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新しい出会い
40.年末年始
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もうほとんどミイラ取りがミイラになったような状態の契約を結ばされてしまったのだ。
シャルマン様は望んで、モデルになられたのだけど、望んでいない金沢兄妹までもがファッションモデルの契約をさせられてしまった。
さくらと大輔は異世界の名前ではなくニッポン名が芸名となる。
さくらも大輔も、デザイナー自身から気に入られてしまったことが原因で、普通の素人モデルよりもまったく違う雰囲気を3人とも、身にまとっているところが気に入られたとかで、非常に大迷惑している。
そりゃそうよね。乙女ゲームの世界に生きているのだもの。そんじょそこらの若者とは、ケタ外れに雰囲気が違って当たり前ということなのだ。
エルモアは最初に、ハッキリと、言ったはずなのに。
「私たち兄妹は、付き添いで、あくまでモデルを志しているのは。シャルマンという青年、ただ一人です。」
デザイナーからの鶴の一声で、すべて決まってしまったのだ。
「新しいデザインのイメージにピッタリだわ。」
誰にでも言っているんじゃないの?ジト目で、デザイナーを見るが意に介していないよう。
その日のうちにトウキョウオフィスに連れていかれ、基本的なランウェイを練習させられることになった。
これは、さすがに志願しただけのことがあり、シャルマン様が一番上手だったわ。
それだけではなく、今、デザイナーがデザインしている新作を着て見せて、と言われ
最先端の服を何着か試着してみた。
「ステキ~♪」
デザイナーにべた惚れされてしまい、いきなり専属契約を結ばされることになってしまったのだ。契約金は1000万円。ふつうは、ワンステージ100万円だと聞くから、いかに破格の金額か想像できる。
そのほかに何着か着た服をもらえたから、帰りは、その服を着て帰ることにする。
まぁ退屈な冬休みが少々、マシになった程度のことだけど、シャルマン様は非常に有意義な経験ととられたみたいだった。
いただいた現金は、すべて、マンションの中にいったん入れる。これからはこの現金を持って、「要注意」から出るときのお小遣いにしようと思う。
愛するシャルマン様が喜んでくださるのならと、ジャクリーンは納得しているが、府に堕ちないのが兄のエルモア。
「なんで俺まで、巻き込まれることになった?」
不満タラタラ言っている。
「いいじゃない、洋服ももらえたんだし。」
「あんな服、みっともなくて着られるか?」
確かに、あの時は高いものをもらったという気分で高揚していたが、よくあんな恰好をして、渋谷を歩いたものだと後になって思う。
まぁいつの時代も渋谷は前衛的だから、あれぐらいでちょうどいいのかもしれない。
次のコレクションは、spring/summerだから、それまではゆっくりしていられる。と思っていたのは、大きな間違いで、年明け早々にコレクションがあるらしい。
クソ寒い時に、コレクションなどするな!と言ったところで、後の祭りでしかない。
エルモアが不機嫌な理由が分かったところで、クリスマスケーキを食べて帰ることにして、エルモアはキャサリンのためにホールケーキを買って帰り、シャルマン様はレバトリー家のために、ジャクリーンは、アナザーライト家のためにそれぞれお土産に買って帰り、マンションでそれぞれ解散とする。
結局、スカウト騒ぎで、一度もシャルマン様とできなかったことだけが不満に残るが、シャルマン様が喜んでおられたので、良しとする。
その次の行事は、カウントダウン。その後すぐに初詣に行かなければならないので、それまでにあのもらった1000万円のうちからジャクリーンは振袖を買う。シャルマン様には、羽織袴を買う。旅や草履などの小物に肌襦袢、長襦袢もあわせて買い、帯と帯締め、帯上げもついでに買いそろえる。
クリスマスから10日ごろまでは、行事目白押しなのだ。
カウントダウンは、デズニーシーに行くか?葛西臨海公園にするか迷うところ。その足ですぐ、明治神宮に初もうでに行きたいところ。
でも、デズニーなら、一泊しても盛り上がるかもしれない。年末から元旦にかけて、泊まり込んで遊ぶのも楽しいかも?
初詣は、ぶっちゃけ2日に行ってもいい。混むけど。
デートは計画を立てるのが面白い。
そんな時姑さんのレバトリー公爵夫人から、お茶会に使えるようなお菓子を所望され、和菓子にしようか洋菓子にしようか悩むところ。
異世界ニッポンのお正月のお菓子と言えば、まぎれもなく和菓子それも花弁餅化、上仲が市と相場が決まっているのに。紅茶と合うかどうかは別として、クリスマスが終わると、世間一般のお菓子売り場は、すべて和菓子になるというくらいこの時期、洋菓子は難しい。
領地で採れる果物もまだ……小粒で、これはたぶん異世界ニッポンのお菓子を所望だと思うのだけど、一度公爵夫人を伴って、お茶会用のお菓子を仕入れに行こうか?でも、年末のデパ地下なんて、異世界人が生けるレベルではない。
普通の人で、ごった返す中、お上りさんの異世界人では、弾き飛ばされてしまうだろう。
2日は、明治神宮に初もうでに行く予定だから、3日はどうだろうか?もうデパートの上階ではクリアランスセールが始まっているから、地階はガラスキのはず。
シャルマン様を通じて、正月3日にお茶会のお菓子を仕入れに行くことになる予定。
シャルマン様は望んで、モデルになられたのだけど、望んでいない金沢兄妹までもがファッションモデルの契約をさせられてしまった。
さくらと大輔は異世界の名前ではなくニッポン名が芸名となる。
さくらも大輔も、デザイナー自身から気に入られてしまったことが原因で、普通の素人モデルよりもまったく違う雰囲気を3人とも、身にまとっているところが気に入られたとかで、非常に大迷惑している。
そりゃそうよね。乙女ゲームの世界に生きているのだもの。そんじょそこらの若者とは、ケタ外れに雰囲気が違って当たり前ということなのだ。
エルモアは最初に、ハッキリと、言ったはずなのに。
「私たち兄妹は、付き添いで、あくまでモデルを志しているのは。シャルマンという青年、ただ一人です。」
デザイナーからの鶴の一声で、すべて決まってしまったのだ。
「新しいデザインのイメージにピッタリだわ。」
誰にでも言っているんじゃないの?ジト目で、デザイナーを見るが意に介していないよう。
その日のうちにトウキョウオフィスに連れていかれ、基本的なランウェイを練習させられることになった。
これは、さすがに志願しただけのことがあり、シャルマン様が一番上手だったわ。
それだけではなく、今、デザイナーがデザインしている新作を着て見せて、と言われ
最先端の服を何着か試着してみた。
「ステキ~♪」
デザイナーにべた惚れされてしまい、いきなり専属契約を結ばされることになってしまったのだ。契約金は1000万円。ふつうは、ワンステージ100万円だと聞くから、いかに破格の金額か想像できる。
そのほかに何着か着た服をもらえたから、帰りは、その服を着て帰ることにする。
まぁ退屈な冬休みが少々、マシになった程度のことだけど、シャルマン様は非常に有意義な経験ととられたみたいだった。
いただいた現金は、すべて、マンションの中にいったん入れる。これからはこの現金を持って、「要注意」から出るときのお小遣いにしようと思う。
愛するシャルマン様が喜んでくださるのならと、ジャクリーンは納得しているが、府に堕ちないのが兄のエルモア。
「なんで俺まで、巻き込まれることになった?」
不満タラタラ言っている。
「いいじゃない、洋服ももらえたんだし。」
「あんな服、みっともなくて着られるか?」
確かに、あの時は高いものをもらったという気分で高揚していたが、よくあんな恰好をして、渋谷を歩いたものだと後になって思う。
まぁいつの時代も渋谷は前衛的だから、あれぐらいでちょうどいいのかもしれない。
次のコレクションは、spring/summerだから、それまではゆっくりしていられる。と思っていたのは、大きな間違いで、年明け早々にコレクションがあるらしい。
クソ寒い時に、コレクションなどするな!と言ったところで、後の祭りでしかない。
エルモアが不機嫌な理由が分かったところで、クリスマスケーキを食べて帰ることにして、エルモアはキャサリンのためにホールケーキを買って帰り、シャルマン様はレバトリー家のために、ジャクリーンは、アナザーライト家のためにそれぞれお土産に買って帰り、マンションでそれぞれ解散とする。
結局、スカウト騒ぎで、一度もシャルマン様とできなかったことだけが不満に残るが、シャルマン様が喜んでおられたので、良しとする。
その次の行事は、カウントダウン。その後すぐに初詣に行かなければならないので、それまでにあのもらった1000万円のうちからジャクリーンは振袖を買う。シャルマン様には、羽織袴を買う。旅や草履などの小物に肌襦袢、長襦袢もあわせて買い、帯と帯締め、帯上げもついでに買いそろえる。
クリスマスから10日ごろまでは、行事目白押しなのだ。
カウントダウンは、デズニーシーに行くか?葛西臨海公園にするか迷うところ。その足ですぐ、明治神宮に初もうでに行きたいところ。
でも、デズニーなら、一泊しても盛り上がるかもしれない。年末から元旦にかけて、泊まり込んで遊ぶのも楽しいかも?
初詣は、ぶっちゃけ2日に行ってもいい。混むけど。
デートは計画を立てるのが面白い。
そんな時姑さんのレバトリー公爵夫人から、お茶会に使えるようなお菓子を所望され、和菓子にしようか洋菓子にしようか悩むところ。
異世界ニッポンのお正月のお菓子と言えば、まぎれもなく和菓子それも花弁餅化、上仲が市と相場が決まっているのに。紅茶と合うかどうかは別として、クリスマスが終わると、世間一般のお菓子売り場は、すべて和菓子になるというくらいこの時期、洋菓子は難しい。
領地で採れる果物もまだ……小粒で、これはたぶん異世界ニッポンのお菓子を所望だと思うのだけど、一度公爵夫人を伴って、お茶会用のお菓子を仕入れに行こうか?でも、年末のデパ地下なんて、異世界人が生けるレベルではない。
普通の人で、ごった返す中、お上りさんの異世界人では、弾き飛ばされてしまうだろう。
2日は、明治神宮に初もうでに行く予定だから、3日はどうだろうか?もうデパートの上階ではクリアランスセールが始まっているから、地階はガラスキのはず。
シャルマン様を通じて、正月3日にお茶会のお菓子を仕入れに行くことになる予定。
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