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二年目 恋よ、愛てにとって不足はない
34 書類選考って大事なんだって改めてわかった。
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ハープから聞いた自分への恋愛対象として見ている人はいるのかという情報は、現状が大まかにわかり攻略対象者が身近にいないのだろうと思った。今後出会ったらどういう状況かこまめに聞いてみるのもありかなとやっと思ったユウヴィーだった。
数日後、見合い書が大量に自室に届き、ユウヴィーは一つ一つ確認しながら「不可」として処理する仕分けをしていっていた。
(う、う~ん。どれも不可、というかなんか違うなぁ……)
見合い書には、顔写真、領地の規模と場所、大まかな資産規模、家系図が記載されていた。量が多く、こつこつと処理をしていったらかなり時間がかかるのが目に見えていた。
「ハープ、よかったら手伝ってくれない……?」
「ふっふっふっ、待ってました! ちょっと、というかすごい気になっていたのよね。手伝う手伝う~!」
「ふふっ、ありがとう」
それがハープの情報収集としての行為だとはユウヴィーは気づいていなかった。ただ、好意として手伝ってくれていると思ったのだった。手伝ってくれている中でハープはどこで情報を仕入れたのか、抱えている本当の財力、抱えている問題、性癖など詳しく教えてくれたのだった。
「あ、この人は浮気癖がひどいわ。すでに愛人が数人いるわね」
「へ…」
「こいつなんて借金まみれのところじゃない。領地運営がうまく行っていなくて確か、没落カウントダウン入っていたわ」
「嘘、ここに書いてある資産って嘘ってこと…」
「げっ、不審死が多発しててヤバイと噂されてるところじゃない」
「なにそれこわい」
ユウヴィーはハープから裏事情を聞かされる度にどこからその情報を仕入れてきているのか感心するのだった。
「うう~ん、これはほとんどヤバそうな所が多そうね……よかったら私がいったん餞別してあげるわ」
そういってハープは見合い書を表紙に書かれている名前だけで判別していった。中身に記載されている内容をまるで知っているかのような速さに、ユウヴィーは顔を引きつらせていた。
「もしかして、名前だけでわかったりするの?」
「もちろん、貴族名簿は暗記してるし、あとは社交界も何度も行ってるから、自然と身についたわ」
(それにしたってこの処理速度はチートでは……)
目の前でパッパッと餞別し、見合い書の山が左から右へと山が移っていった。
「あ、この見合い書は全部やめるべき相手ね。お断りリストに入れて、お断りの手紙を書いちゃっても大丈夫よ」
シュババと仕分けしてる中で、ユウヴィーはその山となった「不可」の山から見合い書を手に取り、せっせとお断りの手紙を書いていくのだった。
一枚一枚、お断りの手紙を書いていく中でユウヴィーは腱鞘炎になりそうな手に鞭を打って書いていた。
(瘴気問題や自分の光の魔法での平和にしたあとの世界で、人生を謳歌したい)
ぼんやりと打算だらけの見合い書に対して返信を書いている中で思うのだった。
「あ、フリーザンネック王国の王妃から見合い書がある」
「はっ?」
「あ、中に手紙も入ってるわね。私は読んじゃいけないと思うので、はい」
ユウヴィーはハープからその手紙を受け取り、封を切って中身を読んでみる事にした。
あのツンな婚約者を思い出し、王妃になってからがんばってるんだろうなと思っていたが、中身を読み進めるうちに惚気が八割、一割が夜の生活自慢、残りの一割で第二夫人枠はいつでも空いてるから困ったときは来てねというものだった。
(しかもご丁寧にフォーラズ殿下の了承を得ているので安心してね、じゃねぇよ! 一緒に楽しむのもやぶさかじゃないので安心してね、でもねぇよ!!)
思わずユウヴィーは読み終わった後に手紙を握りつぶしていた。
「ちょ、ちょユウヴィー!?」
「国家機密が書かれていたわ、この手紙は燃やさないといけない」
「ええっ!?」
ハープの目がきらりと光っていた。
「ねぇ、ハープ……国を統べる人たちの性癖ってどう思う?」
「あ、私はその手紙は読みません、触りません、知りません」
「よろしい」
ユウヴィーは室内にある暖炉に手紙を投げ入れ、光の魔法を使ってあとかたもなく焼却した。
「きゃっ、って……今のなに?」
「なにって、光の魔法だけど……?」
ユウヴィーが使った光の魔法は、太陽光を屈折させ高密度に圧縮し、指向性を持たせたビームだった。ただ、発射方向によっては貫通してしまう威力であるため、暖炉内の手紙だけに照射させたのだった。それが一瞬だけぴかっと音もなく光り、手紙が消失したのだからハープは驚いたのだった。
「そんな光の魔法、知らないんだけど……」
「まあ、私だkら出来るすごい魔法って事になるわね」
「そ、そう……」
もはやどんな言葉をかけたらいいのかわからずハープは見合い書の餞別の続きに戻った。ユウヴィーも選別された見合い書のお断りの手紙作成に戻った。
――数分後
「ユウヴィー、これハマト国のリンク皇子の婚約者から見合い書来てるわよ。手紙つきで」
お断りの手紙作成の手を止め、ハープから手紙を受け取り、封を切って中身を読むのだった。
次第に読み進めていく内に虚ろな目をしていくユウヴィーだった。
「だ、大丈夫?」
「うん、こっちも似たような内容だった。ねぇ、ハープ……私、下級貧乏貴族だからわからないのだけど、夜の生活について赤裸々に綴った手紙を送るのって普通の事じゃないよね?」
「う、う……ん。ど、どうだろうなぁ~私は王族と親しい間柄じゃないし、そのあたりはちょっとわからないかなぁ~」
露骨に眼をそらしながらハープはこれ以上は話を聞きたくないように逃げようとしていた。
――ガシィ
「ねぇ、ほんとう?」
ユウヴィーは彼女の両腕を掴み、どこを見ているのかわからない焦点が合ってない虚ろな目でハープと視線を合わせた。
「ちょ、ちょっと落ち着いて、落ち着いてぇぇ。怖い、怖いってば!」
「ハッ……ごめんなさい」
「ん、もう……私は続きの選別してるね」
「う、うん」
ユウヴィーは頷き、ハープは肩をすくめて戻っていった。
手紙を見返し、ユウヴィーはため息をつき、先ほどと同じように暖炉に投げ捨て、光の魔法で焼却した。
(最初は身体は持ちませんでしたが、房中術を学び、今では甘美な日々を過ごしてますのでぜひ一緒に過ごしませんかとか……どうなってるの? おかしいの私だけなのかな……)
前世の性の価値観とこの世界での性の価値観から到底想像できないユウヴィーだった。
ユウヴィーは、前世でお世話になっていた十八禁の没頭連動型VR拡張パックの存在を忘れているのだった。
数日後、見合い書が大量に自室に届き、ユウヴィーは一つ一つ確認しながら「不可」として処理する仕分けをしていっていた。
(う、う~ん。どれも不可、というかなんか違うなぁ……)
見合い書には、顔写真、領地の規模と場所、大まかな資産規模、家系図が記載されていた。量が多く、こつこつと処理をしていったらかなり時間がかかるのが目に見えていた。
「ハープ、よかったら手伝ってくれない……?」
「ふっふっふっ、待ってました! ちょっと、というかすごい気になっていたのよね。手伝う手伝う~!」
「ふふっ、ありがとう」
それがハープの情報収集としての行為だとはユウヴィーは気づいていなかった。ただ、好意として手伝ってくれていると思ったのだった。手伝ってくれている中でハープはどこで情報を仕入れたのか、抱えている本当の財力、抱えている問題、性癖など詳しく教えてくれたのだった。
「あ、この人は浮気癖がひどいわ。すでに愛人が数人いるわね」
「へ…」
「こいつなんて借金まみれのところじゃない。領地運営がうまく行っていなくて確か、没落カウントダウン入っていたわ」
「嘘、ここに書いてある資産って嘘ってこと…」
「げっ、不審死が多発しててヤバイと噂されてるところじゃない」
「なにそれこわい」
ユウヴィーはハープから裏事情を聞かされる度にどこからその情報を仕入れてきているのか感心するのだった。
「うう~ん、これはほとんどヤバそうな所が多そうね……よかったら私がいったん餞別してあげるわ」
そういってハープは見合い書を表紙に書かれている名前だけで判別していった。中身に記載されている内容をまるで知っているかのような速さに、ユウヴィーは顔を引きつらせていた。
「もしかして、名前だけでわかったりするの?」
「もちろん、貴族名簿は暗記してるし、あとは社交界も何度も行ってるから、自然と身についたわ」
(それにしたってこの処理速度はチートでは……)
目の前でパッパッと餞別し、見合い書の山が左から右へと山が移っていった。
「あ、この見合い書は全部やめるべき相手ね。お断りリストに入れて、お断りの手紙を書いちゃっても大丈夫よ」
シュババと仕分けしてる中で、ユウヴィーはその山となった「不可」の山から見合い書を手に取り、せっせとお断りの手紙を書いていくのだった。
一枚一枚、お断りの手紙を書いていく中でユウヴィーは腱鞘炎になりそうな手に鞭を打って書いていた。
(瘴気問題や自分の光の魔法での平和にしたあとの世界で、人生を謳歌したい)
ぼんやりと打算だらけの見合い書に対して返信を書いている中で思うのだった。
「あ、フリーザンネック王国の王妃から見合い書がある」
「はっ?」
「あ、中に手紙も入ってるわね。私は読んじゃいけないと思うので、はい」
ユウヴィーはハープからその手紙を受け取り、封を切って中身を読んでみる事にした。
あのツンな婚約者を思い出し、王妃になってからがんばってるんだろうなと思っていたが、中身を読み進めるうちに惚気が八割、一割が夜の生活自慢、残りの一割で第二夫人枠はいつでも空いてるから困ったときは来てねというものだった。
(しかもご丁寧にフォーラズ殿下の了承を得ているので安心してね、じゃねぇよ! 一緒に楽しむのもやぶさかじゃないので安心してね、でもねぇよ!!)
思わずユウヴィーは読み終わった後に手紙を握りつぶしていた。
「ちょ、ちょユウヴィー!?」
「国家機密が書かれていたわ、この手紙は燃やさないといけない」
「ええっ!?」
ハープの目がきらりと光っていた。
「ねぇ、ハープ……国を統べる人たちの性癖ってどう思う?」
「あ、私はその手紙は読みません、触りません、知りません」
「よろしい」
ユウヴィーは室内にある暖炉に手紙を投げ入れ、光の魔法を使ってあとかたもなく焼却した。
「きゃっ、って……今のなに?」
「なにって、光の魔法だけど……?」
ユウヴィーが使った光の魔法は、太陽光を屈折させ高密度に圧縮し、指向性を持たせたビームだった。ただ、発射方向によっては貫通してしまう威力であるため、暖炉内の手紙だけに照射させたのだった。それが一瞬だけぴかっと音もなく光り、手紙が消失したのだからハープは驚いたのだった。
「そんな光の魔法、知らないんだけど……」
「まあ、私だkら出来るすごい魔法って事になるわね」
「そ、そう……」
もはやどんな言葉をかけたらいいのかわからずハープは見合い書の餞別の続きに戻った。ユウヴィーも選別された見合い書のお断りの手紙作成に戻った。
――数分後
「ユウヴィー、これハマト国のリンク皇子の婚約者から見合い書来てるわよ。手紙つきで」
お断りの手紙作成の手を止め、ハープから手紙を受け取り、封を切って中身を読むのだった。
次第に読み進めていく内に虚ろな目をしていくユウヴィーだった。
「だ、大丈夫?」
「うん、こっちも似たような内容だった。ねぇ、ハープ……私、下級貧乏貴族だからわからないのだけど、夜の生活について赤裸々に綴った手紙を送るのって普通の事じゃないよね?」
「う、う……ん。ど、どうだろうなぁ~私は王族と親しい間柄じゃないし、そのあたりはちょっとわからないかなぁ~」
露骨に眼をそらしながらハープはこれ以上は話を聞きたくないように逃げようとしていた。
――ガシィ
「ねぇ、ほんとう?」
ユウヴィーは彼女の両腕を掴み、どこを見ているのかわからない焦点が合ってない虚ろな目でハープと視線を合わせた。
「ちょ、ちょっと落ち着いて、落ち着いてぇぇ。怖い、怖いってば!」
「ハッ……ごめんなさい」
「ん、もう……私は続きの選別してるね」
「う、うん」
ユウヴィーは頷き、ハープは肩をすくめて戻っていった。
手紙を見返し、ユウヴィーはため息をつき、先ほどと同じように暖炉に投げ捨て、光の魔法で焼却した。
(最初は身体は持ちませんでしたが、房中術を学び、今では甘美な日々を過ごしてますのでぜひ一緒に過ごしませんかとか……どうなってるの? おかしいの私だけなのかな……)
前世の性の価値観とこの世界での性の価値観から到底想像できないユウヴィーだった。
ユウヴィーは、前世でお世話になっていた十八禁の没頭連動型VR拡張パックの存在を忘れているのだった。
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