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9.その2
卒業パーティの帰り道、まっすぐ帰るには、あまりにも忍びなく……、それで馬車を回り道して帰るように御者に指示を出した。
パーティに出たと言っても、お腹はペコペコだったし、どこかで何かつまんでから帰ることにしたのよ。
そこで街の方へ行こうとした時、空からフワリとしたものが降ってくることに気が付いたわ。
たまたまだったから、見間違えたかもと思ったけど、馬車を止めさせ、その少女の元に駆け寄った。
その少女は金髪金眼の貴族令嬢のようないでたちであったけど、場違いな印象は否めない。
歩いているのだけど、跳んでいるような軽さを感じ、何やら楽しそうにしているところも気になった。
足を痛そうに引きずっていたことも気になり、とにかくリリアーヌは、その少女を馬車に招き入れた。
その少女は、バスティーユ国出身のキャサリンと言い、これから旅に出ると張り切っている様子に、
「着替えは持っているの?そんなドレスでは遠くへは行けないわよ?」
キャサリンは今夜の宿を探していると言い、御者に良心的な宿を道案内させる。
「これから食事するつもりだけど、良かったらキャサリンも来ない?」
二つ返事で、その少女はついてくることになった。おかげで、リリアーヌも婚約破棄されたという嫌な気分を一掃して、帰路につくことになった。
大変だったのは、帰宅してからのこと。
両親は、リリアーヌのキズモノ度がどれぐらいだったかは、正確に把握していなかったと思う。
でも、わたくしは、立派なキズモノだったわけで、それはロバートの執拗な愛撫でカラダ中開発されていないところを探す方が難しいと思われるぐらい。開発され尽くしていたから。
両親からは、家の恥だとさんざん罵られ、修道院へ行くか、ドイル子爵の後添えになるかの二択を迫られる。
そんなの返事は決まっている。ロバートに仕返しもしないで、修道院へ行くことなどあり得ない選択だから。
このブルゴーニュの王都にさえいれば、いつか復讐するチャンスはあるかもしれないから。
ドイル子爵家は、立派な商会を営んでいる。そして、リリアーヌの父は伯爵でありながら国の運輸大臣を務めている。
この関係から、今度の政略結婚は成立する。
そして、リリアーヌは、ドイル子爵家に嫁いだことから、さらなる幸運に見舞われることになるのだが、この時はまだわからなかった。
今まで、社交界でリリアーヌの取り巻きだった令嬢は、ロバートと婚約破棄した途端、蜘蛛の子を散らすように去っていき、それどころか、リリアーヌと敵対するかのように悪口を言いふらされた。
ドイル子爵との結婚式にも、取り巻きの令嬢は一人とて参列がなかった。ただ一人平民姿のキャサリンだけは、末席に佇んでいてくれた。
あの時、馬車の中でキャサリンは、聖女様であるということだけを隠して、リチャードと婚約破棄された身であることを打ち明けた。
似非公爵令嬢と伯爵令嬢、共に第1王子と政略で婚約させられ、相手の不誠実が原因でその婚約を破棄された境遇に、お互いがすぐ友人と呼べる間柄になったのだ。
キャサリンは、生まれて初めてできた友人を素直に喜び、後妻といえども、その友の幸せを心から祝福したことは言うまでもない。
パーティに出たと言っても、お腹はペコペコだったし、どこかで何かつまんでから帰ることにしたのよ。
そこで街の方へ行こうとした時、空からフワリとしたものが降ってくることに気が付いたわ。
たまたまだったから、見間違えたかもと思ったけど、馬車を止めさせ、その少女の元に駆け寄った。
その少女は金髪金眼の貴族令嬢のようないでたちであったけど、場違いな印象は否めない。
歩いているのだけど、跳んでいるような軽さを感じ、何やら楽しそうにしているところも気になった。
足を痛そうに引きずっていたことも気になり、とにかくリリアーヌは、その少女を馬車に招き入れた。
その少女は、バスティーユ国出身のキャサリンと言い、これから旅に出ると張り切っている様子に、
「着替えは持っているの?そんなドレスでは遠くへは行けないわよ?」
キャサリンは今夜の宿を探していると言い、御者に良心的な宿を道案内させる。
「これから食事するつもりだけど、良かったらキャサリンも来ない?」
二つ返事で、その少女はついてくることになった。おかげで、リリアーヌも婚約破棄されたという嫌な気分を一掃して、帰路につくことになった。
大変だったのは、帰宅してからのこと。
両親は、リリアーヌのキズモノ度がどれぐらいだったかは、正確に把握していなかったと思う。
でも、わたくしは、立派なキズモノだったわけで、それはロバートの執拗な愛撫でカラダ中開発されていないところを探す方が難しいと思われるぐらい。開発され尽くしていたから。
両親からは、家の恥だとさんざん罵られ、修道院へ行くか、ドイル子爵の後添えになるかの二択を迫られる。
そんなの返事は決まっている。ロバートに仕返しもしないで、修道院へ行くことなどあり得ない選択だから。
このブルゴーニュの王都にさえいれば、いつか復讐するチャンスはあるかもしれないから。
ドイル子爵家は、立派な商会を営んでいる。そして、リリアーヌの父は伯爵でありながら国の運輸大臣を務めている。
この関係から、今度の政略結婚は成立する。
そして、リリアーヌは、ドイル子爵家に嫁いだことから、さらなる幸運に見舞われることになるのだが、この時はまだわからなかった。
今まで、社交界でリリアーヌの取り巻きだった令嬢は、ロバートと婚約破棄した途端、蜘蛛の子を散らすように去っていき、それどころか、リリアーヌと敵対するかのように悪口を言いふらされた。
ドイル子爵との結婚式にも、取り巻きの令嬢は一人とて参列がなかった。ただ一人平民姿のキャサリンだけは、末席に佇んでいてくれた。
あの時、馬車の中でキャサリンは、聖女様であるということだけを隠して、リチャードと婚約破棄された身であることを打ち明けた。
似非公爵令嬢と伯爵令嬢、共に第1王子と政略で婚約させられ、相手の不誠実が原因でその婚約を破棄された境遇に、お互いがすぐ友人と呼べる間柄になったのだ。
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