そして倫理は崩壊し、落日の魔法使いはダンジョンの発生した世界に沈む

ナントナクカイテク三号

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1章

6 どうしようもない朝の一発目

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 翌日だか翌朝だかよくわからんが目が覚めた。

    当然、時刻はわからない。

    体はバッキバキに筋肉痛だ。この部屋に魔物は発生していない。壊滅後のモンスターハウスは安全ということだろうか。

 栄養のある木の実を齧り水で流す。このままでは戦闘に支障をきたすのでストレッチなどをすると幾分かましになった。

 昨日手に入れた軽鎧を身につけて動いてみるとさほど違和感はなかった。

 選んだ新しいショートソードを腰に挿して気合を入れなおす。

    通路への道は入ってきた壁を少し叩くとすぐに崩れて姿を現した。

「ぎぃゃぁ?」

「いきなりかよ!?」

 丁度その時運悪く通路にいたゴブリンが襲い掛かってくる。オレは驚きつつも盾で棍棒を流し、ゴブリンの不用心に開いた体に、ショートソードを突き刺す。

    間抜けなゴブリンはあっけなく栄養のある木の実3個に変わった。

    本当に呆気なかった。

「スキルレベルを上げたおかげ?」

 刺したとき非常にスムーズだったのは気のせいだろうか。それに、ショートソードの刃を見てみるがどこにも傷はついてはいなかった。

    ドッロップしたものを回収して気を取り直す。

 ここはダンジョンだ。

 気を抜いた者から死んでゆくと自分に言い聞かせる。

 相変わらずの黒みがかった床だ。壁も同じだ。

 見飽きるようなそれらの凸凹に罠があるのではないのかと警戒しながら紫色の光に照らされ、奥へと進む。

    何の面白みはないが警戒だけは怠ることが出来ない。目だけではない。耳も使う。

「ん?足音?」

 暫くすると足をするような足音が聞こえた。それも恐らく複数。何かを引きずっているようだった。

 オレは盾を構え、ショートソードを体の後ろに隠すように構える。

「ま、待ってくれ、俺たちは人間だ!」

 姿を視認できるようになった彼らは、声を上げながら走ってくる。人数は三人。大学生くらいの男二人に背中に背負われた女が一人。

    男の内、女を背負っていない方は足を引きずって槍を杖にするような形で走っていた。

 よく見ると後ろからはゴブリン3体ほどが、狩りを楽しむかのように追いつくか追い付かないといった形で追い立てていた。既に20メートルもないが一応聞いておこう。

「助けは必要っすか?」

「頼む!!」

 額から汗を垂らし、女の人を背負った人と目が合う。オレは庇うように前に出た。

    ゴブリンたちも追いつくと足を止めて下衆な笑みを浮かべている。手には等しく棍棒。一つは血に濡れていた。

    そういえば背負われた女の人が頭から血を流していた。その人だったらよくもまあ身長差のある相手に頭を殴られたものである。

 考察は後にして目の前の敵に集中だ。前の方にいたゴブリンは歩調を緩めながら乱入者たるオレに邪魔をするなとばかりに無暗矢鱈に棍棒を振り回す。

    振り切ったところに盾を押し付けて行動できなくしてから押し倒す。とどめはさせないものの頭を打ち付けたようで棍棒を手放し両手で抑えて蹲っている。

    その間に残り二体が襲い掛かってくる。攻撃される前に一端下がると同時にかかって来たので、片方の攻撃を盾で壁に抑えることで防ぎつつ、もう片方のゴブリンを右手のショートソードで突き刺す。

    狙ったのは腹。装備をなにもしていなかったので呆気なく刺さる。

 しかし、それで殺せるものでもない。左手の盾で抑えているゴブリンの抵抗は激しい。

    オレは胴体からねじる様にして突き刺した剣をひねる。そして引き抜いた。そのゴブリンは口から血を流して倒れる。

 盾で押さえつけたままのゴブリンはそのまま地面に盾を壁のようにして倒す。そのまま胴体を踏んでショートソードを首に刺した。

    足元のゴブリンは消え去り、残るゴブリンも同じように処理した。

 ドロップは低級ポーション3個だった。

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