9 / 65
炊事の次は
しおりを挟む
それは、ちょっと考えればすぐに気づくはずの事態であった。
こうなることに気づかなかった俺の失態といわざるを得ない。
俺の目の前には、男心をくすぐる女性フェロモンをまき散らしている「洗濯物」の山。
「ねえキミ達、明日からどうするの?」
「明日から着るものがなくなってしまいました、ゲンボクちゃん」
アリスはこの事態がどれくらいやばいのかは飲み込めているようだな。
「で、そこの全裸ロリ、キミは何かないのかな?」
「着るものがないので着ていないの、ところで、ゲンボクちゃんの顔が怖いの」
ため息しか出ねえ。
「あのね小町、お前はその格好で明日役場に行くつもりなの?」
「まだエプロンがあるの」
ロリの裸エプロンは犯罪だよなあ。
バスタオルを身体に巻いただけのアリスと、裸にエプロン姿の小町二人を前にして、俺は威圧的に腕を組んでみる。
「ところで、キミたちは何で洗濯をしようと思わなかったの?」
「洗濯は苦手なんです」
アリスはド直球だな。
「動いている洗濯機は怖いの」
小町もいい加減に、料理道具以外の器具と一般常識に慣れさせないとなあ。
「わかった、今回は俺が何とかする」
今から全部洗って、明日の一着分だけでも無理やりアイロンをかけて乾かすか。
今日は徹夜だな。
するとアリスが媚びるような物言いで言いよってきた。
「ねえねえ、ゲンボクちゃん、お掃除とお洗濯ができる付喪って欲しくないですか?」
何言ってんだアリスは。
お前は小町の時もそうだったけれど、自分の欲求を俺に代償させてはダメだろう。
ところが無言で洗濯を続ける俺に、小町もすり寄ってきた。
「小町もお掃除とお洗濯ができるお友達が欲しいの」
まあ、アリスと小町の言うことにも一理ある。
俺も楽になるし。
「でもな、付喪を増やしたら、家族も増えちゃうけれどいいの?」
「私は毎晩ゲンボクちゃんからお情けをいただければそれだけで」
アリスは毎晩が当然なんだ。
「小町は三日に一回くらいで大丈夫なの」
ん?
大丈夫ってどういうことだ?
「わかった、三人目の付喪を招くとしよう、その代り、お前らも協力するんだぞ」
なんだ、その二人して満々の笑みでのハイタッチは。
しかし、冷静に掃除用具を探してみると、なかなか穴の開いたものが見つからない。
これは結構大変かな。
と、なんだい小町?
「ゲンボクちゃん、これなの!」
小町が自慢げにオレに突き出してきたのは、洗濯機の排水チューブ。
「大きな穴だから、ゲンボクちゃんの分身もすっぽり入るの!」
「そうか、よく探したな小町。でもな、洗濯機を付喪にしてしまったら、何を使って洗濯をさせるつもりなんだ?」
「あっ」
べそをかかなくていい。
お前はよくやった、小町よ。
ほら、お前が敬愛するお姉さまが、何かを持って息せき切って走ってきたぞ。
もう俺は嫌な予感しかしないけれどな。
「ゲンボクちゃん、この穴はどうかしら!」
「アリスお前ね、俺に苦行を求めているの?」
「そんなことないですわ、これは棒状のものを輪にした、まさしく穴ですわ!」
そう言いながらアリスが自慢げに俺に突き出した物体。
それは「亀の子たわし」というシロモノ。
「で、俺はこのたわしに向かって、何をすればよろしいのでしょうか」
「まあ、ゲンボクちゃんったら、わかっているくせに」
アリス、さっきから口調が変わっているよ。なんで頬を赤らめているんだ?
あとな、小町は飽きたようで既にちゃぶ台に顔を埋めて居眠りを始めているぞ。
「ここは大人の刺激ですわ! このイガイガがたまりませんわゲンボクちゃん」
それはまた露骨なことを言うねアリスは。
さすが大人のお人形さん出身だよ。
でもね、たわしでイクのって、やかん以上にありえないんですけれど。
「こんなこともあろうかと、これをとっておきましたわゲンボクちゃん!」
そう言いながら、アリスが自慢げにオレに差し出したのは、量販衣料店のチラシ。
ああ、ショッピングモールへ買い物に行った時にもらってきたのを、大切にとっておいたんだな。
ちなみにこの村では、新聞は第三種郵便扱いで郵便局から届くので、チラシなんぞない。
まあそもそも、村役場以外の誰も新聞契約などしていないのだけれどな。
「この方とか、いかがでしょう!」
アリスが指さしたのは、秋冬物の服をお召しになっている清楚な熟年女性モデルさん。
お前はこの写真でイケというのね。
これって少年週刊誌のアイドルグラビアよりハードルが高いと思うけれどね。
「私も手伝いますから!」
「ん?」
そしたらアリスは、たわしとチラシを俺の前に置くと、アリス自身は俺の後ろに回って、こんなろくでもないことを、俺の耳元で囁きやがった。
「おばさんが、し・て・あ・げ・る」
おばさんシチュエーションだと!
これはまたニッチなところを攻めてくるなアリス!
よし、ここはイマジネーションで頑張るか。
引き続き頼むぞアリス。
エネルギー充填完了!
こうなることに気づかなかった俺の失態といわざるを得ない。
俺の目の前には、男心をくすぐる女性フェロモンをまき散らしている「洗濯物」の山。
「ねえキミ達、明日からどうするの?」
「明日から着るものがなくなってしまいました、ゲンボクちゃん」
アリスはこの事態がどれくらいやばいのかは飲み込めているようだな。
「で、そこの全裸ロリ、キミは何かないのかな?」
「着るものがないので着ていないの、ところで、ゲンボクちゃんの顔が怖いの」
ため息しか出ねえ。
「あのね小町、お前はその格好で明日役場に行くつもりなの?」
「まだエプロンがあるの」
ロリの裸エプロンは犯罪だよなあ。
バスタオルを身体に巻いただけのアリスと、裸にエプロン姿の小町二人を前にして、俺は威圧的に腕を組んでみる。
「ところで、キミたちは何で洗濯をしようと思わなかったの?」
「洗濯は苦手なんです」
アリスはド直球だな。
「動いている洗濯機は怖いの」
小町もいい加減に、料理道具以外の器具と一般常識に慣れさせないとなあ。
「わかった、今回は俺が何とかする」
今から全部洗って、明日の一着分だけでも無理やりアイロンをかけて乾かすか。
今日は徹夜だな。
するとアリスが媚びるような物言いで言いよってきた。
「ねえねえ、ゲンボクちゃん、お掃除とお洗濯ができる付喪って欲しくないですか?」
何言ってんだアリスは。
お前は小町の時もそうだったけれど、自分の欲求を俺に代償させてはダメだろう。
ところが無言で洗濯を続ける俺に、小町もすり寄ってきた。
「小町もお掃除とお洗濯ができるお友達が欲しいの」
まあ、アリスと小町の言うことにも一理ある。
俺も楽になるし。
「でもな、付喪を増やしたら、家族も増えちゃうけれどいいの?」
「私は毎晩ゲンボクちゃんからお情けをいただければそれだけで」
アリスは毎晩が当然なんだ。
「小町は三日に一回くらいで大丈夫なの」
ん?
大丈夫ってどういうことだ?
「わかった、三人目の付喪を招くとしよう、その代り、お前らも協力するんだぞ」
なんだ、その二人して満々の笑みでのハイタッチは。
しかし、冷静に掃除用具を探してみると、なかなか穴の開いたものが見つからない。
これは結構大変かな。
と、なんだい小町?
「ゲンボクちゃん、これなの!」
小町が自慢げにオレに突き出してきたのは、洗濯機の排水チューブ。
「大きな穴だから、ゲンボクちゃんの分身もすっぽり入るの!」
「そうか、よく探したな小町。でもな、洗濯機を付喪にしてしまったら、何を使って洗濯をさせるつもりなんだ?」
「あっ」
べそをかかなくていい。
お前はよくやった、小町よ。
ほら、お前が敬愛するお姉さまが、何かを持って息せき切って走ってきたぞ。
もう俺は嫌な予感しかしないけれどな。
「ゲンボクちゃん、この穴はどうかしら!」
「アリスお前ね、俺に苦行を求めているの?」
「そんなことないですわ、これは棒状のものを輪にした、まさしく穴ですわ!」
そう言いながらアリスが自慢げに俺に突き出した物体。
それは「亀の子たわし」というシロモノ。
「で、俺はこのたわしに向かって、何をすればよろしいのでしょうか」
「まあ、ゲンボクちゃんったら、わかっているくせに」
アリス、さっきから口調が変わっているよ。なんで頬を赤らめているんだ?
あとな、小町は飽きたようで既にちゃぶ台に顔を埋めて居眠りを始めているぞ。
「ここは大人の刺激ですわ! このイガイガがたまりませんわゲンボクちゃん」
それはまた露骨なことを言うねアリスは。
さすが大人のお人形さん出身だよ。
でもね、たわしでイクのって、やかん以上にありえないんですけれど。
「こんなこともあろうかと、これをとっておきましたわゲンボクちゃん!」
そう言いながら、アリスが自慢げにオレに差し出したのは、量販衣料店のチラシ。
ああ、ショッピングモールへ買い物に行った時にもらってきたのを、大切にとっておいたんだな。
ちなみにこの村では、新聞は第三種郵便扱いで郵便局から届くので、チラシなんぞない。
まあそもそも、村役場以外の誰も新聞契約などしていないのだけれどな。
「この方とか、いかがでしょう!」
アリスが指さしたのは、秋冬物の服をお召しになっている清楚な熟年女性モデルさん。
お前はこの写真でイケというのね。
これって少年週刊誌のアイドルグラビアよりハードルが高いと思うけれどね。
「私も手伝いますから!」
「ん?」
そしたらアリスは、たわしとチラシを俺の前に置くと、アリス自身は俺の後ろに回って、こんなろくでもないことを、俺の耳元で囁きやがった。
「おばさんが、し・て・あ・げ・る」
おばさんシチュエーションだと!
これはまたニッチなところを攻めてくるなアリス!
よし、ここはイマジネーションで頑張るか。
引き続き頼むぞアリス。
エネルギー充填完了!
1
あなたにおすすめの小説
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
ヤンデレ美少女転校生と共に体育倉庫に閉じ込められ、大問題になりましたが『結婚しています!』で乗り切った嘘のような本当の話
桜井正宗
青春
――結婚しています!
それは二人だけの秘密。
高校二年の遙と遥は結婚した。
近年法律が変わり、高校生(十六歳)からでも結婚できるようになっていた。だから、問題はなかった。
キッカケは、体育倉庫に閉じ込められた事件から始まった。校長先生に問い詰められ、とっさに誤魔化した。二人は退学の危機を乗り越える為に本当に結婚することにした。
ワケありヤンデレ美少女転校生の『小桜 遥』と”新婚生活”を開始する――。
*結婚要素あり
*ヤンデレ要素あり
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
クラスメイトの美少女と無人島に流された件
桜井正宗
青春
修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。
高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。
どうやら、漂流して流されていたようだった。
帰ろうにも島は『無人島』。
しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。
男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?
ママはヤンママ女子高生! ラン&ジュリー!!
オズ研究所《横須賀ストーリー紅白へ》
キャラ文芸
神崎ラン(♂)の父親の再婚相手は幼馴染みで女子高生の高原ジュリー(♀)だった。
ジュリーは金髪美少女だが、地元では『ワイルドビーナス』の異名を取る有名なヤンキーだった。
学校ではジュリーは、ランを使いっ走りにしていた。
当然のようにアゴで使われたが、ジュリーは十八歳になったら結婚する事を告白した。
同級生のジュリーが結婚するなんて信じられない。
ランは密かにジュリーの事を憧れていたので、失恋した気分だ。
そう言えば、昨夜、ランの父親も再婚すると言っていた。
まさかとは思ったが、ランはジュリーに結婚相手を聞くと、ランの父親だと判明した。
その夜、改めて父親とジュリーのふたりは結婚すると報告された。
こうしてジュリーとの同居が決まった。
しかもジュリーの母親、エリカも現われ、ランの家は騒然となった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる