異世界物怪録

止まり木

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第五十四話 反撃の狼煙

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「アルフォンス様!大変です!森の炎が!炎が弱まっております!」
 その報告が上がったのは、砦の司令部となっている建物の中で定例会議をしている時だった。この会議では、途中経過の報告と細々とした問題の解決方法を話し合う場だった。
 長い時間を掛けて準備してきたといっても、予想外の事は起こる。今回は、補給物資輸送していた馬車の車輪が破損し、砦への到着が遅れるという事だった。とは言え、物資に関しては余裕を持って備蓄していた為、大きな問題は無い。こういった細かな問題は、砦建設を始めてから、ちょくちょく出てきていたが、アルフォンスが調整して事なきを得ていた。

 炎が消えた。その報告は、砦の建設が始まってから初めての大問題だった。
「何だと!?馬鹿を言えッ!あの炎がそう簡単に消えるものか!」
 
 アルフォンスは立ち上がると自身の目で確認する為に、司令部から出る。 
 数ヶ月単位で森が燃え続けるはずだった。それが、たったの四日で鎮火するなど、アルフォンスは予想すらしていなかった。

 
 急いで、物見櫓に上り、砦の外を見た。
 砦周囲は、真っ黒く燃え尽きた森が広がっている。それはいい、アルフォンスは視線を森の奥へと向ける。
「な!」
 フィフォリアの森に火を着けた時、アルフォンスは、今上っている物見櫓でそれを見ていた。森が勢いよく燃え上がる様は、素晴らしく、まるで神が人類の勝利を祝福しているかのように思えた。

 だが、その炎も今は下火となり、今にも消えそうな弱々しい炎となっていた。その奥には、まだ燃えていない木々があるにも拘らず。
「どういう事だ!」
(一体あの亜人共は何をした!?)
「警備の兵が、あの木々の間に、動く人影があったとの事ですから亜人どもが、どうにかして炎を消したのだと思われます!」
「何だと!?」
 そんな事は、森林火災を消火する事などアルフォンス達には不可能だ。一度火が着いたら、全て燃やし尽くすまで消えることは無い。それが森林火災だ。
 アルフォンスは、エルフの精霊魔法と言うものも知っていたが、それを使って小さな火を消す事は出来るが森林火災レベルになると手も足も出ない事は、既に調べ上げていた。
 それゆえに、のんびりと鎮火するまで待つつもりだったのだ。
「どっどういたしますか?アルフォンス様」
「…兵を集めろ!フル装備でだ。今から亜人どもの討伐に出る!」
 少し考えると、アルフォンスは後から物見櫓に登ってきた部下に命令した。
「えっ?それはあっあまりにも…」
 あっけに取られた部下が、反論しようとするが、彼は途中で遮って怒鳴りつけた。
「何をしている!命令はしたぞっ!」
「りょっ了解!」
 粟を食った部下は、急いで櫓を降りて、兵士の招集を伝えた。
 下火になっていた炎は、兵士が集まる前に消え、細々とした煙を上げるだけになった。
 

 アルフォンスの立つっている櫓の下には、金属製の鎧を着込んだ兵士達が揃っていた。森を行く事から全員歩兵だ。 
 どの顔も、突然の召集に戸惑っている。元々の作戦では、炎が森を焼き尽くし下火になった頃に、一気に攻め込む予定だった。しかし、予想に反して炎は消されてしまった。こうなる事などこの場に居る誰も考えていなかった。
「諸君らも知っている通り、我々の放った炎は、消えてしまった。状況から考えて、奴らが消火した可能性が高い。正直に言おう。私は、あの物共に我らが放った炎が消されるとは思っても見なかった!諸君もそうだろう!」
 ここで兵士達がざわめいた。
「諸君らに問う!だが、そう簡単にあの炎が消せると思うか?諸君も見ただろう!あの業火を!奴らは死に物狂いで、あの炎を…我々の与えた罰を消したのだ!今しかない!断言しよう!今奴らは、炎を消す為に精魂を尽き果て、疲れきっている!エルフや亜人どもの狩り放題だぞ!これは好機だ!いや、神の采配だ!今こそやつらに私達が自ら鉄槌を下し、教育せしめよと!誰が主かをだ!我らエルバルト領兵団は、これから亜人どもからフィフォリアの森とへと攻め込む!我らの力!奴らに存分に示してやろうぞ!」
「そうだ!俺達の炎がそう簡単に消されてたまるか!」
「今なら、狩り放題だ!手柄の上げ放題だ!やってやるぜ!」
「おっ俺だってやってやる!」
「おう!」
 アルフォンスの命令で、予め紛れ込ませていたサクラが声が大きく声を上げる。そしてその言葉に乗る兵士達が現れ最後は大きなうねりとなった。
(消火した連中を皆殺しすれば。もう奴らに抵抗する力はあるまい。ククク、我らの財産である森を守ったエルフ共に感謝してやってもいいな。もし、それでも戦力があるのならまた火をつけてやればいい)
 アルフォンスの顔には、勝利を確信した笑みが浮かんでいた。
「さぁ我が勇敢なるエルバルト領兵達よ!今こそ、薄汚き亜人どもに正義の鉄槌を下すのだ!」
「「「おおおおお!」」」
 兵士達が鬨の声を上げると、砦の門がゆっくりと開かれていく。
 櫓を降りたアルフォンスは用意してあった馬に乗り、腰に佩いた剣を抜いて天に向けた。
 「前進!」
 声を張り上げ、振り上げた剣を森に向かって振り下ろす。
 それを合図に規則正しく並んだ兵士達が森に向けて出発した。

 アルフォンスの部隊が進み、森が焼けた部分入ると、地面が煤で真っ黒になっていた。所何処ではまだ煙が燻り、木の燃えた匂いがいまだにしていた。時折、逃げ遅れた動物やモンスターの真っ黒に焼け焦げた死体が転がっている。当然そこらには黒く焼け焦げた木々が倒れており、兵士達にとって歩きにくい事この上ない。
 そこを注意しながら進んでいくと可笑しな場所に出くわした。
「全隊止れ!」
 アルフォンスは兵士達を止めた。
 今まで通ってきた場所は、燃え尽きた木々が倒れてはいたが、そこは、倒れている燃え尽き倒れた木々の数が異様に多かった。そしてその一帯の先には茶色い地面がむき出しになった平地があり、さらに先には、燃えた様子の一切無い森があった。
 焼け焦げた黒い地面と茶色い何も無い地面を見たアルフォンスは誰に言うとも無く呟いた
「…そうか。奴らは、炎が燃え移らないように木を切り倒したのか…。ジョッシュの報告だとエルフは、木を傷つける事すら厭うと言っていたが?
 その時、宣戦布告などと言う、小癪なマネをした亜人どもの一団を思い出した。
「あいつらか…」
 アルフォンスは、馬上で左右を見渡した。
 茶色い地面は、左右に延びており、そのラインの先には、フィフォリアの森がある。その事により、かなり長い距離を木々を伐採した事が伺える。
(これを作るのにどれだけの力が必要だろう…それだけではない。木を切っていたであろう時は、炎が迫っていたはずだ。急ぎながら事を成していたはず)
「ククク。だが、これだけの事をしたのだ亜人共が疲れきっているのは間違いなさそうだ…」
 停止している兵士達に振り向くとアルフォンスは再び前進するように命じた。

 再び進み始めると、アルフォンスの視線の先にある森の縁に十数人の男達が、つかれきった様子で地面に座り込んだり、無事だった木の幹ににもたれかかっている姿が見えた。人影の形からエルフと獣人だと分かる。
 アルフォンスはニヤリと笑うと突撃を命じた。
「敵だ!全員突撃!ただし、最低一人は捕獲しろ!奴等の情報を吐かせる!行け!」
「「「「おおおおおおおおおおおおお!」」」」
 景気づけに雄たけびを上げながら森へと突撃していく、兵士達。
 幸い、地面は平らに均されているので走るのに問題は無い。むしろ、走りやすい。
 アルフォンスも突撃していく兵士達と併走する。
 その時、アルフォンスの脳裏に違和感を感じた。キョロキョロと左右の森を見回すが違和感の原因に気付けない。
(おかしい?だが、何がおかしいか分からない。どういう事だ?)
 違和感を感じつつもアルフォンスは何も命令しなかった。
 既に兵士達は勢いに乗っている。これを下手に止めれば、転んで犠牲者が出る可能性がある。それ以前に目の前にいる敵を逃がしてしまうかもしれない。アルフォンスが悩んでいるうちに、木の縁で休んでいた男達が気付いて森の奥へと逃げ始める。しかし、その足は、疲労からおぼつかないようだった。
 それを見た兵士達は、気勢をあげ、走るスピードを上げた。
「獲物が逃げるぞ!追え!」
 鬨の声を上げながら突撃する兵士達が、森にまで後もう少しという所で、突如森から声が響いた。
「放てぇ!」
 次の瞬間、ひゅっと兵士達の左右から無数の矢が飛んだ。それは空飛ぶ鳥の群れのようにぐんぐんと空へと上昇して頂点へと達すると今度は鏃を斜め下に向けた。
「ぎゃあああああああああああ!」
 アルフォンスが慌てて馬の止め、後ろを向くと自身の率いる兵士達が叫び声を上げて倒れこむところだった。
「なっ!」
(一体何処に隠れていた!?いや、森に囲まれている!?)
 左右の森から無数の矢が、雨あられと放たれ、次々と兵士達の体に突き立てられていく。
 一瞬アルフォンスは森へ突入し、矢の雨から逃れるかと考えたが、森を見るとそこには、槍で武装した獣人達が、こちらが来るのを待っているのが見えた。このまま進めば、その槍によって大損害を受けるのは必死。
(やつらに誘い込まれたのか!?)
 明らかに待ち構えていた。疲労した様子も無く、矢を放ってくる。
 敵が疲れているという予想が外れた時点で、この作戦の前提条件は崩れている。
 このまま森に突っ込んだとしても、罠が仕掛けられている可能性が高く、かなりの損害、下手したら全滅の憂き目に会うことだろう。
 アルフォンスは、自分に向けて飛んでくる矢を切り落としながら、すぐに撤退の指示を下した。
「くっ!撤退!撤退だ!」
 大盾があればよかったのだが、森の中の進軍に邪魔になるからと、兵士達は小型で取り回しのよいラウンドシールドしか持っていない。縦を上に掲げても、体を隠すには面積が足りず、次々と矢が体に突き刺さる。
「うああああああ!こんなの聞いてねぇよ!逃げろ!どけ!」
 兵士達は、降りしきる矢の雨の中、ほうほうのていで逃げ出した。その姿は来る時の整然とした姿とはうってかわって、蜘蛛の子を散らすように逃げていった。
 
 アルフォンスは気付かなかったが、実は森の縁の形がのこぎりの歯の様にギザギザとした凹凸を作っていた。
 森は、エルフ達の領域だ。その森へと攻め入るのに、ギリギリまで入りたくなかったアルフォンス達は、その森の縁が凹型になっている部分に向かって進んでいたのだ。
 そこが自分達を喰らおうとしている顎の中だと気付きもせずに。

 延焼している地域にただ平行して防火帯を作ったとしたら、こんなギザギザした形にはならない。
 これは、山ン本が仕組んだ事だった。

 もしこの世界に、星形要塞と呼ばれるタイプの城砦があり、その事を知っていたら、アルフォンスは、即座に両側にある森に向かって火矢を放って撤退しただろう。
 だが、不幸にもまだこの世界には、星形要塞と呼ばれる建造物は存在しなかった。
 星型要塞とは、上から見ると文字通り星の形に見える要塞の事だ。本来火砲に対応する為に開発された築城方式で、要塞を稜堡と呼ばれる三角形の突端部から射撃する事を目的とする壁で囲み、砦に死角が無いように設計された要塞のことだ。

 山ン本は、敵が火で攻めてくる事を予想し、敵の砦から森を引き離し、尚且つ森を城壁に見立て、突き出た部分を稜堡とし、一種の要塞としたのだ。
 とは言え当然ながら木で出来た稜堡に防御力は殆ど無い。しかし、敵から姿を隠すのには十分だ。
 つまり、山ン本は敵の炎を利用して陣地形成を成したのである。
 それだけでは無い。防火帯の設置は、アルフォンスが炎の勢いが弱まっている事に気がついた前日には、既に終わっていた。フィフォリアの森同盟の面々は、十分に休んでから、稜堡に隠れ、凹部に囮となる人員を配置して、アルフォンス達が来るのを待ち構えていたのだ。
 アルフォンス達は、囮を見つけるとまんまと山ン本が作ったのキルゾーンへと誘い込まれ大損害をこうむる事になった。
 人族とフィフォリアの森同盟の緒戦となる戦いは、フィフォリアの森同盟の圧倒的勝利で幕を閉じた。
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