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4.お姉様と水の都セシル

96.お姉様と大人の時間

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 朝起きると隣に寝ている裸同然の美女……かろうじてぱんつは履いているようだが、俺はこの美女となぜ寝て……!?

 呆然としていると、美女が色っぽい声で教えてくれる。

「私はネーニャ。ここはおっぱラの近くにある安宿よ」

「そ、そうか」

 クスクスと笑う美女。瞳の青がガラス細工のように朝日を反射する。

「あなた、お酒弱いのね。ここに着くとすぐベッドに倒れこんで寝てしまって朝まで起きないんですもの」

「あ――そう、なのか」

 ということは、俺はこの美女とは何も無かったのか。ホッとしたような、残念だったような。

 ……というか、魔法が解けてないし、何もしてないって事は間違いないな。

 俺が戸惑っていると、ネーニャはぐい、と俺のズボンを下ろした。

「うおっ!」

 思わず声を上げてしまう。

「ふふふ。何もしないわよ。ただ昨日見せてくれたお尻の刺青、また見てみたいなと思って」

 ええっ!!? し、尻!? 俺はこの女性に尻を見せつけたのか!?

 ネーニャはクスクスと可笑しそうに笑う。

「さっきも言ったけど、何もしてないっわ。ただ、お尻を見せてくれただけ」

 本当かよ。というかなんで何もしてないのにお尻を見せつけてるんだよ。逆にそっちの方が変態じゃねーか。

「うーん、何度見ても不思議な刺青。ねぇこれ、どこで入れたの?」

 不思議? オディルってばどんな刺青入れてんだよ。

 俺は鏡で尻を確認した。
 本当だ。何か、魔法陣みたいなのが刻まれてる。何だろう、これ。

「んー、これか? これをどこで入れたかはナイショ」

「えー、イジワル」

 意地悪も何も、知らないっつーの!

 教会の鐘が鳴り響く。

 そういや、外も明るいし、そろそろ戻らないとヤバいかもな。

「俺はそろそろ船に戻んねーと。この宿の料金は?」

 美女が提示する金額は然程高くない。良かった。

「わざわざこんな所まで来てもらったのに悪いな。俺はどうも自分で思っていたよりも酒に弱いみたいで、昨日のこと全く覚えてないんだ」

「そのようね」

 ネーニャが紫のスケスケのキャミソールとタイツを履きながら答える。すごく色っぽい。

「でも多分、あんたのことが凄く好みだから指名したんだと思う。昨日のことは覚えてないけど、何で昨日あんたを指名したかは分かるよ」

「そう、ありがとう」

 そう言うと、ネーニャは立ち上がり、俺の腕を引き――

 ドサリ。

 ベッドに押し倒した。

「――んンッ!??」

 頭が真っ白になる。
 
 目の前にはほぼ裸の美女。
 たゆんたゆんなおっぱいが、殆ど服としての体をなしてない薄いキャミソールから透けている。

「――ねぇ、帰る前に、せっかくだから楽しみましょ?」

 服の上から俺の下半身を撫でさするネーニャ。

 ……ああ、何か懐かしい感じ。
 俺の男の中心が熱くなって……じゃなくて!

 ヤバい。このままだと、魔法が解けてしまうううううう!

 そう。この魔法には欠点があり、キスをしたり性行為をしたりすると、元の姿に戻ってしまうのだ!

「ちょ、ちょ、ちょっと待った!」

 俺は鉄の意思でネーニャから身を離した。

「ご、ごめん、帰らなきゃ……」

 蚊の鳴くような声で俺は荷物を手にあたふたしてしまう?

「うふふ、貴方って、本当に可愛いわ」

 上目遣いで俺を見やるネーニャ。
 可愛い……? 童貞臭いってことか??

「じゃ、じゃあ、俺、行かないと」

 俺はぎこちなく手を挙げて部屋から走り去った。

 あ、あ、危なかったーーーー!!





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