転生令息は攻略拒否！？～前世の記憶持ってます！～

第三章 ゲームの世界の再現？いえ、リアルです。

そして（クリスティーナ視点）

「あぁそうだ、ノルド先生お腹空いてません？僕パン持ってきたんですけど」

「いいね、貰おうかな？」

さすがジョーン、気配りができ・・・？！

え、ちょっと待って、かわいいパンだけど、そんなの見たことない！

雪うさぎの形で、ふわっとしていそうな白いパン。

それを何も感じずに口に持ってくノルド。

あっ、あっ、あっ！雪うさぎが食べられちゃう！

がぶっ、と大きい一口で半分になる雪うさぎ。

「痛い」

何気なく発せられただろうジョーンの声を聞いて、私はイラッとした。

そして、2個、３個とパンが入っていく度に、繰り返される動物パンの悲鳴。

とうとう私はキレた。

「いい加減にしなよお兄！私が嫌いだって知っててやってるでしょ？！・・・あっ」

「やっぱり、真希だったんだね」

言ってはいけないと思った瞬間、ジョーンから出た声は、確信と少しの呆れが含まれていた。

「お兄・・・？」

自分から出た声に自分で驚いていると。

「へぇ、真希ちゃんって言うの？妹ちゃん」

もういいや、ノルドが名前呼んでくれるなら。あぁ前世の名前呼ばれるなんて幸せすぎる。

でもあれ、なんでノルド平然としてるの？

「あっはい。というか、ノルドは驚かないの？」

「ん？僕も記憶持ちだからね。全員攻略済みの、ね」

「えっ！そうなんだ？私全員はできなかったから、攻略動画見て勉強したの」

「なるほど、それで僕のこと知ってたんだね。しかも、僕が大好きなんだね」

くすくす笑う姿はもう目の保養以外の何物でもなくて。まさに天使！

「あぁでも楽しかった。まさか動物パンの悲鳴が聞けるなんて」

言ってることは邪道だけど！