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よかったなおっさん
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「へえ、本気じゃねえかおっさんどもは」
アージュは、やる気満々のいで立ちでやってきたキュールとヴァントの姿に向けて、うれしそうな表情を浮かべながら挑発した。
しかしキュールも自信満々だ。
「まさか。なんで私たちがあなた方のような子供に本気にならなければならないのですか? これは試験ですよ。それじゃツァーグ、鍛錬場をお借りしますよ」
そうした二人のやり取りに、ヴァントは訳わからんといった様子だ。
ということで、一行はリスペルの先導で風俗組合の戦闘団が使用していた鍛錬場へと向かった。
すると入口に、一人の女性が立っていた。
「あたしも混ぜておくれよ」
楽しそうに話しかけてきたおばはんに向けて、ツァーグが露骨に表情をゆがめた。
「マジっすか支配人」
彼女は魔導のローブで身を包んだ、風俗組合支配人のラーデンであった。
「ガキどもから提示された条件を飲むには、それなりの実力ってのを見せてもらわなきゃあね」
「でも、あのガキどもはマジで強いっすよ」
「ふん、あたしだって多少は腕に覚えがあるさ」
あちゃあといった表情を浮かべながらツァーグは脳内で計算を始めた。
ここで支配人を引き留めるべきか、それとも。
一瞬だけツァーグはにやりと口元をゆがめた。
ここはプライドを折ってもらうとしましょうか。
ということで、ツァーグはそれ以上ラーデンを引き留めるのは止め、事務的に試合の準備を進め始めたのだ。
「こっちはオレとクラウス、それにナイねーちゃんだけど、対戦のご指名はあるか?」
アージュからの挑発にキュールとラーデンも余裕の構えだ。
「お任せしますよ」
「なら、剣士と斧士、魔術師と魔術師、オレと商人って組み合わせでどうだい?」
アージュにはわかっていた。
三人の中で一番頭に血が上っているのが、実はキュールだということがだ。
だからあえてクラウスはキュールのことを「商人」と呼んで、彼を挑発してみた。
「いいでしょう」
キュールは商人呼ばわりされた挑発が見事にヒットし、額に青筋を浮かべながらも、作り笑いでアージュに答えた。
ということで、試合開始。
まずは第一試合。
「ちょっと待て、なんで俺がナイちゃんと勝負をしなきゃならんのよ?」
いまだ何が起きているのか理解できていないヴァントが、不満そうにキュールへと文句を言った
「そもそもアージュはいつの間にあんなに口の利き方が汚いガキになっちまったんだ?」
ヴァントの疑問も当然だ。
しかしキュールはヴァントのツボを押さえている。
「まあまあ、まずはナイさんにいいところを見せるチャンスですよ」
と、ヴァントを逆にそそのかした。
「そうか? それに不満はないけれどよ」
見事にヴァントはその気になった。
しかし一方のナイは、お腹がいっぱいのためなのか、いまいちやる気が出ていない様子だ。
「ねえアージュ、どうしてもやらなきゃダメなの?」
「今晩も無事に夕食を食いたいならな」
「頑張る」
アージュに夕食を引き合いに出されたナイは、途端に臨戦態勢となった。
「それでは審判はあっしが務めさせていただきやす。いいっすねアージュ」
恐らくは支配人のラーデンを意識しての、へりくだった言い回しで申し出たツァーグに、アージュも「構わないよ」と手を振った。
「それでは中央へ!」
ツァーグの指示でナイは長刀を左の腰に差したまま、ヴァントは峰打ちのために戦斧の背を前に向けた状態で対峙する。
「ねえ、殺しちゃっていいの?」
素朴なナイの質問にツァーグはやれやれといった風情で答えた。
「さすがに殺しは勘弁して下せえ。ま、一応治癒結界は張ってやすから、即死攻撃以外は何でもいいっすよ」
そんなナイにヴァントは驚いた。
この娘、俺に勝つつもりか。
するとここでヴァントはいいことを思いついた。
「言ってくれるねえナイちゃん。それじゃあこうしないか?」
「なあに?」
「俺が勝ったら、俺とデートしてくれないか?」
「私が勝ったら?」
「かぼちゃの甘露煮亭で、お肉盛り合わせの焼きと煮込みを食べ放題」
「乗ったわ!」
二人が交わしたやり取りを聞いて、アージュとクラウスは露骨につまらなそうな様子になる。
「あーあ、おっさんは余計なことを」
「これは決まっちゃったね」
そんな二人にベルとフントは不思議そうに問いかけた。
「なんで決まりなの?」
「ナイさんが勝つとは思うが、相手も相当の手練れだろ?」
するとアージュとクラウスも、まあいいかと立ち直った様子で二人の疑問に答えた。
「まあ見てな、ナイねーちゃんもアホじゃないからな」
「フントおにーちゃんにはいい勉強になるかもね」
などと四人で言っている間に、ツァーグは右腕をあげた。
「開始!」
次の瞬間、場内は静寂に包まれた。
ただ一人の嬉しそうな声を除いて。
なぜなら、試合開始と同時にナイは閃光の速度でヴァントが持つ戦斧の柄を中央で切り落とすと、返す刀でヴァントの首筋に刃をあてがったから。
その後、戦斧の頭は何の音もたてずにゆっくりとヴァントの足元に自由落下すると、ざっくりと小さな音を立てて地面に突き刺さったのだ。
ヴァントはそのままの状態で凍り付いた。
「な?捕食者を舐めちゃいけないぜ」
「お肉が関わったナイおねーちゃんは最強だね」
アージュとクラウスからの、それ見たことかといった言葉に、ベルとフントは引きつった。
「ナイさんを怒らせた瞬間に首が飛ぶのか」
「これが蟲の姫・孤高の最凶って奴か」
当然のことながら、キュールとラーデンも顔を引きつらせている。
それは首筋に刃をあてられたままのヴァントも同様だ。
一方でツァーグとリスペルは、やれやれと言った表情で、ツァーグはナイの勝ちを宣言し、リスペルはヴァントの足元に突き刺さった戦斧の頭を、硬直したままのヴァントのために拾ってやった。
「ねえヴァントさん、今はお腹がいっぱいだから、これから町を二人で散歩してから食べ放題でもいいかしら?」
ナイはその無邪気な顔をヴァントに近づけながら、そう小首をかしげた。
ここでやっとヴァントは我に返った。
「あ、ああ。驚いたよナイちゃん」
「そう? ところで早くお散歩に行きましょうよ」
既にナイの頭にはおなかをすかせてからお肉を目いっぱいほおばることしかない。
「アージュ、いいでしょ? 私だってバカじゃないから、すぐに出かけられるようにヴァントさんの腕や足を切り落とさなかったんだから!」
「わかったわかった」
アージュからそう手を振られたナイは、ヴァントが右腕に握っていた戦斧の柄を近くにいたリスペルに渡し、自分の左腕を空いたヴァントの右腕を差し入れると、鍛錬場の出口までヴァントを引きずって行ってしまった。
するとナイとヴァントは背後から再びアージュに声を掛けられた。
「おーいナイねーちゃん。夕食代わりに俺たちの分の肉も包んでもらってきてくれ」
「わかったわ! お土産もいいかしらヴァントさん!」
そう甘えてくるナイに、ヴァントはやっとタナボタナイスな状況を理解できた。
「お、おう、任せておけ!」
こうして二人は町へと消えてしまった。
訳が分からないままキュールに巻き込まれたヴァントは、愛用の戦斧こそ修理に出さねばならないが、こうして報われたのである。
ナイに宿の食堂で肉を奢る。
その前に腹ごなしのために二人で町を一周する。
それを世間ではデートというのだ。
ヴァントは試合に負けて勝負に勝った。
よかったなおっさん。
アージュは、やる気満々のいで立ちでやってきたキュールとヴァントの姿に向けて、うれしそうな表情を浮かべながら挑発した。
しかしキュールも自信満々だ。
「まさか。なんで私たちがあなた方のような子供に本気にならなければならないのですか? これは試験ですよ。それじゃツァーグ、鍛錬場をお借りしますよ」
そうした二人のやり取りに、ヴァントは訳わからんといった様子だ。
ということで、一行はリスペルの先導で風俗組合の戦闘団が使用していた鍛錬場へと向かった。
すると入口に、一人の女性が立っていた。
「あたしも混ぜておくれよ」
楽しそうに話しかけてきたおばはんに向けて、ツァーグが露骨に表情をゆがめた。
「マジっすか支配人」
彼女は魔導のローブで身を包んだ、風俗組合支配人のラーデンであった。
「ガキどもから提示された条件を飲むには、それなりの実力ってのを見せてもらわなきゃあね」
「でも、あのガキどもはマジで強いっすよ」
「ふん、あたしだって多少は腕に覚えがあるさ」
あちゃあといった表情を浮かべながらツァーグは脳内で計算を始めた。
ここで支配人を引き留めるべきか、それとも。
一瞬だけツァーグはにやりと口元をゆがめた。
ここはプライドを折ってもらうとしましょうか。
ということで、ツァーグはそれ以上ラーデンを引き留めるのは止め、事務的に試合の準備を進め始めたのだ。
「こっちはオレとクラウス、それにナイねーちゃんだけど、対戦のご指名はあるか?」
アージュからの挑発にキュールとラーデンも余裕の構えだ。
「お任せしますよ」
「なら、剣士と斧士、魔術師と魔術師、オレと商人って組み合わせでどうだい?」
アージュにはわかっていた。
三人の中で一番頭に血が上っているのが、実はキュールだということがだ。
だからあえてクラウスはキュールのことを「商人」と呼んで、彼を挑発してみた。
「いいでしょう」
キュールは商人呼ばわりされた挑発が見事にヒットし、額に青筋を浮かべながらも、作り笑いでアージュに答えた。
ということで、試合開始。
まずは第一試合。
「ちょっと待て、なんで俺がナイちゃんと勝負をしなきゃならんのよ?」
いまだ何が起きているのか理解できていないヴァントが、不満そうにキュールへと文句を言った
「そもそもアージュはいつの間にあんなに口の利き方が汚いガキになっちまったんだ?」
ヴァントの疑問も当然だ。
しかしキュールはヴァントのツボを押さえている。
「まあまあ、まずはナイさんにいいところを見せるチャンスですよ」
と、ヴァントを逆にそそのかした。
「そうか? それに不満はないけれどよ」
見事にヴァントはその気になった。
しかし一方のナイは、お腹がいっぱいのためなのか、いまいちやる気が出ていない様子だ。
「ねえアージュ、どうしてもやらなきゃダメなの?」
「今晩も無事に夕食を食いたいならな」
「頑張る」
アージュに夕食を引き合いに出されたナイは、途端に臨戦態勢となった。
「それでは審判はあっしが務めさせていただきやす。いいっすねアージュ」
恐らくは支配人のラーデンを意識しての、へりくだった言い回しで申し出たツァーグに、アージュも「構わないよ」と手を振った。
「それでは中央へ!」
ツァーグの指示でナイは長刀を左の腰に差したまま、ヴァントは峰打ちのために戦斧の背を前に向けた状態で対峙する。
「ねえ、殺しちゃっていいの?」
素朴なナイの質問にツァーグはやれやれといった風情で答えた。
「さすがに殺しは勘弁して下せえ。ま、一応治癒結界は張ってやすから、即死攻撃以外は何でもいいっすよ」
そんなナイにヴァントは驚いた。
この娘、俺に勝つつもりか。
するとここでヴァントはいいことを思いついた。
「言ってくれるねえナイちゃん。それじゃあこうしないか?」
「なあに?」
「俺が勝ったら、俺とデートしてくれないか?」
「私が勝ったら?」
「かぼちゃの甘露煮亭で、お肉盛り合わせの焼きと煮込みを食べ放題」
「乗ったわ!」
二人が交わしたやり取りを聞いて、アージュとクラウスは露骨につまらなそうな様子になる。
「あーあ、おっさんは余計なことを」
「これは決まっちゃったね」
そんな二人にベルとフントは不思議そうに問いかけた。
「なんで決まりなの?」
「ナイさんが勝つとは思うが、相手も相当の手練れだろ?」
するとアージュとクラウスも、まあいいかと立ち直った様子で二人の疑問に答えた。
「まあ見てな、ナイねーちゃんもアホじゃないからな」
「フントおにーちゃんにはいい勉強になるかもね」
などと四人で言っている間に、ツァーグは右腕をあげた。
「開始!」
次の瞬間、場内は静寂に包まれた。
ただ一人の嬉しそうな声を除いて。
なぜなら、試合開始と同時にナイは閃光の速度でヴァントが持つ戦斧の柄を中央で切り落とすと、返す刀でヴァントの首筋に刃をあてがったから。
その後、戦斧の頭は何の音もたてずにゆっくりとヴァントの足元に自由落下すると、ざっくりと小さな音を立てて地面に突き刺さったのだ。
ヴァントはそのままの状態で凍り付いた。
「な?捕食者を舐めちゃいけないぜ」
「お肉が関わったナイおねーちゃんは最強だね」
アージュとクラウスからの、それ見たことかといった言葉に、ベルとフントは引きつった。
「ナイさんを怒らせた瞬間に首が飛ぶのか」
「これが蟲の姫・孤高の最凶って奴か」
当然のことながら、キュールとラーデンも顔を引きつらせている。
それは首筋に刃をあてられたままのヴァントも同様だ。
一方でツァーグとリスペルは、やれやれと言った表情で、ツァーグはナイの勝ちを宣言し、リスペルはヴァントの足元に突き刺さった戦斧の頭を、硬直したままのヴァントのために拾ってやった。
「ねえヴァントさん、今はお腹がいっぱいだから、これから町を二人で散歩してから食べ放題でもいいかしら?」
ナイはその無邪気な顔をヴァントに近づけながら、そう小首をかしげた。
ここでやっとヴァントは我に返った。
「あ、ああ。驚いたよナイちゃん」
「そう? ところで早くお散歩に行きましょうよ」
既にナイの頭にはおなかをすかせてからお肉を目いっぱいほおばることしかない。
「アージュ、いいでしょ? 私だってバカじゃないから、すぐに出かけられるようにヴァントさんの腕や足を切り落とさなかったんだから!」
「わかったわかった」
アージュからそう手を振られたナイは、ヴァントが右腕に握っていた戦斧の柄を近くにいたリスペルに渡し、自分の左腕を空いたヴァントの右腕を差し入れると、鍛錬場の出口までヴァントを引きずって行ってしまった。
するとナイとヴァントは背後から再びアージュに声を掛けられた。
「おーいナイねーちゃん。夕食代わりに俺たちの分の肉も包んでもらってきてくれ」
「わかったわ! お土産もいいかしらヴァントさん!」
そう甘えてくるナイに、ヴァントはやっとタナボタナイスな状況を理解できた。
「お、おう、任せておけ!」
こうして二人は町へと消えてしまった。
訳が分からないままキュールに巻き込まれたヴァントは、愛用の戦斧こそ修理に出さねばならないが、こうして報われたのである。
ナイに宿の食堂で肉を奢る。
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それを世間ではデートというのだ。
ヴァントは試合に負けて勝負に勝った。
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