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2章
25 この結末は間違っているけれど 4
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『と、止めろ! とにかく攻めるんだ!』
【リバーサル】の部隊長が叫び、それが率いる部隊がガイ達へ殺到する。
だがガイは微塵も臆する事なく、リバイブキマイラの操縦席で聖剣に珠紋石を嵌め込み、呪文を読み込ませた。
『スリープ。イーヴル・アイ』
【スリープ】心領域第1レベルの状態異常呪文。範囲内の敵を眠らせる。
【イーヴル・アイ】魔領域第6レベルの状態異常呪文。視線を合わせた敵を絶命させる。
「合成発動……ドラウジネスゲイザー!」
幻影の眼球が造り出された。リバイブキマイラはそれを掴み、構える。
ケイオス・ウォリアーの操縦者は機体の目を通して周囲を見ている……その構造上、攻撃に移っていた兵士達は眼球と視線が合ってしまった。すると操縦席の中で昏睡し、眠ってしまう。
ガイ機は幻影の目玉を掲げて前進した。阻もうとした者は次々と眠り、倒れるのみだった。
――ケイト帝国宮殿――
ハッとシャンリーは目を覚ました。
昼食後、自室で休憩していたのだが、いつのまにかテーブルに突っ伏して寝てしまったようだ。
まぁ無理も無い。問題は山積み、連日それの対応に追われているのだ。壊れた物の再建、経済の立て直し、軍事力の確保、そして……離反した領への対処。
独立しただけならまだいい。しかし中には敵対の意思を見せている領も、境界付近に兵を集めている領もあるのだ。
(成り代わるには今が狙い時だものね……)
悔しさと焦りを噛みしめるシャンリー。
だがケイト帝国をここで滅ぼすわけにはいかない。そのため、どこか力のある国から夫を貰わねばならないかもしれない。ケイト帝国皇帝という座と、帝国領を統治する大義名分を、己の身とともに売り渡すのだ。
そうする事で帝国が存続できるなら、これは真面目に検討すべき案である。
シャンリーは……ガイの事を思い出していた。
(どうせ帝国の損得でしか嫁げないなら、あなたが良かったのに)
だがしかし。
復活して以降、彼がどこか変わってしまった事も思い出す。
不思議な力を得て、以前よりも落ち着き、力が増すごとに動揺する事も隙も無くなったように見えた。
(私の知っているガイは、ずいぶん前にもういなかったのかしら)
ならばシャンリーを欲しがらなくなったのも当然なのだろうか……。
物思いに耽っていると部屋の戸が激しく開いた。妹のヨウファが顔色を変えて飛び込んでくる。
「姉上! ガイの奴が、戻って来た!」
「えっ!?」
驚きながらも顔を輝かせるシャンリー。
その可能性はあり得ると思っていたし、周囲にもそう言っておいたが……本当に来てくれるとやはり胸が高鳴った。
しかし、ヨウファは告げた。
帝国貴族になる事を拒み、シャンリーを要求し、【リバーサル】の兵達を無力化して首都へ向かっている事を。
「何を考えているの……? それで、今はどうなっているの」
混乱するシャンリーにヨウファは叫ぶ。
「隣領のハク公爵が、この混乱に乗じて攻めてきたのじゃ!」
それはシャンリーが懸念している敵対勢力の一つ、位置と戦力から最も危険な領の一つだった。
「挟み撃ちになっているわけね……」
半ば絶望しながらもそれを顔には出すまいと必死なシャンリー。
しかしヨウファは首を横にふった。
「違うのじゃ! ガイ達はハク公爵軍に向かった!」
――ケイト帝国領境界近くの平原――
「あれが侵入してきた軍」
運搬機の後部座席で皆に通信を送るのは、女魔術師のララだ。
彼女も今回は同行メンバーに加わったのである……ガイ達がジュエラドンと決戦している間に、村で遠隔探知や望遠視覚などの感知・発見系呪文を修行していたのだという。
以前レレンに褒められたのでそういった分野に進んだらしいのだが、今回、確かにガイにとって役に立った。
『我が軍を阻むなら、構わん! やれえ!』
ハク公爵軍の将軍が命令し、全軍が突撃する。ガイ達を囲むために散会して。
ガイ達は既に四機ともが運搬機の外に出ており――ガイは操縦席で聖剣に珠紋石を嵌め込んだ。
『テレキネシス。メテオスウォーム』
【テレキネシス】心領域第3レベルの呪文。念動力で手を触れずに物体を動かす。
【メテオスウォーム】地領域第7レベル、最高位の攻撃呪文。複数の隕石を範囲内に落とす。範囲内のどこに落ちるかはランダムだが、衝撃と爆発の重なり具合によっては攻撃呪文屈指の破壊力が生まれる。
「合成発動……オペレーションメテオ!!」
ガイの叫びとともに5個の隕石が降って来た。それは空中で不自然に軌道を変え、地面に着弾し爆発する!
その爆発が散会したハク公爵軍を覆い尽くした。
そうなるような位置へガイが落としたのだ。召喚された隕石の落下地点を操作する事で。
『そ、そんな……』
信じがたい光景に将軍の頭は真っ白になった。
もはや残るは後方に離れていた、彼の乗る白銀級機と、その護衛が数機。
そこへタリンのSバスタードスカル、レレンのSレディバグ、ユーガンのSブラスバットが切り込んできた。
三機は次々と護衛達を斬り捨ててゆく。技量差は圧倒的だ。
「ヒャッハー! ケイト帝国軍でなけりゃ遠慮は無用なんだよな!」
タリンが将軍機に挑む。
将軍は乗機Sダイトウブジン――刃の大きな槍を装備した鎧戦士型の白銀級機――で応戦した。が、数度切り結ぶと……
「デッドリーアサルトタイガー!」
紫の虎のオーラを纏った必殺剣で真っ二つにされた。
【リバーサル】の部隊長が叫び、それが率いる部隊がガイ達へ殺到する。
だがガイは微塵も臆する事なく、リバイブキマイラの操縦席で聖剣に珠紋石を嵌め込み、呪文を読み込ませた。
『スリープ。イーヴル・アイ』
【スリープ】心領域第1レベルの状態異常呪文。範囲内の敵を眠らせる。
【イーヴル・アイ】魔領域第6レベルの状態異常呪文。視線を合わせた敵を絶命させる。
「合成発動……ドラウジネスゲイザー!」
幻影の眼球が造り出された。リバイブキマイラはそれを掴み、構える。
ケイオス・ウォリアーの操縦者は機体の目を通して周囲を見ている……その構造上、攻撃に移っていた兵士達は眼球と視線が合ってしまった。すると操縦席の中で昏睡し、眠ってしまう。
ガイ機は幻影の目玉を掲げて前進した。阻もうとした者は次々と眠り、倒れるのみだった。
――ケイト帝国宮殿――
ハッとシャンリーは目を覚ました。
昼食後、自室で休憩していたのだが、いつのまにかテーブルに突っ伏して寝てしまったようだ。
まぁ無理も無い。問題は山積み、連日それの対応に追われているのだ。壊れた物の再建、経済の立て直し、軍事力の確保、そして……離反した領への対処。
独立しただけならまだいい。しかし中には敵対の意思を見せている領も、境界付近に兵を集めている領もあるのだ。
(成り代わるには今が狙い時だものね……)
悔しさと焦りを噛みしめるシャンリー。
だがケイト帝国をここで滅ぼすわけにはいかない。そのため、どこか力のある国から夫を貰わねばならないかもしれない。ケイト帝国皇帝という座と、帝国領を統治する大義名分を、己の身とともに売り渡すのだ。
そうする事で帝国が存続できるなら、これは真面目に検討すべき案である。
シャンリーは……ガイの事を思い出していた。
(どうせ帝国の損得でしか嫁げないなら、あなたが良かったのに)
だがしかし。
復活して以降、彼がどこか変わってしまった事も思い出す。
不思議な力を得て、以前よりも落ち着き、力が増すごとに動揺する事も隙も無くなったように見えた。
(私の知っているガイは、ずいぶん前にもういなかったのかしら)
ならばシャンリーを欲しがらなくなったのも当然なのだろうか……。
物思いに耽っていると部屋の戸が激しく開いた。妹のヨウファが顔色を変えて飛び込んでくる。
「姉上! ガイの奴が、戻って来た!」
「えっ!?」
驚きながらも顔を輝かせるシャンリー。
その可能性はあり得ると思っていたし、周囲にもそう言っておいたが……本当に来てくれるとやはり胸が高鳴った。
しかし、ヨウファは告げた。
帝国貴族になる事を拒み、シャンリーを要求し、【リバーサル】の兵達を無力化して首都へ向かっている事を。
「何を考えているの……? それで、今はどうなっているの」
混乱するシャンリーにヨウファは叫ぶ。
「隣領のハク公爵が、この混乱に乗じて攻めてきたのじゃ!」
それはシャンリーが懸念している敵対勢力の一つ、位置と戦力から最も危険な領の一つだった。
「挟み撃ちになっているわけね……」
半ば絶望しながらもそれを顔には出すまいと必死なシャンリー。
しかしヨウファは首を横にふった。
「違うのじゃ! ガイ達はハク公爵軍に向かった!」
――ケイト帝国領境界近くの平原――
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運搬機の後部座席で皆に通信を送るのは、女魔術師のララだ。
彼女も今回は同行メンバーに加わったのである……ガイ達がジュエラドンと決戦している間に、村で遠隔探知や望遠視覚などの感知・発見系呪文を修行していたのだという。
以前レレンに褒められたのでそういった分野に進んだらしいのだが、今回、確かにガイにとって役に立った。
『我が軍を阻むなら、構わん! やれえ!』
ハク公爵軍の将軍が命令し、全軍が突撃する。ガイ達を囲むために散会して。
ガイ達は既に四機ともが運搬機の外に出ており――ガイは操縦席で聖剣に珠紋石を嵌め込んだ。
『テレキネシス。メテオスウォーム』
【テレキネシス】心領域第3レベルの呪文。念動力で手を触れずに物体を動かす。
【メテオスウォーム】地領域第7レベル、最高位の攻撃呪文。複数の隕石を範囲内に落とす。範囲内のどこに落ちるかはランダムだが、衝撃と爆発の重なり具合によっては攻撃呪文屈指の破壊力が生まれる。
「合成発動……オペレーションメテオ!!」
ガイの叫びとともに5個の隕石が降って来た。それは空中で不自然に軌道を変え、地面に着弾し爆発する!
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「ヒャッハー! ケイト帝国軍でなけりゃ遠慮は無用なんだよな!」
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