転生悪役令嬢に仕立て上げられた幸運の女神様は家門から勘当されたので、自由に生きるため、もう、ほっといてください。今更戻ってこいは遅いです

青の雀

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来世:サザビー王女として

63.イマイチ

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 同い年の生徒が極端に少ないことは、アフロディーテの呪いが原因していると思われる。

 みんな面と向かって、言わないくせに、陰でボロカスに言っていたということを推察する。

 他人の悪口を言って、日々のストレスを晴らすという行為は、下の下の人間が行うことに等しい。

 でもこの学園に入学してきた生徒は、生きているのだから、アイリーンやアフロディーテの悪口は言っていないのだろう。

 そう思うと、なんだかとても親近感がわく。友人になるには、まず信頼関係を構築するところから始めなければならないけど、今いる生徒は、少なくとも悪口も陰口も言っていないはずだから、少しは信頼できるというもの。この中から将来の側近を選べば、我が国も安泰というものね。

 アイリーンは婚約者との仲も良好で、少々物足りなさを感じている。婚約者のハリーはいかにもイイ人なんだけど、ただそれだけのイエスマンでしかない。そういうところが物足りないけど、かといって、外で浮気されるのも、婚約者の立場としては、辛いから、物足りなくても頼りなくても、何も起こらなければ、この人と結婚するつもりでいる。そして、適当に子供を産んだ後、神界へ帰り、また瘴気が出ているところを探し転生するつもりでいる。

 アフロディーテも、一応、婚約者はいるが、アイリーンのようなお仕着せではない。だいたい、人間界で結婚する気がないから、アイリーンには真実の愛を見つけるためと、言ったものの、それは詭弁でしかない。

 人間みたいな下等動物と本気で恋をする気などハナからない。

 美しくもないアフロディーテに人間から愛を捧げられる価値などないと思っているのだ。

 それでも二人して、ダイエットはしている。だって、女神の癖に怠けものだなんて思われたくないもの。

 もっとも、二人が女神さまであるという事実は、両親と教会関係者しか知らないことだけど、だから、他の生徒たちは、二人を人間だと信じているというわけ。

 学園生活は、若返った気分で、それなりに楽しめる。特にスポーツの授業が楽しい。大人になってから、ほとんどカラダを動かすことがないので、こういう単純なスポーツは楽しくてしょうがない。

 明日になれば、絶対筋肉痛だわ、と思えるような走り回るスポーツは好きだ。後、ボールを使ったスポーツも楽しい。

 反対に鉄棒など腕が痛くなるものは、苦手意識がある。

 学園生活の中で、最も楽しい時間は、ランチタイム。食堂に行って、好きなものを好きなだけ食べる。

 いわゆる学食と違い、ビュッフェ方式で、これがあるからダイエットの妨げになっていると言っても過言ではない。

 今日も今日とて、お皿に盛りきれないぐらい、もらってきて、それをおしゃべりを楽しみながら、一気に食べる。

 アイリーンは、前世ファミレスを経営していたけど、今世は、ビュッフェ方式のレストランも悪くはないと思っている。

 でも、今世は王家を追い出される心配もないし、女神だということもバレているので、追い出す方がおかしいというもの。

 アフロディーテは、アイリーンのレストランの話をかなり真剣に聞いている。アフロディーテは大丈夫よ。というものの、ソノベの継母からいじめられているのかしら?

 それとも、婚約者とうまくいっていないとか?

 うーん、もうひとつよくわからないけど、とにかくアフロディーテは家出したいのかな?

 昔から「馬には乗って見よ。人には添うてみよ」というではないか?

 だからアフロディーテなら、きっと大丈夫。

 そして、いよいよ卒業式のシーズンになる。

 朝早くから、ハリーが馬車で迎えに来てくれる。ハリーは、終始にこやかで、順調にいけば、明日、この男性と結婚するのだと頭ではわかっているが、どうしても納得いっていない部分もあるにはある。

 ハリーのこと、嫌いではないが、好きでもない。ここが問題なの。

 幼い日より、ずっとアイリーンに寄り添ってくれたけど、どうもイマイチなところがある。

 まあ、明日の夜には、この人との初夜を迎え、順調にいけば、約9か月で母になる。それを2~3回繰り返せば、その後は、神界へ帰るだけなのだから、辛抱すればいいとも思う。

 でも、今世はハズレという気がしてならない。悶々としたまま、卒業式会場へ入る。
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