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第28話
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ミネルヴァは2人を冷たく見下ろすと、淡々と話し始めた。
「シュトルツ族が我に何の用じゃ? まぁ、見当はついているがな」
彼女は玉座から立ち上がり、ブレイブ達の前に歩み出た。
「強欲な砂の国サビアが宝玉の国スフェールを丸め込み、お前達の地を狙っているのじゃろう。そして、次は我が国エゲリア」
ブレイブは話そうとしていた事を全て見通されていた事に目を丸くする。しかし、話が早いと分かったブレイブはミネルヴァの目を見つめ言葉を紡ぐ。
「サビアは我らシュトルツ族を配下に置き、貴国へと兵を進めるつもりです。我々は、貴国に協力いただきたく参りました。サビア軍はシュトルヴァ領を攻めるのに2万の兵を用意しています。一騎当千と呼ばれるシュトルツ族でも大国サビアを相手にするのは、非常に厳しい状況です」
ミネルヴァはつまらなさそうに続けた。
「つまり我がエゲリアの軍事力をそなたらに割けと? 少数民族の1つをエゲリアという国が? そう言うのなら、シュトルツ族がエゲリアの傘下に入れば良い」
ブレイブは言葉に詰まった。
彼の沈黙にミネルヴァは言う。
「一族を傘下に入れたくないのならエゲリアは協力出来ぬ。だが、どうしてもと言うのならおぬしが我の配下になれ」
サーラは思わずブレイブの方を見やる。彼は苦悶の表情を浮かべ、ミネルヴァの選択に答えられないでいた。
「どうするか一晩考えろ。明日、答えを聞こう」
ミネルヴァはそう言うと、立ち上がり謁見の間を出て行った。
その夜、サーラとブレイブは用意されていた寝室にいた。表向きは夫婦なので彼等は2人用の寝室で過ごしていた。
初めて過ごす2人の夜。言葉を交わすことなく、静かに寝台に寝そべる。
「お姫さん」
ブレイブは寝台の上で体勢を変えると、サーラを見つめてくる。
「俺は女帝の配下になろうと思う。お姫さんはシュトルヴァ領か自国に戻っても良いし、俺と一緒にエゲリアに残っても良い。自由に生きてくれ、巻き込んですまなかった」
彼は起き上がると頭を下げた。
「故郷を離れると決めた時、生まれ育ったシュトルヴァ領を離れる寂しさも妹を置いていく辛さもあったが、貴女と離れることを考えると心に穴が開いたような感覚だった」
そっとブレイブの手が体を起こしたサーラの頭に触れる。彼の手はサーラの髪をゆっくり撫でた。とても優しい手付きだった。
「気付いたんだ。俺は……貴女を愛していると」
恥ずかしそうに笑うブレイブを見ていると、心の中がじんわり温かくなる。
同時にブレイブの側にいて、彼を守りたいとも思った。
「……わたしも貴方が好き。貴方とシュトルヴァ領を守りたいと心から思ったの」
最初は使命感からだったかもしれない。スフェールの王宮で居場所が無かったサーラが追い出されるようにして嫁いだ。自分の居場所はここしかない、と感じていた。ここを追い出されてしまったら行くあてもない。
シュトルツ族に嫌われないようにと彼らに馴染もうとした。接していくうちに彼等の優しさや生きる術を知ると、シュトルツ族に愛を感じるようになった。
そして、ブレイブにも。
サーラの想いを知ったブレイブは、そっと抱き締めてくれた。彼の温もりが伝わる。サーラは目を閉じて、自分の腕をブレイブの広い背中に回した。
「まだ貴方が配下になるのは早いかもしれないわ」
ぽつりと呟くとブレイブはサーラの顔を見た。
「案があるのか?」
悪戯っぽく笑い返しながらサーラは答えた。
「そうかもね。貴方と貴方の故郷を守るわ」
「シュトルツ族が我に何の用じゃ? まぁ、見当はついているがな」
彼女は玉座から立ち上がり、ブレイブ達の前に歩み出た。
「強欲な砂の国サビアが宝玉の国スフェールを丸め込み、お前達の地を狙っているのじゃろう。そして、次は我が国エゲリア」
ブレイブは話そうとしていた事を全て見通されていた事に目を丸くする。しかし、話が早いと分かったブレイブはミネルヴァの目を見つめ言葉を紡ぐ。
「サビアは我らシュトルツ族を配下に置き、貴国へと兵を進めるつもりです。我々は、貴国に協力いただきたく参りました。サビア軍はシュトルヴァ領を攻めるのに2万の兵を用意しています。一騎当千と呼ばれるシュトルツ族でも大国サビアを相手にするのは、非常に厳しい状況です」
ミネルヴァはつまらなさそうに続けた。
「つまり我がエゲリアの軍事力をそなたらに割けと? 少数民族の1つをエゲリアという国が? そう言うのなら、シュトルツ族がエゲリアの傘下に入れば良い」
ブレイブは言葉に詰まった。
彼の沈黙にミネルヴァは言う。
「一族を傘下に入れたくないのならエゲリアは協力出来ぬ。だが、どうしてもと言うのならおぬしが我の配下になれ」
サーラは思わずブレイブの方を見やる。彼は苦悶の表情を浮かべ、ミネルヴァの選択に答えられないでいた。
「どうするか一晩考えろ。明日、答えを聞こう」
ミネルヴァはそう言うと、立ち上がり謁見の間を出て行った。
その夜、サーラとブレイブは用意されていた寝室にいた。表向きは夫婦なので彼等は2人用の寝室で過ごしていた。
初めて過ごす2人の夜。言葉を交わすことなく、静かに寝台に寝そべる。
「お姫さん」
ブレイブは寝台の上で体勢を変えると、サーラを見つめてくる。
「俺は女帝の配下になろうと思う。お姫さんはシュトルヴァ領か自国に戻っても良いし、俺と一緒にエゲリアに残っても良い。自由に生きてくれ、巻き込んですまなかった」
彼は起き上がると頭を下げた。
「故郷を離れると決めた時、生まれ育ったシュトルヴァ領を離れる寂しさも妹を置いていく辛さもあったが、貴女と離れることを考えると心に穴が開いたような感覚だった」
そっとブレイブの手が体を起こしたサーラの頭に触れる。彼の手はサーラの髪をゆっくり撫でた。とても優しい手付きだった。
「気付いたんだ。俺は……貴女を愛していると」
恥ずかしそうに笑うブレイブを見ていると、心の中がじんわり温かくなる。
同時にブレイブの側にいて、彼を守りたいとも思った。
「……わたしも貴方が好き。貴方とシュトルヴァ領を守りたいと心から思ったの」
最初は使命感からだったかもしれない。スフェールの王宮で居場所が無かったサーラが追い出されるようにして嫁いだ。自分の居場所はここしかない、と感じていた。ここを追い出されてしまったら行くあてもない。
シュトルツ族に嫌われないようにと彼らに馴染もうとした。接していくうちに彼等の優しさや生きる術を知ると、シュトルツ族に愛を感じるようになった。
そして、ブレイブにも。
サーラの想いを知ったブレイブは、そっと抱き締めてくれた。彼の温もりが伝わる。サーラは目を閉じて、自分の腕をブレイブの広い背中に回した。
「まだ貴方が配下になるのは早いかもしれないわ」
ぽつりと呟くとブレイブはサーラの顔を見た。
「案があるのか?」
悪戯っぽく笑い返しながらサーラは答えた。
「そうかもね。貴方と貴方の故郷を守るわ」
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