生してしまった。 でも私は知っている。実は、アナベルこそが本物の聖女。 それを証明すれば断罪回避できるはず。 幸い、処刑人が味方になりそうだし。モフモフ精霊たちも慕ってくれる。 チート魔法で魔物たちを一掃して、本物アピールしないと。 処刑5秒前だから、今すぐに!

処理中です...