転生令息は攻略拒否！？～前世の記憶持ってます！～

第一章 記憶整理と自分の生

フランツ凄い 1

僕が首をかしげていると、頷いた父さんから解説があった。

「フランツは今でこそうちの執事をしているが、元々は剣の腕でその名を知らない人はいなかったというくらいの優秀な人材だったんだ。講師としても剣の腕前としても、申し分ない相手だぞ？」

「お恥ずかしくも褒めていただき、身に余る光栄でございます、ライアン様」

「そう謙遜するな。ということで、まずはフランツとの手合わせで覚え、それから父さんとの勝負だ。わかったか？」

父さんに一礼し、僕に向き直ったその表情は、笑顔が消えて、真剣な空気に変わる。

そしてスッ、と消えたと思ったら、次の瞬間には僕の頭に柔らかいものがむにゅっと乗せられた。

「ふむ、やはり落ちましたかね」

いや、何が起こった？このむにゅっとした感覚は・・・？

僕が頭の物体を触ろうと手を伸ばすと。

「あぁ、それを触ろうとしない方がいいぞ？スライムはジョーンも知っているだろう？」

えっ。スライム？あの青かったり、取り込んだものを消化して栄養にする、あの？

そんなものが僕の頭に？

「頭に乗せるだけならまだ有害になるまでに時間が掛かるが、手とか足は即有害になるからな」

いやいや、だったらスライム退かしてよ。

というか、笑ってないで助けてよ父さん。

「では、失礼します」

えっ。ちょっと待って。その構えは・・・。