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42.2つの初恋②~ジャックside~
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嫌な事務員の女性とのやり取りがあった一週間後。
この日は休日で久しぶりに美緒さんとゆっくりした時間を過ごせていた。
夕方になり、彼女のご飯を2人で食べているとチャイムが鳴った。
「誰だろう?ちょっと出てみるね」
インターホンを確認した美緒さんは、首を傾げつつ玄関へと向かった。
僕もふとインターホンの画面を見ると、そこには見覚えのある女性が映っていた。
椅子から勢い良く立ち上がり、玄関へと走った。
玄関からは口論している2人の女性の声が聞こえた。
「――ですから、正樹さんはそんなことする人じゃありません。嘘なんて吐かないでください」
「だ~か~ら~私と高崎さんは、最近お付き合いし始めたばっかりで、私に本気になったからあんたとはこれから別れるんだってば!」
(……付き合ってる?何言ってるんだあの女は)
今にも掴み合いの喧嘩が始まりそうで、僕は慌てて2人の間に割り込むと事務員の女性の肩を押した。
勢いによろめきはしたが、転けることく踏みとどまると普段の可愛らしい雰囲気が嘘のように、物凄い形相で僕の後ろに居る美緒さんを睨んでいた。
「どうしてっ!こんな地味な顔の女より、絶対私のほうが高崎さんとお似合いなのに!」
嘘を吐いただけに飽き足らず、美緒さんを悪く言うこの女が許せなかった。
「僕、こないだも言いましたよね?そういう冗談は笑えないって……それに、僕の大切な人は彼女だけです。何がしたくて嘘を吐いたのか分かりませんが、彼女に迷惑をかけないでください。そもそも、僕たち仕事以外の接点なんてありませんでしたよね?どうしてここに住んでるって知ってるんですか」
僕の言葉に下唇を噛んだ女は吐き出すように言った。
「それは……その、高崎さんの後をつけてここに住んでるんだなぁ~って把握しただけで。それに、飲み会とかでは私の話を親身になって聞いてくれてたじゃない!だから高崎さんも私の事好きなんだって――私のことが好きなのに、今の彼女が別れてくれないんでしょ?私、勇気を振り絞ってここまで来たの……人のこと勘違いさせてたなんて、許せない……」
支離滅裂なことを言うこの女の思考回路が理解出来ず、一瞬黙ってしまったがここは徹底的に否定しなければいけない場面だと思い直し、強めに言った。
「貴女の行為はただのストーカーです。それに、飲み会の席では何か言って同僚と揉めるのが面倒だったから、ただ話を聞いていただけで僕が貴女に何か具体的なアドバイスをしましたか?……正直言うと、僕は好きになった相手には色々と言ってしまう男なので、ただ相槌を打って貴女の話を聞いていただけなら、貴女のことは全く好きではなかった証拠です。勘違いをさせていたことは謝ります……ですが、人の後をつけて住所を割り出したり、特定の相手に付き纏いをするのはストーカー行為です。次やったら警察に通報します。今回のことは見逃しますから、どうか帰ってください」
冷たく言い放つと、女はショックを受けた表情の後、目に涙を溜めて階段を勢い良く降りていった。
エレベーターもあるのにそれを使わなかったのは、かなり動揺していたからだろう。
「……美緒さん、なんか変なのに絡まれてしまって本当にごめん」
「どうして正樹さんが謝るの?相手が勝手に勘違いしたのが悪いから、気にしないで」
自分のせいで嫌な思いをしたというのに、彼女は嫌な顔一つせず、むしろ同情的な眼差しを僕に向けてきた。
「……ごめん、美緒さんに勘違いされるのが嫌なんだ」
そう言うと彼女は朗らかに笑い、「正樹さんが誠実な人だっていうことは、私が1番よく分かってるよ。だから嫌いになるなんてないよ」と言ってくれる。
この日以降、ようやく僕が自分を好きではないと理解したからか、それともあの日の出来事が余程屈辱的だったのか、あの事務員からは話しかけて来ることはなくなった。
代わりに上司からの当たりは少しキツくなったが、病院はそこまで暇じゃないためいつしかそういったことも忘れたように無くなっていった。
そして、更に半年が経過した頃に運命の日がやって来た。
あの日のようにチャイムが鳴った。
珍しくその日はインターホンを確認していた美緒さんが怯えた表情をしており、代わりに確認すると黒いパーカーのフードを頭からすっぽりと被った男が居た。
「……知り合い?」
「わ、私の兄……だと思う」
自信なさげに怯えながら答えた美緒さん。
5年以上会っていないから、確実にそうだとは言えないのだろう。
「僕が代わりに出るよ」
玄関に向かうと、美緒さんも慌てて僕の背後にくっついて来た。
「わ、私も……」
振り返ると不安そうに瞳を揺らしながらも、踏ん張って立っている美緒さんが居た。
僕は本当は彼女には部屋の中で大人しく待っていて欲しかったが、彼女の"ここから1歩も動かない"という意志に負けて、彼女を背中に隠しつつ応対することにした。
「貴方は誰ですか?」
「……美緒の兄だ」
玄関を開けて目の前に居たのは、無精髭を生やした黒いパーカー、そのフードを被った男が居たのだが、美緒さんから聞いた話であれば僕らと2~3歳程しか変わらないはずの彼は、その無精髭と小汚い格好のせいで10歳近くも老けて見えた。
「彼女が怯えています……帰ってください」
僕が静かに言い放つと美緒の兄は、血走らせた目でこちらを睨んで叫ぶ。
「……うるせえ、人の女に手を出しやがって!」
次の瞬間には自分のお腹に何かが当たる衝撃を受け、自分のお腹を恐る恐る見ると包丁?の柄が刺さっていた。
自覚したらあっという間に痛みが体全体に広がり、倒れる。
倒れた衝撃で、包丁の柄が握られていたままだったのでお腹から包丁が外れた。
「……えっ?嘘……いや、まさきさん……っ!」
「……に、げて」
上着を脱いで僕のお腹にそれを当てる彼女を見て、とりあえずこの何を仕出かすか分からない男の元から逃げさせたかった。
……しかし、彼女は冷静ではなかったのか僕の声が全く届いていなかった。
そして、スローモーションのように彼女のお腹にも包丁が刺さった。
彼女はそれでも僕の止血を辞めようとせず、あの男は発狂しながら何処か遠くに逃げて行った。
(……意識が朦朧としてきたな)
薄れ行く意識の中、そんなことを考えているとやがて誰かが倒れた気配がした。
「……らいせ……こそ…………」
美緒さんの声だ。
(来世でもまた彼女と一緒なら、悪くないかもな……)
僕はそう思いながら息を引き取った。
「……はっ!」
飛び起きた僕――俺は、見慣れたジャックフリートの部屋のベッドの上だった。
部屋には朝日が差し込み、僅かに鳥のさえずりすらも聞こえてくる。
「……やっと起きたか、小僧」
声がする方へと視線を向けると、窓際に長髪のシルバーブロンドにブルーサファイアの瞳を宿した、20代後半くらいの男が居た。
「……貴様は誰だ」
人間の見た目をしているが、直感でそれが人間とは別の何かだと分かった。
思わずベッドから立ち上がり、ベッドサイドにある護身用の短剣を握る。
「まぁ、落ち着け」
そう言ったかと思うと、次の瞬間には目の前にその男が立っていて、息が止まるかと思った。
この日は休日で久しぶりに美緒さんとゆっくりした時間を過ごせていた。
夕方になり、彼女のご飯を2人で食べているとチャイムが鳴った。
「誰だろう?ちょっと出てみるね」
インターホンを確認した美緒さんは、首を傾げつつ玄関へと向かった。
僕もふとインターホンの画面を見ると、そこには見覚えのある女性が映っていた。
椅子から勢い良く立ち上がり、玄関へと走った。
玄関からは口論している2人の女性の声が聞こえた。
「――ですから、正樹さんはそんなことする人じゃありません。嘘なんて吐かないでください」
「だ~か~ら~私と高崎さんは、最近お付き合いし始めたばっかりで、私に本気になったからあんたとはこれから別れるんだってば!」
(……付き合ってる?何言ってるんだあの女は)
今にも掴み合いの喧嘩が始まりそうで、僕は慌てて2人の間に割り込むと事務員の女性の肩を押した。
勢いによろめきはしたが、転けることく踏みとどまると普段の可愛らしい雰囲気が嘘のように、物凄い形相で僕の後ろに居る美緒さんを睨んでいた。
「どうしてっ!こんな地味な顔の女より、絶対私のほうが高崎さんとお似合いなのに!」
嘘を吐いただけに飽き足らず、美緒さんを悪く言うこの女が許せなかった。
「僕、こないだも言いましたよね?そういう冗談は笑えないって……それに、僕の大切な人は彼女だけです。何がしたくて嘘を吐いたのか分かりませんが、彼女に迷惑をかけないでください。そもそも、僕たち仕事以外の接点なんてありませんでしたよね?どうしてここに住んでるって知ってるんですか」
僕の言葉に下唇を噛んだ女は吐き出すように言った。
「それは……その、高崎さんの後をつけてここに住んでるんだなぁ~って把握しただけで。それに、飲み会とかでは私の話を親身になって聞いてくれてたじゃない!だから高崎さんも私の事好きなんだって――私のことが好きなのに、今の彼女が別れてくれないんでしょ?私、勇気を振り絞ってここまで来たの……人のこと勘違いさせてたなんて、許せない……」
支離滅裂なことを言うこの女の思考回路が理解出来ず、一瞬黙ってしまったがここは徹底的に否定しなければいけない場面だと思い直し、強めに言った。
「貴女の行為はただのストーカーです。それに、飲み会の席では何か言って同僚と揉めるのが面倒だったから、ただ話を聞いていただけで僕が貴女に何か具体的なアドバイスをしましたか?……正直言うと、僕は好きになった相手には色々と言ってしまう男なので、ただ相槌を打って貴女の話を聞いていただけなら、貴女のことは全く好きではなかった証拠です。勘違いをさせていたことは謝ります……ですが、人の後をつけて住所を割り出したり、特定の相手に付き纏いをするのはストーカー行為です。次やったら警察に通報します。今回のことは見逃しますから、どうか帰ってください」
冷たく言い放つと、女はショックを受けた表情の後、目に涙を溜めて階段を勢い良く降りていった。
エレベーターもあるのにそれを使わなかったのは、かなり動揺していたからだろう。
「……美緒さん、なんか変なのに絡まれてしまって本当にごめん」
「どうして正樹さんが謝るの?相手が勝手に勘違いしたのが悪いから、気にしないで」
自分のせいで嫌な思いをしたというのに、彼女は嫌な顔一つせず、むしろ同情的な眼差しを僕に向けてきた。
「……ごめん、美緒さんに勘違いされるのが嫌なんだ」
そう言うと彼女は朗らかに笑い、「正樹さんが誠実な人だっていうことは、私が1番よく分かってるよ。だから嫌いになるなんてないよ」と言ってくれる。
この日以降、ようやく僕が自分を好きではないと理解したからか、それともあの日の出来事が余程屈辱的だったのか、あの事務員からは話しかけて来ることはなくなった。
代わりに上司からの当たりは少しキツくなったが、病院はそこまで暇じゃないためいつしかそういったことも忘れたように無くなっていった。
そして、更に半年が経過した頃に運命の日がやって来た。
あの日のようにチャイムが鳴った。
珍しくその日はインターホンを確認していた美緒さんが怯えた表情をしており、代わりに確認すると黒いパーカーのフードを頭からすっぽりと被った男が居た。
「……知り合い?」
「わ、私の兄……だと思う」
自信なさげに怯えながら答えた美緒さん。
5年以上会っていないから、確実にそうだとは言えないのだろう。
「僕が代わりに出るよ」
玄関に向かうと、美緒さんも慌てて僕の背後にくっついて来た。
「わ、私も……」
振り返ると不安そうに瞳を揺らしながらも、踏ん張って立っている美緒さんが居た。
僕は本当は彼女には部屋の中で大人しく待っていて欲しかったが、彼女の"ここから1歩も動かない"という意志に負けて、彼女を背中に隠しつつ応対することにした。
「貴方は誰ですか?」
「……美緒の兄だ」
玄関を開けて目の前に居たのは、無精髭を生やした黒いパーカー、そのフードを被った男が居たのだが、美緒さんから聞いた話であれば僕らと2~3歳程しか変わらないはずの彼は、その無精髭と小汚い格好のせいで10歳近くも老けて見えた。
「彼女が怯えています……帰ってください」
僕が静かに言い放つと美緒の兄は、血走らせた目でこちらを睨んで叫ぶ。
「……うるせえ、人の女に手を出しやがって!」
次の瞬間には自分のお腹に何かが当たる衝撃を受け、自分のお腹を恐る恐る見ると包丁?の柄が刺さっていた。
自覚したらあっという間に痛みが体全体に広がり、倒れる。
倒れた衝撃で、包丁の柄が握られていたままだったのでお腹から包丁が外れた。
「……えっ?嘘……いや、まさきさん……っ!」
「……に、げて」
上着を脱いで僕のお腹にそれを当てる彼女を見て、とりあえずこの何を仕出かすか分からない男の元から逃げさせたかった。
……しかし、彼女は冷静ではなかったのか僕の声が全く届いていなかった。
そして、スローモーションのように彼女のお腹にも包丁が刺さった。
彼女はそれでも僕の止血を辞めようとせず、あの男は発狂しながら何処か遠くに逃げて行った。
(……意識が朦朧としてきたな)
薄れ行く意識の中、そんなことを考えているとやがて誰かが倒れた気配がした。
「……らいせ……こそ…………」
美緒さんの声だ。
(来世でもまた彼女と一緒なら、悪くないかもな……)
僕はそう思いながら息を引き取った。
「……はっ!」
飛び起きた僕――俺は、見慣れたジャックフリートの部屋のベッドの上だった。
部屋には朝日が差し込み、僅かに鳥のさえずりすらも聞こえてくる。
「……やっと起きたか、小僧」
声がする方へと視線を向けると、窓際に長髪のシルバーブロンドにブルーサファイアの瞳を宿した、20代後半くらいの男が居た。
「……貴様は誰だ」
人間の見た目をしているが、直感でそれが人間とは別の何かだと分かった。
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