オカルト探偵倶楽部 

八咫烏

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序章

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「ねぇねぇ知ってる?最近の無差別殺人事件」

「あー知ってる知ってる。貞薪市ら辺で上半身にバツマークされている遺体がゴミ捨て場で見つかった奴でしょ?」

「そうそう…それで…ここだけの話だけど…」

「うんうん」

「これって実は……」


ここ貞薪市は、日本で5番目に桜が綺麗だとされている市で、貞薪桜饅頭がとても有名で観光に来た人達にも好評とされている。

桜の花が風に舞っている時期の事
貞薪高校と言うとてつもなく平凡で何も特徴がないこの学校

そんな学校の職員室に先生二人を困らせる生徒がいた。

「お願いします!!」

黒髪でイケメンでもブスでもない普通の顔の男子生徒が先生達に向かってお辞儀をした。

「あー…坂本竜馬(サカモト リュウマ)君だっけ? 無理だよここにオカルト部とかくだらない部活を作るのは」

先生達は面倒臭そうな様子だった。

「でも!作りたいんです!!」
とこの様に先生達が反対しても根気よくお願いするのを繰り返していた。

「それじゃあお前を含め5人部員を集めたら作ってやるよ」
 
と奥の方に黒い髭の先生が大声で言った。

「あっありがとうございます!」
と竜馬はその先生にお辞儀をし職員室を後にした。

「いいんですか…?」
一人の先生が少し驚いた表情だ。

「いやいや~ この世の中 オカルトに興味あるやつなんかいねぇーよ 一人も部員作れないって」大笑いをした。

「うーむ…通すれば~」と放課後の誰もいない静かな教室で椅子に座り込んで考え込む竜馬

「何考えてるの?面白い事?」
とふわふわした声が後ろから聞こえた。

竜馬は振り向くと誰もいなかった。
(まさかな…)と思いながら前を向くとそこには天然の白髪の小さくて可愛らしい女子がいた。
「うぁわ!…驚いた…」

「へぇへぇへ~驚いた~同じクラスの羽田 白(ハネタ シロ) だよ~ よろしくね~」

「よ…よろしく…」

「で…今、何を考えてたのー教えてー」
少し興味があるようだ。

「オカルト部を作ろうとしているけど…」

「オカルト部!!!! 入る!!」

「へぇー…」

「えっ!?」
いきなりの返答に竜馬は追い付かなかった。

「これから!よろしくね!あだ名はシロでいいよ!」

「ああ!よろしく!悪いんだけど!部活はまだ作り中なんだ!」

「なんでぇ?」とシロは頭を傾げた。
シロに部活を作るにはあと三人の部員が必要だと説明した。

「うーむ オカルト好きか…オカルト…オカルト本…本…図書…図書室! 図書室に行けばオカルト好きに会えるかも!」
意外にもシロは名案を出した。

「そうか…じゃあ図書室に行ってみようか」

竜馬とシロは図書室行き誰かいるかどうか探した。

するとふわふわな椅子に座っている褐色肌で赤っぽい黒髪でいかに体育系の見た目の女子がいた。
その子が持っている本はなんと怖い心霊の写真の本だったのだ。

シロは尽かさず
「もし!心霊に興味があれば!オカルト部に!」

「うるさーい!」

いきなりシロが大声を出したので先生に怒鳴られた。

「あのなー…シロ…図書室は静かにな…?」

「えへへ…忘れてた…」
シロは反省をした。

「あのー…オカルト部っすか?そんな部活ここの学校あったすかね?」と熱血女子が小声で言った。

「いやね…ないから俺が作ろうとしてるけど…人数が必要でね…この話は一旦、外でやりましょう…」
図書室に出て事情を話した

「そうすっか!!私も入りたいっす!!」
と言ってくれた。

「えっ?でも体育系の部活とか入ってそうだけど…(一応、この高校、掛け持ち禁止)」

「あー…大丈夫っす…色々あって運動系の部活は入らないっす…」
少し寂しそうな感じがした。

「あぁ…なんかごめんよ」

「大丈夫っす!あっ自己紹介が送れました!一年◯組の 熱理 蘭(アツリ ラン) っす!
よろしくお願いしまっす!」
蘭は礼儀よく挨拶をした。

とするとそれを聞きつけたのか帰宅しようとしていた一般人よりも大きな巨体を持っていてふっくらしている男が、こっちを見た。

それを、見逃さなかったシロはその男の方に急に走り込んで

「貴方も!オカルト部入りたいですか!!」と目をキラキラしながらスカウトした。

竜馬はまたシロが迷惑をかけたのでその男に近づこうとしたが、

「じゃあ入ります ディフフ」
あっさりと巨体の男がオカルト部に入ったのだ。

「えっえーといいんですか?」

「うむ オカルトだーいすきだし お主達にワイの推し怪異 さとうちん殿の話を聞かせる事ができるのであれば!あーそしてワイの名刺ですわい」

色々なデコレーションがされている名刺を渡してきた。

名刺には 大森 吃(オオモリ クイ) 
と書いてあった。

「大森!よろしく!」

「ディフフ よろしく」

なんやかんやで部活に必要な人数が後一人になりました。

「で…あと一人か…後はポスターで募集するとかかな…?」
竜馬が考えている時だった。

「俺も入らせてくれないか?」とメガネをした男が声が掛けてきた。

「えっ?いいの?やったー!これで部活成立だぁ!」とシロは喜んだ

「えぇ!いいのかよって…お前は…」
竜馬はその相手の顔をよく見ると幼馴染の本川 奏多(ホンカワ カナタ)だった。

本川は昔、竜馬に色んな怖い話や肝試しなどをして遊んだ思い出では竜馬が、オカルト好きになったキッカケでもあるのだが…

「おっ 久しぶりだな 竜馬」
中学が別々で小学生以来の再会で竜馬はとても嬉しかった。


「へー竜馬君の知り合い?」
とシロは言うと本川の事について話した。

「へぇーとっても面白いんだね!その怖い話!楽しみだなー」とウキウキしている様子

そして、部員が集まったので竜馬達は職員室に行き報告をした。

すると黒髪の先生は目玉が飛びそうな程の驚き様に少し蘭が笑いそうになったのを思い出す。

そう蘭はあの黒髭は性格の悪さを知ってるから笑ったのだ。

そして、後日 
先生達に案内され部室を借りる事が出来た。
その部室は長机が一台程度しか入らないスペースだったが、まぁしょうがないと思いながら部室に入っていった。

「改めてまして 俺はこのオカルト部の部長
坂本 竜馬 です。 よろしく」

「羽田 白でーす! シロって気軽に呼んでね」

「熱理 蘭 っす!よろしくっす!」

「本川 奏多 です。よろしくお願いします」

「大森 吃ですぞ! よろしく!」

と改めて自己紹介が終わった後、竜馬は立ち上がり

「さて今回、最近有名になった噂話をしましょう」

と話を始めた。






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