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第3章
昔話が楽しくなるのは年を取ったからだろうか
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「狩場はどうすんの?」
「二人だから、そうね、どうしようかな」
「あ、ゆきむらも槍上げてるみたいだし、聞いてみるか?」
「え、ううん! ほら、ゆっきーはもう一人で何か始めてるみたいだし、邪魔するのも、悪いわよ」
「そうか?」
「うん」
2人より3人の方が強い敵倒せるから効率はいいと思うんだけど。
まぁ今の俺はヒモですからね。だいの言うことには従順になっておこう。
さしずめ今の俺は買収されただいの騎士。
〈Daikon〉がイケメン男キャラだから、貴族のご子息を守る従者って感じだな!
「コタンの丘は?」
「あー、あの辺ならスキル80くらいのどこだし、二人ならちょうどいいか」
「うん」
コタンの丘というのは、サービス初期から実装されているエリアで、スキル上げのベース人数である5人パーティでスキル70から85程度までを上げるのに使われたエリアだ。
今はもう新規エリアも増えたから、色んな選択肢があるけど、100くらいの二人ならちょうどいい感じだろうな。
パーティ人数が増えれば増えるだけ取得できる一人当たりの取得経験値は低くなるので、運営が推奨するスキル上げの基本は5人で格上と戦うことなのだが、2人でやるならちょっと強そうな相手をするくらいがちょうどいいのだ。
ちなみにコタンの丘の先にあるバルドニア城塞、通称城塞は、サービス初期時に実装されていた最難関コンテンツ、ドラキュラ伯爵と戦うためのダンジョンだったから、転移魔法が実装される前なんかは移動でしょっちゅう通ったエリアでもある。
だいと通ってたのも、もう6、7年くらい前か、懐かしいな。
あの当時はまだ俺も【Mocomococlub】にいたんだよなー。
ま、俺はだいと出会う前から、今はもうなくなった、かつて所属していたギルドでも通ってたんだけどね。
「懐かしいよね」
「そうだな」
「覚えてる?」
「え、何を?」
なんとなく、ちょっとしんみりしたような、そんな声が聞こえたため、俺はモニターから視線を外し振り返る。
だいは、真っすぐこっちを見ていた。
「最初だった」
「へ?」
「私とゼロやんが組んだの」
「あ」
「懐かしい」
言われて思い出す、昔の記憶。
たしかに、〈Zero〉が〈Daikon〉に初めて会ったエリアが、コタンの丘だった。
誰の主催だったかはもう覚えてないが、俺は亜衣菜と別れた後、当時所属していたギルドも抜けて、ソロプレイヤーをやっていた。
亜衣菜と別れた喪失感を抱えつつ、それでも亜衣菜が居るLAを辞めることもできず、とりあえずスキル上げパーティの募集に応募するだけの日々を過ごしていた。
俺とだいが出会ったのは、その頃だった。
「3連続でパーティかぶるとか、ほんとびっくりしたわ」
「そうなぁ」
今もスキル上げの募集は盛んだが、当時は今よりもっと盛んだった。しかも募集するスキルレベルの幅も少なかったし、主催ならまだしも、知り合いでもないのに連続で同じ人と組むとか、滅多にあるもんじゃなかった。
「でも、まさかフレンドに誘われるとは思わなかったけど」
「あー、あの頃のだい懐かしいわ」
それでも、あの頃の俺はだいと連続でパーティに入った。
だから、珍しさもあってフレンドに誘った。
あの頃は、そいつが自分の相棒のように、ずっと一緒にいる存在になるなんて思いもしなかった。
でも今、まだ一緒にプレイしている。
それどころか、今リアルでも同じ場所にいる。
ほんともう、奇跡だな。
「懐かしいね」
「そうだな」
「1回目は〈Sobaya〉さんの募集で、2回目は〈Journey〉、3回目は〈Blackwhite〉の募集だった」
「うっわ、よく覚えてんなー」
「メンバーも覚えてるわよ」
「え、だれだっけ?」
ちょっと引くレベルの記憶力だが、こいつLAの記憶力はいいみたいだしな。
俺との3年前の会話も覚えてたくらいだし。
俺が盾用のコマンドをぱぱっと作っている間に、だいから当時のメンバーを聞いて、なんとなく当時の記憶が蘇ってきた気がしてくる。
「よし、とりあえずこれでいいかな」
「じゃ、行きましょ」
「おう」
当時はプレイヤータウンから移動していたが、今はもう転移魔法で移動も一瞬だ。
今とあの頃じゃ、だいぶゲーム性も変わったな。
準備を終えた俺たちは、久しぶりにコタンの丘に降り立つ。
たくさんの新エリアや、新システムが導入されても、ここは昔から変わらず、荒野のような赤茶けた土地が広がる、不毛の大地。
全然ロマンティックなエリアとかじゃないけど、ここが俺とだいが出会った場所。
その場所に今二人でやってきたことで、俺の脳裏に、あの頃の記憶が蘇ってきた。
「二人だから、そうね、どうしようかな」
「あ、ゆきむらも槍上げてるみたいだし、聞いてみるか?」
「え、ううん! ほら、ゆっきーはもう一人で何か始めてるみたいだし、邪魔するのも、悪いわよ」
「そうか?」
「うん」
2人より3人の方が強い敵倒せるから効率はいいと思うんだけど。
まぁ今の俺はヒモですからね。だいの言うことには従順になっておこう。
さしずめ今の俺は買収されただいの騎士。
〈Daikon〉がイケメン男キャラだから、貴族のご子息を守る従者って感じだな!
「コタンの丘は?」
「あー、あの辺ならスキル80くらいのどこだし、二人ならちょうどいいか」
「うん」
コタンの丘というのは、サービス初期から実装されているエリアで、スキル上げのベース人数である5人パーティでスキル70から85程度までを上げるのに使われたエリアだ。
今はもう新規エリアも増えたから、色んな選択肢があるけど、100くらいの二人ならちょうどいい感じだろうな。
パーティ人数が増えれば増えるだけ取得できる一人当たりの取得経験値は低くなるので、運営が推奨するスキル上げの基本は5人で格上と戦うことなのだが、2人でやるならちょっと強そうな相手をするくらいがちょうどいいのだ。
ちなみにコタンの丘の先にあるバルドニア城塞、通称城塞は、サービス初期時に実装されていた最難関コンテンツ、ドラキュラ伯爵と戦うためのダンジョンだったから、転移魔法が実装される前なんかは移動でしょっちゅう通ったエリアでもある。
だいと通ってたのも、もう6、7年くらい前か、懐かしいな。
あの当時はまだ俺も【Mocomococlub】にいたんだよなー。
ま、俺はだいと出会う前から、今はもうなくなった、かつて所属していたギルドでも通ってたんだけどね。
「懐かしいよね」
「そうだな」
「覚えてる?」
「え、何を?」
なんとなく、ちょっとしんみりしたような、そんな声が聞こえたため、俺はモニターから視線を外し振り返る。
だいは、真っすぐこっちを見ていた。
「最初だった」
「へ?」
「私とゼロやんが組んだの」
「あ」
「懐かしい」
言われて思い出す、昔の記憶。
たしかに、〈Zero〉が〈Daikon〉に初めて会ったエリアが、コタンの丘だった。
誰の主催だったかはもう覚えてないが、俺は亜衣菜と別れた後、当時所属していたギルドも抜けて、ソロプレイヤーをやっていた。
亜衣菜と別れた喪失感を抱えつつ、それでも亜衣菜が居るLAを辞めることもできず、とりあえずスキル上げパーティの募集に応募するだけの日々を過ごしていた。
俺とだいが出会ったのは、その頃だった。
「3連続でパーティかぶるとか、ほんとびっくりしたわ」
「そうなぁ」
今もスキル上げの募集は盛んだが、当時は今よりもっと盛んだった。しかも募集するスキルレベルの幅も少なかったし、主催ならまだしも、知り合いでもないのに連続で同じ人と組むとか、滅多にあるもんじゃなかった。
「でも、まさかフレンドに誘われるとは思わなかったけど」
「あー、あの頃のだい懐かしいわ」
それでも、あの頃の俺はだいと連続でパーティに入った。
だから、珍しさもあってフレンドに誘った。
あの頃は、そいつが自分の相棒のように、ずっと一緒にいる存在になるなんて思いもしなかった。
でも今、まだ一緒にプレイしている。
それどころか、今リアルでも同じ場所にいる。
ほんともう、奇跡だな。
「懐かしいね」
「そうだな」
「1回目は〈Sobaya〉さんの募集で、2回目は〈Journey〉、3回目は〈Blackwhite〉の募集だった」
「うっわ、よく覚えてんなー」
「メンバーも覚えてるわよ」
「え、だれだっけ?」
ちょっと引くレベルの記憶力だが、こいつLAの記憶力はいいみたいだしな。
俺との3年前の会話も覚えてたくらいだし。
俺が盾用のコマンドをぱぱっと作っている間に、だいから当時のメンバーを聞いて、なんとなく当時の記憶が蘇ってきた気がしてくる。
「よし、とりあえずこれでいいかな」
「じゃ、行きましょ」
「おう」
当時はプレイヤータウンから移動していたが、今はもう転移魔法で移動も一瞬だ。
今とあの頃じゃ、だいぶゲーム性も変わったな。
準備を終えた俺たちは、久しぶりにコタンの丘に降り立つ。
たくさんの新エリアや、新システムが導入されても、ここは昔から変わらず、荒野のような赤茶けた土地が広がる、不毛の大地。
全然ロマンティックなエリアとかじゃないけど、ここが俺とだいが出会った場所。
その場所に今二人でやってきたことで、俺の脳裏に、あの頃の記憶が蘇ってきた。
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