ワンナイトラブから玉の輿婚へ 結婚してから始まる恋愛

青の雀

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オフィスラブ

12.同衾

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 「ただいま。」

 「おかえりなさい。」

 美織はいきなり、正彦に捕まって、ただいまのチューをされる。もう、この甘々には、だいぶ慣れたがいまだにドキドキする。仕方がない。

 そのまま正彦は、自室で着替えてくる。奥さんのようなまねごとはしない。ただ、ご飯の支度は、なんとなく美織の方が早く帰ってきたら、するという感じで、正彦が早い時は、お弁当を買って着てくれて、二人で一緒に食べることが多い。

 「おっ!今晩は、シチューか。うまそうだな。」

 美織は自分のマンションは、そのまま解約しないで、家賃を払い続けることを選ぶ。たとえ、離婚しても住むところの確保をしとけば、安心なので、身の回りの物だけを持って、今は、正彦のマンションに身を寄せている。

 それもこれも、次の更新が来るまでかもしれないけど、できるところまで続けてやろうと思っている。

 更新は、心配いらなくて、更新書類に認め印を押して、家賃2か月分を支払えば、何回でも更新できるということがわかってからは、幾分気が楽になる。

 食後は、二人で皿洗いをして、一緒にお風呂に入る。

 美織の方が髪を洗うのに手間取るからという理由で、先に洗い場に入り、その後、正彦がやってきて、湯船の中で後ろから抱きかかえるように、いろんなところを弄られる。

 ヌプっ。

 「……っっ……。」

 「あれ、今日は声を出さないの?じゃあさ、コレはどうかな?まだ、耐えられるかな?」

 たぶん、意地悪な顔をして、言っているのだと想像がつく。

 おっぱいを、手のひら全体を使って、撫でまわされる。時折、敏感な頂をつままれると、全身がビクンと跳ね上がる。

 「フっ。強情だな?何が機嫌悪いのかなぁ?」

 正彦の指はさらにエスカレートしていき、抜き差しを繰り返すばかりか、ついには、正彦自身を挿し込んできた。

 「あっ。」

 「やっと、言ってくれたね。嬉しいよ。」

 「待って。待って。ここでは、イヤ。」

 「どうしたの?いつも嬉しそうに自分から腰を振るくせに?」

 「だって、正彦が言うとおりに今日、指輪をしていったら、部下から偽装結婚のためにカルティエで、自分で買ったものだと陰口言われているのを聞いてしまって。」

 「え?……。」

 「それに人事の女の子に確認したら、まだ結婚したという届け出がないって、それってコンプライアンス違反じゃないの?社長のくせに、なんとかしなさいよ!」

 「ああ、すまん。えっと人事部の誰だ?」

 「経理部の松川の同期よ。」

 「わかった。すぐ対処する。」

 そのまま、正彦だけがお風呂からあがり、洗面所に消えていく。

 美織も、火照ったカラダのまま、バスローブに身を包み、髪の毛をドライヤーで手早く乾かし、正彦の松寝室へ行く。

 正彦は、ベッドの端に腰掛け、しょんぼりしている。

 「どうしたの?ちゃんと、してくれたんでしょ?」

 「ああ。すまなかった。」

 「だったら、早くぅ。」

 正彦の前で、バスローブの紐をほどき、前をあらわにする。

 「美織、綺麗だ。」

 そのままベッドに押し倒され、めちゃくちゃに抱いてもらう。



-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-



結婚式は半年後の大安吉日の日に決まったのだが、社内的にも取引先にでも内密にしている。

 まず社内人事を徹底的に見直す必要があるから、経理部のように部下に仕事を押し付け管理職経営職の手当の身を享受している輩がかなりの部署で見つかる。

 守秘義務を徹底させ、顧客情報はもちろんのことだが、あまりにも情報が駄々洩れで、信用問題にかかわることから、徹底した調査と教育訓練が行われることになる。

 新規採用の基準を容姿端麗から偏差値に変えようという動きもある。

 今までは、単に家柄がよくカワイコちゃんを優先的に採用していたが、バカはいろいろな面で不都合ということになり、入社試験を取り入れ、その成績も考慮することにした結果、質のいい人材が採用できるようになってくる。

 ようやく一流会社ぽくなってきたところ。
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