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見た目こそそんなに変わらなく、それぞれが装備を一新させてた。これで何かあれば大丈夫なのだろうか、と安心は出来ないにしても今できることはやったと雰囲気漂っていた。ネズミの大群のようなものに襲われたら、正直どうにもならない防具だろうけれど、ないよりはマシだと思った。
ムッツー、タッツー、そしてハルミンの三人を見るとハルミンは大丈夫だろうかという気持ちになってくる。タッツーの母性本能パワーでバリアでも張られているのだろうかという安心感があるからだと思った。それで何事もなく生き残れればいいなと楽観的に思った。
生存確率9%という数値から、僕の場合は、とても低くてどうしようもねぇと思ったりした。だけど、なんとかやっていくしかない。
「おまたせー! 待った? 待ったー? いやぁごめんごめん、遅くなっちゃったぁぁ!」
そこに現れたのはアカネだった。部屋の入口でひときわ大きな声で彼女は一同に対して、声をかけてきたのだった。
「おお? みんな準備ばっちりな感じ?」
「いつ来るか具体的な時間がわからなかったからな、一応準備はしておいた」
ムッツーがアカネと会話し始め、横のタッツーもそれに加わるように話の輪に入っていった。
「改めて、ヨーちゃんを助けてくれてありがとう。ところでアカネくんはどこから来たんだ? いや、そのここに来る前とかも含めて気になってさ」
ムッツーはアカネに対して、素性を確かめていた。そうか、ここの原住民という可能性もあるのか、僕たちみたいに気が付いたらここはどこですか状態じゃない可能性もある。
「ん~、あれ、もしかしてあんた達もよくわからず、飛ばされた感じ?」
「まあ、そうなるな。アカネくんもか?」
「あたしも気づいたらこのよくわからない世界にいた感じ、そんであれっしょ、あのネズミから逃げてきたって感じ?」
どうやらアカネも僕たちと同じように気がついたらここに飛ばされたっぽい。
「いや、瓦礫の山を火の海に変えた人から逃げてきた、というのが正しいかな」
「あー、なんかすごかったよね。まだ燃えてるし、マジウケる」
あの爆発と炎で何人死んだのだろうと思ったりしたが、それを口にした所で何も現実が変わるわけでもない。それにそれをネズミの群れに押し寄せられ飲まれた人の事を思い出し、それについて何か言ったところでこの場の雰囲気が悪くなるだけだ。
「アカネさん、それで死んでしまわれた方もいるのでそういうのはどうかと思います」
母性本能のタッツーがお母さんスキルを発動した。そんなスキルがあるのか知らないけれど。
「キャハッ、そうだね。ごめんなさーい」
アカネは反省していなかった。
「ところでこの廃墟の街を案内してくれるって事だけど」
「するする~! なんていうか、陣地っていうかここに住んでる人たちがいるからお互い仲良くって意味も兼ねて知っておいて欲しいし、それで案内ってわけ」
「その人たちは、今一緒じゃないのか?」
「あたしも出会ったの最近なんだけど、ネズミから逃げてきたのもあってネズミがいない場所から出てきたがらないわけ。そんで、あたしがネズミ殺せるから殺して綺麗にしてるんだ」
彼女は誇らしげな表情をし、説明してくれた。ネズミは死体だけに群がるわけじゃなく、生きているものに対しても何かしてくる、という事なのだろうかと疑問に思った。
「その人たちは前々からここに住んでいる人たちなのか?」
ムッツーはこの世界の手がかりとなる人の情報を得ようとしていた。僕もこの世界がどういう世界なのか、気になる。
「ん~なんか結構前からいるみたいだけど、あたしもよくわからない。紹介するし聞いてみたら?」
「ああ、その時は聞いてみるよ。ありがとう」
「よし、それじゃ廃墟の街を案内するね~!」
+
廃墟の学校から出て、光りが見える方向に向かっていった。廃墟の街を案内する、といってもアカネが案内した先は彼女が普段たむろっている場所だった。
「あそこの一番大きい建物は、屋上から街が一望できるから見てみるのもありかもかも――」
アカネの案内はいい加減だった。僕は最初からあまり期待していなかったのもあり、夜とは違った昼間の廃墟を見れたことに良しとし、彼女の案内を聞きながら思った。
やれどこにネズミが出てくるから、殺さないといけない。あそこはネズミが出てこないのがわかったから気にしなくてもいい。どれもネズミに対してやたら殺意力の高い事しか言っていなかった。身内をネズミにでも殺されたのか?
「そんでぇ、ここもあたしがよくネズミどもを駆除してる場所!」
瓦礫があった所と比べてネズミの死骸による異臭はなく、あたりは廃墟があるもののどこにネズミがどこに出現するのかわからず、廃墟もドアや窓などもない二階建てや三階建てのビルが通りに左右連なっているような場所だった。
商店街がそのまま廃墟になったような場所で、ネズミは各廃墟の中に出現でもするのだろうか、と疑問を感じていた。
「ここにネズミが出てくるのか?」
ムッツーが疑問に感じたことをアカネに問いかけた。
「そうなんだよぉ、マジほんっと湧いて出てくるんだよねぇ。なのでこれをぉ、こうしてポイッ! ってするんだ」
アカネはいきなり水筒のようなものを適当な建物めがけて投げた。僕は一度それを見ているのでそれが致死性がある毒ガスだと知っている。それは空いた窓に吸い込まれるように入っていった。すると投げ込まれた廃墟の一階部分から白い煙が地面を這って出てきたのだった。
「ア、アカネ……今のは何だ?」
「え? ネズミを死滅させる煙だよ?」
満面の笑みでアカネが答えたのだった。僕はその煙を見ながら表示させたアビリティ・スキルの生存率を見ていた。
そこには10%と表示が変わっていたのだった。どういうことだ? 僕はその1%の変化が何をもって変わったのか、理解できなかった。
ムッツー、タッツー、そしてハルミンの三人を見るとハルミンは大丈夫だろうかという気持ちになってくる。タッツーの母性本能パワーでバリアでも張られているのだろうかという安心感があるからだと思った。それで何事もなく生き残れればいいなと楽観的に思った。
生存確率9%という数値から、僕の場合は、とても低くてどうしようもねぇと思ったりした。だけど、なんとかやっていくしかない。
「おまたせー! 待った? 待ったー? いやぁごめんごめん、遅くなっちゃったぁぁ!」
そこに現れたのはアカネだった。部屋の入口でひときわ大きな声で彼女は一同に対して、声をかけてきたのだった。
「おお? みんな準備ばっちりな感じ?」
「いつ来るか具体的な時間がわからなかったからな、一応準備はしておいた」
ムッツーがアカネと会話し始め、横のタッツーもそれに加わるように話の輪に入っていった。
「改めて、ヨーちゃんを助けてくれてありがとう。ところでアカネくんはどこから来たんだ? いや、そのここに来る前とかも含めて気になってさ」
ムッツーはアカネに対して、素性を確かめていた。そうか、ここの原住民という可能性もあるのか、僕たちみたいに気が付いたらここはどこですか状態じゃない可能性もある。
「ん~、あれ、もしかしてあんた達もよくわからず、飛ばされた感じ?」
「まあ、そうなるな。アカネくんもか?」
「あたしも気づいたらこのよくわからない世界にいた感じ、そんであれっしょ、あのネズミから逃げてきたって感じ?」
どうやらアカネも僕たちと同じように気がついたらここに飛ばされたっぽい。
「いや、瓦礫の山を火の海に変えた人から逃げてきた、というのが正しいかな」
「あー、なんかすごかったよね。まだ燃えてるし、マジウケる」
あの爆発と炎で何人死んだのだろうと思ったりしたが、それを口にした所で何も現実が変わるわけでもない。それにそれをネズミの群れに押し寄せられ飲まれた人の事を思い出し、それについて何か言ったところでこの場の雰囲気が悪くなるだけだ。
「アカネさん、それで死んでしまわれた方もいるのでそういうのはどうかと思います」
母性本能のタッツーがお母さんスキルを発動した。そんなスキルがあるのか知らないけれど。
「キャハッ、そうだね。ごめんなさーい」
アカネは反省していなかった。
「ところでこの廃墟の街を案内してくれるって事だけど」
「するする~! なんていうか、陣地っていうかここに住んでる人たちがいるからお互い仲良くって意味も兼ねて知っておいて欲しいし、それで案内ってわけ」
「その人たちは、今一緒じゃないのか?」
「あたしも出会ったの最近なんだけど、ネズミから逃げてきたのもあってネズミがいない場所から出てきたがらないわけ。そんで、あたしがネズミ殺せるから殺して綺麗にしてるんだ」
彼女は誇らしげな表情をし、説明してくれた。ネズミは死体だけに群がるわけじゃなく、生きているものに対しても何かしてくる、という事なのだろうかと疑問に思った。
「その人たちは前々からここに住んでいる人たちなのか?」
ムッツーはこの世界の手がかりとなる人の情報を得ようとしていた。僕もこの世界がどういう世界なのか、気になる。
「ん~なんか結構前からいるみたいだけど、あたしもよくわからない。紹介するし聞いてみたら?」
「ああ、その時は聞いてみるよ。ありがとう」
「よし、それじゃ廃墟の街を案内するね~!」
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廃墟の学校から出て、光りが見える方向に向かっていった。廃墟の街を案内する、といってもアカネが案内した先は彼女が普段たむろっている場所だった。
「あそこの一番大きい建物は、屋上から街が一望できるから見てみるのもありかもかも――」
アカネの案内はいい加減だった。僕は最初からあまり期待していなかったのもあり、夜とは違った昼間の廃墟を見れたことに良しとし、彼女の案内を聞きながら思った。
やれどこにネズミが出てくるから、殺さないといけない。あそこはネズミが出てこないのがわかったから気にしなくてもいい。どれもネズミに対してやたら殺意力の高い事しか言っていなかった。身内をネズミにでも殺されたのか?
「そんでぇ、ここもあたしがよくネズミどもを駆除してる場所!」
瓦礫があった所と比べてネズミの死骸による異臭はなく、あたりは廃墟があるもののどこにネズミがどこに出現するのかわからず、廃墟もドアや窓などもない二階建てや三階建てのビルが通りに左右連なっているような場所だった。
商店街がそのまま廃墟になったような場所で、ネズミは各廃墟の中に出現でもするのだろうか、と疑問を感じていた。
「ここにネズミが出てくるのか?」
ムッツーが疑問に感じたことをアカネに問いかけた。
「そうなんだよぉ、マジほんっと湧いて出てくるんだよねぇ。なのでこれをぉ、こうしてポイッ! ってするんだ」
アカネはいきなり水筒のようなものを適当な建物めがけて投げた。僕は一度それを見ているのでそれが致死性がある毒ガスだと知っている。それは空いた窓に吸い込まれるように入っていった。すると投げ込まれた廃墟の一階部分から白い煙が地面を這って出てきたのだった。
「ア、アカネ……今のは何だ?」
「え? ネズミを死滅させる煙だよ?」
満面の笑みでアカネが答えたのだった。僕はその煙を見ながら表示させたアビリティ・スキルの生存率を見ていた。
そこには10%と表示が変わっていたのだった。どういうことだ? 僕はその1%の変化が何をもって変わったのか、理解できなかった。
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