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2度目のお買いもの
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「ゲンボクちゃん、朝ご飯ができたの」
「洗濯も終わったよ。アリスもいい加減そろそろ起きたらどうだい?」
うう。
まだ寝足りない目を開けると、そこにはロリとお姉さんの急かすような顔が並んでいる。
あれ、一人足りねえぞ。
って、右腕に感じる心地よい重みの感覚はアレだよな。
右を見ると、アリスが俺の腕に頭を乗せながら、幸せそうな顔で可愛い寝息を立てていた。
「ちょっとキミ、そこに座りなさい」
まだ寝ぼけているアリスを居間に連れて行き、座布団の上に座らせる。
「何でしょうかゲンボクちゃん」
「ねえ、なんでキミだけ寝ていたの? 他の二人はお仕事をしていたのにさ」
「私のお仕事は、ゲンボクちゃんにお仕えすることですから」
そうですか、そんなしおらしい表情をされると俺も切なくなるよ。
気持ちは切なくなっても、その表情に下半身が反応するのは別らしい。
「それでは二人の仲直りの印に、もう一度寝室に戻ろうか」
「はい、ゲンボクちゃん!」
ところが今日はすぐに制止の突っ込みが入ってしまった。
「今日はやめて! ゲンボクちゃんもアリスも早くご飯を食べて!」
珍しく焦っているな小町は。
必死の表情も可愛いよ。
お前と寝室に行こうかな。
などと妄想していると、今度はエミリアが抗議の声を上げた。
「二人とも時計を見なさいな! このままだとショッピングモールの開店に間に合わないわよ!」
焦るお姉さんの表情も何とも言えない。
朝から辛抱たまらん。
よし、先にエミリアと戦闘を開始するかな。
などと不届きなことを思い浮かべていると、小町とエミリアから同時に突っ込みが入った。
「寝ぼけてないのゲンボクちゃん!」
「アリスもさっさと着替えてきな!」
そこで俺は我に返った。
あ! もう六時三十分じゃねえか!
昨日七時には家を出るって大威張で宣言したばかりだよオレ!
「まあ大変、早く寝室で済ませましょうゲンボクちゃん」
「アリス、さすがにここは空気を読め!」
寝室に俺を引きずりこもうとするアリスをなんとか食卓に引きずり返し、小町がこしらえてくれた朝食を四人で急いで食べ、小町とエミリアが食後の洗い物をしている間に、オレとアリスで役場の金庫から仮払いした小口現金の金額と、商品明細の最終確認を済ませる。
あー、小町とエミリアのご機嫌が斜めだね。
それもそうだよな、
今朝は完全に俺が悪い。
どうやってリカバリーしようかな。
そうだ、あれを渡しておくか。
ただいま一行は農道をドライブ中。
運転席には俺。
助手席は空。
で、後ろのシートでは、朝の一件はなかったことのように、女性三人で楽しくあれこれとおしゃべり中。
よかったぜ二人の機嫌が直って。
俺が小町とエミリアに渡したのは、ショッピングモールの「ウェブチラシ」をプリントアウトしたもの。
それを手にした小町とエミリアはとたんに機嫌が良くなった。
ただいまの時間は、三人がそれぞれ何を買うのかで盛り上がっている。
オーディオやラジオのスイッチを入れなくても、三人から漏れてくる会話に耳を傾けているだけで楽しくなってくる。
「アリスとエミリアは、きのことたけのこ、どっちが好きなの?」
「私はきのこかしら、最初にぐっとくる圧力がたまりませんわ」
「あたしはたけのこかな、じわじわと広げられていく感覚が被虐心をくすぐられてしまうね」
顔に似合わず朝から下ネタかよ。
絶対小町は何の話かわかってねえだろうな。
ああ、小町のきょとんとした表情を見られないのがつらいぜ。
「二人とも、これを食べるとそんなになっちゃうの?」
「あら、これのことなの?」
「なんだいお菓子の話かい」
小町がチラシに、きのことたけのこを発見したようだな。
そう言えば特売になっていたなあ。
多分恥ずかしさに真っ赤になっているであろうアリスとエミリアの表情も拝みたいぜ。
そんなこんなで、あっという間に三時間が過ぎ、俺たちは無事目的地に到着した。
がらがらの駐車場に愛車を止めると、俺たちは田舎のショッピングモールに足を踏み入れたんだ。
まずはスーパーからだな。
よし、御用聞き分を先に済ませるとしよう。
「お前らショッピングカートを押して俺についてこい」
買い物はアリスがまとめてくれた明細のお陰で、順調に進んだ。
魚介類はアリスのカート、お菓子は小町のカート、野菜はエミリアのカート、酒や日用品は俺のカートにまとめていく。
これまではスーパーと愛車の間を四往復はしていたのが、今日は一回で済む。
これなら買物に三十分もかからないな。
レジを通したらスーパー備え付けの氷とドライアイスを魚介が入ったスチロール箱にぶち込み、野菜が入った段ボール箱と一緒に、後部シートを倒した車に積み込んでやる。
時計の針は十時二十分。
それでは本日のメインイベントだ。
「それじゃあ十一時二十分まで自由行動にしよう。アリスには五万円、小町には一万円を渡しておくからな。エミリアはとりあえず俺と一緒に普段着を買いに行くぞ」
「わかりました」
「わかったの」
「はいよ」
事前に車内で決めていた通り、アリスは専門店街、小町は先程買い物をしたスーパーマーケットにいそいそと向かっていった。
「それじゃあエミリアも量販衣料店内を適当に見ておいで、俺は入口のベンチで待っているからさ」
興味深そうに店内に入っていくエミリアを見送りながら、俺はモールに設置されたベンチに腰をおろした。
「洗濯も終わったよ。アリスもいい加減そろそろ起きたらどうだい?」
うう。
まだ寝足りない目を開けると、そこにはロリとお姉さんの急かすような顔が並んでいる。
あれ、一人足りねえぞ。
って、右腕に感じる心地よい重みの感覚はアレだよな。
右を見ると、アリスが俺の腕に頭を乗せながら、幸せそうな顔で可愛い寝息を立てていた。
「ちょっとキミ、そこに座りなさい」
まだ寝ぼけているアリスを居間に連れて行き、座布団の上に座らせる。
「何でしょうかゲンボクちゃん」
「ねえ、なんでキミだけ寝ていたの? 他の二人はお仕事をしていたのにさ」
「私のお仕事は、ゲンボクちゃんにお仕えすることですから」
そうですか、そんなしおらしい表情をされると俺も切なくなるよ。
気持ちは切なくなっても、その表情に下半身が反応するのは別らしい。
「それでは二人の仲直りの印に、もう一度寝室に戻ろうか」
「はい、ゲンボクちゃん!」
ところが今日はすぐに制止の突っ込みが入ってしまった。
「今日はやめて! ゲンボクちゃんもアリスも早くご飯を食べて!」
珍しく焦っているな小町は。
必死の表情も可愛いよ。
お前と寝室に行こうかな。
などと妄想していると、今度はエミリアが抗議の声を上げた。
「二人とも時計を見なさいな! このままだとショッピングモールの開店に間に合わないわよ!」
焦るお姉さんの表情も何とも言えない。
朝から辛抱たまらん。
よし、先にエミリアと戦闘を開始するかな。
などと不届きなことを思い浮かべていると、小町とエミリアから同時に突っ込みが入った。
「寝ぼけてないのゲンボクちゃん!」
「アリスもさっさと着替えてきな!」
そこで俺は我に返った。
あ! もう六時三十分じゃねえか!
昨日七時には家を出るって大威張で宣言したばかりだよオレ!
「まあ大変、早く寝室で済ませましょうゲンボクちゃん」
「アリス、さすがにここは空気を読め!」
寝室に俺を引きずりこもうとするアリスをなんとか食卓に引きずり返し、小町がこしらえてくれた朝食を四人で急いで食べ、小町とエミリアが食後の洗い物をしている間に、オレとアリスで役場の金庫から仮払いした小口現金の金額と、商品明細の最終確認を済ませる。
あー、小町とエミリアのご機嫌が斜めだね。
それもそうだよな、
今朝は完全に俺が悪い。
どうやってリカバリーしようかな。
そうだ、あれを渡しておくか。
ただいま一行は農道をドライブ中。
運転席には俺。
助手席は空。
で、後ろのシートでは、朝の一件はなかったことのように、女性三人で楽しくあれこれとおしゃべり中。
よかったぜ二人の機嫌が直って。
俺が小町とエミリアに渡したのは、ショッピングモールの「ウェブチラシ」をプリントアウトしたもの。
それを手にした小町とエミリアはとたんに機嫌が良くなった。
ただいまの時間は、三人がそれぞれ何を買うのかで盛り上がっている。
オーディオやラジオのスイッチを入れなくても、三人から漏れてくる会話に耳を傾けているだけで楽しくなってくる。
「アリスとエミリアは、きのことたけのこ、どっちが好きなの?」
「私はきのこかしら、最初にぐっとくる圧力がたまりませんわ」
「あたしはたけのこかな、じわじわと広げられていく感覚が被虐心をくすぐられてしまうね」
顔に似合わず朝から下ネタかよ。
絶対小町は何の話かわかってねえだろうな。
ああ、小町のきょとんとした表情を見られないのがつらいぜ。
「二人とも、これを食べるとそんなになっちゃうの?」
「あら、これのことなの?」
「なんだいお菓子の話かい」
小町がチラシに、きのことたけのこを発見したようだな。
そう言えば特売になっていたなあ。
多分恥ずかしさに真っ赤になっているであろうアリスとエミリアの表情も拝みたいぜ。
そんなこんなで、あっという間に三時間が過ぎ、俺たちは無事目的地に到着した。
がらがらの駐車場に愛車を止めると、俺たちは田舎のショッピングモールに足を踏み入れたんだ。
まずはスーパーからだな。
よし、御用聞き分を先に済ませるとしよう。
「お前らショッピングカートを押して俺についてこい」
買い物はアリスがまとめてくれた明細のお陰で、順調に進んだ。
魚介類はアリスのカート、お菓子は小町のカート、野菜はエミリアのカート、酒や日用品は俺のカートにまとめていく。
これまではスーパーと愛車の間を四往復はしていたのが、今日は一回で済む。
これなら買物に三十分もかからないな。
レジを通したらスーパー備え付けの氷とドライアイスを魚介が入ったスチロール箱にぶち込み、野菜が入った段ボール箱と一緒に、後部シートを倒した車に積み込んでやる。
時計の針は十時二十分。
それでは本日のメインイベントだ。
「それじゃあ十一時二十分まで自由行動にしよう。アリスには五万円、小町には一万円を渡しておくからな。エミリアはとりあえず俺と一緒に普段着を買いに行くぞ」
「わかりました」
「わかったの」
「はいよ」
事前に車内で決めていた通り、アリスは専門店街、小町は先程買い物をしたスーパーマーケットにいそいそと向かっていった。
「それじゃあエミリアも量販衣料店内を適当に見ておいで、俺は入口のベンチで待っているからさ」
興味深そうに店内に入っていくエミリアを見送りながら、俺はモールに設置されたベンチに腰をおろした。
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