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1章 日常と冒険者の少女
6話 虫と冒険者の少女
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森へ入ると、様々な虫と会う。
それは魔力を殆ど持たない蚊や蠅であったり、毒を持つセアカゴケグモや同じく毒を持つ蛾、茶毒蛾であったりなどだ。他にも毒魔法という魔法を使って獲物を仕留める虫もいるけど。
仕掛けた罠を前に、今更ながらだけどギルドで聞いたゴブリンを餌にする時の注意事項を思い出した。
それはすなわち
『ゴブリンを使った罠をする時は必ず周辺に虫除けの魔法や道具を使っておく。さもなければ……』
集まった虫はゴブリンを食いに集まった獲物を喰らい、獲物が無くなると虫同士で喰らい合う。そして最後の一匹は強い虫に進化しているだろう。
さもなければ、の後の変な言葉は忘れたけど確かこんな感じの意味だったような気がする。
後、確かゴブリン限定な訳じゃないから魔物だったような気がするけど……ま、良っか。今は目の前の事の方が大事だ。
「そしてそれが実現しているなんてなぁ~」
穴の中にある骨の大きさから見て集まった獲物は全員低ランクではないという事が分かる。
けれども骨の影にいる虫を見てそんなに安堵は出来ない。
たくさんの足を持っている姿は多分魔力を持った蜈蚣かなんかだったのだろう。今では50cmほどに成長しているから全然分からない。要するに蜈蚣だった筈の虫があそこまで成長していると言う事はあの虫に集まった憎しみや怨念、魔力の量は半端ない筈。
多分CかBランクはいっている筈だ。
ちなみにランクはGからLS+まであって、Dランクからは-と+がつく。AからはAA、AAAのS、SSでLSだ。
というかこの虫がいる時点で私に出来る事と言ったら街へ逃げ帰って助けを求めるしかない。
リューくんにしっかり説明して逃げるか!!
「リューくん、今日は街へもう帰るよ。絶対に静かにね!!返事き―――――」
「グるる!!」
「ひぃ!?リューくん声大きい―――――」
くちゃくちゃくちゃくちゃくちゃくちゃ
後ろで砂の上を大きな物体擦っているような音がした。いや、断じて認めたくないけど足がたくさんうごいているような気がする。それになんか溶けるようなシュ―――っていう音も。
そう思うと同時に後ろ、すなわち罠だったものの方からたくさんの足音が聞こえなくなった。
でも、いまだにシュ―――という音は聞こえている。おまけに言うと木の枝がバキバキとたくさん踏まれて折れて行った音もいやというほど耳に入った。
そっと後ろを振り向くと……
蜈蚣だった。
「……いや、ここは冷静に冷静に」
一瞬意識飛んだけど、冷静な部分が自分に言い聞かせてくる。
セフィール、冷静な人間は自分に冷静に、などと言わないでしょ?と。
……って、何非常時に考えてるの!?
「リューくん、ここは刺激しないようにそっとね、そっと逃げるよ」
2回言ったのはリューくんに理解させるためだ。
忘れていたけど、職業が『竜騎士』で意志が伝わりやすくなっているからリューくんは聞いてくれるだろう。
そして、そっと動く私に蜈蚣の目が動く私を追いかけてるような気がするが気のせいだろう。
「リューくん、そっとだ―――――」
「グるるる!!」
後ろ振り向くと同時にリューくんは氷属性のブレスを吐いた。
「……」
うわー、リューくんの氷のブレスは綺麗だな。やっぱりリューくんてレベル上がると新しいブレス使えるようになるんだね。前までは使えなかったもんね―――――――……
うん。リューくんが攻撃したなんて気のせいだよね。
リューくんが攻撃したなんて気のせい……な訳なーい!!
「ひぃ!?なんで私に液体撃ってくるの!?攻撃したのリューくん……って、きゃーーー!?もう無理もう無理!!良いわ!!死んでやろうじゃない!!蜈蚣、覚悟しなさい!!ファイヤランス!!」
リューくん最近私の話聞いてくれなくない!?
本当に私『竜騎士』なの!?
それは魔力を殆ど持たない蚊や蠅であったり、毒を持つセアカゴケグモや同じく毒を持つ蛾、茶毒蛾であったりなどだ。他にも毒魔法という魔法を使って獲物を仕留める虫もいるけど。
仕掛けた罠を前に、今更ながらだけどギルドで聞いたゴブリンを餌にする時の注意事項を思い出した。
それはすなわち
『ゴブリンを使った罠をする時は必ず周辺に虫除けの魔法や道具を使っておく。さもなければ……』
集まった虫はゴブリンを食いに集まった獲物を喰らい、獲物が無くなると虫同士で喰らい合う。そして最後の一匹は強い虫に進化しているだろう。
さもなければ、の後の変な言葉は忘れたけど確かこんな感じの意味だったような気がする。
後、確かゴブリン限定な訳じゃないから魔物だったような気がするけど……ま、良っか。今は目の前の事の方が大事だ。
「そしてそれが実現しているなんてなぁ~」
穴の中にある骨の大きさから見て集まった獲物は全員低ランクではないという事が分かる。
けれども骨の影にいる虫を見てそんなに安堵は出来ない。
たくさんの足を持っている姿は多分魔力を持った蜈蚣かなんかだったのだろう。今では50cmほどに成長しているから全然分からない。要するに蜈蚣だった筈の虫があそこまで成長していると言う事はあの虫に集まった憎しみや怨念、魔力の量は半端ない筈。
多分CかBランクはいっている筈だ。
ちなみにランクはGからLS+まであって、Dランクからは-と+がつく。AからはAA、AAAのS、SSでLSだ。
というかこの虫がいる時点で私に出来る事と言ったら街へ逃げ帰って助けを求めるしかない。
リューくんにしっかり説明して逃げるか!!
「リューくん、今日は街へもう帰るよ。絶対に静かにね!!返事き―――――」
「グるる!!」
「ひぃ!?リューくん声大きい―――――」
くちゃくちゃくちゃくちゃくちゃくちゃ
後ろで砂の上を大きな物体擦っているような音がした。いや、断じて認めたくないけど足がたくさんうごいているような気がする。それになんか溶けるようなシュ―――っていう音も。
そう思うと同時に後ろ、すなわち罠だったものの方からたくさんの足音が聞こえなくなった。
でも、いまだにシュ―――という音は聞こえている。おまけに言うと木の枝がバキバキとたくさん踏まれて折れて行った音もいやというほど耳に入った。
そっと後ろを振り向くと……
蜈蚣だった。
「……いや、ここは冷静に冷静に」
一瞬意識飛んだけど、冷静な部分が自分に言い聞かせてくる。
セフィール、冷静な人間は自分に冷静に、などと言わないでしょ?と。
……って、何非常時に考えてるの!?
「リューくん、ここは刺激しないようにそっとね、そっと逃げるよ」
2回言ったのはリューくんに理解させるためだ。
忘れていたけど、職業が『竜騎士』で意志が伝わりやすくなっているからリューくんは聞いてくれるだろう。
そして、そっと動く私に蜈蚣の目が動く私を追いかけてるような気がするが気のせいだろう。
「リューくん、そっとだ―――――」
「グるるる!!」
後ろ振り向くと同時にリューくんは氷属性のブレスを吐いた。
「……」
うわー、リューくんの氷のブレスは綺麗だな。やっぱりリューくんてレベル上がると新しいブレス使えるようになるんだね。前までは使えなかったもんね―――――――……
うん。リューくんが攻撃したなんて気のせいだよね。
リューくんが攻撃したなんて気のせい……な訳なーい!!
「ひぃ!?なんで私に液体撃ってくるの!?攻撃したのリューくん……って、きゃーーー!?もう無理もう無理!!良いわ!!死んでやろうじゃない!!蜈蚣、覚悟しなさい!!ファイヤランス!!」
リューくん最近私の話聞いてくれなくない!?
本当に私『竜騎士』なの!?
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