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15.幸せ感
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婚約を発表したことで、王城内は蜂の巣をつついたような騒ぎになっている。
マクシミリアンが、聖女様と結婚することになると、王位継承権者第1位になり、立太子の礼が行われることになったからで、フェリシアン王子は異議申し立てをするも、すでに愛し合っている二人を引き離すことは難しい。
せっかく婚約したセレスティーヌとの結婚話も暗礁に乗り上げてしまう。お妃教育の必要がなくなり、陛下からも「好きにせよ」という言葉が投げかけられ、途方に暮れているというところが実情だそうだ。
民衆は、近衛騎士団長が次期国王になることを慶んで迎え入れている様子で、血気盛んな若者は、こぞって騎士団への入団を希望するようになった。
ところが王位継承権を失ったはずのフェリシアン王子が演習に参加したいとの意向は変わらず、近衛騎士団が、当面守るべき相手は、シャルロット嬢と国王陛下の二人だけだというのに、一体何を企んでいる?
まだ結婚式を挙げていないので、当然、近衛は自分に着くべきだと主張しているが、無理がある。
事実上の継承権がマクシミリアンに移ったというのに、往生際が悪いにも程がある。
セレスティーヌ嬢との婚約も破棄されたのに、どうしてまだ演習にこだわるのか不思議でならない。
やはり、その話にはカラクリがあり、それは遠征と称して、マクシミリアンを山の中に誘い出し、そこで謀殺すること。そして、王都に残っているシャルロット嬢を手籠めにして再び王位継承権を掌中に入れる。
この計画には穴が二つある。マクシミリアンは強い。それも近衛騎士団長を務めることができるぐらい強いということ。
そしてもう一つは、シャルロットもまた強いということ。昔の二つ名が「キンタマ狩り」だということを忘れているのか?
それにまだシャルロットは婚約を発表しただけで、王都に残らず騎士団員の新人として、マクシミリアンと共に随行することが決定事項にある。それなのに、旧態依然としての考え方に支配されているフェリシアン王子は、シャルロットが王都に残ると決めつけている。
マックシミリアンとシャルロットが背中を預けあって戦うさまは、「戦場の魔術師」と称されるほど、天下無敵なのだ。
そのことを知っているのは、マクシミリアン配下の極一部の精鋭騎士だけというのも幸いしているのか?
この計画を知った二人は、反対にギャフンと言わせる計画を練ることにしたのだ。
「いっそのこと、死んでもらおうか?」
「タマ取るだけでは、ダメ?」
「またクリストファーの時みたいになったら困るからね」
「大丈夫よ」
「なに、言ってんだか?あの時、ガタガタ震えていたじゃないか?」
「アレは、マクシミリアン様に抱かれたかったから……」
「え?シャルロット……、ああ、愛しているよ。前から君が俺のことを欲していたなんて、初めて知ったよ」
「う……んふ……ダメ……よ」
「ダメじゃない!また、シャルが欲しくて堪らなくなってしまったよ」
あっという間に組み伏せられて、前からと後ろからを1回ずつされる。
「抱いて……、もっと強く……」
シャルロットは、わざとマクシミリアンを煽るような言葉を口にする。最初は、単なるカラダだけの関係が今では、すっかり恋人の様に愛おしい存在になってきた表れでもある。
特に舌を出し入れしながらのキスと、エクスタシーに上り詰める瞬間が合致した時には、言いようがない快感と幸せ感に包まれる。
だから、マクシミリアン様を危険に晒さないことが聖女の役目だと自負している。
カラダが満たされると、心が満たされ、人を愛することができるということをマクシミリアン様と出会って、初めて知ったこと。
神様と関係をもったこともあったけど、今では、人間としては、マクシミリアン様が最初のオトコでよかったと思っている。
マクシミリアンが、聖女様と結婚することになると、王位継承権者第1位になり、立太子の礼が行われることになったからで、フェリシアン王子は異議申し立てをするも、すでに愛し合っている二人を引き離すことは難しい。
せっかく婚約したセレスティーヌとの結婚話も暗礁に乗り上げてしまう。お妃教育の必要がなくなり、陛下からも「好きにせよ」という言葉が投げかけられ、途方に暮れているというところが実情だそうだ。
民衆は、近衛騎士団長が次期国王になることを慶んで迎え入れている様子で、血気盛んな若者は、こぞって騎士団への入団を希望するようになった。
ところが王位継承権を失ったはずのフェリシアン王子が演習に参加したいとの意向は変わらず、近衛騎士団が、当面守るべき相手は、シャルロット嬢と国王陛下の二人だけだというのに、一体何を企んでいる?
まだ結婚式を挙げていないので、当然、近衛は自分に着くべきだと主張しているが、無理がある。
事実上の継承権がマクシミリアンに移ったというのに、往生際が悪いにも程がある。
セレスティーヌ嬢との婚約も破棄されたのに、どうしてまだ演習にこだわるのか不思議でならない。
やはり、その話にはカラクリがあり、それは遠征と称して、マクシミリアンを山の中に誘い出し、そこで謀殺すること。そして、王都に残っているシャルロット嬢を手籠めにして再び王位継承権を掌中に入れる。
この計画には穴が二つある。マクシミリアンは強い。それも近衛騎士団長を務めることができるぐらい強いということ。
そしてもう一つは、シャルロットもまた強いということ。昔の二つ名が「キンタマ狩り」だということを忘れているのか?
それにまだシャルロットは婚約を発表しただけで、王都に残らず騎士団員の新人として、マクシミリアンと共に随行することが決定事項にある。それなのに、旧態依然としての考え方に支配されているフェリシアン王子は、シャルロットが王都に残ると決めつけている。
マックシミリアンとシャルロットが背中を預けあって戦うさまは、「戦場の魔術師」と称されるほど、天下無敵なのだ。
そのことを知っているのは、マクシミリアン配下の極一部の精鋭騎士だけというのも幸いしているのか?
この計画を知った二人は、反対にギャフンと言わせる計画を練ることにしたのだ。
「いっそのこと、死んでもらおうか?」
「タマ取るだけでは、ダメ?」
「またクリストファーの時みたいになったら困るからね」
「大丈夫よ」
「なに、言ってんだか?あの時、ガタガタ震えていたじゃないか?」
「アレは、マクシミリアン様に抱かれたかったから……」
「え?シャルロット……、ああ、愛しているよ。前から君が俺のことを欲していたなんて、初めて知ったよ」
「う……んふ……ダメ……よ」
「ダメじゃない!また、シャルが欲しくて堪らなくなってしまったよ」
あっという間に組み伏せられて、前からと後ろからを1回ずつされる。
「抱いて……、もっと強く……」
シャルロットは、わざとマクシミリアンを煽るような言葉を口にする。最初は、単なるカラダだけの関係が今では、すっかり恋人の様に愛おしい存在になってきた表れでもある。
特に舌を出し入れしながらのキスと、エクスタシーに上り詰める瞬間が合致した時には、言いようがない快感と幸せ感に包まれる。
だから、マクシミリアン様を危険に晒さないことが聖女の役目だと自負している。
カラダが満たされると、心が満たされ、人を愛することができるということをマクシミリアン様と出会って、初めて知ったこと。
神様と関係をもったこともあったけど、今では、人間としては、マクシミリアン様が最初のオトコでよかったと思っている。
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