オフ会から始まるワンダフルライフ 人生を彩るのはオンラインゲーム!?

佐藤哲太

文字の大きさ
86 / 166
第3章

お揃いとかいい年になると恥ずかしい

しおりを挟む
〈Jack〉『誰がもらうーーーーw』
〈Gen〉『うーん銃鍛えてるやついたっけ?』
〈Pyonkichi〉『ジャックなら高いんじゃねーの?』
〈Jack〉『それなりにあるけどーーーー』
〈Jack〉『銃と弓用の防具は揃えてないんだよねーーーー』
〈Jack〉『あたしが銃使うことなんてなさそうだからさーーーー』
〈Soulking〉『たしかにうちには凄腕がいるもんねw』
〈Yukimura〉『頼もしいです』
〈Gen〉『防具で考えたら、軽装系か』
〈Jack〉『そだねーーーー短剣か苦無か上げてる人ならまだいいかなーーーー?』

 あまり防具の話をしてこなかったが、このゲームでは誰でもどんな防具でも装備することができる仕様になっている。
 これは様々なコスチュームを満喫してほしいという、運営の計らいで、サービス開始前から話題になっていたことだった。

 だが、当然使う武器によって相性がいいというか、適切な防具は設定されていて、特定の種類の武器を装備しているときに性能UPがあるというシステムになっている。
 例えば盾&片手剣を使うリダはフルプレートアーマーだし、斧を使うゆめも似たような装備だ。
 対してメイスや錫杖、樫の杖を使うぴょんや嫁キングはローブ系の装備をしている。
 だい短剣はいわゆる軽装と呼ばれる見た目的に軽そうなレザーアーマー系だしな。

 盾だったり、アタッカーだったり、サポーターだったりと、それぞれの性能を引き延ばす装備は様々だが、大まかに分ければ重装備・軽装備・ローブと3種類に分けられるわけである。
 厳密にいえばもっと細分化はされるけど。

〈Yume〉『苦無はあるけど~、銃なんてスキル1だよう』
〈Pyonkichi〉『だいはー?』
〈Daikon〉『私は、100ちょっとくらい』

「え!?」
「な、何よ?」
「そんなあったのか?」
「い、一応よ」

 ログを見た俺は思わず振り返ってしまった。
 ブルーライトカット用の眼鏡をかけただいは、何だかちょっと恥ずかしそうな顔をしている。
 だいが床に座ってる分、上目遣いになっている感じがして、こっちもなんだか恥ずかしくなってきた。
 しかし「一応」ってなんだ「一応」って。全銃使いに謝れ!

 でも、だいが銃をあげている記憶など全然ないのはホントだ。しかも100くらいとか。
 スキルを100まで上げるのはそれなりに時間がかかる。今は昔ほど時間がかかるわけではないだろうが、それでも片手間に上げられる値ではないだろう。

〈Jack〉『だいもらっちゃえーーーーw』
〈Gen〉『せっかくだしなw』
〈Daikon〉『いいの?』
〈Soulking〉『あーすがいれば、装備使いまわせたのにねーw』
〈Yukimura〉『私もスキル1でも槍をもらいましたよ?』
〈Daikon〉『ありがと』

 そしてドロップ品の銃を〈Daikon〉が入手したというログが現れる。
 これは譲渡不可だからな。これでもうその銃はだいのもんだ。

〈Pyonkichi〉『いやー、これでゼロやんとお揃いですなーw』

 お揃いって、ゲームなんだし、ダメージ減らすアクセサリーとか、みんな持ってる装備なんてたくさんあるだろうが……。
 こいつはいちいち茶化してくんなー。

〈Yukimura〉『お揃い・・・ちょっと羨ましいです』
〈Daikon〉『へ、変なこと言わないでよ!』
〈Yume〉『だいが銃スキル上げる未来がみえま~すw』
〈Jack〉『上げるのはやそうだねーーーーw』
〈Gen〉『おw二人目のガンナー銃使いかw』
〈Soulking〉『幸いいい先生がいるから、すぐ強くなれそうw』
〈Zero〉『へ?』
〈Yukimura〉『皆さんも先生では?』
〈Yume〉『ゆっきーほんとに国語科・・・?』
〈Jack〉『ゆっきーは天然だからねーーーーw』
〈Yukimura〉『むむ・・・』
〈Pyonkichi〉『だいガンナー化計画を始動しよう!w』
〈Daikon〉『え?』
〈Pyonkichi〉『ゼロやん、必要な装備で、取りに行かないとダメなの1個言え!』
〈Zero〉『え、えーっと』

 急な流れだが、ぴょんの言葉に俺は自身の装備を見直す。
 これは買えるな、とか、これは持ってるだろうし、とか、律儀に確認する俺を誰か褒めてほしい。

〈Zero〉『プロビデンススコープかな。俺はもうあんまり使わないけど』
〈Jack〉『なるほどーーーーw』
〈Pyonkichi〉『なんだそれ?』
〈Zero〉『タゲマをでかくする、銃と弓使いしか意味ない装備』
〈Yume〉『そんなのあるんだー』
〈Zero〉『実装されたのは2つ目の拡張のときだし、もうかなり古い装備だけどな』

 俺が名前を出した装備は、俺が言った通り銃や弓を命中させやすくする装備だ。
 照準マークをターゲットマークに合わせる必要があるのはすでに説明した通りの銃と弓の仕様だが、照準を合わせるターゲットマークが大きくなればなるほど、ベストショットはしやすくなり、ダメージは与えやすくなる。
 だが与ダメを増やす性能は0なので、熟練したガンナーは使うことはまずない、っていう装備でもあるな。
 それでもベストショットか否かはスキル上げでの殲滅速度に影響するし、ベストショットを外すというのはそれなりにプレイヤーのストレスにもなる。
 さらに動きが速い敵の時は便利だし、持っていて損はないはずだ。
 近接武器でもターゲットマークが大きくなる効果はあるが、それらは出現したタイミングでアタックコマンドを押すだけだから、全く意味はないので、本当に銃と弓専用装備だな。

 ちなみに2つ目の拡張というのはもう6年くらい前だったかな。
 「砂漠の呪い」という、その名の通り砂漠エリアが追加された拡張だ。
 そのエリアではピラミッド型のダンジョンでミイラたちを統べる者を倒すコンテンツがあり、このボスが落とす装備の一つがプロビデンススコープなのだ。
 当時はゴミ装備とか言われ、捨てられることも多かったのだが……ああ、思い出すだけで悲しくなる。

 スキルキャップが200時代のボスだから、今なら苦戦せずに倒せるだろうけど。

〈Jack〉『ピラミッドかーーーーソロじゃ取れないねーーーー』
〈Gen〉『あー、あれはなーめんどいなー』
〈Yume〉『ぱぱっといっちゃう~?』
〈Yukimura〉『手伝いますよ』
〈Pyonkichi〉『計画始動!』

 みんな協力を申し出るのには理由がある。
 ピラミッド型のダンジョンの進行中、燭台に火を灯すことで開くというギミックの扉があるのだが、これは30秒以内に3か所同時につける必要があるのだ。
 1人で2か所は、一定時間移動速度を上げるスキルを使えばなんとかなるが、3か所はどうやっても不可能という、既に6年前のコンテンツであるにも関わらずソロ殺しのダンジョン、それがピラミッドなのである。

〈Gen〉『この大人数でいったら瞬殺だなw』
〈Soulking〉『わたしは子ども見るから落ちるねーw旦那貸すから、いっといでー』
〈Yume〉『嫁キングおつかれさま~』
〈Pyonkichi〉『おつ!』
〈Jack〉『またねーーーーw』
〈Daikon〉『おつかれさま』
〈Zero〉『おつー』
〈Yukimura〉『おやすみなさい』

 だいが行くも行かないも何も言っていないのだが、完全に行く流れか。
 ほんとみんな、ノリで生きてるなー。
 まぁ俺も行くんだけどさ!

 一人ホームタウンに転移した嫁キングがパーティから離脱したあと、俺たちはそのまま砂漠エリアへと転移した。


「ほんとに銃あげんの?」
「こ、この流れならもうしょうがないじゃない」
「スキル100かー。なんかいいのあったかなー」
「え?」
「銃のソロはしんどいぞー?」
「手伝ってくれるの?」
「お。俺の盾が103だって。装備ないけど、適当に買えるもんで揃えるかな」

 移動の道中、背中越しに俺はだいにスキルを上げるのかの意思確認をした。
 正直銃使いの仲間が増えるのは嬉しいし、それがだいなら、って思いもなくはない。というか歓迎。
 幸い同レベルの武器スキルだと盾&片手剣があったので、久々にだいとスキル上げできるかもと、ちょっとだけ楽しくなったのは秘密である!

「あ、ありがと」
「スキルは上げて損ないしな」

 後ろから聞こえるだいの声は、少しだけ照れを含んだように聞こえた。
 俺が楽しみなんだよとか、そんな言葉は心の中にしまっておく。
 
 リアルでは夜だが、7人のキャラクターたちが走る砂漠を照らしつける日の光が反射し、モニターは眩しいくらい。
 背後から聞こえる砂漠エリアのBGMは、何故だか先ほどまでよりもズレが少なくなったように感じる。

 ちなみに砂漠エリアはゲーム時間で夜の時はミイラたちが湧き出るエリアだが、日中だとトカゲとか鳥とか、襲ってこないモンスターしかいないため、ゲーム内時間で日中に転移した俺たちの移動はさくさくだ

 しかし、だいもあの銃持ちか。
 
 改めて考えると、お揃いとか、今さらちょっと恥ずかしい言葉だけど、うん。
 
 悪くないかもな。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

クラスのマドンナがなぜか俺のメイドになっていた件について

沢田美
恋愛
名家の御曹司として何不自由ない生活を送りながらも、内気で陰気な性格のせいで孤独に生きてきた裕貴真一郎(ゆうき しんいちろう)。 かつてのいじめが原因で、彼は1年間も学校から遠ざかっていた。 しかし、久しぶりに登校したその日――彼は運命の出会いを果たす。 現れたのは、まるで絵から飛び出してきたかのような美少女。 その瞳にはどこかミステリアスな輝きが宿り、真一郎の心をかき乱していく。 「今日から私、あなたのメイドになります!」 なんと彼女は、突然メイドとして彼の家で働くことに!? 謎めいた美少女と陰キャ御曹司の、予測不能な主従ラブコメが幕を開ける! カクヨム、小説家になろうの方でも連載しています!

JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――

のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」 高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。 そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。 でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。 昼間は生徒会長、夜は…ご主人様? しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。 「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」 手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。 なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。 怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。 だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって―― 「…ほんとは、ずっと前から、私…」 ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。 恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。

至れり尽くせり!僕専用メイドの全員が溺愛してくる件

こうたろ
青春
普通の大学生・佐藤健太は目覚めると、自宅が豪華な洋館に変わり10人の美人メイドたちに「お目覚めですか、ご主人様?」と一斉に迎えられる。いつの間にか彼らの“専属主人”になっていた健太は戸惑う間もなく、朝から晩までメイドたちの超至れり尽くせりな奉仕を受け始める。

お兄ちゃんはお兄ちゃんだけど、お兄ちゃんなのにお兄ちゃんじゃない!?

すずなり。
恋愛
幼いころ、母に施設に預けられた鈴(すず)。 お母さん「病気を治して迎えにくるから待ってて?」 その母は・・迎えにくることは無かった。 代わりに迎えに来た『父』と『兄』。 私の引き取り先は『本当の家』だった。 お父さん「鈴の家だよ?」 鈴「私・・一緒に暮らしていいんでしょうか・・。」 新しい家で始まる生活。 でも私は・・・お母さんの病気の遺伝子を受け継いでる・・・。 鈴「うぁ・・・・。」 兄「鈴!?」 倒れることが多くなっていく日々・・・。 そんな中でも『恋』は私の都合なんて考えてくれない。 『もう・・妹にみれない・・・。』 『お兄ちゃん・・・。』 「お前のこと、施設にいたころから好きだった・・・!」 「ーーーーっ!」 ※本編には病名や治療法、薬などいろいろ出てきますが、全て想像の世界のお話です。現実世界とは一切関係ありません。 ※コメントや感想などは受け付けることはできません。メンタルが薄氷なもので・・・すみません。 ※孤児、脱字などチェックはしてますが漏れもあります。ご容赦ください。 ※表現不足なども重々承知しております。日々精進してまいりますので温かく見ていただけたら幸いです。(それはもう『へぇー・・』ぐらいに。)

『専属メイド全員が重すぎる愛で迫ってくる!~大学生の僕、11人?の美女に24時間甘やかされ尽くす生活~』

まさき
青春
僕は、ちょっと普通じゃない日常を送ることになった――それは、専属メイドが全員僕のことを溺愛してくれる暮らしだ。 朝は髪を整えてくれるリナ、朝食で笑顔を見せてくれるミユ、どの瞬間も全力で僕を甘やかす。掃除、料理、悩み相談まで、僕のためだけに動くメイドたち。 「ご主人様の笑顔が見たいんです」 その一言で、僕の毎日はちょっとドキドキ、ちょっと幸せ。 全員が僕を独占したいと競い合う日常の中、僕はどうやってこの溺愛地獄(?)を生き抜けばいいのか――!? 甘々、至れり尽くせりの日常ラブコメ、開幕。

天才天然天使様こと『三天美女』の汐崎真凜に勝手に婚姻届を出され、いつの間にか天使の旦那になったのだが...。【動画投稿】

田中又雄
恋愛
18の誕生日を迎えたその翌日のこと。 俺は分籍届を出すべく役所に来ていた...のだが。 「えっと...結論から申し上げますと...こちらの手続きは不要ですね」「...え?どういうことですか?」「昨日、婚姻届を出されているので親御様とは別の戸籍が作られていますので...」「...はい?」 そうやら俺は知らないうちに結婚していたようだった。 「あの...相手の人の名前は?」 「...汐崎真凛様...という方ですね」 その名前には心当たりがあった。 天才的な頭脳、マイペースで天然な性格、天使のような見た目から『三天美女』なんて呼ばれているうちの高校のアイドル的存在。 こうして俺は天使との-1日婚がスタートしたのだった。

人生に絶望していたら異世界のデスゲームに巻き込まれました~ヤンデレ悪魔を召還したので、最期まで楽しもうと思います!~

雨宮 叶月
恋愛
「人の「正しさ」が崩れていく瞬間って、美しいと思いません?」 学校でも家でも理不尽な扱いを受ける少女・成瀬伊澄。 ある日、クラスメイト・担任と共に異世界のデスゲームに巻き込まれた。 召喚したのは悪魔・ディオラル。 なんだか様子がおかしいが、嬉しいので気にしない。 『死』は恐怖じゃない。だから最期までデスゲームを楽しむことにする。

処理中です...