28 / 31
27
しおりを挟む
走る足音はいまだに階段を登っていく。
遠ざかることはないが近づくこともない音に、カトレアは幾度目かわからない舌打ちをもらす。
この先は屋上に続いていると記憶していた。
入院患者が眠る病室に突撃しないことに安堵しながらも、クララの思惑に感づき顔を歪めた。
(……屋上に、おびき寄せるつもりなのね)
そこにいったい何が待ち受けているのだろう?
寒気にも似た嫌な予感はずっと背中を這っているが、追いかけないという選択肢はカトレアの中には無かった。
やがてがちゃりとドアが開き、そこから何者かが出て行った気配がする。
クララ・クリスが屋上へ駆け出して行ったのだろう。
ほどなくしてカトレアも外界へと続く扉の前へとたどり着く。
扉はすでにぴったりと締まっていた。
息を整えながら、閉ざされたドアのノブへと手をかけ、ドアノブを回す。
がちゃりと静かに音が響いて……しかしふと疑念を抱き、壁に身を隠しながら蹴り上げるように扉を開けた。
瞬間、ぴぃんと細い糸が切れたような音がカトレアの耳たぶを掠める。
何かが崩れるような物音が聞こえたのは、ぎくりと体を強張らせたすぐあと。
ぎょっと見開いた目の前に何かが落下している。よくよく目を凝らせば、それは大粒の石や小さな鉄の塊であった。
がらんがらんと轟音を響かせ地面に落ちるそれらの中には、釘やナットなどもある。
頭から被ればいくら騎士団と言えど、大怪我は免れない。
油断して屋上に出て行ったら、傷ついていたのは地面ではなくカトレア自身だっただろう。
殺意や敵意を隠すことなく如実に伝えてくるそれに顔が青くなった。
(罠だわ……!)
そう感じた刹那、身を隠す壁の向こう側で何かが動いた気配を感じる。
懐に隠していた拳銃を取り出して、カトレアはその気配へ向けて大きく呼びかけた。
「クララ・クリス!もう逃げ場はないわ!大人しく投降しなさい!」
返事はない。
わかりきっていたことだったが、今一度カトレアはその名を呼んだ。
「クララ・クリス!」
「売女(ばいた)が……」
闇の中から、そう聞こえた。
はっと銃を構えた刹那、扉の影から小柄な影が姿を現す。
間違いない。それは己が追いかけていた事件の真犯人、クララ・クリスその人であった。
ぎらりと光る眼球はしっかりとカトレアを見据えており、怨念すら感じ取れる。
今一度彼女に警告をしようとし、しかしその細い手に握られていた拳銃を見つけた。
引き金に指がかかっている。まずい、と思うより先に素早く銃口から体をずらした。
発砲音。
顔のそばすれすれを、鉛の塊が通過する。
背後の壁に弾が当たったことを感じながら、カトレアは勢いを殺さず屋上へと躍り出た。
(……躊躇はなしね)
クララと距離を取りながらも、カトレアは銃口から目を離さない。
対してクララはぐっと顔を歪めて、自らの腕を見つめていた。
もしかして初めて銃を撃ったのだろうか?予想以上の衝撃に驚いているのかもしれない。
「その銃は騎士団のものね。貴方が刺した団員から奪ったの?」
「……」
静かに問えば、クララはまたぎらりとこちらを睨みつける。
まるで親の仇とも言わんばかりの表情を向けられる理由は、少なくともカトレアには思い浮かばない。
今だ痺れているのかよろよろと腕を持ち上げ、彼女は銃を構える。
「どうしてお前が生き残っている!カトレア・モリス!お前が死ぬべきだった!この物語に出てくるべきでは無かった!はやく、はやく退場しろっ!!」
呪いでも吐き出しているかのような絶叫に、カトレアは眉間にしわを寄せる。
「貴女の言う物語が何なのかは相変わらずわからないけど……、少なくとも誰かに指示を出されるいわれはないわ」
「うるさいっ!」
今一度、クララが引き金を引いた。
二度目の発砲音が夜空に響き渡る。震える腕で放たれたその弾はカトレアへは当たることはなかった。
衝撃がまた腕に響いたのだろう。「あっ」と悲鳴を上げてクララはよろける。
隙を逃さずカトレアはクララを確保するために一息で走り寄った。
気付いた彼女が再びこちらに銃を向ける前に、腕を伸ばし───、
「なっ……!」
クララがポケットに手を入れて、素早くカトレアの顔に向けて投げつけた。
ざらり、と何かが頬に当たる感覚。同時に目に激しい痛みが走り、思わずまぶたを閉じてしまった。
(しまった……、目つぶし……!)
じわりと涙が溢れ出てくる、が、異物が目から流れ落ちる形跡はない。
ひりひりとする感覚と燃えるような熱ささえ感じる。もしかして粉末状の唐辛子をかけらたのだろうか。
とても目を開けられそうにないと焦っていると、腹に衝撃が走り後ろへと転倒する。
蹴られたのか?それを理解する前に強かに尻を打ち付けた。
銃での攻撃は、油断させるための囮だったのか。
暗闇の中、自らの失態を歯噛みしていると、額にひやりとしたものを押し付けられる。
クララに奪われていた拳銃だということは、考えなくてもわかった。
絶体絶命の危機に身を固まらせていると、忌々し気な声が静かに響いてくる。
「終わりだよ、カトレア・モリス。お前を贔屓した作者を恨みながら死ね」
「作者?貴女は作者というものに、恨みがあるの……?」
なるべく冷静な声で問いかけたつもりだった。
「恨みだと!恨みなんてあるものか!僕は愛しただけだ!先生を、『ローゼンナイト』をっ!それなのに!!」
慟哭にも似た声の後、だん!だん!と何かがぶつかるような音を聞く。
それが足元から聞こえてくるのだとわかったとき、クララが地団駄を踏んでいるようだと察した。
「僕は酷い裏切りを受けたんだ!たくさんアドバイスも送ったのに!先生は僕の言うことを聞いてくれなかった!!」
叫ぶクララの熱情はすさまじく、しかし反対にカトレアの心はどんどん冷めていった。
彼女の言葉は、まるで恋人が恋人に、親が子供に向ける重すぎる期待と愛情のようにも聞こえる。
執筆業にくわしくない己でも、決して読者と作者の関係においては相応しくないものだと感じるそれに、思わずため息が出た。
「まるで子供ね。貴女」
「……うるさい。独りよがりの作者の妄想は、もうここで消えるんだ」
低く怨讐のこもった声とともに、額の銃口がさらに強く押し付けられる。
怒りに支配されたクララ・クリスがその引き金を引くのはすぐだろう、と思わされた。
ようやく痛みが消えてきた目をカトレアが開いたとき、映ったのは歪んだ笑みを浮かべた女の姿だった。
「死ね」
かちゃりと響く銃の音。
これまでか、と流石のカトレアも身を強張らせた───、瞬間だった。
「そこまでだ、クララ・クリス」
首都クルツの夜空に響き渡る、清廉なバリトン。
予想外の声に、カトレアだけでなく、クララも昇降口を振り返る。
開け放たれた扉の前に立っていたのは、騎士団の制服に身を包んだ男であった。
さらりと夜風に流れる金髪。青く深い色の瞳は鋭くクララを見据えている。
その正体がわかったとき、カトレアがほっと肩の力を抜き、クララは「まさか」と顔を青くした。
「遅いわ、エルンスト」
ふう、と安堵のため息をつきながら、彼の名前を呼ぶ。
アパートメントの火事に巻き込まれ、死んだと思われていた騎士。折れた足を支える杖はついているが、健康そのもののその姿。
エルンスト・ローゼンが確かにそこに立っていた。
彼を支えるような体勢で、数日前よりずっと凛々しい顔をしたリザリー・クラントンもいる。
愛しい後輩は己の姿を見るなり、眉間にしわを寄せ、一歩こちらに近づいた。
「クララさん。貴女の悪事はもうおしまいです。大人しく投降してください」
「あ……っ!」
見るからに慌てるクララに近寄り、エルンストは拳銃を取り上げる。
目の前にいるのが間違いなく自らが殺した男だと改めて気付いたのか、彼女は震えながら唇を開いた。
「な、んで、エルンスト、が……?あの時、死んだんじゃ?」
「ああ、確かに死ぬところだった。が、リザリーの機転のおかげで助かったんだ」
震えるクララに、エルンストは静かに告げる。
信じられない顔をしたクララは、ぎょろりと名を呼ばれた彼女を睨みつけた。
リザリー・クラントンは真っ直ぐにその視線を受け止めている。
可愛い後輩としてカトレアの後ろをついて回った面影のない、まったく恐れのない目だった。
遠ざかることはないが近づくこともない音に、カトレアは幾度目かわからない舌打ちをもらす。
この先は屋上に続いていると記憶していた。
入院患者が眠る病室に突撃しないことに安堵しながらも、クララの思惑に感づき顔を歪めた。
(……屋上に、おびき寄せるつもりなのね)
そこにいったい何が待ち受けているのだろう?
寒気にも似た嫌な予感はずっと背中を這っているが、追いかけないという選択肢はカトレアの中には無かった。
やがてがちゃりとドアが開き、そこから何者かが出て行った気配がする。
クララ・クリスが屋上へ駆け出して行ったのだろう。
ほどなくしてカトレアも外界へと続く扉の前へとたどり着く。
扉はすでにぴったりと締まっていた。
息を整えながら、閉ざされたドアのノブへと手をかけ、ドアノブを回す。
がちゃりと静かに音が響いて……しかしふと疑念を抱き、壁に身を隠しながら蹴り上げるように扉を開けた。
瞬間、ぴぃんと細い糸が切れたような音がカトレアの耳たぶを掠める。
何かが崩れるような物音が聞こえたのは、ぎくりと体を強張らせたすぐあと。
ぎょっと見開いた目の前に何かが落下している。よくよく目を凝らせば、それは大粒の石や小さな鉄の塊であった。
がらんがらんと轟音を響かせ地面に落ちるそれらの中には、釘やナットなどもある。
頭から被ればいくら騎士団と言えど、大怪我は免れない。
油断して屋上に出て行ったら、傷ついていたのは地面ではなくカトレア自身だっただろう。
殺意や敵意を隠すことなく如実に伝えてくるそれに顔が青くなった。
(罠だわ……!)
そう感じた刹那、身を隠す壁の向こう側で何かが動いた気配を感じる。
懐に隠していた拳銃を取り出して、カトレアはその気配へ向けて大きく呼びかけた。
「クララ・クリス!もう逃げ場はないわ!大人しく投降しなさい!」
返事はない。
わかりきっていたことだったが、今一度カトレアはその名を呼んだ。
「クララ・クリス!」
「売女(ばいた)が……」
闇の中から、そう聞こえた。
はっと銃を構えた刹那、扉の影から小柄な影が姿を現す。
間違いない。それは己が追いかけていた事件の真犯人、クララ・クリスその人であった。
ぎらりと光る眼球はしっかりとカトレアを見据えており、怨念すら感じ取れる。
今一度彼女に警告をしようとし、しかしその細い手に握られていた拳銃を見つけた。
引き金に指がかかっている。まずい、と思うより先に素早く銃口から体をずらした。
発砲音。
顔のそばすれすれを、鉛の塊が通過する。
背後の壁に弾が当たったことを感じながら、カトレアは勢いを殺さず屋上へと躍り出た。
(……躊躇はなしね)
クララと距離を取りながらも、カトレアは銃口から目を離さない。
対してクララはぐっと顔を歪めて、自らの腕を見つめていた。
もしかして初めて銃を撃ったのだろうか?予想以上の衝撃に驚いているのかもしれない。
「その銃は騎士団のものね。貴方が刺した団員から奪ったの?」
「……」
静かに問えば、クララはまたぎらりとこちらを睨みつける。
まるで親の仇とも言わんばかりの表情を向けられる理由は、少なくともカトレアには思い浮かばない。
今だ痺れているのかよろよろと腕を持ち上げ、彼女は銃を構える。
「どうしてお前が生き残っている!カトレア・モリス!お前が死ぬべきだった!この物語に出てくるべきでは無かった!はやく、はやく退場しろっ!!」
呪いでも吐き出しているかのような絶叫に、カトレアは眉間にしわを寄せる。
「貴女の言う物語が何なのかは相変わらずわからないけど……、少なくとも誰かに指示を出されるいわれはないわ」
「うるさいっ!」
今一度、クララが引き金を引いた。
二度目の発砲音が夜空に響き渡る。震える腕で放たれたその弾はカトレアへは当たることはなかった。
衝撃がまた腕に響いたのだろう。「あっ」と悲鳴を上げてクララはよろける。
隙を逃さずカトレアはクララを確保するために一息で走り寄った。
気付いた彼女が再びこちらに銃を向ける前に、腕を伸ばし───、
「なっ……!」
クララがポケットに手を入れて、素早くカトレアの顔に向けて投げつけた。
ざらり、と何かが頬に当たる感覚。同時に目に激しい痛みが走り、思わずまぶたを閉じてしまった。
(しまった……、目つぶし……!)
じわりと涙が溢れ出てくる、が、異物が目から流れ落ちる形跡はない。
ひりひりとする感覚と燃えるような熱ささえ感じる。もしかして粉末状の唐辛子をかけらたのだろうか。
とても目を開けられそうにないと焦っていると、腹に衝撃が走り後ろへと転倒する。
蹴られたのか?それを理解する前に強かに尻を打ち付けた。
銃での攻撃は、油断させるための囮だったのか。
暗闇の中、自らの失態を歯噛みしていると、額にひやりとしたものを押し付けられる。
クララに奪われていた拳銃だということは、考えなくてもわかった。
絶体絶命の危機に身を固まらせていると、忌々し気な声が静かに響いてくる。
「終わりだよ、カトレア・モリス。お前を贔屓した作者を恨みながら死ね」
「作者?貴女は作者というものに、恨みがあるの……?」
なるべく冷静な声で問いかけたつもりだった。
「恨みだと!恨みなんてあるものか!僕は愛しただけだ!先生を、『ローゼンナイト』をっ!それなのに!!」
慟哭にも似た声の後、だん!だん!と何かがぶつかるような音を聞く。
それが足元から聞こえてくるのだとわかったとき、クララが地団駄を踏んでいるようだと察した。
「僕は酷い裏切りを受けたんだ!たくさんアドバイスも送ったのに!先生は僕の言うことを聞いてくれなかった!!」
叫ぶクララの熱情はすさまじく、しかし反対にカトレアの心はどんどん冷めていった。
彼女の言葉は、まるで恋人が恋人に、親が子供に向ける重すぎる期待と愛情のようにも聞こえる。
執筆業にくわしくない己でも、決して読者と作者の関係においては相応しくないものだと感じるそれに、思わずため息が出た。
「まるで子供ね。貴女」
「……うるさい。独りよがりの作者の妄想は、もうここで消えるんだ」
低く怨讐のこもった声とともに、額の銃口がさらに強く押し付けられる。
怒りに支配されたクララ・クリスがその引き金を引くのはすぐだろう、と思わされた。
ようやく痛みが消えてきた目をカトレアが開いたとき、映ったのは歪んだ笑みを浮かべた女の姿だった。
「死ね」
かちゃりと響く銃の音。
これまでか、と流石のカトレアも身を強張らせた───、瞬間だった。
「そこまでだ、クララ・クリス」
首都クルツの夜空に響き渡る、清廉なバリトン。
予想外の声に、カトレアだけでなく、クララも昇降口を振り返る。
開け放たれた扉の前に立っていたのは、騎士団の制服に身を包んだ男であった。
さらりと夜風に流れる金髪。青く深い色の瞳は鋭くクララを見据えている。
その正体がわかったとき、カトレアがほっと肩の力を抜き、クララは「まさか」と顔を青くした。
「遅いわ、エルンスト」
ふう、と安堵のため息をつきながら、彼の名前を呼ぶ。
アパートメントの火事に巻き込まれ、死んだと思われていた騎士。折れた足を支える杖はついているが、健康そのもののその姿。
エルンスト・ローゼンが確かにそこに立っていた。
彼を支えるような体勢で、数日前よりずっと凛々しい顔をしたリザリー・クラントンもいる。
愛しい後輩は己の姿を見るなり、眉間にしわを寄せ、一歩こちらに近づいた。
「クララさん。貴女の悪事はもうおしまいです。大人しく投降してください」
「あ……っ!」
見るからに慌てるクララに近寄り、エルンストは拳銃を取り上げる。
目の前にいるのが間違いなく自らが殺した男だと改めて気付いたのか、彼女は震えながら唇を開いた。
「な、んで、エルンスト、が……?あの時、死んだんじゃ?」
「ああ、確かに死ぬところだった。が、リザリーの機転のおかげで助かったんだ」
震えるクララに、エルンストは静かに告げる。
信じられない顔をしたクララは、ぎょろりと名を呼ばれた彼女を睨みつけた。
リザリー・クラントンは真っ直ぐにその視線を受け止めている。
可愛い後輩としてカトレアの後ろをついて回った面影のない、まったく恐れのない目だった。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
【完結】捨て去られた王妃は王宮で働く
ここ
ファンタジー
たしかに私は王妃になった。
5歳の頃に婚約が決まり、逃げようがなかった。完全なる政略結婚。
夫である国王陛下は、ハーレムで浮かれている。政務は王妃が行っていいらしい。私は仕事は得意だ。家臣たちが追いつけないほど、理解が早く、正確らしい。家臣たちは、王妃がいないと困るようになった。何とかしなければ…
義妹の嫌がらせで、子持ち男性と結婚する羽目になりました。義理の娘に嫌われることも覚悟していましたが、本当の家族を手に入れることができました。
石河 翠
ファンタジー
義母と義妹の嫌がらせにより、子持ち男性の元に嫁ぐことになった主人公。夫になる男性は、前妻が残した一人娘を可愛がっており、新しい子どもはいらないのだという。
実家を出ても、自分は家族を持つことなどできない。そう思っていた主人公だが、娘思いの男性と素直になれないわがままな義理の娘に好感を持ち、少しずつ距離を縮めていく。
そんなある日、死んだはずの前妻が屋敷に現れ、主人公を追い出そうとしてきた。前妻いわく、血の繋がった母親の方が、継母よりも価値があるのだという。主人公が言葉に詰まったその時……。
血の繋がらない母と娘が家族になるまでのお話。
この作品は、小説家になろうおよびエブリスタにも投稿しております。
扉絵は、管澤捻さまに描いていただきました。
妻からの手紙~18年の後悔を添えて~
Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。
妻が死んで18年目の今日。
息子の誕生日。
「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」
息子は…17年前に死んだ。
手紙はもう一通あった。
俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。
------------------------------
主人公の恋敵として夫に処刑される王妃として転生した私は夫になる男との結婚を阻止します
白雪の雫
ファンタジー
突然ですが質問です。
あなたは【真実の愛】を信じますか?
そう聞かれたら私は『いいえ!』『No!』と答える。
だって・・・そうでしょ?
ジュリアーノ王太子の(名目上の)父親である若かりし頃の陛下曰く「私と彼女は真実の愛で結ばれている」という何が何だか訳の分からない理屈で、婚約者だった大臣の姫ではなく平民の女を妃にしたのよ!?
それだけではない。
何と平民から王妃になった女は庭師と不倫して不義の子を儲け、その不義の子ことジュリアーノは陛下が側室にも成れない身分の低い女が産んだ息子のユーリアを後宮に入れて妃のように扱っているのよーーーっ!!!
私とジュリアーノの結婚は王太子の後見になって欲しいと陛下から土下座をされてまで請われたもの。
それなのに・・・ジュリアーノは私を後宮の片隅に追いやりユーリアと毎晩「アッー!」をしている。
しかも!
ジュリアーノはユーリアと「アッー!」をするにしてもベルフィーネという存在が邪魔という理由だけで、正式な王太子妃である私を車裂きの刑にしやがるのよ!!!
マジかーーーっ!!!
前世は腐女子であるが会社では働く女性向けの商品開発に携わっていた私は【夢色の恋人達】というBLゲームの、悪役と位置づけられている王太子妃のベルフィーネに転生していたのよーーーっ!!!
思い付きで書いたので、ガバガバ設定+矛盾がある+ご都合主義。
世界観、建築物や衣装等は古代ギリシャ・ローマ神話、古代バビロニアをベースにしたファンタジー、ベルフィーネの一人称は『私』と書いて『わたくし』です。
お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます
菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。
嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。
「居なくていいなら、出ていこう」
この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし
五年後、元夫の後悔が遅すぎる。~娘が「パパ」と呼びそうで困ってます~
放浪人
恋愛
「君との婚姻は無効だ。実家へ帰るがいい」
大聖堂の冷たい石畳の上で、辺境伯ロルフから突然「婚姻は最初から無かった」と宣告された子爵家次女のエリシア。実家にも見放され、身重の体で王都の旧市街へ追放された彼女は、絶望のどん底で愛娘クララを出産する。
生き抜くために針と糸を握ったエリシアは、持ち前の技術で不思議な力を持つ「祝布(しゅくふ)」を織り上げる職人として立ち上がる。施しではなく「仕事」として正当な対価を払い、決して土足で踏み込んでこない救恤院の監督官リュシアンの温かい優しさに触れエリシアは少しずつ人間らしい心と笑顔を取り戻していった。
しかし五年後。辺境を襲った疫病を救うための緊急要請を通じ、エリシアは冷酷だった元夫ロルフと再会してしまう。しかも隣にいる娘の青い瞳は彼と瓜二つだった。
「すまない。私は父としての責任を果たす」
かつての合理主義の塊だった元夫は、自らの過ちを深く悔い、家の権益を捨ててでも母子を守る「強固な盾」になろうとする。娘のクララもまた、危機から救ってくれた彼を「パパ」と呼び始めてしまい……。
だが、どんなに後悔されても、どんなに身を挺して守られても、一度完全に壊された関係が元に戻ることは絶対にない。エリシアが真の伴侶として選ぶのは、凍えた心を溶かし、温かい日常を共に歩んでくれたリュシアンただ一人だった。
これは、全てを奪われた一人の女性が母として力強く成長し誰にも脅かされることのない「本物の家族」と「静かで確かな幸福」を自分の手で選び取るまでの物語。
前世ブラックOLの私が転生したら悪役令嬢でした
タマ マコト
ファンタジー
過労で倒れたブラック企業勤めのOLは、目を覚ますと公爵令嬢アーデルハイトとして転生していた。しかも立場は“断罪予定の悪役令嬢”。だが彼女は恋愛や王子の愛を選ばず、社交界を「市場」と見抜く。王家の財政が危ういことを察知し、家の莫大な資産と金融知識を武器に“期限付き融資”という刃を突きつける。理想主義の王太子と衝突しながらも、彼女は決意する――破滅を回避するためではない。国家の金脈を握り、国そのものを立て直すために。悪役令嬢の経済戦争が、静かに幕を開ける。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる