怪物王女は甘い菓子を断つ

田舎の沼

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ダイエット成功

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1年後。  
 王都の春の舞踏会。

 扉が開いた瞬間、会場が静まり返った。

 そこに立っていたのは、  
 雪のように白いドレスを纏った、息を呑むほど美しい少女。

 細くしなやかな肢体。体重は83kgに減り、完璧なプロポーション。  
 透き通るような肌。  
 長い銀髪を春風になびかせ、恥ずかしそうに微笑む、  
 ――シャーロット・ルクレシア。

 貴族たちの間で、ささやきが広がった。「あれは……怪物王女?」「嘘だ、こんな美人が……」「クランフォード公爵家が何をしたんだ? 領地の温泉の力か?」 女性貴族たちは嫉妬の視線を、男性たちは憧れの眼差しを向けた。噂は瞬く間に広がり、「豚姫が天鹅に変わった」と宮廷中を駆け巡った。シャーロットの変貌は、王族の威信を高め、アルベルトの領地に注目を集めた。

「遅くなって、ごめんなさい」  
 彼女は小さく呟いて、一直線に歩み寄る。

 そして、アルベルトの胸に飛び込んだ。

「約束、守れました……アルベルト様。領地の皆さんにも、胸を張って会えます」  
「……完璧です、シャーロット。君のおかげで、領地は救われた」

 周囲がどよめく。  
 第一王兄レオンハルトが目を丸くし、剣を握る手が震えた。「妹よ……お前が、こんなに……俺の知らない顔をしていたとは。クランフォード公爵、よくやった」 第二王兄ユーリウスは普段の冷静さを失い、感嘆の溜息を漏らした。「銀舌の俺でも、言葉が見つからん。完璧な変貌だ。領地の改革も、聞いているぞ」 第一王女エリーゼは涙を浮かべて駆け寄り、強く抱きついた。「シャーロット! ごめんね、今までちゃんと見てあげられなくて……あなたは、こんなに美しいのに、私たちは目を背けていたのね! これからは、姉妹として支え合うわ」 国王夫妻さえ、玉座から立ち上がり、母后は感涙にむせんだ。「私の娘……ようやく、花開いたわ。クランフォード公爵家に、恩義がある」 父王はアルベルトに視線を向け、深く頷いた。「公爵よ、感謝する。王家として、領地の援助を約束しよう」。

 シャーロットは首を振った。

「いいんです、お姉様。私……やっと、自分の居場所を見つけましたから。アルベルト様と、領地の皆さんが、私の家族です」

 二人は手を取り、舞踏会の中央へ。ワルツの調べに乗り、優雅に踊った。周囲の視線が、祝福に変わった。

 ――こうして、ゲームの「黒幕ルート」は完全に消滅した。  
 代わりに生まれたのは、誰も知らない「真エンド」。王家とクランフォード公爵家の絆は強固になり、領地への援助が流れ込んだ。魔獣対策の予算が増え、交易路が拡大した。
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