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「ひゃっほーい!自由って楽しい」
キャサリンは空を飛びながら、雄たけび(?)をあげている。
もうお妃教育も、聖女としての務めや祈りも必要ないと思えば、嬉しくて仕方がない。だって、あの大人びた雰囲気の彩芽さんだっけ?彼が変わりに受け持ってくれるんだもん。
そこで、初めてハっとする。彩芽聖女の正体が分かった気がした。
そう。あの骨格、あれはどう見ても女性のものではない。きっと彩芽聖女は女装した男性なのだ。だから召喚聖女の儀式は完全に失敗したと言えよう。
だって、聖女じゃなく聖人?女装男を召喚してしまったようだから。
今頃、リチャードも教会も慌てているだろうな。そう考えると笑いがこみあげてきて止まらない。
-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-
「さあて、今夜の夜伽は誰にしようかしら」
教会の一室、若い神官を裸にして物色している張本人は、まぎれもなく聖女彩芽。
「聖女様、どうか、お許しを。我々は神に仕える身。このようなこと神がお許しになるはずがございません!」
「うるさいわね。そこのアナタ、今、このうるさい男の乳首を舐めなさい!」
命じられた神官は、小言を放った神官の前に行き、乳首を舐め始める。必死に抵抗していた神官も、弱いところを責められ、顔を真っ赤にしながら悶え始めている。
「うーん。いい顔するようになったわね。さっきまでとは大違いにいいわ」
「はぁ。はぁ。どうか、お許しを……っ……」
「ダメよ。イクまでは帰さない」
その神官の首にフっと息を吹きかける彩芽。
毎夜、繰り返される破廉恥な行為に、司祭も見て見ぬふりを決め込んでいる。
まさか、聖女召喚で女装した変態を召喚してしまうなど思ってもみなかったことで。王家に失敗したことは告げているが、内容までは言えない。どうしても言えないから、ほとほと困り果てているのだ。
だから言わんこっちゃないとリチャード殿下に言うも、王太子殿下はどこが失敗だったのか、わかっていない。
とにかく国王陛下には、聖女の力の欠片もない者が召喚されたとしか伝えられていない。本当のことを言う勇気は今のところないから。
リチャード殿下は、納得していないが、とにかく至急、キャサリン聖女を探し呼び戻す必要があることは、納得させたのだ。
おそらくいないだろうが、一応、アントワネット公爵家にも騎士団を向かわせたが、どういうわけか、アントワネット家に近づけない。結界で弾き飛ばされてしまう。
それで、公爵が出仕してきたところを狙って、それとなく探りを入れようとするも、事、キャサリン聖女のことに触れようとすると、結界が発動してしまい、やはり弾き飛ばされてしまう。
これだけ強力な結界を張れるのだから、まぎれもなくキャサリンが聖女様であったことは間違いようがない事実。
正真正銘の聖女様に偽聖女の汚名を着せ、婚約破棄した上に国外追放にしとけばいいものを、彩芽にいいところを見せたいがために処刑を断行しようとして逃亡されるなどの失態を犯した事実は消えない。
この時、まだ彩芽が変態だったと気づいていなかった国王は、とりあえず、王位継承権をはく奪し、リチャードに謹慎処分を命じた。
それが今、彩芽の正体が国王に知られてしまった。リチャードが大人しく謹慎に応じなかったからで、こっそり教会に彩芽を訪ね、餌食になってしまった。
それ以来、リチャードは寝ても覚めても夢うつつ状態から抜け出すことができず、完全に変態病にかかってしまっている。こうなれば、後継者など到底、望むことができない。
塔の最上階に幽閉を余儀なくされ、本来は自由に過ごすことができるのに、何かといえば、尻を突き出す姿勢を取るため、足枷に、手鎖をつけて女性騎士を監視に着けている。
キャサリン聖女を探すも、行方は頑としてわからず、もし戻ってきてももう王子との婚姻は見込めない。新たに王位継承権者となれる若者を見つけるしか手立てがない。
王族をすべて集めても、キャサリン聖女と見合わせる適当な相手がいない。仕方なく王妃の実家や親戚筋まで広げ、相手を模索しているところである。
このままでは、バスティーユ国は滅亡することが目に見えている。たった一人の後継者であるリチャードが女を抱けないカラダになってしまったから。自業自得と言えば、それまでのことだが、どうしても諦めきれない。
今になって思えば、あの時、キャサリン聖女がよくぞ逃げてくれたとしか言えない。キャサリン聖女の婿としての身分ならば、その者に王位を継がせたいとまで思っている。
だからキャサリン聖女をなんとしても見つけなければならない。でなければ、バスティーユの未来を託せる人間は一人もいなくなってしまうからだ。
キャサリンは空を飛びながら、雄たけび(?)をあげている。
もうお妃教育も、聖女としての務めや祈りも必要ないと思えば、嬉しくて仕方がない。だって、あの大人びた雰囲気の彩芽さんだっけ?彼が変わりに受け持ってくれるんだもん。
そこで、初めてハっとする。彩芽聖女の正体が分かった気がした。
そう。あの骨格、あれはどう見ても女性のものではない。きっと彩芽聖女は女装した男性なのだ。だから召喚聖女の儀式は完全に失敗したと言えよう。
だって、聖女じゃなく聖人?女装男を召喚してしまったようだから。
今頃、リチャードも教会も慌てているだろうな。そう考えると笑いがこみあげてきて止まらない。
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「さあて、今夜の夜伽は誰にしようかしら」
教会の一室、若い神官を裸にして物色している張本人は、まぎれもなく聖女彩芽。
「聖女様、どうか、お許しを。我々は神に仕える身。このようなこと神がお許しになるはずがございません!」
「うるさいわね。そこのアナタ、今、このうるさい男の乳首を舐めなさい!」
命じられた神官は、小言を放った神官の前に行き、乳首を舐め始める。必死に抵抗していた神官も、弱いところを責められ、顔を真っ赤にしながら悶え始めている。
「うーん。いい顔するようになったわね。さっきまでとは大違いにいいわ」
「はぁ。はぁ。どうか、お許しを……っ……」
「ダメよ。イクまでは帰さない」
その神官の首にフっと息を吹きかける彩芽。
毎夜、繰り返される破廉恥な行為に、司祭も見て見ぬふりを決め込んでいる。
まさか、聖女召喚で女装した変態を召喚してしまうなど思ってもみなかったことで。王家に失敗したことは告げているが、内容までは言えない。どうしても言えないから、ほとほと困り果てているのだ。
だから言わんこっちゃないとリチャード殿下に言うも、王太子殿下はどこが失敗だったのか、わかっていない。
とにかく国王陛下には、聖女の力の欠片もない者が召喚されたとしか伝えられていない。本当のことを言う勇気は今のところないから。
リチャード殿下は、納得していないが、とにかく至急、キャサリン聖女を探し呼び戻す必要があることは、納得させたのだ。
おそらくいないだろうが、一応、アントワネット公爵家にも騎士団を向かわせたが、どういうわけか、アントワネット家に近づけない。結界で弾き飛ばされてしまう。
それで、公爵が出仕してきたところを狙って、それとなく探りを入れようとするも、事、キャサリン聖女のことに触れようとすると、結界が発動してしまい、やはり弾き飛ばされてしまう。
これだけ強力な結界を張れるのだから、まぎれもなくキャサリンが聖女様であったことは間違いようがない事実。
正真正銘の聖女様に偽聖女の汚名を着せ、婚約破棄した上に国外追放にしとけばいいものを、彩芽にいいところを見せたいがために処刑を断行しようとして逃亡されるなどの失態を犯した事実は消えない。
この時、まだ彩芽が変態だったと気づいていなかった国王は、とりあえず、王位継承権をはく奪し、リチャードに謹慎処分を命じた。
それが今、彩芽の正体が国王に知られてしまった。リチャードが大人しく謹慎に応じなかったからで、こっそり教会に彩芽を訪ね、餌食になってしまった。
それ以来、リチャードは寝ても覚めても夢うつつ状態から抜け出すことができず、完全に変態病にかかってしまっている。こうなれば、後継者など到底、望むことができない。
塔の最上階に幽閉を余儀なくされ、本来は自由に過ごすことができるのに、何かといえば、尻を突き出す姿勢を取るため、足枷に、手鎖をつけて女性騎士を監視に着けている。
キャサリン聖女を探すも、行方は頑としてわからず、もし戻ってきてももう王子との婚姻は見込めない。新たに王位継承権者となれる若者を見つけるしか手立てがない。
王族をすべて集めても、キャサリン聖女と見合わせる適当な相手がいない。仕方なく王妃の実家や親戚筋まで広げ、相手を模索しているところである。
このままでは、バスティーユ国は滅亡することが目に見えている。たった一人の後継者であるリチャードが女を抱けないカラダになってしまったから。自業自得と言えば、それまでのことだが、どうしても諦めきれない。
今になって思えば、あの時、キャサリン聖女がよくぞ逃げてくれたとしか言えない。キャサリン聖女の婿としての身分ならば、その者に王位を継がせたいとまで思っている。
だからキャサリン聖女をなんとしても見つけなければならない。でなければ、バスティーユの未来を託せる人間は一人もいなくなってしまうからだ。
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