前世記憶持ちの悪役令嬢は聖女様呼ばわりされることが嫌で嫌で仕方がない~乙女ゲームのヒロインにゲームクリアしてもらうために奮闘する

青の雀

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新しい出会い

58.鏡張り

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 京都に用事が済んだので帰る気満々のジャクリーンに対して、シャルマンは言いにくそうに口を開く。

 「あれは?あれに行かないの?」

 「へ?なんかあったっけ?」

 「やっぱり忘れている!」

 「え?なに?なに?」

 「鏡張りの部屋。」

 「へ?ああ、あの部屋のことね。京都にあるかなぁ?京都は景観条例が厳しいからさ、そんなの家でヤっても同じでしょ。家でゆっくりヤろうよ。」

 「イヤだ。異世界ならでは、と言ったのはジャッキーだよ。嘘ついたの?」

 「嘘ってわけではないけど、ほら、シャルマン様アッペになったじゃない?だからあまり激しいのは控えた方がいいのかなって思って。」

 「今夜はその部屋で泊まる。」

 「はぁ……。」

 こういうことだけは、しつこいほど覚えているのね。

 仕方なくスマホで「鏡張り、ラブホ」で検索したわよ。

 予想していたのとは違い、全面鏡張りというわけではなかった。天井と柱の一部が鏡張りになっていて、丸見えには変わらないけど、お風呂も外から中の様子が見えるみたい。でも、一緒に入れば外から見えたところで変わらないと思うけど、こういうところって、きっと男のロマンなのでしょうね。

 部屋に入ると一番にすることが、お風呂にお湯を張るということ。それが済むと洋服を脱いで、カラダを洗い、髪の毛も洗う。その後湯船に浸かっている最中に、シャルマンが来てカラダを洗い、シャンプーしている間に、ジャクリーンが湯船から上がり、バスローブに着替えベッドに腰掛けミネラルウオーターを飲みながら、ドライヤーで髪の毛を乾かし、アメニティの化粧水を塗る。

 そうこうしているうちに、シャルマンが風炉から上がって、ジャクリーンの目の前に立つ。

 この場合は、バスローブの隙間から手を差し入れ、シャルマン様を扱く。もうすっかりいきり勃っているものを手に取り、マッサージするようにほぐしていく。

 いつの間にか、ジャクリーンが来ていたバスローブははぎ取られ、全裸でシャルマン様のモノを咥えながら頭を上下させている。

 シャルマン様が最近、凝っていらっしゃるのは、四十八手の中にもあった手足を拘束する形のアレンジしたもので、右手を右ひざの裏に添えるような形でそのまま紐で縛られる。今解いたばかりの場スリーブの紐の長さがうってつけなのだ。

 温泉だったら、浴衣の帯などが使用される。

 そして左手も同じように左ひざの裏側を支えるように手を添え、そこをクロスになるように縛られる。

 ちょうど小さい子供におしっこをさせるような恰好を好まれるのだが、これがとても恥ずかしい。この格好をさせられたまま放置させられることもある。

 これを鏡張りの部屋で、する意味ある?足を閉じようものなら、その後のお仕置きが凄まじく日によっては、朝までこの姿勢でいさせられたこともある。

 シャルマン様にフェラをしていると、この格好が早く解いてもらえるからで、早く普通の体位で抱いてほしいと願ってのことなのだ。

 でも今日は機嫌が悪いみたい。ジャクリーンがラブホの変態プレイを忘れていたからか、なかなかこの紐を解いてくれない。

 天井には、あられもない姿のジャクリーンが映っているだけ。シャルマン様はさっきから何か考え事をなさっているような顔で、部屋の中をウロウロされている。

 その時、部屋の扉がコンコンコンとノックされ、小さな箱を受け取られたみたいだった。

 何?あれ?コンドームじゃないよね?

ビリビリと紙を破るような音がしたと思ったら、おっぱいに何かが触った瞬間、ビリビリと電流が流れるような違和感があったと思ったら、……もう息もできないぐらいの快感が流れカラダ中を駆け巡っていく。

 「あっあっあっあっあっー。」

 思わず漏れ出る声に自分でもビックリしてしまう。シャルマン様がジャクリーンに覆いかぶさり、そのままずぶりと奥まで刺されたときは、もう目の前真っ白で、失神してしまった。

 シャルマン様は、そのままの体位で、動かず、ジャクリーンのほっぺたをペチペチ叩かれ、目を覚まさせてくださる。

 「いいか?」

 最初はゆっくり、その後、だんだんと動きが早くなるにつれ、また耐えられなくなり気絶。シャルマン様は動きを中断して、ジャクリーンの頬を叩く。目が覚めたら、また律動が始まる。これを幾度も繰り返されるうちに、カラダが少しずつだが慣れてくる。

 今度は、シャルマン様がベッドに横になり、ジャクリーンは両手足を縛られたままシャルマン様の中へカラダを沈める。ちょっと痛いけど、入ってしまえば、自分で動けるから気持ちがいい、自分のタイミングでついてもらいたいところを探せて前後左右にカラダを揺らす。円を描くように腰を揺らすと、なかなか気持ちがいいということがわかってくる。

 胸の吸盤の電流も心地よく、またバストサイズが大きくなりそうで、将来垂れないか心配する。

 カラダがぶつかる音とぴちゃぴちゃという淫猥な水音がいやらしい気分を盛り立てていく。

 次の体位は、両手足の拘束は解かれたものの、今度はジャクリーンに目隠しをされたまま、後ろから犯されるような形で、抱かれた。

 部屋から出るときも目隠しはされていなかったが、やはり後ろから犯されるような形で抱かれることが多くなり、乙女ゲームの世界に帰ってからもこの体位を好んでされるようになったことは困ったものだ。

 あの時のオモチャも今では、ベッドサイドの引き出しにきちんと収まっている。
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