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現世:新たなる旅立ち
42.招かれざる客
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その頃、レストラン・アフロディーテでは、ちょっとした騒ぎになっていた。
それは早じまいにしたにも関わらず、予約なしで王太子殿下が臨検に来られてしまって、ジェニファーは大わらわしている。
臨検といっても、ただ食事しに来ただけなのであるが、店内は、警備の騎士だけで、ごった返しになっている。
もう火も落としてしまった後で、できるものといえば、レンチンのオムレツぐらいなもの。こんな時、アイリーンなら、有り合わせの材料でパパッと作ってしまうのだろうが、オパールやシンイーでは、それが難しい。
オパールは急ぎ、サファイアに連絡を取るも、すでにアムステルダム国に入国した後みたいで、なかなか返信が来ない。
「なんだ。ここは若い娘が女将をしていると聞いてきたのだが……。それでもこの店のことはよく聞いている。なかなか評判がいいところだと聞いているので、試しに来てみた。女将はどこかで会ったことがあるか?見覚えがあるのだが……?気のせいか?」
そりゃそうでしょうね。エストロゲン家には何度も足を運ばれておりますもの。それにまだお小さいステファニーお嬢様を傷つけるようなことをなさっておいでで、よくも抜けしゃあしゃあとお見えになったものですわ。
「申し訳ございません。本日は、早仕舞いさせていただきまして、ご予約でしたら、いくらでもお受けできますのでございますが……」
「女。無礼であるぞ!」
護衛の騎士が腰の剣に手をかけるも、クリストファーがそれを制する。
クリストファーは、ひょっとしたら、この店にステファニーはいるのではないかと思っていたから、お忍びで、こっそり行くつもりが、以前と違って、今や王位継承権者第1位となってしまってからは、おいそれと単独行動で行くことが憚られ、つい大所帯となってしまったのだ。
そういう後ろめたさもあり、……それにしても、この女将に見覚えがある。どこで会ったのだろうか?
「何か、簡単なものでもよい。何か食わせてやってもらえないだろうか?騎士たちもこの店へ行くことを前々から楽しみにしていたようなのだ」
「では、何ができるか、見て参ります。賄い程度のものなら、でも王太子殿下の御口に合うかどうかわかりません」
やっとクリストファー殿下の前から解放されたジェニファーは、急ぎ厨房に行き、何かできないかと相談してみることに。
長年、公爵家の侍女長として、働いてきた経験なんて、何の役にも立たないことを思いしらされる。
早くお嬢様に帰ってきてもらわないと……、でも、隣国アムステルダムまで最短でも2週間はかかる。あの調子なら、殿下は毎日でも、満足なお料理を食べるまで帰らないだろうし、このままでは商売にも影響がある。
どうしたものかと思案に暮れる。
その時、バタバタと足音がしたと思ったら、アイリーン様が慌てた様子で厨房の奥の小部屋から、出てこられた。
幼馴染だと紹介されたご令嬢もご一緒だったけど、ジェニファーの知らないご令嬢ということだけが心に引っかかる。
だが、今は、そんなこと言っている場合ではない。クリストファー殿下が店に居座り、帰ってくれないからだ。
「何かあり合わせのもので、お出しできるようなものはないかと……困っていたのです」
アイリーンは、冷蔵庫を開けたり、閉めたりして何か考え事をしたのち、
「お客様の人数は?」
「殿下と護衛の騎士が100名ほど?」
「100名!?」
アイリーンは、冷蔵庫の中からコメを取り出し、洗っていく。100名を満腹させるのは、ご飯を炊くのが一番手っ取り早い。何を作ろうか、メニューはまだ考えていない。
ハンバーグ、オムライス、カレーライス、スパゲティ、在庫を確認しながら、思いつく料理を列挙していく。
そして思いつくまま、それらの料理を一気に作り始めた。
それは早じまいにしたにも関わらず、予約なしで王太子殿下が臨検に来られてしまって、ジェニファーは大わらわしている。
臨検といっても、ただ食事しに来ただけなのであるが、店内は、警備の騎士だけで、ごった返しになっている。
もう火も落としてしまった後で、できるものといえば、レンチンのオムレツぐらいなもの。こんな時、アイリーンなら、有り合わせの材料でパパッと作ってしまうのだろうが、オパールやシンイーでは、それが難しい。
オパールは急ぎ、サファイアに連絡を取るも、すでにアムステルダム国に入国した後みたいで、なかなか返信が来ない。
「なんだ。ここは若い娘が女将をしていると聞いてきたのだが……。それでもこの店のことはよく聞いている。なかなか評判がいいところだと聞いているので、試しに来てみた。女将はどこかで会ったことがあるか?見覚えがあるのだが……?気のせいか?」
そりゃそうでしょうね。エストロゲン家には何度も足を運ばれておりますもの。それにまだお小さいステファニーお嬢様を傷つけるようなことをなさっておいでで、よくも抜けしゃあしゃあとお見えになったものですわ。
「申し訳ございません。本日は、早仕舞いさせていただきまして、ご予約でしたら、いくらでもお受けできますのでございますが……」
「女。無礼であるぞ!」
護衛の騎士が腰の剣に手をかけるも、クリストファーがそれを制する。
クリストファーは、ひょっとしたら、この店にステファニーはいるのではないかと思っていたから、お忍びで、こっそり行くつもりが、以前と違って、今や王位継承権者第1位となってしまってからは、おいそれと単独行動で行くことが憚られ、つい大所帯となってしまったのだ。
そういう後ろめたさもあり、……それにしても、この女将に見覚えがある。どこで会ったのだろうか?
「何か、簡単なものでもよい。何か食わせてやってもらえないだろうか?騎士たちもこの店へ行くことを前々から楽しみにしていたようなのだ」
「では、何ができるか、見て参ります。賄い程度のものなら、でも王太子殿下の御口に合うかどうかわかりません」
やっとクリストファー殿下の前から解放されたジェニファーは、急ぎ厨房に行き、何かできないかと相談してみることに。
長年、公爵家の侍女長として、働いてきた経験なんて、何の役にも立たないことを思いしらされる。
早くお嬢様に帰ってきてもらわないと……、でも、隣国アムステルダムまで最短でも2週間はかかる。あの調子なら、殿下は毎日でも、満足なお料理を食べるまで帰らないだろうし、このままでは商売にも影響がある。
どうしたものかと思案に暮れる。
その時、バタバタと足音がしたと思ったら、アイリーン様が慌てた様子で厨房の奥の小部屋から、出てこられた。
幼馴染だと紹介されたご令嬢もご一緒だったけど、ジェニファーの知らないご令嬢ということだけが心に引っかかる。
だが、今は、そんなこと言っている場合ではない。クリストファー殿下が店に居座り、帰ってくれないからだ。
「何かあり合わせのもので、お出しできるようなものはないかと……困っていたのです」
アイリーンは、冷蔵庫を開けたり、閉めたりして何か考え事をしたのち、
「お客様の人数は?」
「殿下と護衛の騎士が100名ほど?」
「100名!?」
アイリーンは、冷蔵庫の中からコメを取り出し、洗っていく。100名を満腹させるのは、ご飯を炊くのが一番手っ取り早い。何を作ろうか、メニューはまだ考えていない。
ハンバーグ、オムライス、カレーライス、スパゲティ、在庫を確認しながら、思いつく料理を列挙していく。
そして思いつくまま、それらの料理を一気に作り始めた。
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