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第4章
第193話 最終試練
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清志とアイナは海底遺跡の通路を歩いている。戦う意味を問われる試練をクリアし、改めてこの遺跡の価値を再確認した2人。
現在歩いている通路は、今までで一番広く余裕がある。何か意味があるのだろうかと、2人は考えたが結局分からず。
数分掛けて奥まで進んだ結果、大きな扉が現れた。天井まではかなり高く、高さだけで5メートルはありそうだ。
描かれている絵も大きく、絵柄は遺跡の入り口と似ていた。シーサーと思われる絵が頂点にあり、その下には古代の戦士達らしき人々が居る。武器を手に戦っているように見える絵だ。
「これ、入り口の絵よね?」
「ああ。これで、終わりって事か?」
これまでの試練が行われて来た部屋とは、随分と雰囲気が違う。ただの石造りではなく、淡い金色の光を帯びている。
発光しているのは恐らく、扉に施された魔術によるものと思われる。どういう意味かは分からないが、守護神を讃える意味があるのかもしれない。
仏教圏では、仏壇などに金や金箔を使う。極楽浄土の輝かしい様子や、仏の尊さを表現する目的がある。
太古の沖縄に仏教と似た発想があったのかは不明だが、大昔の遺跡から金で作られた物品などが出土する事は珍しくない。
「最後の試練なのか、これが出口なのか。清志はどっちだと思う?」
「うーん……試練、じゃないか? 多分だけど」
アイナも清志の意見と同様だった。2人はこれまでのように、手を扉に当てて魔力を少量流す。
しばらくすると扉が音を立てて動きだし、部屋の中から眩い光が漏れだす。一瞬視界を奪われた2人だったが、すぐに目が慣れてくる。
彼らの目に前に広がっていたのは、とても大きなコロシアム――というには少し派手だ。まるで祭壇のようでもあり、神秘的な雰囲気が漂っている。
「これは……どういう事かしら?」
「……儀式場、なのか?」
2人の印象はそれぞれ違っている。アイナの目には、派手なコロシアムに見えた。清志の目には祭壇に見えた。
どちらの印象も間違っておらず、どちらにも受け取れる光景だ。入り口でじっとしていても仕方ないので、2人は顔を見合わせながら先へと進む。
今まで通り中央に向かって歩いて行くと、途中で見えない壁にぶつかる。
「イタタ……」
「ちょっと清志、大丈夫?」
どういうわけか、2人は途中から先へ進めないらしい。入り口から中央に対して、3分の1ぐらい進んだ位置で立ち往生。
意味が分からず2人が困惑していると、中央にまた幻影の戦士達が姿を現す。また以前と同じように、過去の再現が始まるらしい。
3人ずつの2チームらしき戦士達が、奥の一番高い位置に設置されたシーサーの像に向かって一礼した。
そして今度は2つのチームが向かい合い、お互いにまた一礼をする。
「清志、これって……」
アイナはその光景を見て、この試練について察する事が出来た。きっとこれは、最後の試練なのだろうと。
「ああ。多分守護神に向けて、戦士達が捧げる戦いの儀式なんだ」
数々の試練を乗り越えて来た戦士達が、最後に神へと捧げる試合。そう言った儀式は、過去の文明でも存在を確認されている。
戦士同士が戦う場合もあれば、狩ってきた獲物を捧げる儀式もある。神への捧げものとして、様々な形式で何度も行われてきた。
残酷なもので言えば、生贄を神に捧げる儀式もあった。2人の前で繰り広げられている再現映像では、あくまで試合を捧げるだけ。誰か1人だけが残るまで、殺し合うような儀式ではない。
「凄いわね……」
「やっぱり、古代の戦士達は練度が高い」
自分達も戦ったから分かっている。彼らの技量が非常に高いという事が。魔術を行使するタイミング、剣術などの武器の扱い。
どれをとっても、現代でも通用する十分な技術だ。おまけに再現映像は、ここまで辿りつけたエリート達のもの。
練度は高く白熱した戦いが繰り広げられている。ただ見ているだけでも、参考になる技がいくつも使用されていた。
「これ、下手したらAランクでも負ける人が出て来ない?」
「あり得るな。彼らの気迫が凄まじい」
戦闘力は現代と、大きな開きがあるとまでは言えない。だが違っているのは、戦いへと挑む気迫だ。
やはり守護神へと捧げる意味がある事と、戦いへと向ける意識の違いがあるのだろう。大昔は今よりも、制度や法律は整っていなかっただろう。
神々の干渉も、今ほどではなかった可能性が高い。現代の状況は世界規模の戦争が原因で、神々の干渉が始まっただけ。
そうでなかった大昔なら、もっと危険は多かった筈だ。完全な放置はされていなかったとしても、悪魔への対処はどこまでしてくれたか。
人間が自らの手で戦っているところを見れば、かなり過酷な時代であったと思われる。
「今の方が、いくらかマシなのかしら?」
「どうだろうな? 昔の方が、人々が団結しているように見えるし」
一致団結して悪魔へと対抗していた時代と、魔導犯罪が蔓延る現代。果たしてどちらが幸せだったのだろうか。
その答えを、2人は持ち合わせていなかった。
現在歩いている通路は、今までで一番広く余裕がある。何か意味があるのだろうかと、2人は考えたが結局分からず。
数分掛けて奥まで進んだ結果、大きな扉が現れた。天井まではかなり高く、高さだけで5メートルはありそうだ。
描かれている絵も大きく、絵柄は遺跡の入り口と似ていた。シーサーと思われる絵が頂点にあり、その下には古代の戦士達らしき人々が居る。武器を手に戦っているように見える絵だ。
「これ、入り口の絵よね?」
「ああ。これで、終わりって事か?」
これまでの試練が行われて来た部屋とは、随分と雰囲気が違う。ただの石造りではなく、淡い金色の光を帯びている。
発光しているのは恐らく、扉に施された魔術によるものと思われる。どういう意味かは分からないが、守護神を讃える意味があるのかもしれない。
仏教圏では、仏壇などに金や金箔を使う。極楽浄土の輝かしい様子や、仏の尊さを表現する目的がある。
太古の沖縄に仏教と似た発想があったのかは不明だが、大昔の遺跡から金で作られた物品などが出土する事は珍しくない。
「最後の試練なのか、これが出口なのか。清志はどっちだと思う?」
「うーん……試練、じゃないか? 多分だけど」
アイナも清志の意見と同様だった。2人はこれまでのように、手を扉に当てて魔力を少量流す。
しばらくすると扉が音を立てて動きだし、部屋の中から眩い光が漏れだす。一瞬視界を奪われた2人だったが、すぐに目が慣れてくる。
彼らの目に前に広がっていたのは、とても大きなコロシアム――というには少し派手だ。まるで祭壇のようでもあり、神秘的な雰囲気が漂っている。
「これは……どういう事かしら?」
「……儀式場、なのか?」
2人の印象はそれぞれ違っている。アイナの目には、派手なコロシアムに見えた。清志の目には祭壇に見えた。
どちらの印象も間違っておらず、どちらにも受け取れる光景だ。入り口でじっとしていても仕方ないので、2人は顔を見合わせながら先へと進む。
今まで通り中央に向かって歩いて行くと、途中で見えない壁にぶつかる。
「イタタ……」
「ちょっと清志、大丈夫?」
どういうわけか、2人は途中から先へ進めないらしい。入り口から中央に対して、3分の1ぐらい進んだ位置で立ち往生。
意味が分からず2人が困惑していると、中央にまた幻影の戦士達が姿を現す。また以前と同じように、過去の再現が始まるらしい。
3人ずつの2チームらしき戦士達が、奥の一番高い位置に設置されたシーサーの像に向かって一礼した。
そして今度は2つのチームが向かい合い、お互いにまた一礼をする。
「清志、これって……」
アイナはその光景を見て、この試練について察する事が出来た。きっとこれは、最後の試練なのだろうと。
「ああ。多分守護神に向けて、戦士達が捧げる戦いの儀式なんだ」
数々の試練を乗り越えて来た戦士達が、最後に神へと捧げる試合。そう言った儀式は、過去の文明でも存在を確認されている。
戦士同士が戦う場合もあれば、狩ってきた獲物を捧げる儀式もある。神への捧げものとして、様々な形式で何度も行われてきた。
残酷なもので言えば、生贄を神に捧げる儀式もあった。2人の前で繰り広げられている再現映像では、あくまで試合を捧げるだけ。誰か1人だけが残るまで、殺し合うような儀式ではない。
「凄いわね……」
「やっぱり、古代の戦士達は練度が高い」
自分達も戦ったから分かっている。彼らの技量が非常に高いという事が。魔術を行使するタイミング、剣術などの武器の扱い。
どれをとっても、現代でも通用する十分な技術だ。おまけに再現映像は、ここまで辿りつけたエリート達のもの。
練度は高く白熱した戦いが繰り広げられている。ただ見ているだけでも、参考になる技がいくつも使用されていた。
「これ、下手したらAランクでも負ける人が出て来ない?」
「あり得るな。彼らの気迫が凄まじい」
戦闘力は現代と、大きな開きがあるとまでは言えない。だが違っているのは、戦いへと挑む気迫だ。
やはり守護神へと捧げる意味がある事と、戦いへと向ける意識の違いがあるのだろう。大昔は今よりも、制度や法律は整っていなかっただろう。
神々の干渉も、今ほどではなかった可能性が高い。現代の状況は世界規模の戦争が原因で、神々の干渉が始まっただけ。
そうでなかった大昔なら、もっと危険は多かった筈だ。完全な放置はされていなかったとしても、悪魔への対処はどこまでしてくれたか。
人間が自らの手で戦っているところを見れば、かなり過酷な時代であったと思われる。
「今の方が、いくらかマシなのかしら?」
「どうだろうな? 昔の方が、人々が団結しているように見えるし」
一致団結して悪魔へと対抗していた時代と、魔導犯罪が蔓延る現代。果たしてどちらが幸せだったのだろうか。
その答えを、2人は持ち合わせていなかった。
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