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神様の密かな楽しみ!

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地下に避難していた人々をエニシが追っ払い、巨大なミコと小さなアキラだけがその場に残った。

「つまり、エニシとか言う神様に体を乗っ取られているのか?」

アキラはミコの手の平の上に座りこんで、話を聞いていた。

『乗っ取るとは罰当たりな言い方じゃな』

泣き顔のミコの表情に高飛車なエニシの表情が入れ替わる。

『我はそなたたちが結ばれるよう努力しておるだけじゃ』
「えっ?僕たち二人を?」

アキラは思わず驚き、ミコを見上げた。ミコは顔をそむけた。

「ア、アキラさん、お見合いの方どうだった?」
「相手の方が僕を見捨てて、さっさと逃げたみたいだね」
「ごめんなさい!私のせいなのね。」
「気にしなくていいよ。破談になってせいせいしたし」

アキラはニッと笑った。
ミコは一瞬嬉しそうな笑顔を見せかけて、
慌てて神妙な顔を取り繕った。

『ほれ、ミコ殿!今じゃ、今こそ告白の時じゃぞ!』
「でも……私は……」
『え―――い!面倒じゃ!ホイ!』
ミコの手が襟首をつかみ、大きく胸元を開けた。
ちぎれかけていたブラジャーがショックで外れて落ちる!
「キャッ!!」
「ミ、ミコ……ちゃ……」

小振りな胸がアキラの視野一杯に広がる。
小振りとは言ってもちょっとした家一軒分くらいはある巨大な柔肌のドームである!

「わわっ!」

アキラは胸の中に放り込まれた!
ゼリーのように柔らかく震える乳房から滑り落ちそうになり、必死にしがみつく。

「ひぃン?ア、アキラさん、そこは……あぁン……」

ミコはついつい、悩ましげな声を出してしまった。
アキラはちょうど乳首にしがみついていたのだ。

「ミ、ミコちゃん!動かないで!」

はだけた衣の下からアキラの声が聞こえてくる。

「で、でもそんなとこを触られたら……ん……」
『どうじゃな、聞こえるじゃろう?ミコ殿の胸の高鳴りが!伝わるじゃろう、アキラ殿への熱い思いが!』

エニシの言葉に合わせるように鼓動が乳房を激しく揺らし、肌が熱を帯びてくるのがアキラにはハッキリと分かった。
乳首がアキラの腕の中で堅くなり、倍以上に膨れ上がった。

「ええ、まあ、その、スゴく、伝わってきます!(動揺)」
「アキラさん……恥ずかしい(赤面)」
『よしよし、では次はアキラ殿の心を伝えて貰おうかのぉ』
シュルン……
「えっ?エニシちゃん!何すんのよ!」

ミコの手が緋袴の帯を解いてしまったのだ!

パサッ。

ずり落ちた袴は広い道路さえ覆い隠すほどの大きさ!

『もちろん、アキラ殿の思いを伝えていただくのじゃ。』
ビリビリビリ!

ブツブツ言いながらエニシはパンティを破り捨ててしまった!
「キャ―――!アキラさんの前で何するのヨォ!」
「ウワッァァァ!」

航空機騒音を遥かに越える絶叫に、アキラは思わず乳首から手を離してしまった!
襟から落下した先は高さ100m以上の路面!

「ウワァァァ……」
「アキラさん!」

だが、死のダイビングの一歩手前で大きな手が彼を受け止めた。

「アキラさん!大丈夫?」
『あぶなかったのう。気をつけねばいかんぞ』

落ちついたエニシの声だが、転落の原因を作ったのも彼女だ。

ズシィン!

ミコは腰を下ろした。
そしてアキラを乗せた手を……黒い恥毛の草原へと下ろした。

「ああ、そんな恥ずかしいところへアキラさん……を……ッッッ!」
『アキラ殿、おぬしはミコ殿をどう思っておる?』

ミコの抗議を力ずくでねじ伏せてエニシは尋ねた。

「ど、どうって?その……」
『言葉で答えるには及ばぬ。行動で示して欲しいのじゃ』

慈愛に満ちた優しい言葉であった。
それが彼を決心させた。

「アキラさん!え?エエッ!」

アキラの行動はミコを驚かせた。
彼は何も言わずにいきなり上着を脱ぎ捨てたのだ。
上着だけではない、シャツもズボンもパンツさえも!

「ミコちゃん・・・これが僕の、正直な気持ちだよ!」

アキラは背丈より高く生い茂る黒い藪に分け入った!

「アキラさん、そこは……やめて!アッ!イヤッ!イ……」

ミコの体は動かなくなった。
エニシが金縛りをかけたのだろう。

「これがミコちゃんのクリト……でかいな……」

黒いねじくれた藪の途切れたところにそれはあった。
スイカ並みの大きさのツルリとしたものが顔をのぞかせている。
アキラは恐る恐る、それに触れた。

「アッ……」
ズズズズズ!

足元がグラグラと揺れ、アキラはミコの体から落ちそうになり、手近な恥毛に必死につかまった。

「感じているのか、ミコちゃん」

アキラは数本の剛毛を命綱がわりに体に巻きつけった。

「文字通り、命がけの愛撫というわけか」

再び慎重に這いよって、スベスベしたクリトリスの表面に顔を近づけた。

「やめて、アキラさん?アッ、アッ!」

別の、新しい感触が走った。
舌だ。
小さな舌先が敏感な部分を這いまわっている。

「あああ!や、やめ……あ、う……」
『ぬうぅぅぅ?人間にしてはなかなかのテクニシャン!』
グォン!

ミコの腰が凄い勢いで跳ね上がる!
大通りの左右の崩れかけていたビルがガラガラと崩壊していく。
アキラも空中に放り出されそうになり、必死に剛毛のロープにしがみつく。

「クッ……振り落とされてたまるもんか!」

猛烈な臭気が、すぐ下の亀裂から蒸気とともに噴出してくる。
アキラは蚤の気分を味わいながらも、絶対に引き下がらなかった。

「嫌……こんなことをするアキラさんなんて……」
『ミコ殿、それは違うぞ』

初めて聞くエニシの真剣な声であった。

『アキラ殿はただ欲望のままに動いているのではないぞ。我に命じられたからでもない。全てミコ殿のためじゃ』
「私のため……?」
『ミコ殿を喜ばせたい一心で危険もかえりみず、こうして精一杯頑張っておられるのじゃ』
「命がけで私を……」

ミコは自分の秘所を覗いた。
絡み付く恥毛の中で悪戦苦闘する小さくて、かよわくて、懸命な男の姿を。

「アキラさん……」

ミコは小さな虫を捕まえるように、アキラをそっと摘み上げた。

「わっ?ミコちゃん……」

アキラの目の前に大きな唇があった。
ゆっくりと、力強く小さな全身が大きく柔らかなくちづけを受けた。

「ん、アキラさん……」
「わぁ……ミコ……」

巨大な舌がアキラの全身をくまなく舐めとり、味わった。

(ん、アキラさんの汗と私の愛液の混じりあった味……美味しい)

ズル……巻きついた舌が上半身を唇の内側に抱きこんだ。
濡れた粘膜がアキラをしっかり捕らえ、鍾乳洞を思わせる口腔の奥から湿った、暖かい甘い吐息が吹きつけてくる。

(ミコちゃんになら……このまま食べられてもいい……)

危険な考えがアキラの頭をかすめた。

(アキラさん、誰にも渡したくない!このまま食べちゃって、ひとつになりたい……)

猛烈な独占欲がミコの精神に芽生え始める。
だが、アキラは食われることなく再び口の外に戻された。

「ずっと言えなかったけど……好きです、アキラさん」
「僕こそ言えなかったけど、今は言える。愛してるよ」

アキラの小さな体が巨大な黒い瞳に、鏡のように映っていた。

『縁は無事、結ばれそうじゃのぅ』

エニシの満足そうな声で二人はハッと我に帰った。

「無事かどうかは分かりませんがね」

照れ笑いするアキラの目には壊滅した首都の廃墟が見えていた。

「あの、縁結びは終わったのでしたら私を元の大きさに……」

彼を食べて消化吸収して一体になりたい。
さっきまでの強烈な欲望に抵抗できる自信はミコにはなかった。
早く元に戻してもらわなければ、自分を押さえきれなくなる。

『いや、まだじゃな』

エミシは首を横に振った。

「えっ?」
『仕事は最後まできっちり確認せんとな』
「最後って・・・あ、あれ?」

アキラをつまんだミコの右手がまたも動き出した。
再び、秘所に向かって!

『もちろん、子宮の疼きをアキラ殿に体感していただかねば!』
「ちょっと、それは無理よ!」
「第一、僕とじゃ大きさが『太平洋に針』じゃないですか!」
『まあまあ、ここは経験豊富な我に任せておけ!』

アキラの目の前に剛毛に隠された巨大な粘膜の亀裂が迫る!

「ウワァァァ!ブッ!」

蒸気を上げるホカホカした粘膜に押し付けられてもがくアキラ。


ガシッ!

呑みこまれる寸前でミコの左手が右手首を掴んだ!

『ミコ殿!何ゆえ邪魔をいたすか?』
「私の中に入れたら、アキラさん、窒息しちゃうでしょ!」
『大丈夫じゃ、ミコ殿の胎内は今、神気に溢れておる!十日や二十日は中で元気に頑張れるわい!』
「十日も二十日も私がやってらんないわよ!」
『これだけが楽しみで地味な縁結びの仕事しとるというのに!しまった!つい、本音が……』
「他人の体を使って楽しまないでよ、もう!」
『どうしても駄目か?』
「当然でしょ!」
『残念じゃの……すごく気持ちいいのに……』
「えっ、本当なの?」

気を取られた一瞬、左手の力が緩んだ。

『しめた、隙あり!』
「あっ、しまった!」
「うわぁぁぁ……」
ズポッ、にゅるるるん……

アキラのちっぽけな体はミコの内側へと押し込まれてしまった。

「……入っちゃっ……た!た、助けなきゃ!」

呆然としていたミコだったが、自分の中へ指を突っ込もうとした。

『待て!むやみに指を入れては危険じゃ!アキラ殿を押し潰してしまうやもしれんぞ!』
「で、でも、このままじゃ……」
『心配は要らん、後はアキラ殿に全て任せるのじゃ!』
「任せるって……ん?あっ……」

ミコの内側で何かが動き始めた。
とても小さな何かが……
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