身代わり男装騎士ですが、副騎士団長様に甘く暴かれました

卯月ミント

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番外編

【番外編】騎士団の交流会3

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 やってきたのは馴染みの部屋、ロジェの執務室である。

「ありがとうございます、ロジェ様。でもほんと、私は大丈夫ですから……」

「そんなことはないだろう。現にあれだけ激しく机にぶつかったんだぞ」

 ソファーに降ろしながら、ロジェは心配そうにユベルティナの顔を見た。

「それはまぁ、確かに。でももう痛みも引いたし、大したことないですよ」

「君はもう少し自分の身体を大切にしろ。私がどれだけ心配したと思っているんだ」

 どうやらロジェは、本気でユベルティナのことを心配してくれているようである。その心遣いにほんわかした物を感じつつ、ユベルティナは頭を下げた。

「……すみませんでした。わたしが軽率だったんです」

「いったいどうしたんだ?」

「ええとですね……」

 ユベルティナは事情を説明した。
 差し入れを持って来たこと、驚かそうと思って列に並んだこと、そこで差し入れを見つけられてしまって騒動になったこと……。
 すると、ロジェはホッとしたように組んでいた腕を解いた。

「君を突き飛ばすとは……。その女性にはキツく注意しないといけないな」

「いえ、いいんです。規則を破ろうとしたわたしが悪いんですし……」

「……そういうところも含めて、君らしいな」

 と、ロジェは苦笑した。

「とにかく、怪我をしていないか調べよう。失礼する」

 ロジェはいきなりユベルティナのドレスを脱がせ始めたではないか。

「ちょっ!?」

「じっとしているんだ。怪我をしていたら大変だからな」

「自分でできます!」

「遠慮をするな。袖から腕を抜いて」

「うぅ~」

 恥ずかしさに頬を染めつつも、ユベルティナはロジェの指示に従った。
 やがて下着姿になったユベルティナの身体を、ロジェは念入りにチェックしていく。

「……ぶつかったのは、肩から腕にかけてだったな?」

「はい、そうです」

 あの一瞬でそこまで見ていたのか……、と驚きながらもユベルティナは頷いた。

「外傷はないな。手で押してみるぞ……」

 そっと、ロジェは手の平で肩を包みこみ、押してくる。

「どうだ?」

「大丈夫です。痛くないです」

「そうか、よかった。ティーカップの破片で切ったところもなさそうだな……」

「はい、痛くないですし」

「よし。それじゃあ着替えを――いや待て、ドレスに破片がついているかもしれんな。よくはたかなければ」

(ん?)

 と、ここでユベルティナはあることに気づいた。――ロジェが妙に前のめりなことに……。

「ロジェ様、あの……」

「なんだ」

「なぜ前屈みになっているのです?」

「…………っ!?」


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