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来世:サザビー王女として
59.デブ
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「アフロディーテ、本当に後悔していない?」
「大丈夫よ、こんなにデブがブスだとは思っていなかったけど……誰からも言い寄られないというところが気楽でいいわ」
神界での話し合いの結果、二人ともブス、いや、デブに転生した。このサザビー国の王女アイリーンとソノベ宰相の令嬢アフロディーテとの会話。まだ3歳という若さ。
もっと家で、いじめられるのかと覚悟していたが、食事の時も、両親から可愛がられている。これでは、ダイエットを頑張りたくてもできないという現実がある。
「もっと、たくさんお上がり」
「アイリーンちゃんは、ポチャポチャしていて、可愛らしいわ」
一方、アフロディーテはと言うと、宰相閣下の再婚相手の継母からいじめられているようで……、あのアフロディーテに向かって「ブス!デブ!」を連発されているそうな。
実の父は、再婚相手が娘を苛めていても、見て見ぬふりを決め込むような無責任男。こんな男が、宰相だなんて、ちゃんちゃらおかしいわ。
それでも、毎日、嬉々として暮らしているアフロディーテは神経が図太いのか?もしくは、いつの日にか継母が石になることを狙っているのか、どちらかだと思う。
前に遊びに行ったときは、アフロディーテ付きの侍女に良くしてもらったけど、いつの間にか、その侍女の姿はない。きっと、継母に追い出されたのだと思う。
アフロディーテにこんなことをして、ただでは済まないはず。それで心配になったアイリーンは、アフロディーテに聞くと
「大丈夫よ。石になんてしないから、それよりもっと面白いこと考えたのよ」
「な、なに?」
「うふふ。あのオバハンがわたくしを罵倒するたびに1年ずつ年齢をとっていくようにしたのよ。それにあの厚化粧、傍に行くと何センチあるか計って見たくなるし、あの化粧をするたびにシミを一つずつ追加することにしたのよ。それもカラダに、顔はほっといても老けて、自然と化粧でもカバーしきれないぐらいに増えるものでしょ?でも、カラダのシミは脳のシミと同じだから、自然とお父様の足が遠のく、だから、あのオバハンの命はよくもって1週間というところね」
ひゃぁっ!あな、恐ろしや!若干、幼稚園児ぐらいの子が考えられるような復讐ではない!
「だったら、1週間後が楽しみね」
それから4日後に、本当にソノベ公爵夫人はなくなってしまった。だが、それは、なぜかアフロディーテの実母の呪いが原因で死去したと噂される。
なんせ、アフロディーテの実母が亡くなってから半年で後添えを迎えたものだから、呪われても仕方がないと思われているようで、それにアフロディーテ付きの侍女だった娘があちこちで言いふらしていることも、その一因となったようだ。
「あの可愛らしいアフロディーテ様をブスといって罵ったのでございますよ。わたくしから見れば、ご夫人の方がよほど性悪女でブスだと思いましたわ」
「まあ、そんなことが……!」
「あの方、ご自分がブスで行き遅れたものだから、継子いじめをされたのでしょうか?でも、アフロディーテ様のお顔立ちは、決してブスではございませんことよ。年頃になられたら、きっと綺麗にお痩せになられ、美しいご令嬢になること請け合いでございますわ」
「そうですとも、それにしてもソノベ閣下も趣味がお悪いですわね」
きっと公爵様は、お仕事が忙しくて、それで妻を亡くしたばかりで、幼い娘に母親の代わりとなるべく存在の女性が必要だとお考えになられたに違いがない。
でも、これで、また継母が来ることになるのだろうか?それはそれで心配なアイリーンだけど、意外にもアフロディーテはケロっとしている。
「誰が来ても、愛と美を司るアフロディーテの前では、赤子同然なのよ」
「それもそうよね」
「大丈夫よ、こんなにデブがブスだとは思っていなかったけど……誰からも言い寄られないというところが気楽でいいわ」
神界での話し合いの結果、二人ともブス、いや、デブに転生した。このサザビー国の王女アイリーンとソノベ宰相の令嬢アフロディーテとの会話。まだ3歳という若さ。
もっと家で、いじめられるのかと覚悟していたが、食事の時も、両親から可愛がられている。これでは、ダイエットを頑張りたくてもできないという現実がある。
「もっと、たくさんお上がり」
「アイリーンちゃんは、ポチャポチャしていて、可愛らしいわ」
一方、アフロディーテはと言うと、宰相閣下の再婚相手の継母からいじめられているようで……、あのアフロディーテに向かって「ブス!デブ!」を連発されているそうな。
実の父は、再婚相手が娘を苛めていても、見て見ぬふりを決め込むような無責任男。こんな男が、宰相だなんて、ちゃんちゃらおかしいわ。
それでも、毎日、嬉々として暮らしているアフロディーテは神経が図太いのか?もしくは、いつの日にか継母が石になることを狙っているのか、どちらかだと思う。
前に遊びに行ったときは、アフロディーテ付きの侍女に良くしてもらったけど、いつの間にか、その侍女の姿はない。きっと、継母に追い出されたのだと思う。
アフロディーテにこんなことをして、ただでは済まないはず。それで心配になったアイリーンは、アフロディーテに聞くと
「大丈夫よ。石になんてしないから、それよりもっと面白いこと考えたのよ」
「な、なに?」
「うふふ。あのオバハンがわたくしを罵倒するたびに1年ずつ年齢をとっていくようにしたのよ。それにあの厚化粧、傍に行くと何センチあるか計って見たくなるし、あの化粧をするたびにシミを一つずつ追加することにしたのよ。それもカラダに、顔はほっといても老けて、自然と化粧でもカバーしきれないぐらいに増えるものでしょ?でも、カラダのシミは脳のシミと同じだから、自然とお父様の足が遠のく、だから、あのオバハンの命はよくもって1週間というところね」
ひゃぁっ!あな、恐ろしや!若干、幼稚園児ぐらいの子が考えられるような復讐ではない!
「だったら、1週間後が楽しみね」
それから4日後に、本当にソノベ公爵夫人はなくなってしまった。だが、それは、なぜかアフロディーテの実母の呪いが原因で死去したと噂される。
なんせ、アフロディーテの実母が亡くなってから半年で後添えを迎えたものだから、呪われても仕方がないと思われているようで、それにアフロディーテ付きの侍女だった娘があちこちで言いふらしていることも、その一因となったようだ。
「あの可愛らしいアフロディーテ様をブスといって罵ったのでございますよ。わたくしから見れば、ご夫人の方がよほど性悪女でブスだと思いましたわ」
「まあ、そんなことが……!」
「あの方、ご自分がブスで行き遅れたものだから、継子いじめをされたのでしょうか?でも、アフロディーテ様のお顔立ちは、決してブスではございませんことよ。年頃になられたら、きっと綺麗にお痩せになられ、美しいご令嬢になること請け合いでございますわ」
「そうですとも、それにしてもソノベ閣下も趣味がお悪いですわね」
きっと公爵様は、お仕事が忙しくて、それで妻を亡くしたばかりで、幼い娘に母親の代わりとなるべく存在の女性が必要だとお考えになられたに違いがない。
でも、これで、また継母が来ることになるのだろうか?それはそれで心配なアイリーンだけど、意外にもアフロディーテはケロっとしている。
「誰が来ても、愛と美を司るアフロディーテの前では、赤子同然なのよ」
「それもそうよね」
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