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1章 日常と冒険者の少女
4話 職業を選択する裸族と冒険者の少女
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私はゴブリンから剥ぎ取った魔石と、グラナディラをカウンターのお姉さんに渡す。
ちくしょう。座っているお姉さんを上から見下ろすと見える大きな胸が羨ましい。そして私の何倍あるんだ。切り落としてやろうか?
……自分の煩悩が浅ましい。
「お、今日はゴブリンを上手く殺せたんだねぇ。昨日は虫が嫌だって帰って来たのにぃ。魔石は7個で銀貨2枚とぉ、銅貨1枚だよぉ。グラナディラは採取依頼だったから銅貨5枚ぃ。合わせて銀貨2枚の、銅貨6枚だよぉ!!明日も頑張ってねぇ、セフィちゃん」
「ふふ。今日は虫を燃やしてしっかり仕留めましたよ、シュリさん。しかも魔力でダガーを覆っているから手入れいらず。魔力の操作が上手いと良いですね」
「あ、そういえば!」
「はい?」
貰ったお金を大事に布巾着に仕舞いながらシュリさんと話していると、急にシュリさんが顔を近づけてきた。
……ヤバイ。そっち系の趣味は無くともシュリさんは美人だからなぁ。顔が赤くなる。そして逸らすように下を見ると……胸は……うん。大きなことで。
大変切り落としたくなる胸ですね。
「ギルドの説明を受けた時に職業の事って説明したよね?」
「え?あ、はい。確か銀貨1枚で職業を登録出来て、登録するとその職業にあったスキルを取得し易くなってステータスも上がるという……まさか、今日登録するとか?」
「察しが良いねぇ。そ、職業は登録するとぉ、様々な恩恵を受け取れるからねぇ。それに、あ、これは上位職の人にしか関係ないけど、指名依頼も受けやすくなるからねぇ。ま、ギルドのは2つまでしか職業は決められないからぁ」
私は全財産の入っている布巾着を見る。銀貨4枚に銅貨3枚。確かに魔物を倒しやすくなるのなら銀貨1枚はすぐ取り戻せるだろう。それに、これから増えていくリューくんの食費を考えるとそれが妥当のような気がする。
そして私は職業を決める最大の理由を思い浮かべた。
「虫はコンゼツスベキ」
「え?何ぃ?」
「いえ、はい、やります」
少し背中に寒気が走ったが、やはり虫は根絶すべきだろう。あの、黒い大群は怖すぎる。ん?
「セフィちゃん、じゃぁ、あそこの部屋の前にいるおじさんに銀貨1枚渡してねぇ」
「……あ、はい。ありがとうございます」
「また明日ねぇ~」
シュリさんと別れの挨拶を済ませると、私はシュリさんに言われた方向へ歩いていく。
「本当にこっちの方向にあるのかな?って、あった。こんな影にあるのか。カウンターから見たら絶対に見えないな。おじゃましま……す……え!?」
角をを曲がってすぐの所にある扉へ入ると、中には如何にも私がお爺さんです。といった風貌のお爺さんだいた。
普通のお爺さんと一線を越えている所は片方の目に眼帯を付けている所とビキニを付けた変態、いや裸族と記入しておこう。裸族なことだ。そして性欲が最強。
私は目を逸らしながら話掛けた。
「すいません、お爺さん。職業を決めたいのですが……?」
「ほう、そうかそうか。では、少しこの水晶を触っておくれ」
「水晶?」
そんな物、どこにもないけど?
「じゃ、これを触っておくれ」
「ひぃ!!」
お爺さんはあらぬことか、唯一身に着けている下着から水晶を取り出す。
どこに入る隙間があったのか大変疑問に思ったけど、大きかった下着が急に小さくなったことから性欲が最強だったわけではなく水晶があっただけだ。
正直に言うと、お爺さんのアレに触れていた生暖かい水晶なんか触りたくないけど、触らなければ何も始まらない。
意を決して私は水晶に触った。
その瞬間に肌に流れてくる情報の数々。
生暖かいことや、湿っていること変なちりちりの毛がついていたりなど無駄な情報もあったけど、私がなれる職業を水晶はたくさん示してくれた。
使い魔の――私の場合はリューくん――ステータスを上昇させたり使い魔を契約によって増やす『魔物調教師』や、火の魔術や水の魔術の威力向上やMPの上昇を促す各属性の魔術師。変わり者には隠密を持っているからか『影』や『暗殺者』などもあった。
その中で私が候補にしたのは5つ。
1つ目がリューくんの事を考え『魔物調教師』。理由はリューくんのただでさえ高いと思われるステータスの向上。
2つ目は1つ目と同じ理由で『竜騎士』。理由は簡単な意思疎通や、竜と騎士どちらも大幅にステータスのアップが見込めるから。
3つ目は一点特化ではないから効果は下がるけど、それでもステータスがアップする『魔女』。これはMPと魔法力の上昇が主でその他はおまけ。
4つ目は3つ目と同じ理由で『魔法使い』。こちらはMPは少ししかアップしないが、魔法力と属性の付いている魔法の威力が上がる。
5つ目は私の自慢できる素早さの底上げ、要するに身体能力の向上を目的とした『レンジャー』。これは素早さが大きく上がり、攻撃も上がる。MPも『魔法使い』よりは上がる。
でも、よく考えると魔法は間に合ってるかも。ゴブリンには魔法のこけおどしと、ダガーで終了だ。
MPも人に比べたら多いから『魔女』と『魔法使い』は切り捨て。
『魔物調教師』も、リューくん以外は調教する予定はないから切り捨て。
ありゃ、『竜騎士』と『レンジャー』しか残っていないや。この二つでしか決められないな。
結論を付けてから職業を設定する。なんというか身体能力が上がった感は凄い。
「決まりました」
「そうかそうか……じゃ、私はいつでもいるから、変更したくなったらいつでも来てね」
「へ?」
急に口調が変わって女性らしくなったお爺さんに戸惑う。
え、いや、まさか、そんな訳……
「その口調……」
「あら、私仕事中はちゃんとする主義なの。だから終わったからも・と・ど・お・り♪」
その日、私は無我夢中でギルドから走り去った。
ちくしょう。座っているお姉さんを上から見下ろすと見える大きな胸が羨ましい。そして私の何倍あるんだ。切り落としてやろうか?
……自分の煩悩が浅ましい。
「お、今日はゴブリンを上手く殺せたんだねぇ。昨日は虫が嫌だって帰って来たのにぃ。魔石は7個で銀貨2枚とぉ、銅貨1枚だよぉ。グラナディラは採取依頼だったから銅貨5枚ぃ。合わせて銀貨2枚の、銅貨6枚だよぉ!!明日も頑張ってねぇ、セフィちゃん」
「ふふ。今日は虫を燃やしてしっかり仕留めましたよ、シュリさん。しかも魔力でダガーを覆っているから手入れいらず。魔力の操作が上手いと良いですね」
「あ、そういえば!」
「はい?」
貰ったお金を大事に布巾着に仕舞いながらシュリさんと話していると、急にシュリさんが顔を近づけてきた。
……ヤバイ。そっち系の趣味は無くともシュリさんは美人だからなぁ。顔が赤くなる。そして逸らすように下を見ると……胸は……うん。大きなことで。
大変切り落としたくなる胸ですね。
「ギルドの説明を受けた時に職業の事って説明したよね?」
「え?あ、はい。確か銀貨1枚で職業を登録出来て、登録するとその職業にあったスキルを取得し易くなってステータスも上がるという……まさか、今日登録するとか?」
「察しが良いねぇ。そ、職業は登録するとぉ、様々な恩恵を受け取れるからねぇ。それに、あ、これは上位職の人にしか関係ないけど、指名依頼も受けやすくなるからねぇ。ま、ギルドのは2つまでしか職業は決められないからぁ」
私は全財産の入っている布巾着を見る。銀貨4枚に銅貨3枚。確かに魔物を倒しやすくなるのなら銀貨1枚はすぐ取り戻せるだろう。それに、これから増えていくリューくんの食費を考えるとそれが妥当のような気がする。
そして私は職業を決める最大の理由を思い浮かべた。
「虫はコンゼツスベキ」
「え?何ぃ?」
「いえ、はい、やります」
少し背中に寒気が走ったが、やはり虫は根絶すべきだろう。あの、黒い大群は怖すぎる。ん?
「セフィちゃん、じゃぁ、あそこの部屋の前にいるおじさんに銀貨1枚渡してねぇ」
「……あ、はい。ありがとうございます」
「また明日ねぇ~」
シュリさんと別れの挨拶を済ませると、私はシュリさんに言われた方向へ歩いていく。
「本当にこっちの方向にあるのかな?って、あった。こんな影にあるのか。カウンターから見たら絶対に見えないな。おじゃましま……す……え!?」
角をを曲がってすぐの所にある扉へ入ると、中には如何にも私がお爺さんです。といった風貌のお爺さんだいた。
普通のお爺さんと一線を越えている所は片方の目に眼帯を付けている所とビキニを付けた変態、いや裸族と記入しておこう。裸族なことだ。そして性欲が最強。
私は目を逸らしながら話掛けた。
「すいません、お爺さん。職業を決めたいのですが……?」
「ほう、そうかそうか。では、少しこの水晶を触っておくれ」
「水晶?」
そんな物、どこにもないけど?
「じゃ、これを触っておくれ」
「ひぃ!!」
お爺さんはあらぬことか、唯一身に着けている下着から水晶を取り出す。
どこに入る隙間があったのか大変疑問に思ったけど、大きかった下着が急に小さくなったことから性欲が最強だったわけではなく水晶があっただけだ。
正直に言うと、お爺さんのアレに触れていた生暖かい水晶なんか触りたくないけど、触らなければ何も始まらない。
意を決して私は水晶に触った。
その瞬間に肌に流れてくる情報の数々。
生暖かいことや、湿っていること変なちりちりの毛がついていたりなど無駄な情報もあったけど、私がなれる職業を水晶はたくさん示してくれた。
使い魔の――私の場合はリューくん――ステータスを上昇させたり使い魔を契約によって増やす『魔物調教師』や、火の魔術や水の魔術の威力向上やMPの上昇を促す各属性の魔術師。変わり者には隠密を持っているからか『影』や『暗殺者』などもあった。
その中で私が候補にしたのは5つ。
1つ目がリューくんの事を考え『魔物調教師』。理由はリューくんのただでさえ高いと思われるステータスの向上。
2つ目は1つ目と同じ理由で『竜騎士』。理由は簡単な意思疎通や、竜と騎士どちらも大幅にステータスのアップが見込めるから。
3つ目は一点特化ではないから効果は下がるけど、それでもステータスがアップする『魔女』。これはMPと魔法力の上昇が主でその他はおまけ。
4つ目は3つ目と同じ理由で『魔法使い』。こちらはMPは少ししかアップしないが、魔法力と属性の付いている魔法の威力が上がる。
5つ目は私の自慢できる素早さの底上げ、要するに身体能力の向上を目的とした『レンジャー』。これは素早さが大きく上がり、攻撃も上がる。MPも『魔法使い』よりは上がる。
でも、よく考えると魔法は間に合ってるかも。ゴブリンには魔法のこけおどしと、ダガーで終了だ。
MPも人に比べたら多いから『魔女』と『魔法使い』は切り捨て。
『魔物調教師』も、リューくん以外は調教する予定はないから切り捨て。
ありゃ、『竜騎士』と『レンジャー』しか残っていないや。この二つでしか決められないな。
結論を付けてから職業を設定する。なんというか身体能力が上がった感は凄い。
「決まりました」
「そうかそうか……じゃ、私はいつでもいるから、変更したくなったらいつでも来てね」
「へ?」
急に口調が変わって女性らしくなったお爺さんに戸惑う。
え、いや、まさか、そんな訳……
「その口調……」
「あら、私仕事中はちゃんとする主義なの。だから終わったからも・と・ど・お・り♪」
その日、私は無我夢中でギルドから走り去った。
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