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前世の記憶2
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しずくは、ポイ活のために始めたゲームで様々なセクハラまがいを経験し、ついにプロフィールに東帝大生と書くことにしたのだ。
今まで合コンして、東帝大生だということがわかると、決まって他の男子大学生からドン引きされてきた経験から、……結果は効果てきめん。
バカ大学生はおろか、他のオタクやヒッキーから敬遠されるようになって、静かなゲーマーになれたのだが、東帝大生と書いたことから、ある人の反感を買い……。
運命の出会いをしてしまったのだ。
サイゴンは、東帝大生と言うだけで、インテリのがり勉を想像していた。きっと昔の上司みたいに嫌な奴に決まっていると先入観を持って、フレンド申請をしてきたのだ。
しずくのゲーム内での最初の夫は、看護師の変態、夜中に叩き起こされ、自分一人が興奮して、しずくを犯す妄想を勝手にしていた。
それがエスカレートして、ある時、しずくが留守の間にしずくをおかずにして、勝手にひとりHに嵌っていたログが見つかり、キモいのとコワイので離婚、次の夫は1週間何の音沙汰もなしに放置されて、アイテムが集まらない。
1人で気楽は、まだ最初の夫よりかはマシというだけ、そこにサイゴンが来て、ゲームの進行具合などいろいろ質問されたから、律義に答えていたら、結婚という話になった。
二人で決めたことは、毎日カップルチャットで、1回は挨拶するということだけ。
しずくの目からは、サイゴンは度を越えての女嫌いに見えた。だからそれっぽい話は一切なしで、それはそれで気楽だった。
しずくの出身地は、京都市、最初は京都帝国大学を目指していたけど、一人娘で一生京都から離れられない呪縛に悩み、途中で志望校を変更して、東京帝国大学を受験した。だから大学を出たら、とりあえず官僚になって、逃げ道を探す予定。
チャットしているときに何気に、その話をしたら、サイゴンが飛びつく。
サイゴンもまた、親の会社を継げと小さい時から呪文のように言われ続けていたからということを後になって気づく。
「高校時代、夜は、ねね様で有名な高台寺の近くの料理旅館で修業をして、その実務経験で調理師免許を取ったのよ。他の同級生はみんな塾へ行っていたというのに。」
「へー、すごいね。」
「別に京都帝大なんか、合格したいとも思っていなかったの。ただ、家から出たかっただけ。手に職さえあれば、どうにかなると思ってね。だから適当にやってた。」
「趣味は人生を豊かにするからね。」
「でもね、東京帝大へ行って、わかったことは、がり勉して行く大学ではないってことね。入学したら、みんな私と似たり寄ったりばかりだった。普通に、部活して恋愛して、3年になってから、どこの大学を選ぼうかと、それで東京帝大へ入ってくる人たちばかりだったわ。でないと、社会に出たらロクにコミュニケーションも取れない協調性がない廃人を輩出する大学になってしまうもの。」
「……そうだね。」
「ここエロ(男)が多いから、エロ除けのために学歴を出したの。合コンでもいつも、私が東京帝国大学生だとわかった途端、ドン引きされるのよ。失礼しちゃうわ。」
「ああ、それわかる(笑)」
「司法試験もしかりよ。がり勉して、入ってきた人たちは、実力以上に勉強して、ギリギリで入学してくる。それにさらに、難しい勉強をして、資格を取得するなんて、到底できない。だから落ちるの。元カレみたいに。もっと悲惨なのは、がり勉して、たまたま合格した人、社会人としての常識を持たない人が法曹界に入っても、被害者の立場に立てない。加害者や被害者の心情をくみ取れない人間失格者が人を裁くなんて、ありえない話でしょ?」
「いやぁ、実に面白い。今日はいいことを聞けた。ありがとう。」
それからというもの、サイゴンは1日1回の挨拶だけでいいものを朝、昼、晩と隙間時間を見つけては、チャットに話しかけるようになった。
サイゴンは、ほとんど聞き役に徹した。一方的にしずくが愚痴を言って、というより、ゲーム内で「もっと協力しなさいよ。」という程度のチャットしかしていないのに。
「実に面白い、また、こんな面白い話を聞かせてくれ。」
そのたびに、しずくは「?」
結婚したくない男と、元カレと別れたばかりの女子大生の凸凹カップルは、素材集めだけの関係が次第に惹かれ合うようになる。
最初にお熱を出したのは、しずくの方で。サイゴンから醸し出る大人な男性の魅力に参ってしまう。
優しくて、落ち着いていて、いつもしずくのことを思いやる言葉を並べてくれる。
リアルでは、美人だから親切にしてくれても、このゲームの世界では顔が見えないのに、親切にしてくれるサイゴンのことを本気で好きになっていく。
でも、サイゴンはつれない返事しかくれない。
「サイゴンは、架空の人物だから、俺はそんないい男でも王子様でもない。社会に出たら、しずくにもっと合う王子様に出会えるよ。」
「いやよ。私、男を見る目だけは自信があるの。サイゴンちゃんは、間違いなく私の王子様よ。実際に会っていなくても、わかるの。」
「そこまで言うのなら、もうフレンド解消しようよ。そして、この結婚も終わりだ。俺は一人で生きていく。干渉されたくないんだ。」
「ごめんなさい。でも、都内にいれば、いつかサイゴンちゃんと会える日が来るかもしれない。その時まで魅力的な女になる。だから、サイゴンちゃんもしょぼくれていたら承知しないわよ。」
そのまま、ゲームアプリを削除し、二人の関係は終わったかのように見えたのだが……。
今まで合コンして、東帝大生だということがわかると、決まって他の男子大学生からドン引きされてきた経験から、……結果は効果てきめん。
バカ大学生はおろか、他のオタクやヒッキーから敬遠されるようになって、静かなゲーマーになれたのだが、東帝大生と書いたことから、ある人の反感を買い……。
運命の出会いをしてしまったのだ。
サイゴンは、東帝大生と言うだけで、インテリのがり勉を想像していた。きっと昔の上司みたいに嫌な奴に決まっていると先入観を持って、フレンド申請をしてきたのだ。
しずくのゲーム内での最初の夫は、看護師の変態、夜中に叩き起こされ、自分一人が興奮して、しずくを犯す妄想を勝手にしていた。
それがエスカレートして、ある時、しずくが留守の間にしずくをおかずにして、勝手にひとりHに嵌っていたログが見つかり、キモいのとコワイので離婚、次の夫は1週間何の音沙汰もなしに放置されて、アイテムが集まらない。
1人で気楽は、まだ最初の夫よりかはマシというだけ、そこにサイゴンが来て、ゲームの進行具合などいろいろ質問されたから、律義に答えていたら、結婚という話になった。
二人で決めたことは、毎日カップルチャットで、1回は挨拶するということだけ。
しずくの目からは、サイゴンは度を越えての女嫌いに見えた。だからそれっぽい話は一切なしで、それはそれで気楽だった。
しずくの出身地は、京都市、最初は京都帝国大学を目指していたけど、一人娘で一生京都から離れられない呪縛に悩み、途中で志望校を変更して、東京帝国大学を受験した。だから大学を出たら、とりあえず官僚になって、逃げ道を探す予定。
チャットしているときに何気に、その話をしたら、サイゴンが飛びつく。
サイゴンもまた、親の会社を継げと小さい時から呪文のように言われ続けていたからということを後になって気づく。
「高校時代、夜は、ねね様で有名な高台寺の近くの料理旅館で修業をして、その実務経験で調理師免許を取ったのよ。他の同級生はみんな塾へ行っていたというのに。」
「へー、すごいね。」
「別に京都帝大なんか、合格したいとも思っていなかったの。ただ、家から出たかっただけ。手に職さえあれば、どうにかなると思ってね。だから適当にやってた。」
「趣味は人生を豊かにするからね。」
「でもね、東京帝大へ行って、わかったことは、がり勉して行く大学ではないってことね。入学したら、みんな私と似たり寄ったりばかりだった。普通に、部活して恋愛して、3年になってから、どこの大学を選ぼうかと、それで東京帝大へ入ってくる人たちばかりだったわ。でないと、社会に出たらロクにコミュニケーションも取れない協調性がない廃人を輩出する大学になってしまうもの。」
「……そうだね。」
「ここエロ(男)が多いから、エロ除けのために学歴を出したの。合コンでもいつも、私が東京帝国大学生だとわかった途端、ドン引きされるのよ。失礼しちゃうわ。」
「ああ、それわかる(笑)」
「司法試験もしかりよ。がり勉して、入ってきた人たちは、実力以上に勉強して、ギリギリで入学してくる。それにさらに、難しい勉強をして、資格を取得するなんて、到底できない。だから落ちるの。元カレみたいに。もっと悲惨なのは、がり勉して、たまたま合格した人、社会人としての常識を持たない人が法曹界に入っても、被害者の立場に立てない。加害者や被害者の心情をくみ取れない人間失格者が人を裁くなんて、ありえない話でしょ?」
「いやぁ、実に面白い。今日はいいことを聞けた。ありがとう。」
それからというもの、サイゴンは1日1回の挨拶だけでいいものを朝、昼、晩と隙間時間を見つけては、チャットに話しかけるようになった。
サイゴンは、ほとんど聞き役に徹した。一方的にしずくが愚痴を言って、というより、ゲーム内で「もっと協力しなさいよ。」という程度のチャットしかしていないのに。
「実に面白い、また、こんな面白い話を聞かせてくれ。」
そのたびに、しずくは「?」
結婚したくない男と、元カレと別れたばかりの女子大生の凸凹カップルは、素材集めだけの関係が次第に惹かれ合うようになる。
最初にお熱を出したのは、しずくの方で。サイゴンから醸し出る大人な男性の魅力に参ってしまう。
優しくて、落ち着いていて、いつもしずくのことを思いやる言葉を並べてくれる。
リアルでは、美人だから親切にしてくれても、このゲームの世界では顔が見えないのに、親切にしてくれるサイゴンのことを本気で好きになっていく。
でも、サイゴンはつれない返事しかくれない。
「サイゴンは、架空の人物だから、俺はそんないい男でも王子様でもない。社会に出たら、しずくにもっと合う王子様に出会えるよ。」
「いやよ。私、男を見る目だけは自信があるの。サイゴンちゃんは、間違いなく私の王子様よ。実際に会っていなくても、わかるの。」
「そこまで言うのなら、もうフレンド解消しようよ。そして、この結婚も終わりだ。俺は一人で生きていく。干渉されたくないんだ。」
「ごめんなさい。でも、都内にいれば、いつかサイゴンちゃんと会える日が来るかもしれない。その時まで魅力的な女になる。だから、サイゴンちゃんもしょぼくれていたら承知しないわよ。」
そのまま、ゲームアプリを削除し、二人の関係は終わったかのように見えたのだが……。
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